非定型うつ病 [2008年02月29日(金)]
非定型うつ病(13)=非定型うつ病は薬だけでは治りにくいうつ病のうち、薬物療法が効かない人は、非定型うつ病である可能性がある。うつ病に詳しい精 神科医は、薬をくふうして治療している。それでも、長引く傾向がある。心理的ストレスへの対処 をしていくのがいいようである。 非定型うつ病は、過眠、過食、気分反応性、鉛様麻痺、拒絶性過敏があるうつ病。調子がいい時 には、普通のようで、嫌なことがあると、悪化するので、怠け、うそつきと誤解されることも多い 。学童期の子の不登校の中にも、これによるものがある。楽しい時には、症状がでないが、何か緊 張する課題、行事がせまると逃げるので「怠け」と誤解される。実は、鉛様麻痺が起きて、動けな いのかもしれないし、激しい感情に圧倒されてしまうのかもしれない。薬だけでは治りにくい。 野村総一郎氏の「うつ病をなおす」(1)にも、非定型うつ病のケースが紹介されている。 29歳のキャリアウーマンで、非定型うつ病の典型であり、朝起きられない、過食、過眠、鉛のよう な倦怠感があった。心療内科の治療を受けたが治らないので、医者が「これはうつ病ではない」「 性格を直さないと、これはよくならない」「人格障害です」と言い方が変わって来て、治療にも不 熱心になってきたように思えた(97頁)。そして、野村氏のもとを受診した。 非定型うつ病とわかったが、アメリカでは使用できるMOA阻害薬を使用できなかった。特効薬がな く、種々の薬をためしたが充分な効果がなかった(97頁)。 治療が始まってから3年が経った。会社はやめた。恋人ができて、心理的なサポートが得られたこ と、長年険悪な状態が続いていた母親との仲が修復されたことなどがあってしだいに回復していっ た。 3年ほどで回復してきたが、効果があったのは、心理的ストレスの緩和のようである。「主治医 として果たしたのはむしろカウンセラー的な役割であろう。」(99頁) 非定型うつ病は、残念ながら、まだ、特効薬がないし、心療内科医でさえも誤診し、薬をうまく 使うことを知らない場合がある。次のように総括する。
またMAO阻害薬が本当に有効であるかどうかを含めて、薬物療法を開発する努力が本質的には最も 重要であることは言うまでもない。」(99頁) 上記のように、非定型うつ病には、カウンセリング、心理療法が効果がある。 これは、時間かかる治療法であるから、医者よりは、臨床心理士などカウンセラーが行なうのに適 している(医者の診療報酬が安くて研究する動機が弱い。医者は患者が多くなる傾向があり、時間が なくてやっていられなくなる)。非定型うつ病による、不登校、休退職、ひきこもりなどの治療、自 殺の予防には、これから臨床心理士やカウンセラーに期待したい。薬が効かない人を治し、再発を 防止し、ひきこもりから復帰し、自殺を防止できるという社会貢献が大きい領域である。それを行 なう臨床心理士が収入面で報われない制度では、困る。心理療法による種々のプログラムの効果を ためして、効果があれば、診療報酬制度を変えていく運動が必要だろう。軽くなるのに、3年もか かるとは、長すぎる。貴重なものを失っていく。
非定型うつ病
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