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【コラム】日本最北端の水産業を支える中国人女性研修生!(後半) [2009年11月02日(Mon)]
(前半はこちら)
 その後、中陳社長、専務と一緒に、副港市場での海鮮料理に舌鼓を打った後、私たちは猿払へ移動。途中、宗谷岬で日本最北端の空気(!)を吸ったあと、とても立派な猿払村役場の庁舎を訪れ、森和正村長、保健福祉推進課の伊藤浩一課長、協働まちづくり推進課の荒井輝彦課長にお話を伺った。


左手が荒井輝彦課長、右手は森和正村長。


 猿払村のホタテの水揚げは5トン、この村では4年貝ではなく5年貝のホタテが取れるとのこと。稚貝も放流しているが、地貝も多く、とにかく漁場が良いとのこと。昭和40〜42年ごろ、乱獲のせいで何も獲れない時期があったが、当時、村が「バクチを打ち」、4200万円の年間予算のほぼ半分、2千万を投じてホタテ貝の稚魚を購入して、放流した。これが転機となり、46、47、48年ごろからホタテが戻ってきた。昭和54年ごろは、1キロ120円であったホタテが、現在では65円、70円ということなので、最盛期に比べ価格は落ちているようだが、それでも「猿払」ブランドは国際的評価が高く、村長、課長の発言からも、ホタテ産業の力を背景にした、猿払村の自信が感じられた。

 以前は、近隣の市町村から送迎バス付で働きに来ていたそうだが、現在では労働力不足を研修生が支えている。猿払村が受け入れている中国人研修生は、日本人従業員220人に対して105人。研修生は、中国山東省出身、22歳から23歳くらいの若い世代、女性が多いが男性も受け入れているという。「皆、品行方正で勤勉」「風紀の乱れなどはない」「ビザを延長して働いてもらいたい」とのこと。

 「限界集落」ではなく、「幸福集落」なのだ、という意識で猿払村の村政にあたっているという森村長。ホタテの貝を白線やチョークへリサイクルするなど、資源の地域循環にも取り組む。会議中、お茶と一緒にホタテの貝柱が出てきたのにはびっくりしたが、猿払のホタテは違う、5年貝なのだとの説明に納得しながら、すっかりご馳走になってしまった。

 続いて、この後視察させてもらった漁業協同組合でもホタテ、ホタテ、ホタテの嵐。木村幸栄専務に案内頂き、全ての工程で猿払の最高級のホタテを試食させていただいて、もうびっくり、大満足。(ちなみに、漁協のホームページで猿払の貝付、冷凍、乾燥ホタテ(貝柱)が購入できる。貝付は10/31まで。http://www.hotatebin.net/



 漁協の後、立ち寄らせて頂いたマルカ菅原商店。ここでは、冷凍ホタテを中心に扱っているとのことだったが、17名の中国の女の子たちが研修生として一心不乱に貝剥きと貝の選別作業に集中していた。




 櫻井和子専務は、「研修生の子たちは純真で真面目、よく働くし、一生懸命。日本人の女の人はこんなに働かない」という。毎日朝から夕方まで作業に打ち込み、お金を貯めて、故郷へ送金する彼女たち。ホタテの大きさを選別して並べる作業に打ち込む女の子を見ていて、(ストイックとも思える仕事ぶりに)清清しさと同時に一種の羨望の念も感じつつ、猿払のホタテ産業の現場は彼女たちが支えていることを実感した一日だった。
(研究員 佐藤 万帆)
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