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NO:5062 4月1日 『マクロン仏大統領は対トルコで何を考えているのか』 [2018年03月31日(Sat)]
*フランスのマクロン大統領は、何を考えているのであろうか。強硬な対外政策を展開している、トルコのエルドアン大統領に挑戦状を、送りつけたと思われても、仕方のない発言をしている。*

マクロン大統領はシリア北部のマンビジュに集結している、SDFとクルド・ミリシアを支援する、と言い出しているのだ。それは真っ向からトルコと対立する、危険な発言であろう。

トルコはアメリカを説得して、マンビジュからアメリカ軍を撤収させよう、と努力しており、アメリカが支援するSDFに対しては、徹底的に力で対応する考えなのだ。アメリカは自国の利益が絡んでいることから、マンビジュからの撤収はそう簡単には、受け入れられない。それはマンビジュのそばには、シリア有数の石油地帯が、あるからだ。

そうしたなかで、トルコはアメリカ軍との武力衝突を避けるために、アメリカと我慢強い交渉を続けている。アメリカ側も各項目別に、担当グループを作り、トルコと交渉し続けている。そうしたデリケートな状況を、マクロン大統領はどれだけ、認識しているのであろうか。

マクロン大統領はSDFなどのクルド・ミリシアとパリで交渉をし、軍事支援もするつもりだということを、言い出しているのだ。もちろんその前に、マクロン大統領は「トルコとSDFが話し合うことによって、解決策を見出すことを望む。」とも語ってはいるのだが、その言葉の後に軍事支援が出てきたのでは、何の意味も無くなってしまおう。

フランスは明確にマンビジュのSDFを、軍事的に支援すると言っているのだ。このマクロン大統領の発言は、多分、アメリカの意向に沿っているものと思われる。つい最近、アメリカのトランプ大統領は『非常に近い将来、アメリカ軍はシリアから撤収する。」と発表しているからだ。

しかし、アメリカ軍のマンビジュからの撤収は、そう簡単ではあるまい。関係各国の軍事行動を抑えるためには、アメリカに代わる国の進出が、必要であろう。トランプ大統領は『アメリカが撤収した後は、他の国がその穴埋めをするべきだ。』とも発言している。

フランスは歴史的にシリアを支配していたことから、他のヨーロッパ諸国よりもシリアに関しては、責任があるということであろうか。もちろん、その責任をアメリカに代わって果たせば、応分の見返りが期待出来る、ということでもあろう。

ただ今度の場合は、トルコが主要の相手であり、そう簡単ではあるまい。トルコのエルドアン大統領は既に、『フランスが余計なことをしてくるのであれば、容赦なくフランス軍に攻撃を加える。』と語っている。

加えて、エルドアン大統領は『フランスがテロを支援すれば、その付けを払わせられることになる危険を、分かっていない。』とも語っている。それは場合によっては、トルコがフランス国内で破壊工作をやることもありうる、ということではないのか。

そうなれば、フランス旅行は危険がいっぱい、ということになろう。ショッピングなどは格好のテロのターゲットになるのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:27 | この記事のURL
NO:5061 3月31日   『トランプ大統領シリアからすぐ撤退する』 [2018年03月30日(Fri)]
アメリカのトランプ大統領は、アメリカ軍をシリアからすぐに、撤退させると発言した。これはオハイオの集会で語ったものだ。彼に言わせると、シリアには2000人のアメリカ兵が駐留しており、いままでにアメリカは中東に、7兆ドルを費やしてきたということだ。

トランプ大統領は7兆ドルも費やしてきたが、アメリカは中東からその見返りに何受け取っていないと語っている。

 トランプ大統領はアメリカ軍を、シリアから即時撤退させると語ったが、アメリカの軍部はこのことについて、何らの命令も受けていないと語り、即時撤退の姿勢には無いようだ。どうもアメリカ国内では、トランプ大統領と軍を始め、各省庁がそれぞれの考えを持っているようで、統一した方針は生まれてないようだ。

