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家庭内暴力、虐待、自傷行為、自殺 [2007年12月22日(土)]

家庭内暴力、虐待、自傷行為、自殺

 虐待、家庭内暴力(DV)、自殺行動、自傷行為(リストカットが多い)などの社 会問題が報告されている。こうしたことを繰り返す人の中には、境界性パーソナ リティ障害の診断基準の症状の一部があるかもしれない。境界性パーソナリティ 障害は、症状の数が多いが、それでも、これを治療できる心理療法が開発された 。リネハンの弁証法的行動療法である。
 (境界性パーソナリティ障害の人のすべてが、こういうことをするわけではな い。また、こういうことをする人がすべて、境界性パーソナリティ障害であるわ けではない。ただ、感情の制御の困難さ、という共通点はあるだろう。弁証法的 行動療法は、感情の制御の困難さの治療が重要な部分となっている。不安・恐怖 ・うつは、治療するものということは割合、理解されているようだが、虐待、家 庭内暴力(DV)、自殺行動、自傷行為(リストカットが多い)が「怒り」による場 合、治療できるものであるという理解がされておらず、性格だから治せないとい う誤解があるのではないか。「激しい怒り」は、弁証法的行動療法で治療できる ものである。)
 不幸なことをする人を処罰するだけでは、解決できない。日本の、不幸な人た ちのケアにも、この治療法が普及して、不幸な状況から脱することができる人が ふえるといいのだが。ただ、境界性パーソナリティ障害の弁証法的行動療法は、 チーム医療であり、これが普及されるには、かなり、大きな予算が必要となるだ ろう。厳しい経済状況では、容易にはいかないだろうが、数県で、1か所は、こ れにとりくむ施設を作ってほしい。他の施設を統廃合してでも、価値ある施設だ ろう。予算をつぎこむべき領域がある。

マインドフルネスのスキル

 弁証法的行動療法(DBT)では、弁証法的な治療方針で、マインドフルネスを中 核として、約1年かけて、境界性パーソナリティ障害の治療を行なう。
     「マインドフルネスに関するさまざまなスキルは、DBTの中心をなすものであ り、その重要性から「核となる」(core)スキルと呼ばれる。」(注1)
 治療がむつかしいので、セラピストが疲弊するおそれもあるので、弁証法的行 動療法は、チームで治療にあたることになっている。セラピスト・グループのス タッフが、心理的なケアを必要とする(セラピストを治療する)状況になること もあり、セラピスト側にも、マインドフルネスのトレーニングが有効となる。
     「DBTの枠内に留まり続けることは、ボーダーライン患者と接するセラピスト にとっても非常に困難なことだろう。DBTにおいては、スーパーヴィジョンやケ ース・コンサルテーション、あるいは治療チームにより、セラピストを治療する ことが重要な一側面となっている。DBTケース・コンサルテーション・グループ の役割は、セラピストが治療の枠内に留まり続けるようにすることである。ボー ダーライン患者の治療を単独で、チームの枠外で実践することは、どうやっても 危険であると考えられる。それゆえ、セラピストの治療はセラピーの不可欠な一 部として組み込まれている。」(注2)
 チームでならば、効果を発揮する心理療法がある。自殺対策には、うつ病、不 安障害、依存症などの心理療法の普及も重要である。多くの人が参加できるよう な条件整備が必要である。
    (注)
  • (1) 「マインドフルネス&アクセプタンス ー認知行動療法の新次元ー」 編著=S.C.ヘイズ、V.M.フォレット、M.M.リネハン、監修=春木豊 ブレーン出版、2005/9/10、254頁。
  • (2)「境界性パーソナリティ障害の弁証法的行動療法」マーシャ・M・リネハ ン、大野裕監訳、誠信書房、134頁。
Posted by 埼メンタル協会/大田 at 09:07 | 怒り・暴力 | この記事のURL