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薬への依存 [2009年06月28日(Sun)]

薬への依存

 2月22日、NHKで、うつ病の治療について報道した。その時、うつ病の薬の不適切な処方があると 伝えられた。一種の薬で臨床試験をしたはずなのに2種以上の抗うつ薬を同時に処方している医者がい るとか、薬の副作用なのかうつ病本来の症状なのかわけがわからない状態の患者もいる。そして、依存 。 テレビでは、減薬、断薬を指導する医者が紹介された。
 抗うつ薬は依存性がないとは言われているが、正確な言い方とは言えないようだ。うつ病、パニック 障害に抗うつ薬が処方されるが、軽くなってもすぐやめることができない。すぐやめると、離脱症状が おきるとか再発のおそれがあるという。そこでほとんど症状がなくなった段階で少しづつ減らしていく 。まあ、こういうケースは強い依存性はないと言ってよいかもしれない。
 だが、薬を服用しても、1,2年、治らない人は、薬をやめることができない。薬が効いているかど うかわからないのに(治らないのだから)、不安で薬をやめることができない。これは、依存といっていいの ではないか。抗うつ薬を服用しても治らない人に、薬の依存が起きている(一部)。
 こういう人が心理療法を受ける時には、薬の副作用が邪魔をするケースがある。眠い、ボーっとする などの副作用のために、カウンセリングの心理教育を真剣に理解できないとか、課題を実行できないと かの不都合が起きる患者さんがいる。心理療法を開始するのだから、薬をやめようという気にはならな い。やめるのが怖いようだ。すぐ薬をやめようとは言わないほうがいい。依存が起きている。離脱症状の不快な感覚について受 容の心得(マインドフルネス心理療法を半年ほど受けると受容の心得ができる)のない人に減薬、断薬 を言うわけにはいかない。カウンセリングがすすんでからも、主治 医に相談して減薬、断薬を行ってもらう。カウンセリングを受け始めた人は治っていないのだから、主治医が減薬、 断薬を承服するはずがない。薬はそのままでカウンセリングを受ける。症状が軽くなってから主治医に相談して減薬、断薬をすすめていく。
 だが、副作用が強くて、カウンセリングを続けられない人も多い。 薬の副作用(眠気など)が強いために、課題の実行が難しいのは、心理療法を行っていく上で、支障があ るのは事実だ。薬の服用期間が長い人ほど、それがある。
 薬物療法では、一度軽くなっても再発が多い(NHKで、イギリスの調査で44%再発)のだから、軽 くなった段階で、薬を減らして、その副作用もなく頭が明晰になった段階で、心理療法を受けて、再発 予防のためのストレスへの対処の心得をトレーニングするというステップをうつ病の再発予防、自殺予 防対策の標準的な方針としてほしい。薬だけでは再発が多く、再発すれば自殺のリスクが高まるのだか ら。
 薬の副作用が強い人が心理療法を受ける場合、課題の実行が難しいが、どうしたらいいのか、これは 大きな課題である。そのまま、薬で寛解にならないかもしれないわけだが、心理療法の課題が実行でき ない。こういう人たちの再発予防の対策も国が考えてほしい。薬物療法を受ける方向にもっていくとい う対策をすすめているのだから、薬物療法寛解者の再発予防対策まで実行してほしい。そうでないと寛 解、再発を繰り返すおそれがある。それでは、薬の使用が増加して保険の財政を圧迫する。もちろん、再発では、本人や家族は不幸だ。再発による薬の負担になるはずの費用を再発予防対策にまわしてもいいのではないか。
 マインドフルネス心理療法を受けるのに、いいのは 次の順だろうか。
  • 1)成人前(うつ病、不安障害の予防になる)
  • 2)定年前後(更年期うつ病、介護うつ病の予防)
  • 3)ストレスを感じる時
  • 4)うつ病の前ぶれ症状が現われた時
  • 5)うつ病らしいとわかった時(重症化する前)、薬の服用前
  • 6)薬物療法開始後すぐ
  • 7)寛解時
  • 8)薬物療法を受けても治らない場合
  • 9)再発時、ただちに
 イギリスでは、うつ病らしい人にすぐ薬物療法を開始せず、まず、心理療法のカウンセリングを行うという。薬物療法を受ける前に心理療法で治せるならば、薬の副作用がなく、再発も少なく、本人は幸福だろう。日本では、心理療法の普及をはかり、公的に統一的に行うには難しいよう(専門家であるはずの医者がそういう運動をしない。患者家族も団結しない特徴がある病気)だから、家庭や個人の心得として実行できる人はするといい。しかし、うつ病、自殺予防の認知行動療法のスキルを持つカウンセラーは少ないだろうが・・。これまでにない担い手を期待しておるのだが・・・。
Posted by MF総研/大田 at 19:18 | 自殺防止対策 | この記事のURL