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うつ病の診断法の開発があいつぐ [2009年07月18日(Sat)]

うつ病の診断法の開発があいつぐ

 うつ病は身体症状もあって本人が胃腸や婦人科などにかかり、うつ病の診断が遅れて 治療開始が遅れることがある。早期に発見して、薬物療法を開始することが医師の間では期待されて いる。2つの診断法の開発が発表された。

1)うつ病、血液検査で診断

  「血液検査でうつ病かどうかを診断する方法を、厚生労働省の研究班(主任研究者・大森哲郎徳 島大教授)が開発した。」という記事があった。
 「約3万個の遺伝子の中から、神経伝達や免疫などに関連する24の遺伝子が、うつ病患者と健常 者で異なる働き方をすることを突き止めた。 」
 「医師の面接によってうつ病と診断された17〜76歳の患者46人と健常者122人を分析した 結果、うつ病患者の83%(38人)、健常者の92%(112人)で、特定の遺伝子が突き止めた 通りに反応し、正しく判定できた。」

2)光トポグラフィー装置による脳血流検査で

 前頭前野の脳血流を光トポグラフィー装置を使って測定して、診断するという方法を群馬大学医学 部で研究中という。(7月17日、朝日新聞)
 これは、うつ病、躁うつ病、統合失調症、健常者とでは、課題に対する前頭前野の反応パターンが 異なり、うつ病かそうでないかの鑑別に役に立つという。病気の違いによって、使う薬物が違うので 、早期の段階から、適切な薬の処方ができることが期待されている。

 うつ病の人が早期に診断がつけば、治療を開始できるので、無用な治療が減少し、うつ病の治療が 早期に始まり、症状が改善する人が増えるのは朗報である。
 しかし、まだ課題が多い。そうやって、早期に診断ができて薬物療法が行われても、治癒率が高く ないし再発が多い。心理的ストレスによるうつ病を、源流の心理的ストレスの緩和をしないで、セロ トニン神経の活性化によって症状を緩和する戦略に限界があるためだろう。特に、非定型うつ病の薬 物療法が難しいことが報告されている。対人関係の心理的ストレスによって発作的に感情を興奮させ ると鉛様麻痺感の症状が起きる。そういう非定型うつ病にはSSRIは効かない人が多いという。
 長く(一生服用しなさいと言われる患者もいるという)抗うつ薬を服用しても治らない場合、薬の 費用が家計にも自治体の予算にも重くのしかかるし、自死のリスクが消えない。 6か月ほどの薬物療法で効果がない患者さんには心理療法を受けられる制度を導入することを検討し てもらいたい。
Posted by MF総研/大田 at 06:20 | うつ病 | この記事のURL