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精神科医、カウンセラーも燃え尽きる(5) [2008年06月19日(木)]

精神科医、カウンセラーも燃え尽きる(5)

 セラピスト(精神科医、カウンセラー、スタッフ)を燃え尽きさせない、治療意欲を喪失 させないように、弁証法的行動療法(*1)では種々の対策が組み込まれている。

(4)患者とセラピストとの合意

 患者さんが治療からドロップアウトしないため、また、セラピストの燃え尽きを防くための対策として、弁証法的行動療法のセラピーには、患者 が守るべき事項があり、治療の最初に合意する。
  • 期間の合意
     通常の場合、患者とセラピストは、1年間のセラピーを、毎年更新可能という条件で合意 する。継続するかどうか、セラピストが評価して決める(150頁)。
  • 打ち切り条件の明確化
     セラピーを連続4週間欠席した患者はプログラムからはずされる。復帰することはできない(150頁) 。ただし、患者の側はいつでも治療をやめられる(152頁)。
  • 自殺行動をしないという合意(153頁)。
  • セラピー妨害行為をしないという合意
  • スキルトレーニングに参加するという合意
  • 研究および料金に関する合意
 弁証法的行動療法では、スキルトレーニングが含まれていて、これを欠席するようでは改 善が見込まれないので、欠席する患者はセラピーからはずされる。マインドフルネス心理療 法のプログラムはいずれも、マインドフルネスやアクセプタンスのスキルトレーニングが中 核の技法となっている。1,2回のカウンセリングで解決するようなスキルの問題ではなく、相当期 間のトレーニングが必要である状況となっているので、規定のセッションを欠席する と患者の心身に改善の変化が起きる保障はないから、こういう条件の合意が求められる。悪化した時だけ無条件でいつ でも来ていいという方式では、患者が症状悪化からの変化に必要な行動をとる(長期間のトレーニングで習得すべきもの) ことがむつか しく、セラピストにとってむつかしいセッション(通常はグループ)となり、セラピストを 疲弊させる一因となるだろう。
 こういう条件の合意のあるほうが、ドロップアウトが少なく、治癒率が高いという。
 他のプライマリーケア医の場合、自分の能力を超える患者は他の専門医を紹介するのが当然の仕組みになっている。精神科医も自分の治療スキルの限界を超える患者さんの場合、他の専門機関(各県に1,2か所)を紹介できる仕組みを作るといいのだろうが、むつかしいのでしょうか。
    (*注)
  • (1) アメリカのリネハンが開発した心理療法で境界性パーソナリティ障害、物質乱用または物質 依存、無茶喰い障害、神経性大食症、うつ病に効果があったという。記事中の(xx頁)は「 境界性パーソナリティ障害の弁証法的行動療法」リネハン、誠信書房。

精神科医、カウンセラー、スタッフも燃え尽きる
Posted by 埼メンタル協会/大田 at 17:25 | カウンセラーのストレス | この記事のURL