 今回の軍の発言は、全面的にトランプ大統領の意向を、否定するものであることから、軍の高官あるいは国防長官の、首が飛ぶことも予想されそうだ。

 トランプ大統領はアメリカ軍が撤退した後は、何処かの国が面倒を見ればいい、と語っている。つまり、アメリカはシリアを投げ出す、放置するということであろう。
 そのシリアの再建には、膨大な資金が必要であろうが、それはロシアが被るのかイランか、あるいは、トルコが負わせられることになるのかは不明だ。これらロシア、イラン、トルコとの間で、シリア再建をめぐり対立が、生じるかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:25 | この記事のURL
NO:5060  3月30日  『トルコ・リラ何処まで下げる』 [2018年03月29日(Thu)]
  ここに来て、トルコ・リラが下げ続けているが、ついに3月28日、史上最安値の1ドル4リラi以下を付けた。困っているのは輸入業者であろうが、トルコ・リラが下がれば輸入物資は値上がりし、同時に国内産品も上がる、ということになるのは必定だ。

 そして一番トルコにこたえるのは、石油ガスの輸入価格がトルコ・リラに対して上がることだ。それはトルコ国内の輸送費、電力費も押し上げることになるから、トルコ経済の全体に相当な影響が出よう。

 トルコ政府はこの緊急事態にあって、石油ガスの輸入は問題ない、イラクのクルド地区から再度、送られるようになった、と国民に説明しているが、問題はなくはなかろう。ジワジワと確実に効いてくることになり、トルコ国民もエルドアン大統領のたわごとに、付き合っていては飯が食えない状況に、やがては追い込まれよう。

 ではなぜこの時期に、トルコ・リラが値下がりしているのかと言えば、シリアへの軍事介入が、大きいのではないかと思われる。軍事費は何も生まず出ていくだけだ。そしてたとえ勝利しても、トルコは国際世界の目もあり、シリア北部を領有することはできまい。

 しかも、トルコはロシアのS400ミサイル輸入と、バランスをとるためであろうか、アメリカの長距離ミサイルも、購入すると言い出している、その輸入代金はどれほどに膨らむのかわからない。そして、エルドアン大統領ご自慢の、メガ・プロジェクトの架橋が、また始められる予定だ。

 シリアのマンビジュに関して、トルコはアメリカと対立しており、相当険悪な関係になっている。トルコのインジルリク空軍基地から、アメリカ軍は撤収するという情報も流れている。もちろん、トルコ政府はその事実はない、嘘の報道だと言っているが、ニュースの出どころはアメリカに最も近い、イスラエルなのだから信頼性は高いのではないか。

 考え過ぎかもしれないが、中東に大国を存在させたくない、と考えているアメリカが、そろそろトルコを弱体化させる気に、なってきたのかも知れない。それはトルコ国民の大半が、支持する動きであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:32 | この記事のURL
NO:5059  3月29日   『中東版風が吹けば桶屋が儲かる』 [2018年03月28日(Wed)]
中東でもある意味で、日本の『風が吹けば桶屋が儲かる』式の事が起こるようだ。しかし、この場合は誰も儲からないようだ。関係した者は皆それだけの痛手を、受けることになるのだろうが、それなりのメリットもあるのであろう。

アメリカはイランが気に食わなくてしょうがないのであろう。何かにつけ難癖をつけて、明日にでも戦争をするようなことを、吹聴している。しかし、アメリカと言えどもそう簡単に、大国イランを相手にして、戦争は始められまい。アメリカの虎の子のアラブ湾岸諸国が、イランのすぐ側にあるからだ。

そこでアメリカは、イランが核兵器を開発している、という難癖をつけ脅しをかけている。しかし、イランはびくともせずこのアメリカの脅しを、せせら笑っている。ヨーロッパ諸国もアメリカの脅しに、従わなければならないのだが、ヨーロッパ諸国は自国の利益を考えると、全面的にアメリカの意向に沿うことはせず、二つの対応をしているようだ。

ヨーロッパ諸国はイランに外相レベルの特使を立てて送り、二国関係を促進する動きに出ている。イギリスもフランスもドイツも、皆そうしているのだ。日本もそうしたヨーロッパ諸国の対応を踏まえてであろうか、アメリカの意向とは少し異なる、対イラン関係を構築している。

