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NO:5316 12月1日『シリアS300入手後初のIAFとの衝突』 [2018年11月30日(Fri)]
ロシアがシリアにS300ミサイルを、供与したことにより、イスラエルはシリアへの攻撃が、不可能になった、と言われていた。このミサイルに加え、ロシアは地中海側から、航空規制の電子網も、張ったということだった。

しかし、今回のイスラエル空軍(IAF)の攻撃は、そのロシア武器の性能を、否定することに繋がったのではないか。シリア側はイスラエル軍の空爆が行われたことを認め、それは首都ダマスカスの南部のキスワ、南西部のカナカル、そして、ゴラン高原のクネイトラだった、と発表している。

今回のIAFの攻撃では、シリア駐在のイラン軍の基地が狙われ、ヘズブラのミサイル基地も、攻撃の対象となったようだ。今回のIAFによる攻撃の目的は、イラン軍とヘズブラの武力を、削ぐことにあったようだ。イスラエル側は最近の攻撃では、今回のIAFによるヘズブラと、イラン軍基地に対する攻撃は、最も広域に渡るものだった、とコメントしているということだ。

 イスラエル側はシリア側からの攻撃により、IAFの戦闘機が損傷を受けることは無かったと発表している。しかし、ヘズブラの報道によれば、ゴラン高原のイスラエル軍基地は、灯が消されているということだ。

 今回のIAFの攻撃による、シリア側の被害がどの程度なのかについては、報告がなされていないが、攻撃そのものがあったことは、事実としてシリア政府は認めている。

 また、どうもこのイスラエル軍による、シリア攻撃の報道を読んでいると、イスラエル側のシア攻撃は、しかるべき成果を挙げなかった、ということではないのか。

 それは、IAFの戦闘機がS300の攻撃を恐れ、早急に攻撃を切り上げたのかもしれない。それにしても、IAF機がシリアの領空に入り、しかも首都ダマスカスの近郊に至ったことは、注目するに値しよう。

 今後、このイスラエルのIAFによる、攻撃の詳細な報告がシリア、イスラエル、ロシアから出てくるものと思われるが、その内容次第では、ロシアの武器S300は、それほどでもなかった、という評価が出るかもしれないし、その逆かもしれない。

 従って、今回のイスラエルの攻撃と、それに対するシリア側の応戦は、実はロシアとアメリカの衝突、ということになるかもしれない。もし、S300の防衛能力がそれほどでもなかった、ということになれば、アメリカの武器への再評価が、世界の武器市場で、起こるかもしれない。

 ただ、今回シリア側が全くS300を使用しようと、しなかったということであれば、話は別であろう。あるいはロシアとイスラエルとの間や、ロシアとアメリカとの間で、S300の使用は見合せることが、決められていたとすれば話は全く変わって来よう。
 
 あるいは、ロシアとイスラエルとの間で、IAFのシリア攻撃は形だけのものにする、その見返りとして、ロシアはシリアに対してその際、S300.を使わせないということかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:22 | この記事のURL
NO:5315 11月30日『東シリアはIS最後の拠点に』 [2018年11月29日(Thu)]
ユーフラテス川の東側で、SDFやシリア軍とIS(ISIL)が、激しい戦いを展開している、という情報が届いている。この地域はデルズールを始めとする、石油地帯だ。アメリカは支配を続けたい、と思っている地域だ。もちろん、それはIS(ISL)とて同じであり、軍資金を稼ぎたいと思っている。

最近では、IS(ISIL)への外部からの支援が、弱っているのであろうか、専門家たちの多くは、IS(ISIL)が資金難に向かっている、と判断している。いまではこのデルズール地域には、数百人単位の武装グループが留まり、シリア軍やSDFと戦い続けている。

IS(ISIL)側の戦闘員数は、2000人程度と見積もられており、彼らはデルズールのハジーン、ソウサ、アッシャアファなどで戦っている。しかし、これら戦闘員の中身は、ほとんどが外人戦闘員であり、シリア人の戦闘員数は限られているようだ。彼らは数百人単位のグループで、戦闘を続けている。

