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NO:5152 7月 1日 『トルコ・ニュース米の渡航制限、マフィアボスの発言』 [2018年06月30日(Sat)]
*トルコに関する重要なニュースが伝えられている、一つはアメリカ政府によるトルコヘの渡航自粛であり、アメリカ政府はトルコではテロが頻発していることと、トルコ政府による外国人に対する任意指し止めと、拘留があるからだということだ。*

*確かに、いまトルコで拘留されている、アメリカ人の数は少なくない。もちろん、そのうちの一部はアメリカの情報機関スタッフであり、全員が観光客ではあるまい。アメリカ政府はトルコの南東部への立ち入りに、警告を発している。*

*渡航警告が出ているのは具体的に上げると、ハタイ、キルス、サンヌルウルファ、スルナク、デヤルバクル、ワン、シイルト、ガゼンテペ、ムス、マルデン、バトマン、ビンギョル、トウンジェリ、ハッカリ、ビトルスといった地域だ。*

*どうやらこれらの地域は、クルド人が多数を占める地域であり、取材目的や観光目的、情報収集目的で入るのは、トルコ警察や軍とトラブルを起こす、危険性があるということであろう。*

*もう一つの重要な情報とは,トルコを代表するマフィアのボスである、アラーアテイン・チャクジュが公のウエッブ・サイトである、デキン・ニューズで発言したことだ。彼は反政府側のカラル・デイリーを非難し、先日刑務所から釈放されたメフメト・アルタン氏や、他の6人を標的にすると警告している。*

*彼はこのなかでMHPのバフチェリ党首を賞賛し、他方、エルドアン大統領を非難している。『バフチェリ氏のために祈ろう、貴方は私に対して何をすることも許される。』などと語っている。バフチェリ党首はアラーアテイン・チャクジュを病院に見舞ってもいる仲だ。

*しかし、エルドアン大統領はアラーアテイン・チャクジュとの関係を、必死に否定している。国家の大統領という立場は、マフィアのボスとの親しい関係を、明かすわけにはいかないのであろう。なお、トルコ警察はアラーアテイン・チャクジュが標的とする、カラル・デイリー社のビルを警護している。*

* アラーアテイン・チャクジュやキュルシャト・ユルマズらは、トルコでは『灰色の狼』と呼ばれる秘密組織のメンバーだ、といわれている。*
Posted by 佐々木 良昭 at 11:11 | この記事のURL
NO:5151 6月30日 『シリアISの現状はどうなっているか』 [2018年06月30日(Sat)]
*やはりロシア軍のシリア支援は、大きな成果を上げているようだ。いまではシリア国内のほとんどの地域で、IS(ISIL)やFSA(トルコ政府の支援を受けていたシリア自由軍)の動きが止まった状態に、なってきている。アラブから出てくる情報によれば、シリア南部などでは、武器を捨てて投降するミリシア・グループが、増えているということだ。*

*シリア南部のダラア近郊のタファスでは、テロリストが武器を捨てて、投降したということだ。それ以外には、タイイバ、サイダ、ウンム・マヤゼインでは、投降の意思があることを、テロリスト側が政府側に伝えている。*

*テル・ザミテイヤでは、FSA(シリア自由軍)が支配していた、丘の頂上をシリア軍がFSA側から奪還し、支配するに至っている。これは極めて戦略的に重要な場所だ、ということだ。*

*シリア軍の攻撃はIS(ISIL)などの、テロリストへの供給ラインを断つことに、重点を置いている。例えば、ダラアへ繋がるルートだが、このルートを通じて、IS(ISIL)などはイスラエルや他の国からの、援助物資を受け取っていた。*

*このダラアはシリア南部に位置しており、ヨルダン国境にもイスラエル国境にも、近い地域であることから、供給ラインの要衝になっていたのだ。そのルートが断たれるということは、IS(ISIL)などテロリスト側に、武器や食料、資金が届かなくなるということだ。*

*イスラエルが行っていた、IS(ISIL)や他のテロリストへの支援は、武器や食料などの支援だけではなく、負傷した戦闘員に対する、治療も行っていた。イスラエルの北部の病院の他に、IS(ISIL)やテロリストの負傷者を、治療するための特別な病院も、イスラエル政府によって、開設されている。*

