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自殺予防は家族から [2009年05月25日(Mon)]
 自殺はうつ病から起きることが多い。種々のストレスや事件、事故などから、悩み 、障害が起きて、身体の病気、心の病気になり、結局、うつ状態、うつ病になって、 うつ病の症状としての自殺念慮から自殺が起こる。前頭前野の機能低下による。
 現代の日本で、自殺防止に大きな影響があるのは家族である。家族の一員がうつ状 態、うつ病になっているのに気づいて、支援を行うべきなのはまず家族である。

 第1に、本人に、病識がない。本人には、うつ状態、うつ病の症状の特徴の一つ、 思考判断力、行動力の低下によって、自分自身の状況について判断できない。うつ病 についても理解がなければ、その状況がうつ病の症状であることがわからない場合が ある。病識がない、ということである。病気であるという意識がないと「治療しよう 」「治療したい」と思わない。気づける可能性があるのは、家族である。うつ病の知 識があれば、家族が気づくことができる。家族のうつ病の知識が自殺防止の第一であ る。(ここでは、本人の努力については触れない)

 第2に、病識があっても、行動力がない場合、病院に行く元気もない。気がついて 、病院に連れていくことができるのは、家族である。治療が始まり、うつ病が治れば 、自殺しない。

 第3に、治療が始まっても、すぐには治らないことも多い。風邪のように1週間程 度では治らない。治療は、3か月から2,3年かかる。この長期間の治療期間の間に も、ストレスがあり、病状の変化がある。長期間、本人をささえて、治療を中断させ ないのも、家族の力が大きい。長期間、ささえて、自殺させないのは、家族である。 本人が元気がない場合、家族が同行するべきである。病院のゆきかえりに自殺するか もしれない。

 第4に、薬物療法の治療が始まっても、治らない人がいる。第1には、かかってい る医者があわない場合がある。精神科、心療内科、内科にかかって薬物療法を受ける 場合、医者がうつ病の薬物療法に詳しい程度の差がある。詳しい方から、たいていは 、精神科、心療内科、内科の順だろう。治らない場合、医者がうつ病に詳しくない場 合がある。そうすると、別な医者をさがすことになる。さがすのは、本人には難しい 。うつ病の症状に、思考判断力、行動力の低下があるからである。患者を救うのは家族 である。家族が、うつ病に詳しい医者をさがして、本人にあった治療を受けると、 治って、自殺を防止できる。
 第2に、うつ病にもいくつかのタイプがあるので、治らない場合、タイプが違うのではない かと疑い、詳しい医者をさがすのも家族である。繰り返すが、患者本人はそういうこ とを疑う判断力、さがす行動力が低下している。違うタイプとは、メランコリー型の うつ病、非定型うつ病、不安障害が併存しているうつ病などである。メランコリー型 のうつ病が治りやすく、他は治りにくいとされていて、薬物療法も心理療法も工夫が 必要であるとされる。(だから、心理療法も新しいものが開発されていく)。それぞ れ、別々の経験のある医者でないと治りにくい。心の病気も数多くあって、広く、深 い。医者もカウンセラーもうつ病に詳しい人、非定型うつ病に詳しい人とは限らない 。精神科医だって、認知症、アルコール依存症は得意だが、うつ病は得意でない医者 がいる。臨床心理士だって、発達障害は得意だが、うつ病は全く治療できない人もい るだろう。
 うつ病が長引く場合、治療者が得意ではない場合があるわけだが、患者にあったタ イプの医者をさがし、予約をとり、同行すれば、適切な治療にめぐりあって、治れば 、自殺を防止できる。そのような難治性のうつ病の治療支援を行えるのも家族である 。

 第5に、薬物療法の治療でも、心理療法の治療でも、治療には長期間かかる。その 間に、患者と家族に状況の変化がある。患者を追い込まないで、治療を継続させるか どうか家族全員にかかっている。家族の1人が患者を責めることがあれば、症状が悪 化する。無関心でも、見捨てられたと思い、症状が悪化する。家族全員がうつ病につ いての理解があることが自殺を防止する。家族がいても、本人が病院に行っているか ら大丈夫だと思い、家族が全員、自分たちの仕事や趣味に忙しい様子であれば、患者 は「自分のつらさをわかってくれない」と思い、症状を悪化させて、自殺するかもし れない。

 第6に、うつ病の治療は長期間にわたる。収入がとだえるから、経済的な苦痛(こ れがあるとうつ病が悪化する)を軽くするのは家族である。食事、住居などの支援が できるのは家族である。家族の支援が得られない人は、自殺のリスクが極めて高い。

 第7に、以上のような治療支援、経済的支援をするのは、家族の愛情である。家族 が緊張、不和であれば、上記のような配慮がないので、うつが治りにくく、自殺のリ スクが高くなる。

 以上のように、家族の力は大きい。家族の支援を得られない人は、自分1人で、上 記の役割を果たしていかねばならない。きついことであるが。
 家族の緊張、不和の問題も、認知療法、対人関係療法、マインドフルネス心理療法などで改善できるのだから、相談できる場所があるべきである。

 これらは、既存の薬物療法の治療を受けるのが中心であるが、医者の治療を受けて も、治りにくいうつ病もある。(A)医療以外の支援と(B)心理療法による治療がある。 (A)医療以外の支援は、政府や自治体、NPOが開始したから、わかりやすい。多重債務 、就職支援、自死遺族支援、生活保護、育児支援、いじめ防止支援など。だが、ここには、メンタルケアは薄い。その支援の最中にも、うつ病が進行するかもしれない。
 (B)心理療法による治療は、場所と治療効果、費用の自己負担の面から対策が遅れているが、これを改善する要求をしていくのも 家族しかない。他の病気は、患者・家族が結集して、国に支援対策を要求している。と ころが、うつ病、不安障害などについての心理療法について、国や自治体に要求する 患者家族の動きがほとんどみられない。家族の多数のバックアップがないからカウン セラー側も動きがにぶい。多くのクライエント、家族が必要である、大きな需要(? )があると大きな声をあげないと、うつ病の治療分野に参入しようという人材が現わ れることはない。国や自治体も予算をさかない。
 うつ病の心理療法も難しいのである。うつ病は脳神経生理学的な変調が著しいので、それを考慮しない心理学やカウンセリングを用いる心理療法では、うつ病を治すことは難しい。脳神経生理学的変調まで起きているうつ病の心理療法は難しい。支援者の時間もかかる。 簡単には熟練しないので、長 期間の研究、臨床によって、医者やカウンセラーは心理療法のスキルを向上させていく。医者の薬物療法や外科のスキルなどと同様に、心理療法の スキルの熟練は長期間かかる。うつ病の心理療法による治療、自殺防止に努力するカウンセラーや医者が報 われないような環境ならば、うつ病の心理療法も発展するはずがない。その環境を変 えるのも、家族の力だと思う。具体的に家族がどうする案があるか・・・。
  • 自殺は防止できる=家族ができることから行動を
  • Posted by MF総研/大田 at 09:54 | 自殺防止対策 | この記事のURL