IS(ISIL)の戦闘員らは家族を伴っており、IS(ISIL)の指揮に従っているが、彼らの中には優れた狙撃手もいる、ということだ。それでもIS(ISIL)の規模は、次第に縮小してきており、それはシリア軍とイラク軍に、彼らが挟撃されているためであろう。

今でもIS(ISIL)に対する支援を続ける、シリアの地域住民はいる模様であり、彼らが細かい情報を提供し、戦闘を有利に導こうとしているのであろう。こうしたこともあり、ハジーンから
IS(ISIL)戦闘員を、完全に追い出すことは、至難の業のようだ。

  IS(ISIL)側は特攻攻撃をかけてくるし、砂嵐もSDFやシリア軍を、悩ませている。このためSDF
側には去る金曜日から、92人の犠牲が出ている。9月にはSDF側に450人の戦死者が出ていることもあり、戦闘は相当複雑であり、危険なものであろう。

 もちろん、IS(ISIL)側にも犠牲は出ている。これまでにこの地域では、730人のIS(ISIL)戦闘員が死亡した、ということだ。問題はデルズールでの戦いで、SDF側はIS(ISIL)同様に、地域住民の中から、戦闘参加者を募っているが、彼らは死を恐れており、勇敢には戦ってくれていない。

 これに比べIS(ISIL)側はこの地域を、死に場所と覚悟している模様だ。しかし、それは決してIS(ISIL)の輝かしい勝利に繋がることはあるまい。やはり戦費の調達が、思わしくないことが大きな足かせ、となっているのであろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:46 | この記事のURL
NO:5312 11月28日『ソロスがエルドアンと対立』 [2018年11月28日(Wed)]
NO:5312 11月28日『ソロスがエルドアンと対立』

ジョージ・ソロスと言えば、多くの人が知る、世界的に知られる富豪だ。彼は金儲けの目的が達成されると、外国の国内政治に関与してきている。いわゆる何色革命と言われた、一連の東ヨーロッパの革命は、彼の提供した資金にようるものだった、と言われている。

ジョージ・ソロスは各国にソロス財団を設立し、その財団を拠点にこれまで各国の内政に、関与してきたということであろう。もちろん、その財団の主たる目的は、表向きは民主化、人道支援といったものになっている。

しかし、あまりにもジョージ・ソロスの進出と、その相手国で起こることが生臭過ぎたのであろう。各国はソロス財団に深い疑いを、持つようになっていった。その結果、ソロス財団は各国から密かに、調査される対象となったのだ。

もちろん、ソロスの関与で革命が成功した国からは、彼は大歓迎され、まさに地上の神のような存在に、なっているのであろう。

だが、トルコはそれほど甘くはなかった。エルドアン大統領はソロス財団を警戒し、大分前から調査を始めていたのであろう。そして、ついにはソロスのジョージ・ソロス・オープン・ソサエテイ・ファンデーションは、トルコの厳しい取り調べを、受ける対象となったのだ。

エルドアン大統領は『ソロスは国家を分断し、国家を破壊に導く目的を持っている。』と厳しい非難の言葉を向けている。その結果、トルコの内務省はソロス財団の取り調べを、強化したというわけだ。

まず、トルコの内務省が取り上げたのは、2013年に起こった、ゲジ・パークのデモだった。このデモではハカン・アルテナリを始めとする、13人が逮捕されている。彼らが獄中にある中で、支援を送った人物は、人道支援者として知られる、オスマン・カラバであり、彼はトルコの体制崩壊を、狙っていたということだ。

さて、ではこのオスマン・カラバに、資金提供をしていたのは誰か、ということになる。また彼の背後には誰がいるのか、ということになる。その人物こそがジョージ・ソロスだというのが、トルコの内務省の出した最終的な結論だ。

結果的に、危険を感じたのであろうか、ジョージ・ソロスはトルコでの破壊活動(?)を止め、トルコから手を引くことになった、ということだ。

トルコの情報機関は体制維持と、国家防衛のため、極めて優れた組織となっている。先のカシオギ事件で分かるように、トルコの情報機関のレベルは、世界でもトップ・クラスであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:38 | この記事のURL
NO:5314 11月29A日『ムハンマド皇太子の歴訪と各国の対応』 [2018年11月28日(Wed)]
トルコのサウジアラビア領事館で、カシオギが殺害されて以後、初の外遊をムハンマド・ビン・サルマン皇太子は始めた。友好関係にあるUAEやバハレーンに加え、エジプトを訪問したが、エジプト側はシーシ大統領が空港に出迎えるという、大歓迎ぶりを示した。

