AERAムック「職場のうつ」
AERAムック「職場のうつ」(朝日新聞社)が発売されました。
概要はこうである。残念ながら、マインドフルネス心理療法の紹介はありません。
それが、日本ではまだ行う人が病院などにいないということをあらわしています。
普及するまでに10年はかかるでしょう。
また、情報がどのステップに該当するか分類してみました。
情報がない部分、治療法がない部分があります。大都市とそれ以外に区分すると、いよいよ、空白の地域があるでしょう。
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急性期 | 回復期前期 | 回復期後期
| 寛解
| 維持 | 治癒
| 再発の繰返
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(Step 1)
休養
薬物療法 |
(Step 2)
規則正しい生活
症状自己管理 |
(Step 3)
復職支援プログラム
心理療法(認知行動療法)(P78)
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(Step 4)
職場復帰
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(Step 5)
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(Step 6)
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(Step 7)
薬物療法だけの人は5割が再発している
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アエラで紹介していること(P )はアエラのページ
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(Step 1)
薬物療法(SSRI,SNRI)(P11,70) 薬の強化、切り替え
<難治性うつ病対策>
通電療法(P80)
磁気刺激療法(P82)
漢方療法(P84)
ストレスケア病棟(P86)
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(Step 2)
規則正しい生活
症状自己管理
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(Step 3)
東京・メディカルケア虎ノ門の
「復職支援マネジメントプログラム」
NPO法人MDAの「職場復帰支援プログラム」
地域障害者支援センターの「リワーク支援」(P26)
労働者健康福祉機構(全国のメンタルヘルス対策支援センターの一覧)
東京都立中部総合精神保健福祉センター の
「うつ病リターンワークコース」
うつ病リワーク研究会
に加入の病院
自宅デイケア
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(Step 4)
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(Step 5)
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(Step 6)
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(Step 7)
メディカルケア虎ノ門の「復職後の再休職予防」(認知行動療法)
再発予防の心得(P38)
「50%が再発すると言われている」(P38,71)。
再発防止のためには回復後も服用を続けるのがよい(P71)。
認知行動療法も受ける(P71,78)。
自助グループに参加。自分たちで作ることを支援する
NPO法人ひょうごセルフヘルプ支援センター
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アエラで紹介している相談窓口
- いのちの電話、保健所、精神保健福祉センター
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日本臨床心理士会(近くの臨床心理士を検索できる)
経済的支援
- 自立支援医療の自己負担の補助(市役所で手続き)(P30)
- 「精神障害者保健福祉手帳」を取得(P31)
初診から6カ月以上経過した人。優遇措置を受けることができる。
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説明
(Step 1)
- ストレスケア病棟(P86)
日本ストレスケア病棟研究会に加入の「うつ病の専門病院」
が全国に18ある。カウンセリング、デイケア、復職支援プログラムなどを行う。
(Step 3)
- 東京の
メディカルケア虎ノ門の「復職支援マネジメントプログラム」(P16)
初期3カ月・後期最低3カ月、(再発は20%程度)。転院が条件。
- 東京の
NPO法人MDAの「職場復帰支援プログラム」(P20)
ホームページに条件の記載がある(事務職。4年制大学卒・大学院卒業・海外留学経験者
(大学・大学院)が中心なので、グループワークで、対等に議論できるレベルの方。不
安障害は対象外)
「幹部候補の正社員を対象」(P21)、東京で、毎週土曜日にキャリアサポートセミナー、
毎週月〜水にBack To Work NEO、月2回の認知行動療法。
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自宅デイケア(P22)
近くに復職支援をする施設がない人は、自分で。22ページに箇条書きで紹介されてい
る。
- 地域障害者支援センターの「リワーク支援」(P26)
雇用事業主、主治医の合意が条件。
(Step 7)再発防止
メディカルケア虎ノ門
ホームページによれば「復職後の再休職予防」がある(認知行動療法)
- 企業、自治体のメンタルヘルス対策事例(P106)
-
東京電力=
予防に力を入れている。
- 大阪市役所=
復職支援のため「自己訓練記録表」
- ファイザー=
相談室設置、産業医と保健師。管理者にメンタルヘルス教育、支援マニュアル、
復職支援。
以上が、
「アエラ」の記事の一覧に近い。これは充実したデータ集である。
- (A)まず、最寄の精神科医、心療内科医の治療を受ける
- (B)それで治らないのであれば、多少遠くても、うつ病専門のストレスケア病棟
(P86)に加入の病院の
治療やカウンセリングをうける
- (C)それで軽くなって復帰が近いようであれば、復帰支援プログラムを受けるのがよ
い。
- (D)復帰しても5割は再発している。そこで、再発防止のために、「アエラ」では、認知行動療法を受ける、自助グループに参加する、自助グループを作ることがよいという。
これだけ充実していれば、治りそうなものだと思う。(A)だけで長びかせず、よくみて
くれる医者をさがすのがよい。(B)は薬物療法だけでなく、カウンセリングもある。ここ
までで大部分が改善しそうなものだ。
ただし、非定型うつ病は難治性の場合があるので、カウンセリングでも治らないよう
であれば、「非定型うつ病」でも扱ってくれる医者、カウンセラーをさがす。
この本でもいうように、薬物療法だけで復帰すると5割も再発(非定型うつ病も多いだろう)
しているので、
再発防止のために、認知行動療法を受ける場を作る、自助グループを作ることもよい。ただし
自助グループは薬物療法だけで治った人たちだけで会合を重ねるのではなくて、認知行動療法を学ぶ場としたほうがよい。自信のない人たちばかりで会合していて、共倒れになるとまずいだろう。
また、この「アエラ」の紹介するサービスでも地域によってまだ不充分である。これは、東京、企業で働いていて退職していないめぐまれた人たちのプログラムが中心である。また、地方では
薬物療法だけしか受けられない地域もあるし、認知行動療法のカウンセラーがいても、それでも治らない人がいる。
40歳、50歳まで立派に生きてきて、うつ病になった時、若いカウンセラー(認知行動療法は新しいので若い人が身につけている)から、「認知を変えなさい」と言われてもとまどう。認知行動療法のカウンセリングを続ける意欲を失うことがある。
女性、高齢者、子ども、家庭が不幸な場合のうつ病についても、上記の相談組織だけでは不充分である。
また、相談機関があっても支援を求めようとしない心理傾向の強い人もまだ対策が見えない。
いくつかの調査で誰にも相談せずに自殺する人が多いことが指摘されている。精神科医だけにかかって他に相談したら治るとは思いにくいのがうつ病である。コミュニケーションをとれない。うつ病とはそういう病気である。
相談のネットワークがあっても、強く「治る」と言いながら信じられるような治療を助言しないと、うつ病はどうしても死にたくなる病気である。薬物療法を受けると同時にうつ病に詳しい心理療法者(*)のケアを受けるような体制をすすめたほうがいい。うつ病は絶望の病気である。精神作用が制止して、相談すれば治るとも思えないような異常な心理になる深刻な病気である。薬物療法を開始しても希死念慮、自殺念慮は消えない。治らない期間が長くなるにつれ絶望が深まる。実存をおびやかされる病気であり、それをよく心得ていて治せるスキルを持つ心理療法者がよりそうべきである。やさしいだけでは、死にたい気持は変わらず深刻なうつ病は治らない。
(*)大部分の医者は、認知行動療法のスキルを持たないし、患者が多くて10分診療という実情から、心理療法の提供は経営上できない。おまけに認知行動療法も患者を指導するほどに熟練するのは簡単ではない。医者以外の心理療法者が必要である。