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うつ病は再発が多い [2008年01月14日(月)]

うつ病は再発が多い

 =心理療法の活発化への運動が必要

 うつ病は、7割程度は薬物療法で軽くなる、治るとされるが、ただ、その 後、再発も多いことが知られている。
     「うつ状態・うつ病(以下併せてうつ病と」記す)は往々にして再発する 。(一部、省略)
    大うつ病性障害・単一エピソード(すなわち初発)の患者の少なくとも6 0%が2度目のエピソードをもつことが予測される。エピソードを2回 もったものが3度目のエピソードを持つ可能性は70%で、エピソードを3 回もったものが4度目のエピソードをもつ可能性は90%である。」(1)
 うつ病の再発の研究では次のことが指摘されている。
     「初めてのものは、1983年のケラー(Keller, M.)らによる研究で、大うつ 病性障害と診断された141人の患者を13カ月追跡したところ、43人(33%)がよ くなってから少なくとも8週間で再発していた。 より最近の研究では、最初のうつ病から回復した患者のうち半数以上が少な くとも1回は再発し、過去に2回以上のうつを経験した患者の再発可能性は 70〜80%であると推定されている。」(2)
 うつ病は、薬物療法で治療すれば、7割くらいは寛解にいたる人が多い。 しかし、心理的ストレスの受け止め方が変わらないと(薬物療法ではその可 能性が高い)、脆弱性が残っている可能性があり、薬物療法で治った人でも 、60%くらいは、再発しているのが実情だ。その後も、再々発を繰り返す 人も多い。風邪などと違って、かなり長期間(3か月〜1,2年)、社会生 活(仕事、学業、家事など)がむつかしくなるので、本人は、相当、つらい 。
 こういう事実が現実であるから、うつ病が薬物療法でも治らずにいると、 社会復帰が遅れて苦悩を深めたり、ストレスのある出来事があると、悪化さ せて自殺するリスクがある。
 こういうふうにうつ病の再発が多いから、自殺が減少しないのだろう。パ ニック障害も治らないとうつ病になる。心理的ストレスとなる貧困、過労、 いじめ、介護支援制度、育児支援制度、など社会制度の改善も重要で、治療 法の研究も重要だ。
 だから、うつ病が2度目の(再発した)人は、脳に脆弱性が残っていたり、 心理的にうつ病になりやすい心理的反応パターンを繰り返している可能性が ある。
 再発、薬物療法、寛解、再発を繰り返していては、仕事の継続性がそこな われ、家計や自治体の医療費がかさみ、いつまた休職においこまれるか、ま た、自殺のリスクは消えない。

対策

 薬物療法も効果があるが、心理的ストレスへの受け止め方が変わらないと 、それだけでは再発しやすい。薬物療法だけによらず、心理療法を受けて、 再発しないような心の用い方を習得したほうがいい。そういう心理療法を受 けることができる場所をふやすことも、自殺防止対策であるべきだ。
 うつ病、パニック障害が長引く人のご家族は、心理療法を受ける機会を持 ったほうがいいと思う。なければ、患者会を作って、心理療法を推進する運 動を起こしてはいかがであろうか。厚生労働省の自殺対策では、うつ病にな っても、薬物療法を受けていない人が多いので、内科医などにうつ病の診断 の再教育により、うつ病患者の発見と初期治療、精神科医に紹介した場合の 診療報酬などが対策となる。
 だが、うつ病やパニック障害で、すでに薬物療法を受けていても、治らな い人、再発する人も多いのは、種々の研究のとおりであるから、薬物療法以 外の対策も必要であるのはあきらかである。他の病気については、患者、家 族団体が対策活動に熱心である。うつ病、パニック障害も、慢性化の傾向が あり、悲劇が多く、患者のご家族も動かないと、心理療法の進展の対策が遅 れるのではないかと心配である。
    (注)
    • (1)「うつ状態再発の予防と早期発見」群馬大学、大嶋明彦(「こころの科 学」125号、特集「うつに気づく」、2006/1、日本評論社、71頁)
    • (2)Z.V.シーガル等「マインドフルネス認知療法」北大路書房、2007/9、7 頁。
Posted by 埼メンタル協会/大田 at 15:31 | 自殺防止対策 | この記事のURL