対人恐怖症(社会不安障害) [2008年08月06日(Wed)]
対人恐怖症(社交不安障害)のために、不登校、ひきこもりが続いて苦しむ人も多い。ながびくと、うつ病をひきおこして悲劇が起きることもある。対人恐怖症も(他の不安障害も)マインドフルネ ス心理療法で治る人がいる。全般性不安障害やパニック障害などもアメリカのマインドフルネス心理療法が適用されている。認知療法とはかなり違う(認知的技法は用いない)ので認知療法で治らない人でも効果がある場合がある。 精神疾患といわれるものには、たいてい、心理的問題(非叡智的フュージョン)の背景に、神経生理学的特徴がある。相互に影響している(神経生理学的フュージョン(連合)と呼ぶことにする)。神経生理学的フュージョン(連合)が軽快にならないと、精神疾患は治りにくい。 対人恐怖症の人にも神経生理学的な特徴がある。扁桃体が過敏になっていて、ささいな刺 激でも不安反応をひきおこしてしまう。そして、感情を抑制する眼窩前頭皮質の機能が低下してい る。
さらに、実際に我慢して社交状況に加わっても安全行動と呼ばれる、ある種の回避行動を取って しまうこともSADが長く続く原因になります。手が震えてグラスからこぼしてしまうのではないか という不安から両手で握り締めてしまうようなことです。めったにこぼすわけではありませんし、 多少こぼれたとしても実際にはたいしたことにはならないのにひどく恐れてしまうわけです。また 、そうして黙って座っていればかえって周囲の印象は悪くなってしまい人もあまり近づいてこなく なります。」(148頁) その途端、不安が大きくなり心臓がドキドキして気分が悪くなる。結婚式や会合を欠席するとい う返事をする。回避、広場恐怖が拡大する。
マインドフルネス心理療法(SIMT)こうした対人恐怖症(パニック障害やトラウマ、外傷後ストレス障害も)もマインドフルネス心 理療法で治されている。感覚や感情や身体反応などの自分の種々の精神作用のありさまを知らないので、自分を観察することで知るトレーニングを重ねる。呼吸法を行いながら不快な経験を無評価で観察して回避行動にうつらない (受容である)トレーニングを毎日行なう。元来、すべてが自分の心(自己根底の場所)に起こる現象である。すべてが自分の心の上である(東洋哲学)。他者も環境も自己のことである。自分のことであるから、自己の自覚が深まれば対処可能である。 自分の小細工を用いず、不快事象も自己の活動であるからあるがまに観察して、自分の役割行動への意志を起すトレーニングを行う。対人恐怖には、確信型と緊張型がある。前者は、自分が嫌われているとか傷つけているという「妄想」思考であり、他者が外見で評価するという思いこみがある。自己評価が低いため、外見で他者も評価するという思いこみがある。だが、真の自己は、思考や行動をする内奥にある人格であり、他者はそんな外見で評価するものではない。思考の内容は、真の自己ではないと知って、そういう思考はすぐ停止する訓練を続け、自分の作用、その奥の人格の構造を理解し、人の評価は外見によらないこと、内面こそ重要であることを了解すれば割合早く治る。 緊張型は、呼吸法をしながら、不安や身体反応をそのまま観察して逃避しない訓練を続けると、 だんだん、逃げないで本来の行動に意識を向けられるようになる。人間は、創造的世界の創造的要素として、外的社会に参画していかないと生きがい、喜びを感じない存在である。それを理解して、自分のありさまをよく知り、本務から、外的行動から逃げない訓練をしていく。 こうしたトレーニングが神経生理学的な変化をもたら す。扁桃体の過敏さがしずまり、眼窩前頭皮質の抑制回路が活性化する。背外側前頭前野、帯状回認知領域の作業記憶の回路(意志作用にかかわる)が活性化する。 こうした効果を促進させるために、心理的柔軟性の欠如を改善する手法をおりこんだ呼吸法や日常行動をた くさん実行する。こうしたことで、不安障害が改善していく。 関連記事
若いうちからマインドフルネス心理療法の予防的実践でこういう病気を予防しましょう。
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