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高齢者の自殺 [2009年09月15日(火)]

高齢者の自殺

 せっかく仕事やほかのストレスにもたえてきたのに、 高齢になって自殺するのはなぜなのか。 高齢者の自殺は経済問題ではない。 健康問題である。
 身体の病気である。がんのような身体の病気から起きるうつ病である。 または、脳梗塞、脳卒中のような病気から起きる介護状態と認知症から起きる介護状態 である。そこからうつ病になる。
 それまで生き延びてこれたのになぜ、自殺するのか。 心理的なことが関係する。
 それまでは経済的には苦痛はなかった人たちである。
 外部に支援を求めれば種々の支援があるのに、これまでの生き方から同じような行動パ ターンがとられる。近所とつきあわない、家族(自分の子ども)ともコミュニケーショ ンをあまりとってこなかった、つらいことをつらいと本音を言わないで生きてきた。
 従来は身体が丈夫だったから、近所とも家族ともコミュニケーションをとらなくても 、夫婦二人でそれなりに人生を生きてきた。経済的にはめぐまれて、定年を迎えて、し ばらく老後をしずかにくらした。ところが、高齢になってがんや介護状態となった。 つきあい、コミュニケーションのパターンは長い人生で学習されたものであり、変わら ない。がん、介護状態になって、今度は夫婦では解消できない苦痛がおしよせているの に、近所、子ども、医者、介護スタッフ、自治体の職員とコミュニケーションをとれない、本音を言え ない。苦痛が解消しないので、軽いうつになる。そうなると、前頭前野の機能障害によ り、判断、行動力も衰えるので、いっそう近所や子ども、医者、介護スタッフととコミ ュニケーションをとらなくなる。 がんも、認知症も治らないと思ってしまう。日々、息抜きをしないので、うつ病が進行 して心中、自殺となる。
 がん、生活習慣病などの身体疾患が進行するうちにうつ病になっていく。メンタルケアがないとうつが深刻化して死にたくなる。家族にも言わない。言っても、家族にはケアの専門家ではなく、医者が抗うつ薬を処方するが間に合わない。病院での自殺も多い。
 ふだんから近所、子どもとコミュニケーションをとらない人は、何かストレスを受け た時に打ち明けて支援をひきだすことができないからうつ病が深刻となり自殺しやすい。なかよい夫婦で孤立していた夫婦の一方が何かで死亡しても、近 所、子どもともコミュニケーションがなければ、あとおい自殺のリスクがある。 ふだんから、軽いうつ傾向、不安(対人恐怖、社会不安)傾向的、回避傾向のある人はリスクがもっと高い。
 高齢者の自殺の防止には、コミュニケーションをとらずに本音を言わない人たちがい るのだから、近所や家族、自治体職員がかなり深く踏み込んでいかないと自殺をふせぐことができな い。うつ病は人の精神を変えてしまう深刻な病気である。
  定年後、うつ病を理解すること、コミュニケーションパターンを変えること、家族に 本音を言うことの大切さ、うつ・不安・回避傾向を変えること、その地域の支援制度などを子どもといっしょに学習したほう がいいと思う。これは、官によらない、家族や自分ができる自殺予防対策だ。
 病気や介護状態、配偶者の死などの強いストレスがあってうつ病になった時、薬物療法だけでは治りにくい。厳しいストレスを乗り越える心理療法が必要である。できることならば、本人がうつ病になりにくい心の持ち方を習うことである。
Posted by 埼メンタル協会/大田 at 00:11 | 自殺防止対策 | この記事のURL