精神疾患を治す [2008年04月05日(土)]
精神疾患を治す=「連合の形成」と「連合の解消」うつ病や不安障害(対人恐怖症、パニック障害、PTSDなど)などになると、治ることを阻害す る思考や感情、行動を起こす。同じ反応パターンが繰り返されて治らない。この繰り返される思 考、行動などの側面から、マインドフルネス心理療法の治療法についてご紹介します。 うつ病、不安障害にある「連合」うつ病、不安障害(対人恐怖症、パニック障害、PTSDなど)などに罹患していない人は、自由 意思で、自らの社会的な役割をはたすべきことに注意を向け、思考し、判断し、機能的行動を選 択している。その時には、自分の社会的な役割をはたすという目標を破壊しないこと、その 時に不要なものを抑制し、必要なものを自分の学習や体験の中から適切なものを検索して、想起 して、行動に反映している。しかし、うつ病、不安障害に罹患すると、こういう精神活動の一部が障害される。思考や自由 意思ではなく、思考や感情をコントロールできないという無力感におおわれている。 自由意思で、自らの社会的な役割をはたすべきことに注意を向けることができず、非機能的な思 考、行動を抑制できない。その結果、自分の社会的な役割をはたすことができずに、苦悩する。 その時に不要なものを充分抑制できず、自分の社会的な役割遂行に必要な活動を自分の学習や体 験の中から検索して、想起して、行動に反映できない。 このような疾患に罹患している時には、感覚などの刺激、思考、情動性自律反応などから、非 機能的な行為が繰り返される。ある刺激から決まった思考を起こし、ある思考や感情から決まっ た行動(非機能的な行為)を起こす。こうした関係を「連合」とよぶ。たとえば、うつ病では、気分が悪いと否定的な思考を起こす。気分から思考への連合がある。不安障害になると、あ るもの、場所を想起すると、不安を起こす。そして、行動を回避する。想起から不安、不安から 行動の回避の連合がある。 意識下の連合・生理学的変調感覚(視覚、聴覚、痛みなどの身体症状など)、思考、感情、身体反応、行動などは意識上に あるが、意識的に思考を変えようと思えば、変えられるものではなくて、 非機能的な思考、行為が起きるところには、意識下に生理学的な変調が生じている。たとえば、 うつ病の人の非機能的な思考、行為の背景には、前頭前野や海馬の萎縮、HPA系(視床下部ー 下垂体ー副腎皮質)の亢進と負のフィードバック機能不全などがある。こういう変調は、個人の 意識にはのぼらない。意識下の変調である。意識下の変調があって、意識的な思考、行動に影響 する。これは、意識下の前頭前野などの変調から、思考、行動などの連合である。意識上の連合と、意識下の連合がある。うつ病や不安障害などに、このような連合があるとす れば、その連合の解消や緩和をすることができれば、その疾患が治癒する。 治療方針うつ病や不安障害などの疾患を改善する方針として、2つの方面がある。
このように、ストレッサーを変化させることを目標とする場合と、しない場合がある。 連合の分析マインドフルネス心理療法で治療を行なう場合、連合の分析を行い、それが明確になった時、 それを解消・緩和することが方針となり、それを実現すると思われる治療技法を選択する。クライアント(患者さん)が、来ると、どのような症状、行動があるのか、詳細に聞いて、連 合を分析する。そのことによって、うつ病なのか、非定型うつ病なのか、パニック障害なのか、 対人恐怖症なのかを判断する。そして、そこにある連合を解消できる治療技法を選択して教育す る。セラピストからは、教育であり、クライアントからみれば学習である。治療技法としては、認知的技法は用いない。 種々の機能の連合、関係性を解消するか、緩和するような技法を用いる。うつ病などは、連合があるから、治癒しないとみているからである。認知(のみ)がおかしいから、治癒しないという認知療法の仮説とは異なる。 (続) 精神疾患の症状をひきおこす意識下の変調とその回復 =「連合の形成」と「連合の解消」 |


