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うつ病を理解しない上司の暴言がひきがねで自殺 [2007年11月13日(火)]

うつ病を理解しない上司の暴言がひきがねで自殺

 11月12日、大阪地裁で、うつ病による自殺の労災が認定された。
 新しい仕事に変わって、1カ月ちょっとで、うつ病になった男性(当時47歳)が、 上司から、人前で叱責された翌日自殺した。
 うつ病を発症していた男性に対して、上司が社内の宴席で、「できが悪い」「何をや らしてもあかん」などと発言したという。男性は翌日、宿泊先のホテルで自殺した。 (2007年11月12日 asahi.com)
 職場の管理者が、うつ病について理解がないのは、まことに、ひどい。別の記事に書 いたように(下記に再録)、うつ病になると、「死にたくなる」症状が起きる人が多く 、その希死念慮、自殺念慮が起きている時に、感情的になるようなことがあると、それ が、最後のひきがねとなって、自殺されることがある。人前で、叱責されるのは、健常 者でさえも、相当、こたえる。うつ病の人に、そんなことをするのは、自殺される危険 がきわめて高い。
 この人の場合は、昇進による新しい仕事のストレスによって、わずか、1か月で、深 刻な(自殺念慮まで起きていた)うつ病になった。そして、原因である、残業や新しい 仕事そのものによるストレスによって、自殺したのではなくて、上司の暴言によって自 殺した。 適切な治療配慮をすれば自殺はしない。上司の暴言が激しい感情を引き起こして、うつ 病の症状を急激に悪化させて自殺させたのだろう。
 うつ病の本来の原因と、自殺のひきがねが違うことも多い。職場の管理者、親、教師 など、みな、うつ病、うつ病と自殺の関係について、しっかりと勉強しておくべきだ。 いじめが原因でうつ病になった子が、無理解な教師や親の叱責がひきがねとなって、自 殺されることがあれば、誰が責任をおうのか、きわめてむつかしくなる。仕事でうつ病 になったのに、離婚の申し入れがひきがねとなり自殺もある。
 薬物療法ではうまくいかないこともある。薬物療法の効果がでて、治るまでに、3− 6カ月かかる。その間に、無理解な周囲の人が、ひきがねをひいては困る。事業場は、 年に1回、2時間ですむのだ。管理者教育で、教育すべきだ。

(下の記事は、子どものうつ病であるが、大人でも同様である。何かの原因で、うつ病 になっていると、別なきっかけでも、ひきがねになって自殺される。よく知っておくべ きだ。)
 種々の原因から、悩むと、つらくなって、抑うつ気分、視野狭窄、精神機能の不全、 などが起きて、ひどくつらくなる。うつ病であることがわからない子どもにとっては、 不可解な心理だろう。学校で伝える場合、うつ病ということをはっきりと説明したほう がよいと思う。ただ「悩みがあれば相談してください」というのでは、「この妙な人格 の変容が相談して治るわけがない」と思ってしまったら、相談もしないおそれがある。
 いじめ、友達関係、成績、進路、健康、家庭不和、教師との関係、など何でも、「思 いどおりにならない」「つらい」という状況があって、打開不能と思われる時、うつ病 が発症する。気分が悪く、意欲がなく、記憶が障害され、成績が下がる。もっと、つら くなる。死にたくなるという症状もある。そこへ、親、教師の叱責、級友のいじめなど がひきがねとなって、急激に自殺念慮が強くなる。 教師や親は、子どもをしかる時、こんなことを理解しておかないと、最後のひきがねを ひいてしまうことになるかもしれない。親の虐待があってうつ病になっていたのに、級 友のいじめがきっかけとなって自殺したこがいると、水谷修氏が語っておられた。
 不登校、保健室登校の子に、親や教師が激しい登校刺激をすると、自殺するかもしれ ない。不登校の子がうつ病になっていて、抑うつ気分、死にたいという気持がうつ病の 症状としてあるならば、激しい登校刺激は、自殺のきっかけになる。また、不登校だっ た子、何かで悩んでうつ病(日本の子どもの5%から20%がうつ)になっていた子に 、言葉でいじめや、親や教師の叱責、不注意な発言があると、それが最後のひきがねに なって、自殺されるかもしれない。
 とにかく、うつ病にならないようにすることや、うつ病になっているらしい子の発見 と、やさしいケアをしてあげないといけない。子どもの中には、悩みをうちあけない傾 向の子もいるので、どうすれば、支援できるのか、研究課題だ。
Posted by 埼メンタル協会/大田 at 21:34 | 自殺防止対策 | この記事のURL