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マインドフルネス瞑想は痛みを軽減する [2009年02月14日(土)]

マインドフルネス瞑想は痛みを軽減する

 十分な訓練を積んだ人であれば、マインドフルネス瞑想(めいそう)法によって中等度の痛みに対す る感受性が低下することが、カナダの研究者らによって明らかにされたという記事があります。
 「米マサチューセッツ総合病院(ボストン)のHerbert Benson博士は、今回の研究について「非常に 重要であり、疼痛コントロールの心身的アプローチを支持する土台の1つになる。医師を受診する60〜90 %はストレスが原因。薬剤や外科手術による治療がうまくいかない症状に対して比較的有効かつ安価な 方法があることを示唆している」と述べている。」

 「瞑想者における痛みの軽減は瞑想の経験に関連しており、上級者になるほど痛みが軽減した。また 、瞑想者の呼吸速度は非瞑想者に比べてはるかに遅く、心肺系が瞑想による疼痛コントロールの潜在的 なメカニズムである可能性が示された。Grant氏は「禅の瞑想法を訓練すれば鎮痛薬が不要になるわけで はないが、瞑想や催眠に関する研究を通して、われわれが経験する(痛みなどの)症状を、これまで考 えられていた以上にコントロールできることが徐々に明らかになってきた」と述べている。」


マインドフルネス瞑想の痛み軽減の研究はアメリカでは随分昔から

 私はマインドフルネス心理療法で心の病気(うつ病、不安障害など)、心身症などの治療、予防、タ ーミナルケア、家族の不和などの領域で適用することを研究しているが、この記事のように「痛みの軽 減」にも効果がある。
 マインドフルネス瞑想が痛みを軽減することは20年ほど前からマサチューセッツ大学医療センター のジョン・カバット・ジン氏によって研究がすすめられて世界に普及しはじめている。日本ではそれほ どでもないようだ。
    (ジョン・カバット・ジン氏のプログラムは右の「カテゴリー・アーカイブ」の「痛み」をご覧ください。)

坐禅に似ているが目標、技法が違う

 日本に多い宗教目標の実現をめざす「坐禅」そのものではなくて、それを応用して、心理的な対処法を意図したトレーニングを行う。日本の坐禅は定型的なトレーニング指導(注意集中法、不要機能抑制法、徹底受容法などの心の用い方の訓練)をいわないことが多いが、マインドフルネス瞑想では、自覚覚醒、注意集中、不要機能抑制および解放、不快事象の徹底受容、などの心理的な訓練を呼吸法の中に織り込む。宗教的な言葉ではなく、この記事のような科学的なデータ、神経生理学的な研究成果を応用しようと努め続ける。こういう点から、坐禅に似ているが宗教としての坐禅ではない。だから、坐禅とは言わず、呼吸法、自己洞察法などという。ただの呼吸法ではない。ほかの団体、人がいう呼吸法とは違う。 自覚覚醒、注意集中、不要機能抑制および解放、不快事象の徹底受容、などの心理的な訓練を呼吸法の中に織り込み、常に最先端の脳神経科学の研究成果を参照して進化し続けるものである。神経科学の進展と臨床による新しいプログラムの開発により、テキストはすぐ陳腐化する。真剣な臨床家がふえてくれば、講座も2年に1回くらいブラッシュアップのコースが必要である。研究成果を議論する集まり(学会)も必要である。

従来の専門家が知らない技法、心理療法、新しい人材の参加が望まれる

 まだ、臨床家が少なくてそこまで熟していないのが日本のマインドフルネス心理療法。これまでの心理療法に満足できない新しい人材が種々の領域で研究していただきたい。この記事は 痛みの軽減の領域である。研究者のほかに、実践指導者の育成が重要である。指導者にも長期間の自らの実践が要求される。講座は5回、6カ月にわたる。講座受講者が毎日1時間行うと6カ月で180時間になる。1000時間にほど遠いが、心の病気の人の指導はできる。 坐る自己洞察のほかに、日常生活行動の中での自己洞察の心得を実行すれば、1日の実践時間は飛躍的に増加する。 講座受講後も実践を続ければ、カウンセラーはクライアントよりも時間数が先行している。マインドフルネス心理療法のカウンセラーは自分でも続けるべきである。こういう心理療法であるから、呼吸法の実践を好きになれない人はマインドフルネス心理療法の臨床家や心の健康体操の指導員になれない。臨床できる人がいないと受益者が困る。 研究者としても文献研究だけでは限界がある。自分でも実行して新しい領域への研究をすべきだ。 だから、新しいタイプの人材、実践する研究者が必要である。
 人はマインドフルネス、アクセプタンスの実践でどこまでも成長する。前頭前野、帯状回、海馬、セロトニン神経、自律神経系などが成長し続けることと関係がありそうである。
 痛みの軽減に呼吸法が深い関係がある。日本の医療も薬ばかりでなくマインドフルネス心理療法を研究すべきだ。 医療関係者がおよびごしならば患者自身、家族、種々の職業の人(心理的ストレスが関係する苦悩が種々の産業領域にある)がすすめてはどうだろうか。
 誰でも、がんや痛みのある病気になる可能性がある。そうなった時に、マインドフルネス瞑想を行っ ている人は痛みのコントロールがうまいことになる。
 マインドフルネス、アクセプタンスの実践を長期間継続していると、 前頭前野や帯状回、セロトニン神経の抑制回路が強化されるためだろうと推測できる。

マインドフルネス心理療法、心の健康体操の普及

 かねてから、マインドフルネス心理療法の実践を 行っているといい。私たちが月2回おこなっている予防的なマインドフルネスの呼吸法を「心の健康体操」とよび、その集まりを「心 の健康クラブ」とよんでいる。この記事の効果があるはずだ。痛みのコントロールまでできるようになるには「上級者」である。長期間(1000時間以上)の継続が必要であるようだ。 1000時間とは、毎日1時間実践すると年間で365時間となる。3年弱である。毎日1時間では3年以上の実践者である。同好者が集まって、月1,2回やって、あとは、自分で毎日実行すればいい。 坐って行う呼吸法、自己洞察のほか、日常生活行動の中での自己洞察を実行するとたいていの苦悩は軽減、または、不快事象がありながら受容、克服しつつ生きていくことができる。 マインドフルネス心理療法の予防的実践を「心の健康体操」とよんでいる。 痛みの軽減のほか、うつ病、不安障害、認知症、依存症、介護などの予防、がんや難病の闘病生活や質の高い生き方に効果がある。 医療費の軽減、うつ病自殺の減少、心理的ストレスによる非行犯罪の改善など期待される効果が大きいと思う。 心の健康体操の実践の会を全国に広めたい。
「我田引水」でした。
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Posted by 埼メンタル協会/大田 at 07:47 | 痛み | この記事のURL