連載<働き盛りのうつ病予防・概要>
(17)本人や家族はどうすればいいか
「心の免疫力」を向上させる
=社会的対策と本人の対策
(17)治りにくいうつ病
以上のようなことを自分で3−6か月行ってもほとんど改善しないようであれば、
- (a)治りにくいタイプのうつ病、または
- (b)治りやすいタイプのうつ病のはずだが自分では以上の課題を正しくできないのでカウンセラーの
支援を必要とする
こういうことでしょう。少し改善したのであれば、さらに続けると治る見込みがあるでしょう。
(b)はカウンセラーのもとに行っていただくのがいいです。(a)について簡単に述べておきます。
うつ病は薬物療法で治る人が多い(精神科医の方の書いた本でそう書かれています)のですが、治ら
ない人もいます。自分や家族が治りにくいタイプのうつ病であるならば早く薬物療法以外の治療法、さ
らにカウンセラーの支援を受けるのがいいことになります。
<第1>薬物療法で治り難い「うつ病」
- (1)不安障害が共存する場合
「うつ病」患者に不安障害が並存する場合、薬物療法だけでは治りにくい。不安障害にはパニック障害
、強迫性障害、PTSD、対人恐怖症、全般性不安障害などがある。これらと「うつ病」が並存する場合、
薬物療法だけでは治りにくい。たしかに、パニック障害とうつ病は並存する例があり、薬物療法では治
らない人が多い。不安障害が治らないと社会生活が障害されて苦悩が続き、それがうつ病を治りにくく
するだろう。
- (2)自殺危険性が現存する
自殺念慮の強い患者は重症であって、発症当初のストレスはなくても、治らないこと自体がストレスと
なって悪循環を起こしている。ストレスが持続している場合は一層治りにくい。自殺を防止するために
心理的ケアなどをが必要である。
- (3)強いストレスが持続している
- (4)他の精神疾患が併存(依存症、摂食障害など)
- (5)若いころから心の問題があった
- (6)非定型うつ病
- (7)躁うつ病(うつ病とは違う疾患だといわれている)
薬物療法で治りにくいうつ病は心理療法で治ることがあります。しかし、簡単であるというわけでは
ありません。心理療法でもかなり長期間のカウンセリングを受けないと治すのは難しいと心得ておくべ
きです。心理療法の治療もかなり充分に受けないとすぐ再発するでしょう。変調を起こした種々の神経
回路が回復するまでには相当の期間がかかるはずです。
<第2>治りやすいはずのうつ病が長引いている
上記のようなことがなければ治りやすいはずなのに長引いているのはこういう場合がある。
- (1)うつ病について知らないで治療を受けない
睡眠障害、胃腸障害だと思って、うつ病だとは思わないのがその例である。
- (2)うつ病であると思っているが治療を受けない
- (3)周囲の理解、支援がない
- (4)充分な治療を受けない
治療を中途はんぱでやめる。
- (5)心理療法を受けない
心理療法で治るうつ病もある。
- (6)治療を受けるが生活が不規則
- (7)ストレスを強く感じて否定的な考えが持続
ストレスの強度よりも本人の否定的に考える傾向が強い。
こういう場合は充分、薬物療法や心理療法を受けると治る可能性があります。最近では、治りにくいうつ病を支援する復職プログラムやうつ病のデイケアのサービスを行う団体や病院があります。<→(16)>
本人は治療にいく意欲がないとか、絶望している可能性があるのでご家族のささえが大切です。ご本人も病気について知り、治す行動をおこしていただきたい。
<続く>
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