 これら以外にはシリア東部の、ダイル・アルザウルでの戦闘が続いているが、そろそろ陥落するものと、見込まれている。この戦闘ではロシア軍の支援が、ものを言っているようだ。

 シリアの首都ダマスカスと近郊については、ヤルムーク・キャンプが完全にIS(ISIL)の手から解放されており、ハジャル・アルアスワドも然りだ。それ以外にはヤルダ、バッビラ、ベイト・シャヘムなどといった、ダマスカス南部の街も解放されている。

 いまシリアの各地で展開されている、IS(ISIL)による抵抗は、最後の段階を迎えているということであり、場所によっては逃亡経路を、確保するためのものであり、逃亡をシリア側に認めさせるための、ものかも知れない。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:29 | この記事のURL
NO:5150   6月29日   『エルドアン大統領に余裕が見えてきた』 [2018年06月29日(Fri)]
トルコの大統領選挙で、52・6パーセントを得票し、大統領に再選されたエルドアン大統領に、余裕が出て来たのであろうか。最近の彼の言動は、それを感じさえるものがある。数日前のことだが、彼は批判の意見も聞く耳を持つべきだ、といった内容の話をしている。

加えて、MHP党のバフチェリ党首との会談では、非常事態をどうするか、ということが話し合われたが、どうやらその結論は非常事態解除、ということのようだ。これはもうエルドアン大統領と彼の体制に、真正面から対抗してくる、組織はなくなった、ということであろう。

こうしたエルドアン大統領の判断は、正しいだろう。ここまで優位に立てば、国内には何も恐れるものはないわけであり、外国との関係に神経を、集中すべきであろう。その場合、外国にいるトルコ人の意見を、聞くことが大事なのではないのか。

そうできるならば、エルドアン大統領は終身大統領にも、なれるのではないか。それはまた、ケマル・アタチュルクと同じように、『トルコ再興の父」と称賛されることになろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:35 | この記事のURL
NO:5149   6月28日  『拡大するトルコの民族主義』  [2018年06月28日(Thu)]
6月24日に行われた大統領選挙、国会議員選挙は、エルドアン氏の大勝利ということであったが、もう一つの特徴が明らかになってきている。それは右派、民族主義者の国民に占める割合が、増大してきているということだ

トルコの民族主義を代表する政党はMHPだが、この党は国会議員選挙で11・1パーセントを獲得している。もちろんこの割合は国会での議席を、49議席確保するものであった。

 加えて、同じ様に民族主義の政党IPが、10パーセントの票を獲得し,43議席獲得したということだ。結果的にトルコの選挙では、民族主義者の政党に寄せられた票は、全体の22・1パーセントを、占めたということだ。つまりAKPと合わせると64・7パーセントが、民族主義者の票ということになる。

 こうした傾向は、なぜ起こっているのであろうか。確かに世界中でも民族主義が、強まる傾向がある。ヨーロッパの国々などは、その典型であろう。何せナチの政党復活や、ヒトラー人気まで台頭しているのだ。ネオ・ナチ、ネオ・ナショナリズムという言葉を、よく耳ににするように、なってきている。

 トルコの与党AKPも、やはり基本的には、民族主義政党であろう。エルドアン大統領や側近たちは、ネオ・オスマンという言葉を口にし、トルコ人の誇りを頻繁に口にしている。

 トルコの場合は、こうした傾向が出て来た裏には、反国家の勢力の存在であろう。宗教勢力のFETO(ギュレン・グループ)や、PKK(クルド労働党)と言ったグループは、明らかに政府に対抗する組織だ。

 そして、政府の説明ではFETOは、2016年7月のクーデターを計画し、未遂に終わった。他方、PKKは既に40年近くも、反政府武力闘争を続けており、国家を分裂させ、独立したクルド国家を、樹立する夢を抱いている。

 トルコでの民族主義の台頭には、他の理由も考えられる。それは国際的な経済のブロックが構築され、トルコの経済を破壊しようとする、動きがあるからだ。以前から述べているように、通貨戦争、経済戦争は欧米によって、トルコに仕掛けられているのだ。