 最近、アメリカはしびれを切らしたのであろうか、イランと交わしていた核合意を、破棄すると言い出し、ヨーロッパ諸国を慌てさせている。しかも、アメリカはサウジアラビアをそそのかして、軍事緊張を生み出そうともしているのだ。

 そうしたなかで、レバノンのヘズブラはイスラエルに対して、挑発的な動きに出ている。ヘズブラはイランの全面的な支援を受ける、レバノンのシーア派ミリシアだが、大量の武器をイランから送られており、イスラエルとの戦争も辞さないという、強硬な立場を採っている。

 ヘズブラは1982年にイスラエルとの戦争で、大きなダメージを受けたが、イスラエル側にロケット弾やミサイル攻撃をかけ、イスラエル側に相当のダメージを及ぼしている。イスラエル側の戦士に多数の戦死者も出ている。結果的にイスラエルはこのヘズブラとの戦争で、敗北したという評価が生まれたのだ。

 現在の段階では、ヘズブラが所有する武器の数は、1982年当時に比べ、10倍以上になっているものと思われる。シリアでのIS(ISIL)との戦闘経験もあり、へズブラの戦闘員の質は,飛躍的に向上しているものと思われる。

 しかも、イランの革命防衛隊戦闘員が、シリアのゴラン高原側に基地を持ち、武器工場も持っていることから、ヘズブラの士気は上がっているのだ。これでは、イスラエルはヘズブラとの戦争だけではなく、イランやシリアの軍とも戦わなければ、ならなくなるということだ。

 そこが実は重要で、イスラエルはこれまでアメリカをそそのかして、イラン攻撃させようとしてきたが、アメリカには軍を動かす気はない。アメリカは『イスラエルとサウジアラビアが、やるならどうぞ。』という立場だ。そうなれば、イスラエルはイランへの挑戦的な立場を、変えざるを得なくなるということだ。

 もし、イスラエルが安易にイラン攻撃を始めれば、シリアとレバノンの国境から、イスラエルはミサイルの雨を降らせられ、国民も軍人も大きな犠牲を払うことになるだろう。アメリカがイランに圧力をかけると、ヘズブラがイスラエルに圧力をかける、という構図なのだ。こうした中東の戦略的駆け引きは、ゲームととらえて考えれば実に面白い。そのゲームで多数が犠牲になるのも事実だが。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:32 | この記事のURL
NO:5058 3月28日 『トルコはマンビジュでの米との衝突を避けた』 [2018年03月27日(Tue)]
*トルコのエルドアン大統領が、突然マンビジュではなく、テルリファアトを攻撃する、と言い出した。このテルリファアトもシリア北部の、重要拠点であることに間違いは無いが、これまでエルドアン大統領は、何度もアフリンの次はマンビジュを攻撃する、と繰り返していた。*

*それが突然のように、アフリンの次のトルコ軍の攻撃目標が、何故マンビジュからテルリファアトに変わったのか、ということが気になるところだ。このニュースを見たとき浮かんだのは、実はこれはマンビジュでのアメリカ軍とトルコ軍の、武力衝突を避けるということだろうと思った。*

*その後、エルドアン大統領もトルコの外務省も、アメリカとのマンビジュをめぐる問題は解決済み、といったニュアンスの発言を、繰り返している。エルドアン大統領はそれでもアメリカに、一言言わずには気が済まないのであろう。『マンビジュはその所有者に明け渡すべきだ。』と言い出している。*

*つまり、エルドアン大統領はマンビジュ問題について、最終的にはそこからアメリカ軍は撤退しろ、と言っているのだ。もし、そうなればトルコの目的は、達成されることになろう。北シリアのマンビジュは、アメリカ軍が撤退すれば、完全にトルコの支配下に、入るからだ。*

*しかし、そもそもアメリカにとって、北シリア地域を押さえたい理由は、石油やガスのパイプ・ラインを通す目的があるからだ。それを達成するために、IS(ISIL)は結成されイラクとシリアで広大に地域を、支配下に置くことになったのだ。*

*その後は、イラクもシリアもアメリカの思惑通りになる、とアメリカは考えていたのであろう。しかし、シリアにはトルコ軍が進攻し、トルコとアメリカの利害が対立する状況が発生しているし、そのトルコはシリアを支援する、ロシアとの関係を拡大している。*

