(8)うつ病についてよく知り治療を [2008年11月10日(月)]
(8)うつ病についてよく知り治療をうつは気の持ち方でなんとかなるような状態ではなくて「病気」です。病気を治すためには治 療を受けるほうが早期治癒になります。治療法が研究されています。アルツハイマー病は脳(前 頭前野)の神経細胞の一部が死滅するのですが、うつ病の場合にも前頭前野、海馬などの体積の 縮小が報告されています(細胞が障害を受ける原因は違いますが)。細胞の減少や神経伝達物質の受容器となる樹状突起スパインの減少が 観察されています。こういう状態になるために、前頭前野や海馬を使用する精神活動(作業記憶 、注意の集中、意欲、自発性、思考判断、他人とのコミュニケーション、記憶のコントロール等 )が活発ではなくなって仕事ができないとか他者とのコミュニケーションが難しい状況になると 推測されます。また、「抑うつ症状」は前頭前野ではなくて大脳辺縁系(のどこか)などが責任部位のようですが頭が重い感じがあって頭痛と同様に非常につらい症状です。そういうわけで前頭前野、海馬、大脳辺縁系などの変調が回復しないと、いくら「がんばれ」と激励 されてもできないわけです。だから「病気」ととらえて治す行動をしたほうが早く復帰できるで しょう。うつ病には薬物療法が研究されて新しい薬が開発されてきました。これまでは、セロトニン神 経、ノルアドレナリン神経、ドーパミン神経などに作用する薬が開発されてきました。こうした 薬を服用して7割くらい効果があることがわかっています。 7割くらいに効果があるのですから、うつ病であるとわかったら特別な場合(未成年など)を 除いて薬物療法を受けるのがよいでしょう。国(厚生労働省)のうつ病、自殺対策も薬物療法を 第一としてすすめています。そのほか、うつ病になった原因であるストレスを軽減できるのであ ればその対策(一般的には職場のメンタルヘルス対策)もとります。うつ病が理解されておらず に死にたくなっているのがうつ病という「病気のせいである」ことを自覚しない(本人も家族も )で治療を受けないで自殺してしまうことがあります。家族全員がうつ病について勉強しておい て、うつ病とはどういう症状があるのか理解していて、家族の様子の変化を察知して自分でもう つ病の兆候ではないかと自覚を持ち、早めに治療を受けたり対策をとることが大切です。 <続> (9) 連載<働き盛りのうつ病予防・概要> =マインドフルネス心理療法の視点より =働く人のうつ病、自殺を防止するために
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