 アメリカにトランプ政権が誕生してからは、各国の国家エゴイズムが目立ってきているし、そのために各国が被る経済的な損失は、膨大なものになっている。トランプ大統領は中国にも、経済戦争を仕掛けているようだし、イランに対しては、世界の国々にイラン石油を買うな、と叫んでいる。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:23 | この記事のURL
NO:5148   6月27日   『トルコS400とF35の板挟み』 [2018年06月27日(Wed)]
トルコに対するアメリカのF35戦闘機売却については、アメリカの議会で強い反対が起こっている。45人以上の議員が、F35の引き渡しに反対しているのだ。それは主に商業的な意味合いに、よるものと思われる。

トルコはF35のアメリカからの輸入の前に、ロシアからS400ミサイルの購入を決めている。それにはアメリカが何度と無く、反対してきていた。安価で性能のいいロシア製兵器の購入を、トルコが望むのは無理もないし、願わくばトルコは合同で、トルコ国内にS400の組み立て工場を、設置したい意向のようだ。

トルコは以前から兵器製造と、その輸出を念願してきていたが、S400に対する世界的な評判から、是非ともトルコ国内に工場を設置して、製造したいということだ。そのことに対するロシア側の返事は、いまのところ玉虫色の状態にあるが、将来合意の可能性はあろう。

 こうしたトルコとロシアの兵器部門での協力の推進は、アメリカにとっては極めて面白くない話だ。アメリカは兵器輸出で大もうけしてきた、ほぼ世界市場を独占した状態にあった。それが崩れる危険性があるのだ。

 アメリカでは自国の産業を、保護育成したいと考えており、幾つかの法整備も出来上がっている。今回のトルコのロシアからのS400購入は、それに抵触するということだ。しかも、将来はS400をトルコ国内で生産したい、ということであればなおさらだ。

 アメリカはこのS400の取引を潰すために、もし、どうしてもトルコがロシアの、S400を輸入するのであれば、アメリカ製F35戦闘機の輸出を、止めると言い出したのだ。

これに対してトルコはどう反応するのであろうか。アメリカ政府はF35については厳しい対応だが、他方では,トルコがアメリカの情報収集活動に協力しており、IS掃討でも協力したこと、トルコがNATOのメンバー国であることを、高く評価して見せてもいる。


アメリカとトルコとの間には、数十人のアメリカ人が、逮捕され投獄されている、という問題もある。その解決もトルコ・アメリカ間の、喫緊のテーマであろう。アメリカとトルコは今後も各種の問題が浮かび上がっては、消えるのではないか。それは新大統領になったエルドアン大統領の、頭痛の種であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:52 | この記事のURL
NO:5147 6月26 日 『エルドアン大統領の課題』 [2018年06月26日(Tue)]
*6月24日の大統領選挙の結果は、予想したとおりエルドアン大統領の、勝利に終わった。あえてこの結果に一言コメントするならば、選挙結果は投票以前に出ていた、ということだ。それ以上はコメントしても、いまの段階では意味が無かろう。*

*さてエルドアン大統領は、これから最短で6年、あるいは8年間大統領の座に留まりそうだ。もちろん、そうするためには健康管理が、最大のポイントであり、病気は最大の敵であろう。*

*トルコ社会の締め付けが緩んで行き、多くの投獄者が自宅に戻れ、職場に復帰できることを願いたいし、同時にトルコ経済が改善して行き、国民の生活が安定していくことを祈りたい。*

*さて長期政権となったエルドアン大統領は、議会民主制ではなく、大統領制に変わったなかで、権限を振るっていくことになる。内閣の閣僚指名、裁判官の指名など、多くの重要な決定が、彼自身で出来るようになったのだ。*

* そうしたなかで、エルドアン大統領はアメリカ、ロシア、EU,シリアなどとの関係を、どううまく操縦していくかが、問われている。*

*アメリカとの関係では、シリアのクルド対応問題に加え、ギュレン氏のアメリカからの追放と、引渡し交渉の問題がある。そうしたこと全てを含め、アメリカとの良好な関係を、構築しなければなるまい。*