*シリア軍は現状では極めて有利となり、アメリカが考えるようなアサド体制打倒は、起こりえなくなってきている。イラクでもアバデイ首相は『アメリカ軍は早急に出て行け。』と言い出し、何がしかのアメリカ軍の駐留は認める、といった発言もしている。そのイラクではイランの台頭が、シリア同様に目立ってきているのだ。*

*こうしてみると、アメリカはシリアでもイラクでも、目的を達成出来ずに、撤退する時が来るかもしれない。その最大の理由は、アメリカのいまの政府には、大規模な戦争を始める度胸も資金も、無いということであろう。*

*トランプ大統領が口にする世界を恫喝する強弁は、プーチン大統領にしてみれば、絵に描いた餅のようなものであろう。何の凄みも無いということだ。それでも中国もヨーロッパもアメリカの顔を立てて、トランプのほら話を聞き入れている、恐れているようなそぶりをしているのであろう。*

*ロシアはシリアでの作戦で、自国の持つ武器の優秀さを、世界に宣伝出来た。トルコはロシア製のS400ミサイルを、購入することを決めているし、アラブ湾岸諸国も然りだ。トルコは静かにロシアに接近し、やがてはアメリカとの関係を疎遠にして行こう。今の段階では、マンビジュでのアメリカとの武力衝突は、避けるのが賢明な策であろう。マンビジュの代わりはテルリファアトだということだ。*
Posted by 佐々木 良昭 at 09:27 | この記事のURL
NO:5057 3月27日 『選挙は勝利しただけでは不安なシーシ大統領』 [2018年03月26日(Mon)]
*3月26日から28日にかけて、エジプトでは大統領選挙が行われる。その結果は出る前から分かっており、シーシ大統領の勝利、ということになるのは確実だ。しかし、シーシ大統領には不安があるようだ。*

*第一には、どれほどの支持票を集めることができるか、ということだ。これまでは90パーセント台の得票数を、歴代の大統領は自慢していた。例えば、ムバーラク元大統領もそうであったし、その前のサダト元大統領ナセル元大統領も、しかりであった。*

いまのシーシ大統領にもそれは可能であろう、投票結果などごまかすのは、大統領の権限では簡単だからだ。しかし、いまの時代は以前とは異なり、そうした得票数の政府による操作は、たちまち巷に伝わってしまおう。

従って、シーシ大統領はよほど神経を使って、得票数の操作は最小限に、留めなければならない、ということだ。既に、不正選挙が見込まれ、世界中から選挙監視団が、エジプトに向かっていることであろう。やりようによっては、大恥をかくということだ。

第二の問題点は、投票所でテロが起こらないか、という心配であろう。IS(ISIL)もムスリム同胞団も、他のイスラム過激派集団も、投票所でテロが起こるという噂をばらまいて、国民が投票に行くのを躊躇する状態を、作ろうとしていると思われる。

国民は選挙の投票に行って、テロに会い死にたくはあるまいから、相当投票参加にはブレーキがかかる、懸念があろう。だからこそ、シーシ大統領はテロの抑え込みに、これまで力を入れてきていたのだ。

つい最近、アレキサンドリアで起こったテロは、選挙前のデリケートな時期を、狙ったものだったのだ。そのテロが選挙妨害であることは、エジプト国民の誰もが分かっていることだ。

シナイ半島北部の部族抱き込み工作も、シナイ半島北部に潜伏する、テロリストたちと部族との協力関係を、断ち切る目的であった。さて、選挙への参加はどのような数字になるのであろうか。そのことはシーシ大統領にとっては、彼の大統領支持票よりも、重要かもしれない。

投票所にどれだけ国民が集まったかは、一目瞭然であり、ごまかしようがないからだ。投票所がシーシ大統領の期待に反して、閑散としていれば、そのことはシーシ大統領がテロに敗北した、ということになるからだ。

ロシアではプーチン大統領が選挙で、75パーセントの得票数で再選された。これを見てエルドアン大統領も、次の選挙では75パーセントを目標とする、と言い出している。以前の彼の得票数は50パーセント程度であったのだから、相当無理な工作が行われるものと思われる。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:46 | この記事のURL
NO:5056 3月26日 『エジプト選挙とテロの関係』 [2018年03月25日(Sun)]
*来週、エジプトでは大統領選挙が実施されるが、シーシ大統領には不安があるようだ。客観的に言って選挙結果は、シーシ大統領の勝利間違い無しなのだが、できるだけいいイメージで再選されたい、ということであろう。*

