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若い人の不安障害は後にうつ病になりやすい [2008年07月03日(木)]

若い人の不安障害は後にうつ病になりやすい

 小中学校、高校生、大学生の頃に、あがり症、不安障害(社会不安、対人恐怖、パニック障害など )があると、後になって、うつ病を発症しやすい。また、不安はうつ病に併存しやすいし、不安障害 にうつが併存しやすい。
 社会不安、対人恐怖の人は、感情に関係する扁桃体が過敏で、感情をコントロールする眼窩前頭前 野の機能低下があると報告されている。だから、いくら、論理的に説得されようと、やさしく話しを 聞いてくれようと、こういう神経生理学的な基盤が回復しない限り、対人恐怖症、社会不安は治りに くい。パニック障害も同様である。不安がたまらなく怖い。  だが、不安障害を治さないと、後にうつ病になるおそれがある。不安障害もうつ病も感情の抑制が うまくいかない心の病気だ。親近性がある。うつ病になると極端な対人恐怖にもなる。
 さて、私の場合は、小学校の低学年で結核となり、1か月、学校を休んだ。夜になると「まもなく 死ぬのか」と死の不安におびえた。小児ぜんそくの発作をしばしば起こし、夜眠れないことが多かっ た。やはり、喘息の悪化による死の不安におびえた。ぜんそくの発作は高校生まで起きた。この不安 過敏が、私を極端なあがり症にしてしまった。1人で注目をあびる状況では動悸、手、声の振るえが ひどく、そういう行事(自己紹介や指名されて読む、劇など)になりそうな時には、サボった。ずる 休みである。仮病を使う。母には、頭が痛いとかいう。あがり症で自分を発揮できず高校卒業まで苦 しんだ。これが、治せる病気だとは知らなかったし、50年前の田舎町にはカウンセラーはいなかっ ただろう。
 大学時代に軽くなった、というより、あがる場面を避けた。不思議に、あがりだけであった。視線 恐怖はなかった。大学を卒業して就職して順調に働いていたが、40歳のころ、うつ病になった。こ の時は、感情処理がうまくなかったのだ。若いころのあがり、不安過敏が治癒されないまま潜伏して 残っていたのだ。後のもっと強いストレスがあっても再発しなかったのに、この頃は、弱かった。幸 い、薬物療法だけにまかせず、今でいうマインドフルネス(呼吸や目前の視聴覚に意識を集中)と不 快なことの受容で暮らして治った。そしてその後はこの心得で暮らしたので、もっと強いストレスの ある仕事をしても再発することなく乗り越えた。今、時に、100人の人の前でも講演、心の健康体 操の指導ができている。カウンセラー講座の講師もしている。あがり症はないわけで。
 だから、あがり症、不安障害、うつ病などになるような弱いところ(過敏性と機能低下)があって も、改善できるということを立証したことになる。ただし、うつ病の方のストレスの程度、症状の程度は様々であり、メンタルな側面からと社会的側面からの解決対策が必要である。
 私は、メンタルな側面のアプローチの方を行なっている。不安障害の人の苦しみもわかる。うつ病の 人の苦しみもわかる。その克服法のうちマインドフルネス心理療法の手法がわかる。
 不安障害、過食、リストカット、うつ病など、マインドフルネス心理療法や認知行動療法で治るの だから、できるだけ早期に治療を受けたほうがいい。さもないと、後に悪化して悲劇が起きる可能性 がある。神経生理学的変調があるようだから自然治癒は少なく、治療しないと治りにくいが、治療す ると治る。心理的柔軟性のスキル不足と神経生理学的変調があれば改善していくトレーニングをする 。中高年になるほど、つらいストレスが多くなる。若いうちの、半年から3年くらいのトレーニング に耐えて、自分がよくわかるようになって、永く安心を得ていただきたい。家族のみんながお互いの つらさがわかり、お互いの願いを尊重しそのままの人格を受容し、外部のストレスに強くなり、家庭 内に緊張を持ち込まず、家庭が最も安心できる場となれば、種々の悲劇を予防できる。
Posted by 埼メンタル協会/大田 at 21:20 | 自殺防止対策 | この記事のURL