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«うつ病の診断法の開発があいつぐ | Main | がん患者もうつ病の治療へ・11の提案の一つ・それでいいのか?»
がん患者・告知直後、病状説明直後の自死 [2009年07月19日(Sun)]

病院での自殺防止
 = がん患者・告知直後、病状説明直後の自死

   がん患者さんは、入院中でもうつ病を合併して自死する人もいる。  財団法人「日本医療機能評価機構」は、「院内自殺予防対策」を提案している。その中の第6は、 「患者の立場になってこころのケアに配慮する」である。
 ここにこう述べられている。
「アンケート調査によれば疾病の治療過程や、告知、病状説明の直後に自殺を企図した事例が 少なからず認められる。医療者は、疾病そのものだけではなく、患者の生活背景や、疾病・治療への 理解、疾病や入院により生じた不利益、こころの状態などに注意を向けることが必要である。医療者 は、常に患者の置かれた状況を患者の身になって考え、こころのケアに配慮することが望まれる。こ れは、診療科を問わず行わなくてはならないことである。」
 この提案を実現するには、現実には困難が伴う。少人数の患者さんを割合短期間みることが常態であるような医師の場合は、充分に心のケアのための時間をさくことができるだろう。しかし、大部分のがん患者をみる医師は、多くの患者を受け持っているので、 告 知した後、あるいは長期入院中の患者の病状説明の後に、対象となる患者さんに、その後、数時間、継続してケアする時間はとりたくても時間がないはずである。次の患者さんが待っている。だから、入院患者の自死予防は、主治医だけ にまかせるのは、現実的ではないように思える。では、どんな可能性があるのだろうか。
 短期に検査入院中の告知ではなく、がんで長期入院の患者は、だんだん悪化する症状から死を意識し、うつ 病を合併することが多いので、うつ病になっていて「死にたい」という思いに近い心理にある場合がある。そこに、主治医から深刻な病状の説明をされれば、自死のひきがねに なるだろう。長期に入院する患者の自死防止のための心のケアは、長期間のとりくみとなる。自死防止の問題は、がんの病状、治療法とは別に、こころの専門領域である。適応障害やうつ病の問題であり、この道の専門的な心理的なスキルが必要とされるだろう。心理的な問題はカウンセラーも扱うが、心理カウンセラーなら誰でもできるわけでもな い。うつ病による希死念慮、自死念慮、ターミナルケア、死の不安、疼痛の心理的克服などの心のスキルが必要となるだろう。特殊なカウンセリングとなる。
  • 1)医療補助者に、そのスキルを習得してもらって、こころのケアにあたる。たとえば、看護師、理 学療法士、など。あるいは、医療心理士を創設する。病院がCostを負担することになる。経営上、難しく見える。保険の適用になれば、職業とする人材が出てくる。国の政策や自治体独自の対策次第だ。患者会などが運動できないだろうか。
  • 2)地域に、そのスキルを持つ人を育成して、NPO法人を作り、病院にサポーターを派遣する。常 時、病院に出入りできる状態とし、病院が患者に告知するとか、病状の説明をする予定をカウンセラ ーに通知するようにしておかないと間に合わないことが起きる。病院の理解が必要である。 医師から家族に予定を通知し、家族からカウンセラーに依頼するというルートもある。
    これも、患者家族会が協力しないと、カウンセラーになる人が現われない。
  • 3)高齢になったら、あるいは、がんになったら、個人的にがん患者会、家族会、カウンセラーにあうなど個人として家族としてかねてから心のケアをする。
 心の問題、特に、死の問題は、通常の医療のスキルではなく、心理療法、精神科医領域、ときには 、宗教的死生観にかかわる。まじめに取り組むつもりならば、忙しい主治医が時間をさける問題では なさそうだ。自死防止のメンタルスキルのうちでも、さらに特殊領域である。 うつ病を治して、仕事に復帰しましょう、とはいえない深刻な領域であり、専門家の育成が必要である。
病院に入院中の患者さんの自死防止
Posted by MF総研/大田 at 17:14 | 自殺防止対策 | この記事のURL