シーシ大統領にとって気がかりなのは、エジプト国内であいも変わらず、テロ事件が起こっていることであろう。シナイ半島北部のISなど、イスラム原理主義テロ集団との戦いは、未だに続いている。

そのシナイ半島北部でのテロ掃討作戦を、有利にするためにシーシ政権は、シナイ半島北部の部族に対して、食糧援助などを積み増ししたようだ。シナイ半島の部族の協力無しには、テロに関する情報を集めにくいのだから、当然の措置であろう。

しかし、イスラム原理主義者らによる、テロは相変わらず続いており、遂には、アフリカ大陸側でも、起こるようになっている。いわゆるナイル・デルタと呼ばれる、エジプト北部のナイル川の、沿岸地域のことだ。

イスラム原理主義者のなかの、IS(ISIL)によるテロは、最も危険なものであろうが、それを支援しているのではないか、と思われるのはムスリム同胞団の活動だ。ムスリム同胞団はいまシーシ政権下で、強烈な弾圧を受けており、多くのメンバーが投獄されているだけではなく、死刑宣告を受けているのだ。

つまり、エジプト政府はいま、ムスリム同胞団とIS(ISIL)という、イスラム原理主義の強力な敵と対峙している、ということだ。つい最近、ナイル・デルタの北端アレキサンドリア市でテロ事件が起こったが、このテロでは二人の警官が犠牲になっている。

述べるまでも無く、このテロは選挙前に国民の間に、不安を拡大しようということであり、シーシ大統領にはテロをコントロールすることが出来ない、ということを、国民に宣伝するためのものであろう。また、テロを起こすことにより、国民を不安がらせ、投票に向かう足を止め、投票率を下げることも、狙っているのであろう。

 エジプトの経済状況は外国からの借り入れで、帳簿上は外貨が増えてはいるのだが、決していい状態とはいえまい。IMFは資金を提供すると同時に、各種の経済政策で改善しろ、と圧力を掛けている。その結果は、国民の負担が大きくなるということだ。IMFのアドバイスは劇薬なのだが、経済状況が苦しいエジプトとしては、それを承知で受けざるを得ないのだ。

 テロ問題と経済問題は今度の選挙でも、一番の課題であろう。シーシ大統領は76パーセント以上の得票数で、再選されるだろうが、やはり何処か不満と不安がある、ということだ。エジプトの選挙に向けた難問の解決は、容易ではない。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:49 | この記事のURL
NO:5055 3月25日 『トルコの状況は悪化の一途』 [2018年03月24日(Sat)]
*トルコ軍はFSA(トルコが創った自由シリア軍』と協力して、シリアのアフリンを落とすことに成功したようだ。しかし、喜んでばかりはいられないようだ。第一には、アフリンを離れていた住民が、アフリンに戻ってくるわけだが、彼らに対するケアが必要になるからだ。食糧を始め、医療、住宅、教育と大変な金が、かかることになろう。*

*第2には、アフリンのなかには未だに反トルコの、クルド・ミリシアがいるとうことだ。彼らは一般市民の顔をしていて、突然銃を放ち、爆弾を投げるだろう。つまり、クルド・ミリシアは敗北したのではなく、作戦を変更したとみる必要があるのではないか。*

*インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙はその事を指摘している。そして・第三には、エルドアン大統領がアフリンでの大勝利を喜び、マンビジュにもイドリブにも進攻すると宣言したことだ。*

*なかでも、マンビジュへの進攻はアメリカとの関係を、難しいものにしていく可能性が、高いということであろう。つい最近、トルコの外相はマンビジュについて、トルコとアメリカとの間には合意が、出来ていないと言っている。アメリカはマンビジュからは撤退しないと言っているが、トルコがマンビジュに進攻すれば、アメリカ軍との衝突が充分に、想定されるのだ。*

