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違法薬物依存(11)・自己評価の改善 [2009年08月28日(金)]
◆配偶者、子ども、子どもの配偶者、孫などを
 薬物依存症、心の病気、犯罪者にしないために
 知っておくほうがいいこと、自分を変える方法のこと。

違法薬物依存(11)
 =どうすればいいのか(3)

 薬物依存症や心の病気を治す心得について加藤諦三氏の精神分析と提案をみ ている (加藤諦三「自分に気づく心理学」PHP研究所)。

種々の社会問題

 薬物依存の問題をきっかけに考えたが、薬物依存症ばかりではなく、他の種 々の社会問題があるが、成熟していない心の問題ということで根っこが同じよ うなところにあるのではないだろうか。
 たとえば、いじめである。子供にも大人社会にも「いじめ」や他人の悪口を 言う、のけものにする、ことが多いが、これは攻撃性でありこれも未成熟な心 の人が行う行為だ。自分が他人を嫌悪しているのに、投影されて、相手が自分 を嫌悪していると感じてやさしい人を攻撃(いじめ)に出ることもある。
     「また神経症的な人は攻撃性を抑圧している。相手に対する敵意を抑圧して いると、くり返し述べるようにこれは投影される。つまり相手は自分を攻撃し ようとしているのではないかと感じる。それだけに自分の弱点が過剰に意識さ れる。」79頁
    (もちろん、すべてではない。偏見を持たないでいただきたい。自分が気づくことであり、他者の批判、偏見に用いないでほしい。すべてと思うと、そう思う人が偏見ある我執の人となる。)
 最近多い非定型うつ病も、他人のささいな言葉や状況で激しく反応するとい う点で、他人の評価に左右されず自己をしっかりと愛していないという同様の 問題がある。
 こうして、うつ病、不安障害にはじまるメンタルヘルスの問題は、広い領域 の社会問題の根っこにある。自殺、青年のリストカットやオーバードーズ、学 校のいじめ、虐待、DV、犯罪、働く人のうつ病、カルト、霊感商法、地域社 会における大人のいじめ、精神疾患 が治らない、教師を困らせるモンスターペアレントなど、未成熟の心がかか わっているようだ。とはいっても、ある時までは順調なこともあり、ある出来事をきっかけとして未成熟な反応パターンになる場合も多い。また、固定したものではなく、トレーニングによって変化、回復するものも多い。予防もできそうだが、ただ、体の体操はよく行われるが、心の問題の予防実践はこれまで行われてこなかった。

 覚醒剤取締法の違反者の再犯率は42パーセントだという。刑に服した後の 充分な心のケアがされる制度がない。うつ病の再発率も高い。源流のストレス を考慮せず、薬による対症療法なので、源流のストレス対処の心得(つまりは 、加藤氏の「隠れた幼児性・依存性」の克服、その他)が提供されないからだ ろう。心の使いかたが治療されていなければストレスの現場に戻れば再発する のが当然だろう。睡眠障害などが現われた早い段階で、薬を使わず、心のストレス対処法で重症化しないですむ方針を教育したほうがいい。抗うつ薬を飲みはじめると効果がない人の場合、重症化しているために心理療法を受けることさえも難しいケースがある。心の病気の早期段階で、心理療法を開始したい。 うつ病や不安障害などは、薬物療法中心主義を変えないと、 治癒せず自殺やひきこもりが減少しないだろう。医療関係者に心理療法の理解 がないのが問題だ。そして、こうした心の問題を克服できるカウンセリング手 法、心理療法がまだ十分発達していないのも問題だ。
 組織=構成するのは人であるが=にも幼児性、我利・我執があり、その幼児 的行為、甘え、依存的行為に多くの合理化、いいわけが観察されることがある。その構成 する人に幼児性があるのだろう。トップの思想、方針に意見 をする人は追い出される。そういう組織は外部の成熟した大人から我執、幼児 性を見抜かれて敬遠されるから成長に限界があるだろう。似た状況を風刺した 宮沢賢治の童話「どんぐりと山猫」は興味深い。
どうすればいいのか(3)
自己評価を改善する
 違法薬物依存、アルコール依存、種々の心が関係する悩みを予防するために 、どうすればいいのか加藤氏の著書を参照してきた。今度は、「自己評価の心 理学」(クリストフ・アンドレ&フランソワ・ルロール、紀伊国屋書店)の提 案をみておく。著者は欧米の人だが、加藤氏のものと共通点が多い。
 依存症、うつ病、心的外傷の人は「自己評価」が低下しているという。違法 薬物依存のきっかけも、そういう場合が多いだろう。自己評価が低くなければ 、すべてを失うことになるものに手を出すことには慎重になるはずである。
以下、自己評価を改善する方法を述べますが、自己評価は育ちによって低下することもありますが、ストレスによっても低下します。順調に働いていた人がうつ病になったり、薬物依存になったり、自殺したりしています。定年後にアルコール依存症、うつ病になる人もいます。介護によってうつ病になり、自殺・心中する人もいます。このほか、不安障害、摂食障害、自傷行為、虐待、暴力(DV)、非行犯罪にも「自己評価」の低下がみられます。 以下、自己評価の改善は、共通です。
     「自己評価が低くなりすぎると、さまざまな形で精神に障害が起こってくる 場合が多い。自己評価の問題は<心の病>と密接に結びついているのだ。たと えば、コンプレックスの原因は自己評価が低いことにあると考えられる。また 、自己評価をある程度の水準に保つことができなければ抑うつ症(うつ病)に なる。あるいは、自己評価が低いために世間に対して恥ずかしいと思えばアル コール依存症から抜けられなくなる。」239頁
 回復とは自己評価をとりもどすことだという。自己評価は長期間のうちに形 成されたので、簡単には変われないが、変えることは可能だという。繰り返すが、こういうことは薬では無理であり、カウンセリングや心理療法による。 自己評価を改善する方法として3つの分野、9つの鍵があるという。 (310頁)
3つの分野
9つの鍵
自分自身との関係 @ 自分を知る
A 自分を受け入れる
B 自分に対して正直になる
行動との関係 C 行動する
D 自分の心の中の批判を黙らせる
E 失敗を受け入れる
ほかの人との関係 F 自己主張をする
G ほかの人の気持ちや立場を理解する
H 社会的なサポートを受ける

(続く⇒)
違法薬物依存、心の病気、非行犯罪に家族を巻き込まないために
Posted by MF総研/大田 at 21:05 | 非行犯罪 | この記事のURL