当然のことながら、シーシ大統領とムハンマド・ビン・サルマン皇太子との会談では、両国の関係強化と経済協力が話し合われ、経済関係を拡大することが、決められた。

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の訪問団には、大型のサウジアラビア経済代表団も同行しており、種々の経済協力が話し合われている。これは具体的なビジネスの話が、まとまりやすいのではないか。

これとは異なり、チュニジアでは国民による、反対デモが始まっている。チュニジアは政府がナハダ党という、イスラム政党の政権であり、ナハダ党はムスリム同胞団と、兄弟関係にある政党だ。

サウジアラビアはカタールとは異なり、ムスリム同胞団を危険なテロ組織、とみなしている。そのため、チュニジア政府とサウジアラビア政府との関係は、敵対関係にあるということであり、このために、国民のムハンマド・ビン・サルマン皇太子を歓迎しないデモは、政府も黙認するということであろう。

これらのアラブ歴訪の後、ムハンマド・ビン・サルマンサルマン皇太子は、G20に参加することになるが、アルゼンチンの人権団体などは、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が入国したら、逮捕すべきだと強硬な意見を、述べている。

G20にはエルドアン大統領も出席するわけであり、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子との会談が、予測されている。このことについて、エルドアン大統領は『希望するなら会わないこともない。』ともったいぶった意見を述べている。

エルドアン大統領は本音では早く会いたい、ということであろうから、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子との会談は、多分確実に行われることになろう。サウジアラビア側がその場で、トルコ側にどれだけの、経済メリットを提示するかが、今後のトルコ・サウジアラビア関係を決めよう。

他方、アメリカはクシュネルを動かし、サウジアラビアに1100億ドルの武器購入を、迫らせるつもりでいるようだ。つまりムハンマド・ビン・サルマン皇太子の外遊は、外遊と言えるような暢気なものではなく、厳しい要求が出てくる、ということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:26 | この記事のURL
NO:5313 11月29日『レバノン政府ゴーンで動き出す』 [2018年11月28日(Wed)]
レバノンのジブラーン・バーシリー外相が、在レバノンの山口日本大使を呼び出して、ゴーン問題について意見を述べている、ジブラーン・バーシリー外相はレバノン政府が、ゴーン問題を重要視していることを伝え、今後、フランス政府と協力して、対応を進めていくと語った。

また、ゴーンの親戚のレバノン人ナッザール・ザカーも、レバノン政府に働きかけ、事態の改善を進める、と語っている。

この二つのレバノンでの動きは、日本との関係を考慮してか、いたって丁重であり、穏やかなもののようだ。ただ、フランス政府はこの限りではないだろうから、レバノンなどを巻き込んで、攻勢をかけてくることも予想される。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:52 | この記事のURL
NO:5311 11月27日『激しさを増したイスラエルのアラブ切り崩し』 [2018年11月26日(Mon)]
ここに来て、イスラエルによるアラブ諸国への接近が、目立つようになって来ている。イスラエルは建国以来、達成できていなかった、近隣のアラブ諸国との関係を、構築する意志を、固めたのであろう。

 ネタニヤフ首相のオマーン訪問後、バハレーンへの訪問が、近く実現する見通しだ。最近になって、オマーンの外相はイスラエルという国家は、現実に存在するのだから、無視すべきではない、といった内容の発言をしている。

 これは明らかにこれまでの、裏の関係ではなく、正式にイスラエルとの外交関係を開く、前兆であろう。また、バハレーンもその方向に、あるのではないのか。そもそも、アラブ湾岸諸国の多くは、既に実際的なイスラエルとの、外交関係を始めている。ドバイもカタールもしかりであろう。

 サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の、イスラエル接近はよく知られた秘密だった。彼は自身がイスラエル訪問をした、という話もあるし、政府高官をイスラエルに、派遣していることは確かだ。

 ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は今回の歴訪の中で、アラブ諸国に対してイスラエルとの外交関係を始めよう、と説得する動きだと伝えられている。彼はユダヤ人のクシュネル(トランプ大統領の娘婿)とは、親友の関係にある。

 こうしてみると、アラブ湾岸諸国の中で、イスラエルとの外交を開くことを、拒否している国は無い、ということだ。それだけ世の中は変わったということであろう。これまでも、アメリカ国籍を持つユダヤ人は、何人もサウジアラビアを始めとする、アラブ湾岸諸国を訪問しているのだ。

 一体、何がここまでアラブ諸国を、変えたのであろうか。第一に言えることは、アメリカという世界最大の国家の大統領に、トランプ氏が当選し、彼は中東外交を義理の息子、クシネルに任せていることにあろう。トランプ大統領はイスラエルの首都が、エルサレムだとも認め、アメリカ大使館をエルサレムに、移転してもいるのだ。そして今は大使館の、拡張工事を進める意思を、固めてもいるものだ。

 こうまでもあからさまに、アメリカがイスラエル支持の姿勢を示したのでは、ほとんどのアラブも、真正面から反対することはできまい。なかでもイランという地域大国と、敵対関係にあるアラブ湾岸諸国は、ことさらそうであろう。

 イスラエルの強硬姿勢は、パレスチナに対してもとられている。つい最近は、エルサレムのパレスチナ市長が、逮捕されているのだ。ガザのハマースとの戦闘は、多くの犠牲者をパレスチナ側に出して、今は停戦ということになっている。
 それにもかからず、世界はパレスチナ人に対する十分な、支援や同情を示そうとはしていない。この状況に焦りを感じた、ハマースのハニヤ代表は、パレスチナ問題を無視しないでくれ、と世界に向けて叫んでいる。そのパレスチナの代表のマハムード・アッバース議長は、彼の権力基盤を固めることに、汲々としており、ハマースを敵対し続けている。
 アラブの弱さは、このマハムード・アッバース議長の行動が、典型であろう。トランプ大統領のアメリカ第一主義ならぬ、自分第一主義なのだ
Posted by 佐々木 良昭 at 11:44 | この記事のURL
NO:5310  11月26日 『ラブロフISの軍事行動シリア・リビア語る』 [2018年11月25日(Sun)]
ロシアのラブロフ外相が、シリアに於けるIS(ISIL)とアメリカ軍との、協力関係に付いてコメントした。これはポルトガル訪問でのことだ。これは、ポルトガルのアウグスト・サントス・シルバ外相との、ジョイント・コンフェレンスの席でのことだった。

ラブロフ外相はアメリカ軍の支援の下に、IS(ISIL)がシリア東部で戦闘を継続していることを報告し、アメリカ軍はIS(ISIL)を使い、シリアからのイラン軍の追放と、シリア体制の交替を目論んでいると語った。

シリアのユーフラテス川東岸には、未だに数千人のIS(ISIL)戦闘員が、いるということだ。ここでは数百人の住民が人質に取られている。シリア軍はこうした情況の中で、IS(ISILの掃討を続け、ほとんどのシリア領を解放している。

他方、クルドのSDFもシリア国内で、独立国を創設するための戦闘を、続けているが、これもアメリカ軍の支援を受けている動きだ。



リビアでは9人の治安軍兵士が、IS(ISIL)によって殺害されている。これはリビア南東部のタゼルボで起こったことだ。またタゼルボでは市民を含む、11人が人質に取られてもいる。この地域はハフタル将軍の統治区域だ。IS(ISIL)によるハフタル軍への攻撃は10月にも起こり、5人のハフタル軍兵士が死亡している。

つまりIS(ISIL)は散発的ではあるが、アメリカ軍の保護の下で、テロ活動を継続している、ということのようだ。最近では、マグレブのIS(ISIL)なるものが強化され、北アフリカのアルジェリア・チュニジア・モロッコとアフリア諸国との国境地帯で活動している。それがもしモロッコと対立している、ポリサリオと連携することになれば、話は面倒になろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:41 | この記事のURL
NO:5309  11月25日  『緩み始めたトルコのサウジアラビア締め付け』 [2018年11月24日(Sat)]
どうやら、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルルマン皇太子は、無罪放免となりそうな気配になってきた。この事件では、アメリカのトランプ大統領が始めから、やる気が無かったのだから、仕方の無いことかもしれない。

