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自殺予防・精神科医だけに任せるな [2008年08月29日(金)]

医学の中でも最も遅れた分野・精神疾患(2)

 =「自殺予防・精神科医だけに任せるな」

 うつ病などの治療法が遅れている。最近、自殺対策が注目をあびるようになって、精神科医への 期待が高まっている。しかし、現実は甘くない。うつ病になったら薬物療法を受けましょう。それ で治るかのようにいう論調が多いが薬物療法による治癒割合はそれほど高くはない。ようやく精神 科医の方の本音が聞かれた。朝日新聞(8月29日)の「私の視点」に精神科医・鶴田聡氏の論文「自殺予防・精 神科医だけに任せるな」が掲載された。
 その重要な点について箇条書きにするとこうなる。
  • 精神科医に相談して自殺が防止できるだろうか。
  • 私の患者で自殺した人は20年で56人。そのうち1カ月前の精神状態が中程度以上のうつだ ったのは8人にすぎない。「精神状態から自殺を予測するのはきわめて難しい。」(精神科医にとっても)
  • 56人のうち20人は自殺未遂を起こして入院した人だったが、そのうち4人は、退院後1カ 月以内に自殺した。「私の経験から言えば、すべてを予測し、阻止するのはほとんど不可能に近い 。」
  • 入院患者でも自殺することが多い。
  • 「法律を作ったからといって、科学的に確立した予防の方法が現時点では存在しない以上、「 できないものはできない」と言ったほうがいいのではないか。」
  • 「自殺予防を精神科医だけに頼らず、社会全体で取り組むことが必要ではないだろうか。」
 政府の方針で、内科医がうつ病を発見し、重い患者は精神科医にまわす対策がすすめられる。も ちろん、それでいい。薬物療法が6,7割は効果がある。だが、薬物療法で効果がない患者は治せ ない。そこから自殺も起きる。うつ病は地域の支援や心理療法で軽くなる人もいる。
 「自殺予防・精神科医だけに任せるな」である。10人に1人うつ病にかかる。どの人も家族か 親戚にうつ病の人がいることになる。他人事ではない。あなたの家族か親戚の誰かがうつ病になり 自殺の危険がある。たとえ、全員薬物療法を受けても、そのうち、3,4割は精神科医の治療では 治らない。
 自殺対策基本法ができても、うつ病を治す医療技術が限界がある以上、精神科医にできないものはできない。難しい患者は精神科医にまわすという対策では限界がある。他のリソースが自殺防止対策に参加する必要がある。従来の専門家(精神科医)だけでではもうだめだ。都市部では秋田方式だけでもだめだろう。地域にあった新しい対策を考えていかねばならない。住民全員が理解すべきだ。明日は、自分の家族、親戚の問題となる。
 うつ病の重症患者は 「自殺予防・精神科医に任せる」ではいけない。薬物療法で治らなくて自殺する患者も多い。精神科医の正直な本音である。
 精神科医は忙しい。心理療法を提供する余裕はない。長時間話をきく余裕もない。薬物療法の効果は6,7割程度である。
 「自殺予防・精神科医だけに任せるな」=地域住民も自殺予防の活動に加わらなければ自殺対策は限界がある。あなたの家族、親戚を自殺においこまないように支援できることを考えていかねばならない。
  • 9月10日シンポジウム 「自殺防止に地域住民ができること」
  • 「住民による自殺対策連絡会議・東埼玉」
  • Posted by 埼メンタル協会/大田 at 14:09 | 自殺防止対策 | この記事のURL