*ロシアとの関係では、シリア問題を協議し、解決して行かなければならないし、S400ミサイルの取引もある、露土関係は相対的には、大幅に改善している。そこで問題になるのは、トルコがロシア・アメリカとの関係を、どう維持していけるかだ。場合によってはいずれかを、失う可能性があろう。*

*シリアとの関係では、声高に叫んできた、アサド体制打倒は引き下げ、ロシアとの関係で新たなトルコ・シリア関係を、作っていくことになろう。350万人とも500万人とも言われるシリア難民を、どうするかということも、今後の課題であろう。*

*EUとの関係では、トルコの非常事態を止める問題がある。エルドアン大統領は選挙後に、非常事態を終わらせると言っていたが、与党AKPのなかにも、連立のMHP党のなかにも、まだ非常事態は必要だという声がある。*

* EUとトルコとの関係では、EUはトルコに難民のEU入りを、抑えてほしいという要望があるが、その問題をどう調整するかだろう。そしてトルコのEU加盟問題であろう。*

*国際的にはトルコが世界のムスリムの、リーダー国になっていくこと、そして、エルドアン大統領が世界のムスリムをリードする、大統領になっていこうという大野望であろう。*
Posted by 佐々木 良昭 at 22:13 | この記事のURL
NO:5146 6月25日  『トルコ選挙最後の戦いと予測』 [2018年06月24日(Sun)]
*トルコの大統領選挙投票は24日に行われるが、23日はエルドアン大統領が、イスタンブールで12回の演説を行った。インジ氏もそうであろうから、まさにデッド・ヒートといった感じであろう。*

*驚くのは、この選挙演説集会に集まるトルコ人の数だ。何十万人という人達が、ガナリ立てる意味の無い言葉を、聞きに集まるのだ。つまり選挙演説会は言わば、お祭りのようなものなのであろうか。*

*外国特にヨーロッパやアメリカのマスコミも、それだけに関心が高いようで、外人ジャーナリストの選挙取材陣は、600人を越えているということだ。そのなかには、反エルドアン派もいれば、親エルドアン派のジャーナリストもいよう。*

トルコの警察はこれら外人ジャーナリストの、行動にも監視の目を向け、選挙違反の防止も監視するのであろうから、大忙しであろう。加えて、ISなどテロリストの選挙会場に対する、テロも警戒しなければなるまい。

外人選挙監視員の数に、うんざりしているトルコ首相は、クレームを付けているが、追放するわけには行くまい、既にドイツとスエーデンの監視員は、野党やクルドとの関連があるとして、入国を拒否されている。

選挙騒ぎの裏で眼を引いたのは、在ドイツ外交官が300人も、政治亡命申請をしたことだ。このことは、エルドアン大統領の落選を、予測してのことかもしれない。同様に、親AKPであるMHPの党首が、AKPとの関係を再考する、と言い出している。

誰が当選するか分からないが、一部ではエルドアン大統領の得票数は、42・5パーセントと出ている。CHPのインジ候補は27・1パーセント、IYI党のアクシェネル候補は16・7パーセントと予測されている。そしてクルドHDPのデミルタシ候補は11パーセントとなっている。

同時に行われる国会議員投票の予測は、AKP議員が37パーセント、CHPが23・4パーセント、IYI党が15.7パーセント、クルドのHDPが14・1パーセント、MHPが6.5パーセントとなっている。与党側の連合政党得票数は43.5パーセント、野党側連合得票数は42・1パーセントと予測されている。

この予測ではエルドアン大統領の、第一回投票での当選は不可能であり、二回目の投票でも連立を組まなければ、大統領になれないという厳しいものだ。それですら無理かもしれないのだ。
 そうしたことからであろうか、エルドアン大統領は連立を何度も口にしてきている。その足元を見すかしたのであろうか、連立候補のMHPはAKPとの関係再考を口にしているのだ。いずれにせよ選挙が行われ、その結果は間も無く出よう。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:30 | この記事のURL
NO:5144 6月23日 『トルコ外人選挙監視人入国拒否』 [2018年06月23日(Sat)]
*トルコの大統領選挙は明日に迫ったが、この段階で問題が発生している。それは外国の8組織が、トルコ大統領挙の監視人を送ることに、なっていたのだが、トルコに入国出来ない状態が,発生している。*