トルコのエルドアン大統領は沢山の証拠を手にしており、それをアメリカなど主要5カ国に送ったのだが、どうも反応は良くなかった。誰も大金持ちのサウジアラビアと、関係を悪くしたいとは、望んでいないからであろう。

エルドアン大統領はトランプ大統領に対して、カシオギ問題への取り組みに真剣でない、と文句を言ってみたが、それも効果は無かった。金持ちは裁かれないのか、という雰囲気が国際的に、広まっているのだが。

 カナダ、フィンランド、ノルウエー、デンマークなどは、サウジアラビアに対する武器輸出を止めると言ったが、それも時間が経過すれば、解除されるだろう。アメリカは『アメリカの利益が第一』と語り、サウジアラビアとの経済関係を、止める意志は始めから無かった。

 こうした流れを見ていて、エルドアン大統領は『正義の騎士』の役割を、終えていいと判断したのかもしれない。G20日会議でムハンマド・ビン・サルマン皇太子とエルドアン大統領が、会談する見込みになってきている。

 その場で、エルドアン大統領はムハンマド・ビン・サルマン皇太子に対して、お前はカシオギ殺害の真犯人だ、と詰め寄るとは到底思えない。二人は握手を交わし、微笑を交わして、トルコ・サウジアラビア関係は、正常化するのであろうか。

 一連の流れの中では、サウジアラビアが自国のイメージを良くしようとして、幾つかのことを決めた。イエメン停戦と戦争被災者への援助、ガザへの援助といったものだ。また、サウジアラビアが中心になって行っている、カタール・ボイコットも解除されるだろう、と言われていた。

 しかし、この段階になり、どうもサウジアラビアはカタールに対する、締め付けを緩めないだろう、という予想が出てきている。それは、サウジアラビアが今回のカシオギ事件で、真犯人(ムハンマド・ビン・サルマン皇太子)の追求は終わった、と判断したからではないか。

 そうだとすれば、他の案件も同様に、元の状態に戻るかもしれない。つまり、イエメン戦争は今後も継続されるし、イランに対する敵対関係も、続くということだ。そうなれば、アメリカの武器は継続して、サウジアラビアに輸出できる、ということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:27 | この記事のURL
NO:5308  11月24日  『最終段階かI Sへの警戒各国で強まる』 [2018年11月23日(Fri)]
中東各国でIS(ISIL)への攻勢や、警戒情報が飛び交っている。これは、あるいはIS(ISIL)が相当、追い込まれていることを、表しているのかもしれない。だからこそ、各国は最後の詰めを、きっちりとしたい、ということなのであろうか。

まず、最初はイラク軍が北イラクで、IS(ISIL)を追い詰め15人を殺害した、というニュースだ。これはイラク北部のスンニー派居住区、サラーハデーンでトンネルに隠れていたIS(ISIL)
が、追い詰められ殺されたという話だ。イラクは一時期、国土の3分の1をIS(ISIL)に占領されていたが、その後奪還することに成功した。

しかし、今でもIS(ISIL)は攻撃を継続しており、襲撃や暗殺、人質、爆弾テロなどを続けているということだ。そのために、今回は徹底的な捜査が行われ、トンネルに隠れていた者たちも、殺されたということだ。

イタリアではIS(ISIL)支援者とされる者が、逮捕されている。これは各国間の情報交換の結果であろう。各国はIS(ISIL)撲滅のために、持てる情報を提供しあい、彼らの行動に関する情報も提供し、逮捕しやすい場所で逮捕する、ということであろう。

エジプトでは北シナイにいるIS(ISIL)への、掃討作戦が実施されたが、それはエルアリーシュ市の近郊であった。7人のIS(ISIL)戦闘員が隠れ家を急襲されて、撃ち合いとなり射殺され、5人は逃亡を図り、これも射殺された。

トルコからもIS(ISIL)に関する報道があった。これはIS(ISIL)やアルカーイダの戦闘員が相当数、現在でもトルコ国内に居住しており、将来の作戦に備えている、という趣旨のものであった。

