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NHK 高所恐怖症の治し方 [2007年12月13日(木)]

NHK 高所恐怖症の治し方

 12月12日、NHK、「ためしてガッテン」で、高所恐怖症、蛇恐怖症などの治し 方を放送した。  エクスポージャー法の応用だった。恐怖という感情は、大体10分でしずまる 。これを知らないために、恐怖が起きたら、すぐに逃げるので、治らない。
 治し方は、苦手なものに接近して、恐怖不安が起きても、すぐには、逃げない で、ふみとどまる。できれば、現在の感覚(「例えば、つかんでいる手の感覚な ど、その時の感覚に」)に注意を向けるとよい。こうすれば、恐怖不安がしずま る。
 一度、これを体験(「OK体験」と呼んでいた)すると、高所恐怖症が治る。  こういうことが紹介された。

マインドフルネス心理療法と似ているところも

 こうした方法は、マインドフルネス心理療法とも類似した部分がある。人間の 心理、感情の実際を知り、生理学的な知見も充分理解して、自分の感情や思考の ありさまをあるがままに観察して、実相を知って、無茶な行動(回避、ひきこも り、害を生む行為)をとらず、適切な行動を選択しようというのが、マインドフ ルネス心理療法だからである。
 テレビで紹介されたのは、恐怖不安(「感情」)についての対処であるが、マ インドフルネス心理療法は、すべての感情(怒り、恐怖、不安、ゆううつ、不満 、悲哀、後悔など)についての対処法になっている。現在の感覚に注意を向ける 訓練は、テレビで紹介したのと似ていて、これを日常的に訓練する。
 うつ病や不安障害、依存症などは簡単ではない。不安などの「感情」のほかに 、「症状」や、強い非機能的な行動があるからである。 マインドフルネス心理療法では、呼吸法と現在の瞬間を観察することをたくさん 練習する。繰り返しの練習によって、感情の興奮がしずまりやすく、日常、呼吸 法を継続していると、他の部分(脳神経レベルで)の脆弱性が変化を起こす。 簡単には、治らなかった、うつ病、パニック障害、対人恐怖症などを治そうとす る(効果はもちろん個人差がある)。高所恐怖は、社会生活を著しく障害するよ うな「症状」は起きないし、そのために学校に行けないとか、仕事を続けられな いということは少ない。しかし、うつ病やパニック障害、依存症などは、感情以 外の多くの「症状」(抑うつ気分やパニック発作)や非機能的な行為があるので 、簡単には治らないが、セラピストの指導で、現在感覚、呼吸法に注意を向ける 方法を、3−6カ月、継続していくと、軽くなることを自覚できる。症状の軽重 によって、治療期間がかわるのは当然だが、この程度で、かなり軽くなったと自 覚できる。これは「OK体験」の一種である。
 もっと継続すれば、社会復帰できる可能性がある。そこまで、継続できるよう に動機づけをするのが、セラピストの心理教育である。思考、感情、症状などに ついての特徴の説明、治し方の説明、実施していく上での質疑応答などが提供さ れる。
 マインドフルネス心理療法は、うつ病、不安障害(パニック障害、全般性不安 障害、トラウマなど)ばかりではなく、薬物乱用、パーソナリティ障害、アルコ ール依存症などにも適用されており、汎用性、応用拡張性の点ですぐれていると 思う。

予防的な実践

 マインドフルネス心理療法は、「継続実践」という生活スタイル、習慣をひき だすので、精神疾患や心身症、生活不活発病などの予防法としてすぐれている。 ラジオ体操、テレビ体操も習慣化すれば、運動不足による種々の疾患の予防にな るだろう。マインドフルネス心理療法の実践は、これと似た効果を生む。もう、 10年以上、毎週、予防的な実践会を開催している。多数回、参加する人は、精 神疾患にかかりにくい。
 こういうことは、認知療法にはないだろう。予防的に、認知療法を毎日実践す るとか、予防的な会を開催するという習慣は実行しにくいだろう。内容が、認知 、思考だからである。ところが、マインドフルネス心理療法は、それができる。 思考以外の「何かの実行」だからである。1人でも、グループでも、呼吸法、や さしい室内運動(感覚、動きに注意集中しながら)、動作法などを行なうことで 、種々の病気の予防にも用いることができる。
 予防にも治療にも、自分の成長としても、心理療法としては、認知療法だけで はなくて、マインドフルネス心理療法を付加したものが効果がある(アメリカで 多くの心理療法者が確認している)ので、それが、主流になっていくだろう。日 本では、ようやく始まったので、理解者、支援者、推進者が少なく、10年はか かるかもしれない。従来のものに固執する人は新しいものを受け入れない。しか し、国民が期待する、よいものは発展せざるをえない。新しい人材によって、じ わじわと広がっていくだろう。体操に似たようなことをすること、そういうことを他の人に教えるというか、いっしょにすることが好きな人が、参加してほしい。そういうリーダーを、全国に必要とする。待っている人(うつ病や不安障害などが長引いて)がいる。
 ホームページやブログでは限界がある。60万アクセスを超えたが反響は少な い。くりかえし見てくださる方のようで、インターネットをみない人たちに向けて、何か別な方法で、もっと広い方面で、協力者をさがす必要があると感じている昨今である。 
Posted by 埼メンタル協会/大田 at 08:25 | 私たちの心理療法 | この記事のURL