*いまのところ入国を拒否されたのは、ドイツとスエーデンの団体のようだ。彼らはEUのOSCE(欧州治安協力組織)のメンバーだ。ドイツの左翼デイ・リンケ党の議員でアンドレジ・フンコ氏だ。彼は2017年に行われた憲法改正投票で、PKK擁護の立場から、活動していたことが、原因だったようだ。*

*トルコの外務大臣はアンドレジ・フンコ氏が、自身のツイッターでPKKの旗を、掲載していることを指摘している。述べるまでも無く、PKKはトルコがテロ組織と認定している、反政府組織だ。PKKはトルコだけでは無く、アメリカやEUもテロ組織と、認定しているのだ。*

*アンドレジ・フンコ氏はこの写真はシンジャルで、ヤズデイの人たちが逃亡する時に、撮ったものであり、今回の選挙監視とは、全く関係ないと反論している。従って、彼はPKKの支持者だと、見なされるべきではないと語った。*

*スエーデンのグリーン・パーテイ(緑の党)の議員ジャバル・アミン氏は、空港でパスポートを取り上げられ、別の部屋に連れて行かれ、取調べを受けたようだ。これについて、スエーデンのマルゴット・ワルストローム外相は、トルコ政府に説明を求めている。*

* ドイツの外相も同様に、トルコ政府に抗議し、これは民主主義と法を守るための活動だ、と語っている。*

*選挙の結果は数日後には出てこようが、以前報告したとおり、既に国営テレビは選挙結果を報道している。それによれば、エルドアン大統領が53パ−セント、インジ氏が26パーセント、アクシェネル女史が12パーセントの票を獲得したということのようだ。このことも法律違反ではないのか。*

 アンカラではIS(ISIL)が選挙を狙った、テロを計画しており、14人が逮捕されたということだが、これは政府が規制を強化する口実に、使われる可能性がある。あらゆる手段が講じられる、と考えておくべきであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:45 | この記事のURL
NO:5143 6月22日  『トルコ大統領選挙・嘘を重ねても効果無し』  [2018年06月22日(Fri)]
トルコのエルドアン大統領は選挙に向けて、大分ほらを吹きまくってきた。景気のいい話や、国際的にトルコに対する評価が高まっているとか、多くの国がトルコを恐れている、とかといった類の、子供のウソ自慢のような話ではないか。

例えば、いま世界的に話題になっている、アメリカのF35戦闘機については、購入が決まり、近くトルコに届けられると言っていた。確かにそのF35がトルコに届き、政府は派手なお披露目パーテイを開いている。

しかし、そのF35は訓練用のものであり、本物ではないのだ。それをあたかも本物のように騒ぎ立てているのだ。アメリカの議会の議員の間では、トルコにはF35を渡すべきではない、という声が大きくなってきている。

また、マレーシアのアンワル・イブラヒムが、エルドアン大統領をムスリム世界の、偉大なリーダーだ、と誉めたことを、国内で派手に宣伝している。このアンワル・イブラヒムは以前ホモ・セクシャル事件で逮捕され、投獄されていた人物であり、問題があるのだ。

 シリアのマンビジュについても、嘘の報道がトルコ政府によって、なされているようだ。トルコ政府はマンビジュから米軍を、追い出そうと思っていたのだが、うまくいかなかった。次いで言ったことは共同管理であった。

 マンビジュを実質支配している、クルドのYPG(SDF)から奪還し、彼らをマンビジュから追い出す、ということが決まった。その期限は7月4日だとも報じていた。しかし、後にYPG(SDF)
は、マンビジュから出ていく予定はない、とトルコ政府の発表を全面的に、否定している。

 こうした嘘を重ねたうえで、経済に関しても相当の、あり得ない話を宣伝してきた。エルドアン大統領が打ち出した、高金利による外貨の取り込みは短命で終わり、そのことがそれでなくても悪い、トルコ経済の足を引っ張る結果となった。

