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非定型うつ病の治し方 [2009年08月01日(Sat)]
マインドフルネス心理療法の本
うつ病や不 安障害などを治すための新しい心理療法が開発されました。 それを 紹介した本です。本で紹介した課題を実践すると治ります。
非定型うつ病も治っています。 毎 日、少しずつ実践して、脳内に生じていた変調に変化をおこして症 状が軽くなるのです。

非定型うつ病の治し方

 毎日新聞に非定型うつ病が紹介された。(7/31/09)

 非定型うつ病について、簡潔にまとめられている。非定型うつ病については、詳細にみてきたので、ここでは、二人の医師の言葉で治すポイントを再確認しよう。

 NPO法人「不安・抑うつ臨床研究会」代表の貝谷(かいや)久宣医師の言葉。
     「非定型うつはパニック障害と併発したり、その後に症状が表れることが多い。パニック障害の増加に伴い増えているように感じる」と話す。自らの診察経験では「うつ病患者の約4割が非定型ではないか」・・・(A)

     「非定型の人は、対人関係で拒絶されたと感じると、過敏に反応してしまいがちだ。例えば上司に「この文章を少し直して」と注意されただけでひどく落ち込み、社会生活に支障をきたす。夕方以降に激しい不安や孤独を感じ、涙が止まらなくなったり、リストカットなどの行動に出る人も多い。この「不安・抑うつ発作」の時に、過去に傷ついた経験などがよみがえることもある。」・・・(B)

     「どんな治療が効果的なのか。貝谷医師は非定型うつ病の人とそうでない人に同じ作業を行ってもらい、思考の中心となる前頭葉の働きを調べた。すると、非定型の人は血流があまり増えないことが分かった。このため「前頭葉の働きを高めることが有効と考えられる。認知行動療法に加え、運動や腹式呼吸をする瞑想(めいそう)なども効果的」という。」・・・(C)
 (A)について。
メランコリー型うつ病の患者は日々のストレスに大きく反応せず、ずっと調子が悪い。安定してつらい状況が続く。しかし、非定型うつ病は、日々の心理的ストレスによって、症状が変化する。 パニック障害(過呼吸からも)から非定型うつ病になることが多い。両方とも 急性ストレスに反応する発作性の症状があるのが特徴である。パニック障害も非定型うつ病も、日々のささいな心理的なストレスによっても激しい感情を起こすと、重い発作(過呼吸、パニック発作や鉛様麻痺感)が起きやすい。  
 (B)について。
ほんのささいなこと、自分のことを批判されたとか、他の人の幸福をみたくらいで、 激しく怒るとか落ち込むとか感情が激しく動く。その興奮をきっかけにして、鉛様麻痺感、過呼吸、フラッシュバック、対人関係の悪化などが起きる。多くの人は、その程度であれば、ちょっとした不快感ですますようなストレスである。または、ほとんど反応しない程度の対話である。非定型うつ病には、根底に、心理的には自己不全感がある。自己自身の評価が低い。 神経生理学的には、扁桃体の亢進、鉛様麻痺感を引き起こす部位の亢進がある。パニック発作を起こす人はPAG(中脳水道周辺灰白質)の亢進が推測されている。 前頭前野は機能低下がある。
 気がかりなことがある。非定型うつ病が若い女性に増えている。非定型うつ病の人が、30代、40代の女性に多い乳がんになったらどうなるのだろう。そうでなくても非定型うつ病がずるずると長引いている間に、色々なストレス(他の病気、家族の不和、喪失、経済状況の変化など)にさらされたらどうなるだろう。今後2,30年後には高齢によるがんもある。その頃までには、鉛様麻痺感を治療する薬が開発されるだろうが、その前に心理的ストレスによる症状悪化がある可能性があるのだから、ストレス対処法を習得するのがいい。(C)に指摘されている。
 (C)について。
心理的ストレスへの対処能力の向上をはかることが非定型うつ病の完治になる。従来の認知行動療法では治らない非定型うつ病も多くて、「運動や腹式呼吸をする瞑想(めいそう)」が奨励されている。ただ、運動、呼吸法、瞑想を行うだけでは治りにくい。それを行いながら、心理的ストレスへの対処の心のスキルのトレーニングを織り込む、マインドフルネス心理療法が効果的である。 将来、3,40年の人生における心理的ストレスを克服していくために、今、発症を向上の機会ととらえて、自分ということについて洞察を深め、自己の精神作用のすべてを知り、真の自己の構造を知り、ストレス対処法を習得するといい。(10か月にもわたって、詳しい自己洞察をするので、自己洞察瞑想療法(SIMT)では、腹式呼吸法や数を数える方法は奨励しない。)
 本年は自殺がさらに増加していて、健康問題が第一の原因になっている。種々のストレスからのうつ病、がんなどからのうつ病によると推測される。今、非定型うつ病、メランコリー型うつ病、パニック障害になっている人は、今、治しておかないと、今後の人生において、つらいことになるリスクが高い。そのことは、入院中の患者さんの自殺の調査でも指摘されていた。