この報道では、トルコのMIT(情報部)がイスラム原理主義テロリストをかばい、各種の便宜供与も行ってきた結果だ、ということだ。その報道によれば、トルコのMITはIS(ISIL)やアルカーイダなどを、スパイ要員として、使っていたためだ。

このIS(ISIL)やアルカーイダなど、イスラム原理主義テロリストとトルコ政府との関係は、エルドアン政権が誕生して以来の、ものだということだ。エルドアン大統領が首相に就任した2002年11月以来、エルドアン大統領はIS(ISIL)やアルカーイダをイスラム主義者として、擁護してきたというのだ。それは述べるまでも無く、エルドアン大統領もイスラム主義者だからだ。

このイスラム主義者テロ組織は、トルコ国内に慈善団体や、イスラム団体を結成し、それが政府によって暗黙に認められて、活動してきていた。トルコのMITは彼らに対し武器を供与し、資金を与え、彼らがリクルートした戦闘員の、イラクやシリア侵入を支援してもいた。その事が時折マスコミによって、報じられてもいる。

こうしたことから、IS(ISIL)やアルカーイダのメンバーは、トルコ国内で自由に活動していたわけだ。彼らは『警察に捕まっても何の心配も無い。彼らは我々を擁護する立場にあるのだから。』とうそぶいていたということだ。

結果的に、トルコは彼らの重要な拠点となっており、そこからIS(ISIL)やアルカーイダの世界展開作戦が、進められているということだ。それは、アフリカではカメルーンやウガンダであり、アジアではミャンマーやバングラデッシュなどが中心となっている。

このトルコにおけるIS(ISIL)やアルカーイダの、活動に関する情報は、比較的厚みのあるのだったが、それ以外は短いものだ。それはやはり彼らの活動が、縮小してきていることを、表わしているのであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:24 | この記事のURL
NO:5307 11月23日『トルコがアメリカのカシオギ対応非難』 [2018年11月22日(Thu)]
トルコ政府がアメリカのカシオギ問題への、対応を非難している。簡単に言ってしまえば、アメリカは早くカシオギ殺害の真犯人は、ムハンマ・ビン・スルタン皇太子だと発表しろ、ということだ。

しかし、そのことは十分わかっていても、商売人あがりのトランプ大統領としては、そうはしたくない。出来るだけ少ない批判のうちに、この問題のファイルを閉じたい、と考えている。

 トランプ大統領にとっては、人道主義だとか人権、法の前の公正というよりも、金儲けが中心なのだ。膨大な量の武器を、アメリカから買うサウジアラビアは、最高の顧客なのだ。

 だが、このトランプ大統領のスタンスに対しては、民主党だけではなく、彼の出身党である、共和党内部からも非難の声が、高まってきている。そうなると、トランプ大統領はアメリカ第一主義(商売第一主義)ばかりを、主張しているわけにはいくまい。

 トランプ大統領のこざかしい、金儲け路線をぶち壊すために、エルドアン大統領はアメリカ議会議員と、連携するかもしれない。アメリカには貧乏なトランプ支持者ばかりではない。元々のエリート層がいるのだ。


 エルドアン大統領の作戦は、早急にムハンマド・ビン・サルマン皇太子を殺人の首班とするか、それが不可能なら、出来るだけ結論を長引かせ、世界のマスコミを引き付けるために、トルコが持っている、事件の情報を小出しにしていく、ということであろう。

 若し長期戦がうまくいけば、トランプ大統領の国際的、かつ国内的評価は下がり、次の大統領選挙には参戦できまい。同時に、それはサウジアラビアの王政を追い込み、サウジアラビアは世界のイスラム教の中心、イスラムの指導者としての立場を、はぎ取られるかもしれない。

 そうなれば、トルコはオスマン帝国の後衛として、イスラム世界の主導国に復帰することが、出来るかもしれない。その場合、エルドアン大統領は世界のイスラム教徒の、指導者になれるということだ。

 アメリカにおだてられ、脅され、偽情報をつかまされて、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が実行した殺人は、結果として、サウジアラビア王国の存亡にかかわる、大問題になってしまったのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:58 | この記事のURL
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