 そこで慌てたエルドアン大統領は、今度は逆に金利を下げなければ、トルコの企業が活動できなくなると低金利を、中央銀行に指示した。そんな朝令暮改が通用するわけはなく、どんどん景気は悪化している。

 その結果は、エルドアン大統領への支持が下がることだった。最近になり、エルドアン大統領は単独で彼の政党、与党AKPが過半数を取れそうにない、と判断したのであろう。過半数を切った場合は、連立も考慮すると言い出している。

 そうした中で、エルドアン大統領支持の一部マスコミが、選挙結果なるものを流した。それによれば、エルドアン大統領は51パーセントの票を獲得するということだ。もちろんその報道は間もなく,姿を消したようだが、政府は既に投票結果なるものを、準備しているということであろう。投票日の後にはその結果なるものが、公表されるということであろう。

 野党CHPの大統領候補者であるインジ氏は、選挙管理委員や検察に対して、『我が党が選挙で勝利すれば、選挙結果をごまかした者を、全て逮捕して裁く。』「と警告している。ここに来てトルコの選挙最大の関心事は、野党が勝利した場合の、行く末ではないか。それはエルドアン大統領にとっても、最大の不安であろう。

ただし、エルドアン大統領には私兵サダトが存在し、選挙結果次第では、このサダトの部隊がトルコ国内を、混乱に導くかもしれない。そして、エルドアン大統領は非常事態を延長し、大統領の座に居座り続けるかもしれない。投票日は後2日。どうなることやら。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:53 | この記事のURL
NO:5143 6月21 日 『イランのハメネイ師・国際合意は無視していい』 [2018年06月21日(Thu)]
*イランの最高指導者ハメネイ師が、『国際合意は無視していい。』と発言した。この発言は水曜日に行われた、イランの国会議員との会合で語ったものであり、それなりの重みのあるものであろう。何故彼はこんな発言をしたのであろうか。*

*ハメネイ師が語った国際合意を無視していい、という内容の指すところは、レバノンのヘズブラや、パレスチナのハマースをテロ組織と見なす、という合意に関してだった。彼に言わせれば、この二つの組織はテロ組織ではなく、抵抗運動組織ということになる。*

*もう一つは北朝鮮に対する、資金の流れを止める、国際合意にイランが違反している、という問題だった。これもハメネイ師は無視していい、と発言しているのだ。自国が資金の流れを止める、国際合意の対象国であり、同じような窮地に立たされている、北朝鮮を支持するのは、当然だというのが、ハメネイ師の認識なのであろう。*

*ハメネイ師がこうした発言をした、そもそもの理由は、アメリカがイランとの間に交わした、核合意から抜けることにしたためであろう。アメリカが国際的な合意を無視するのであれば、イランも自国の都合で、国際合意から抜けて何が悪いのか、という論法であろうと思われる。*

*このイランとアメリカの核に関する合意については、ロシア、中国、フランス、イギリス、ドイツが、未だに合意に留まっており、アメリカとは異なるスタンスを採っている。しかし、アメリカはこうした国々の、イランとの商取引に制裁を加え、実質、イランとの貿易、経済活動が出来ない環境を、作っているのだ。*

*フランスの企業はイランで組み立て工場を、多数持っていたが、それも止めなければならなくなったし、石油やガス部門でも同様に、問題が起こっており、フランスのルノ−社やTOTAL社はイランとの関係を、絶たなければならなくなっている。*

*こうしてみると、アメリリカのトランプ大統領の乱暴な決定が、他の国にも波及し、他の国々も自国に都合のいい合意は守るものの、不都合なものは抜ける、ということになろう。アメリカが勝手に離脱した、TPPなどもその一つであったろうから、日本もこの問題については関連しているのだ。*

*こうした状況は、今後国際合意なるものが、意味を成さなくなっていく、ということであり、国際的な合意が生まれないか、無視されるということは、ますます世界が混乱していく、ということであろう。アメリカはその先鞭をつけたわけであり、ハメネイ師の発言を非難する資格はあるまい。*
Posted by 佐々木 良昭 at 09:14 | この記事のURL
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