連載<働き盛りのうつ病予防・概要>
第2章 家族のメンタルヘルス対策
「心の免疫力」を向上させる
=社会的対策と本人の対策、職場の対策
(20)本人や家族ができるうつ病の予防法(1)
予防が大切・うつ病予防のために個人や家族でできること
=うつ病予防のための心得10カ条
うつ病は種々の要因で起きる。経済的な困窮からうつ病になるのはよく知られている。それは厳しい心理的ストレスになるからである。自分や家族が経済的に困窮しないように努めることは必須である。国や自治体、あるいは、そういう方面を支援するNPOもある。そういう方面ではなくて、メンタルケアの方面からの予防法を述べる。
ストレス耐性が弱い人がいる。それをかねてから自覚してストレスに強い心にする鍛錬、生活をしておくことが大切な時代である。(経済的においつめられていなくてもうつ病になる。経済的に困ってもうつ病にならない人がいる。本人、家族ができるうつ病を予防するメンタルケアの対策は何か。)
<第1>家族が気がつく眼を持つ
最近、次のような傾向が持続すればうつ病になっているかもしれません。本人の自覚と家族の注意深
い観察が悪化を防止します。( )は家族から見た様子
- 会社に行きたくないという気持が起きる(行きたくない様子がみられる)
- 人にあいたくない、電話にでたくない(人をさけている、会話がなくなってきた)
- 眠れない、朝起きられない(ぐずぐずしている、遅刻が目立つようになった)
- 疲労感が持続する(疲れた様子、ためいきをつく、好きなこともしなくなった)
- 仕事に行きたくない気持が強い(家族に「会社をやめたい」「死にたい」という)
- 仕事をやめたい気持が強い(仮定の話しをする「もし、会社をやめたら、この家庭はどうなるかね
」「もし、ぼくが会社をやめたら君の給料でやっていけるかね」というようなことを言う)
- イライラする、気分が悪い(家族からみて怒りっぽくなった、イライラしている)
- 解雇や倒産の不安をしばしば口にする。就職できなくて悩んでいる。
- 残業が多すぎてつらい、不満に思う(睡眠時間が短くなっている)
- 体調不良を訴える。
家族が上記のような変化に気付くことは大切です。本人にはうつ病のために自分のことをよく観察で
きなくなることが起きるかもしれないからです。種々の症状があるのに、うつ病であるという自覚のな
い人が多いです。
<第2> 時々チェック
日常的に家族が観察するほかに定期的にチェックリストで心の健康度をチェックする機会を持つとよ
いでしょう。自分で難しいならば勉強会に参加するのがいいでしょう。
厚生労働省のホームページからチェックリストを入手できます。
→http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0630-1.html
→「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」
→「家族による労働者の疲労蓄積度チェックリスト」
このチェックで「やや高い」となったら、原因と対策を家族で考えます。「高い」「非常に高い」と
なったら、医者やカウンセラーに相談して治療を開始したり、悪化防止の助言を得ます。家族でとれる
対策があれば実行します。軽くみてはうつ病を悪化させてしまい後悔することになりかねません。
<第3> 時々うつ病の勉強
すべての年代の人にストレスの大きい時代になっており、誰でもうつ病になる可能性があります。年
に1回はうつ病について勉強しましょう。うつ病について理解しておくと、ストレスを受けた時うつに
ならない対策をとることができるかもしれません。うつ病になりかけた時、自分や家族が気付きやすく
なります。女性はうつ病のほか、心理的ストレスや過労からパニック障害にもなりやすいです。予防法は似ています。
<続く>
(21)
連載<働き盛りのうつ病予防・概要>
=マインドフルネス心理療法の視点より
=働く人のうつ病、自殺を防止するために
連載記事の索引