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PTSD、トラウマのフラッシュバック [2008年04月04日(Fri)]

不安障害・非定型うつ病の不安・恐怖(3)

 =PTSD、トラウマのフラッシュバック

 不安障害や非定型うつ病に、不安発作がある。非定型うつ病、PTSD、トラウマには、フラッシ ュバックがある。恐怖体験がよみがえり、種々の場所、行動を回避する。
 PTSDには、再体験症状(侵入的想起、悪夢、フラッシュバックなど)がある。
     「些細な日常的刺激でさえもがトリガーとなって、突然に「思い出したくない事件」の生々し いフラッシュバックに見舞われ、恐慌状態に陥るということを繰り返す。」(1)
 PTSDの患者の脳においては、海馬、前頭前野、前部帯状回の容積が小さいという報告がある。 (2)
     「海馬と前頭前野はエピソード記憶と意味記憶の符号化と検索に携わっていることから、その 体積減少は陳述記憶システムの相対的劣性を生じやすい基盤となる。PTSD患者に認められた記憶 と前頭葉機能に関する障害の多くもこれに関連しているものと解釈できる。また、前部帯状回は 扁桃体を調節することによる条件付けの消去に関与しているので、その体積減少はいったん恐怖 体験によって条件付けられた反応を容易に消去できない基盤となる。」(3)
 薬物療法によって治ったPTSD患者の海馬の体積が、治療前と比べて増加したという報告もある (4)。

前頭前野の脆弱から情動にひきよせられる

 PTSD患者は、選択的注意の障害(前頭前野の機能の脆弱性)があり、情動(感情)システムが 亢進しやすく、感情がおきると、選択的注意をひきつけることで、回避、過度の警戒心、などの 症状が起きると推測される。
 こうした構造がPTSDであるならば、前頭前野の機能、すなわち、抑制機能や選択的注意の正常 化、および、扁桃体の亢進を抑制する方針で心理療法も提供できるだろう。マインドフルネスは 、注意機能、抑制機能のトレーニングであり、扁桃体による日常的な感情の亢進やフラッシュバ ックなどがあっても嫌悪せずに、受け入れるところに、アクセプタンスの技法をトレーニングす るだろう。選択的注意が情動に向けられると注意資源の容量によって、価値ある行動にさくこと ができない。作業記憶にかかわる背外側前頭前野、前部帯状回、海馬の機能が向上すると症状が 軽くなることが推測される。海馬、前頭前野、前部帯状回の容積が小さいのであるから、これら をよく使うトレーニング手法を継続することになる。ちょうど、マインドフルネス、アクセプタ ンスのトレーニングは、まさに、作業記憶の活性化トレーニングである。

  • 「精神の脳科学」東京大学出版会、2008、198頁
  • (2)同上、213頁。
  • (3)同上、213頁。
  • (4)同上、214頁。
 
Posted by MF総研/大田 at 23:07 | パニック障害・PTSD | この記事のURL