«「精神科医は信用できるか」(13) | Main | 非定型うつ病»
「精神科医は信用できるか」(14) [2008年02月28日(木)]

「精神科医は信用できるか」(14)

 =カウンセリングも怖いのがある(6)

 心の病気になって、薬物療法が効かない人は、カウンセリングを受けるが、和田氏は、カウンセ リングがみないいわけではなくて、怖いカウンセリングもあるという(A)。次の記事でふれた。それ を、もう少しみておく。  和田氏が指摘するカウンセリングの怖さをみている。
     「また、カウンセラーの中には、自分の個人的な価値観や人生観を患者に押しつけがちな人間も 少なくない。たとえば左翼的な思想の持ち主であれば、患者の障害の原因をすべて会社のせいにし て、その悪口ばかり吹き込むこともあるだろう。すると患者は自分の労働環境に我慢できなくなり 、いきなり会社を辞めてしまったりするわけだ。
     通常は、患者が社会に適応できるようになるというのが治療の大きな目標の一つだから、これで は本末転倒である。場合によっては、思い詰めた患者が自殺してしまうこともあるのだから、カウ ンセリングの「副作用」は本当に怖ろしい。」 (A-137頁)
 これでは、クライアントをもっとつらい状況に追い込むから確かにおかしい。
 こういうことをするカウンセラーが「少なくない」というが、本当だろうか。そうだとすれば、 驚く。こういう事例をあげて、「カウンセリングの「副作用」は本当に怖ろしい。」と言われるが 、そういうカウンセラーがいるとすれば、本当に怖ろしい。
 独特の思想を持ち、自分の集団の利益をはかる反社会的な「カルト」のようなカウンセラーは少 数はいるだろう。思想を植えつけるカウンセラーやカルトの被害に合わないためには、家族が同行 したほうがいい。心の病気になっている人は、不安があり、判断力が変わっているから、カウンセ ラーがいうことが妥当なのか判断がつきにくい。
 心の病気がながびいて困っている人が多いのに、困った状況になっている。確かに種々の「カウンセラー」が多いようだが、自殺が減少しない。うつ病や不安障害を治すスキルを持つカウンセラーが少ない。うつ病や不 安障害については、薬の研究がすすんでいるものの、心理療法の重要さはなくならないはずだ。た とえば、心理的ストレスによって起きたうつ病が、次世代の薬(HPA系や神経栄養因子に直接作用する薬でも)で軽 くなっても、また、心理的ストレスの大きい現場に復帰すると、HPA系が再び亢進して、再発するだ ろうという予測がたつ。薬物療法だけでは心理的ストレスによるうつ病は、ストレスの強い環境で はなくせないのではないのではないだろうか(それ以外のうつ病には効果があるだろう)。優秀なカウンセラーを集めた最先端の心理療法を提 供できる施設を県に一つは作って、難治性地のうつ病の心理療法を提供できないのだろうか。「カ ウンセリングは怖い」という状況に、カウンセリングを否定するのではなく、薬物療法以外の治療 法を提供する政策を本気で検討してもらいたい。国民全体がそういうことを理解しないと、いつ自 分の家族がうつ病や不安障害で苦しむかわからない。発症率がきわめて高い病気だ。

(注)
  • (A)「精神科医は信用できるか」和田秀樹、祥伝社新書、2008/2
    書籍紹介「精神科医は信用できるか」
  • Posted by 埼メンタル協会/大田 at 23:08 | 自殺防止は医者以外も | この記事のURL