 もう お1人、パークサイド日比谷クリニックの立川秀樹医師の説明がある。
     「クリニックではここ数年、同じ症状で受診する20〜30代の女性が増えているという。」・・・(D)

     「患者の特徴として「幼少期に満足できる愛情を受けられず、自信がなく不安が強いタイプと、親の過保護の下でストレスなく育ち、社会に出て落差につまずくタイプが多い」という。近年目立ってきたのは「現代は、IT(情報技術)が浸透し、顔を合わせたコミュニケーションが少なくなっている。こうした社会の影響も及んでいるのではないか」と話す。」・・・(E)

     「冒頭の女性は抗うつ薬や感情調整薬を服用し、何事も極端に否定的にとらえる考え方を改めるような「認知行動療法」を行った。転職を繰り返しながら昨年末には国内の証券会社に就職し、今は通院しながら仕事を続けている。立川医師は「メランコリー型は休職も必要だ。しかし、非定型の場合、多少つらくても頑張って仕事に行き、規則正しい生活を送ることが重要。周囲には優しい言葉で接してほしいが、本人が悪い場合はきちんと指摘し、時には励ますことも大事だ」と話す。」・・・(F)

 (D)について。
この年代の女性は、まもなく、乳がんのピークを迎えるし、結婚、新しい人間関係(夫の親族)、妊娠、出産、育児もある。非定型うつ病をしっかり乗り越えないと悪化させそうなライフ・イベントが多い。
 (E)について。
若いころからの自己不全感とストレスへの耐性欠如が背景にある場合もあることが指摘されている。つまり、親の育て方もかかわる。厳し過ぎる親、緊張の多い家庭、・・・。これでは、不安、緊張の神経回路が過敏となり、将来、精神疾患になるリスクが高まる。
 一方、 甘やかして、不満、ストレスを受け入れ乗り超えることを学習させない過保護の親・・。これでは、学校、職場でちょっとした対人関係や仕事のストレスに耐えられない。ストレスを克服する心得を学習していないから、回避、逃避か、それができなければ、うつ病になるリスクが高い。 これは、「新型うつ病」であり、本当のうつ病であるのかどうか決着していない。
 厳しくて緊張させる親も子どもを甘やかす過保護の親も、よかれと思ってするのだが、子どもの心の健全な発達をさまたげる(もちろん、これだけが原因ではない)おそれがある。 発達期の子どもを持つ親は、こどもが成人後、非定型うつ病を発症させないように、こういうことを学習して、予防できる家庭を作るのがいいことになる。
 治すためには、本人は親の育て方が悪かった(それだけではない)から、自分が不幸になったと、親を責めて恨んでは治らない。そういうこと(親のせいにして治療を受ける行動をしない、親を恨む、親に暴力をふるうなど)をすると、感情的になるから、症状が悪化するばかりであり、それを見て親も不幸になり、自分の家庭環境が不幸になり、もっと症状が悪化するから。過去にこだわらず、自分の苦しみを生み出す自分の精神、自分の心を知り、今の症状をこれから治すため親子が助けあっていかないと・・。
 (F)について。
 治すコツは「多少つらくても頑張って仕事に行き、規則正しい生活を送ること」。 認知行動療法で軽くなったという。 (これは新型うつ病に効くようだ。他のうつ病は、仕事ができない。) 通院が続いていることは薬物療法が続いているのだろう。 さらに心理療法を続けてできれば減薬、断薬をめざす。ひきこもりを戒めている。周囲の理解を求めている。そうしながら、自分を知り、自分の反応パターンを変えていく。そうでないと、小さな対人関係(ささいなことで感情的になる)などとは比べようもない大きな(ささいなことではない)ストレスが将来起きるだろうから、非定型うつ病とわかった今、ストレス対処法を習得しておくのがいいはずだ。
 うつ病もパニック障害も薬物療法だけでは完治、再発防止については限界がある。症状を引き起す心の使い方、自分を知ることを実践的に学び、克服法を習得すべきだ。本来は、不登校気味になる高校生、大学生の時に習得したほうがいいのだ。この時、習得しておけば、大切な20代、30代においての発病を予防できるから。自殺防止対策は、その頃から開始できる。子を持つ親は、その前、子どもが小中学生のころ、わが子の自死防止の対策を学習する時だ。子どもを緊張、不安過敏にせず、過保護で不快事象の受容ができない子に親がしないように(ただし、すべて親のせいではない。また、非定型うつ病になるのがこの2種だけでもない。)。もちろん、成人になってからは、いつでも、ストレス対処法は学習できる。
  • メランコリー型うつ病の図
    非定型うつ病
  • Posted by MF総研/大田 at 20:09 | うつ病 | この記事のURL