 ヨーロッパとの関係でも、地中海の海底ガス開発について、トルコは掘削機を入れ始めているようだが、ヨーロッパ諸国はこれに反対している。第一次世界大戦後にヨーロッパとトルコが交わした、ローザンヌ秘密合意に反するからであろう。

 しかし、それだからといって、トルコが何もしないでいれば、ギリシャやキプロスがどんどんいい鉱区を、掘り当てる可能性があり、トルコとしては放置できないということであろう。エジプトも東地中海の海底ガス開発に乗り出しているし、イスラエルも然りなのだ。

 加えてトルコでは、トルコ・リラの最安値が更新され、遂に1ドルに対して4トルコ・リラのレベルまで下がっている。これはトルコのビジネスマンに、相当なショックを与えているのではないのか。政府支持のマスコミですら、このことを大々的に報じている。

 エルドアン大統領がメガ・プロジェクト、メガ・プロジェクトと、大騒ぎしている幾つかのプロジェクトは、確かにメガ・サイズなのだが、その資金の相当部分は、外国からの借入金だ。トルコ人に言わせればこうだ。『トルコ政府は外国から金を借りて、メガ・プロジェクトを進めているが、橋などの場合は通過車両の数を、サバを読んで外国の企業に伝え、もし通過量が少ない場合には、その差を政府が補填する、ということになっているんだ。つまり、メガ・プロジェクトで完成した橋は皆通過量が少ないので、橋が出来る度にトルコ国民は税金で補填をする。つまり国民はメガ・プロジェクトでどんどん追い込まれているんだよ。』ということのようだ。

 メガ・プロジェクトは結果的に、トルコの財産をどんどん外国に、売り出しているようなものであろう。それは歴史的な建物や遺跡、土地なども含まれることになっていこう。現実にトルコでは、外国人の不動産買いが進んでいる。好立地な場所の高級住宅が、売れているのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:31 | この記事のURL
NO:5054 3月24日 『トルコのメデア王ドアン・グループが売り出される』 [2018年03月23日(Fri)]
*トルコはマスコミがエルドアン大統領の、意向にそぐわない報道をすると、たちまちにして、圧力を受ける状態にある。会社は政府が没収し、エルドアン支持者に売られ、ジャーナリストは逮捕され、投獄されるという状態が、続いている。*

*こうしたことから、ほとんどのマスコミ社は、エルドアン支持者の手に渡るか、報道姿勢をエルドアン体制寄りに、変更している。現在トルコで投獄されているジャーナリストの数は、400人を上回っている、ということのようだ。*

*そうしたなかで、何とか生き延びてきていたドアン・グループが、今回エルドアン大統領と親しい関係にある、デミリョレン社に売り渡されることになった。ドアン・グループはこれまで、ミッリイェト、ワタン・デイリー、カナル・D,ドリーム・テレビ、フリエト、その他多数あり、トルコのテレビと新聞と雑誌などを、カバーしていた。*

*そのいわばマスメデア王が、何故デミリョレン社に、売り渡すことになったのかは、疑問の沸くところだ。ドアン社のテレビ番組が、エルドアン大統領に対する批判を、報じたことに原因があり、そのことから、同社は政府から圧力を、受け始めていたようだ。*

*もし、エルドアン批判報道問題が昂じれば、同社は政府に没収され、第三者に売り渡される、危険があったのだ。そうなればその会社は第三者に売られ、ドアン社は将来、エルドアン体制が打倒されたとしても、ただでは返してもらえなくなる、ということだ。*

*そうしたなかでトルコの南東部のキルス市に、クルドのYPGがロケット弾をシリア側から、撃ち込むということが起こっている。そのロケット弾はアメリカ製であり、現在トルコの軍部がシリアル・ナンバーなどの確認を急いでいる模様だ。*

*これまでにYPGによってトルコ領内に撃ち込まれた、ミサイルやロケット弾の数は94発、死者は7人、負傷者は113人、というのだからトルコ政府としては、この事態を放置できまい。*

*そこまでトルコ・アメリカ関係は、悪化しているということであり、その状況を察知したマスコミ各社は、次第にエルドアン体制非難を、拡大していくであろうと思われる。ドアン社の件は、その先駆けだったのではないのか。*

*そうなれば、今後はますますトルコ政府による、マスコミ規制が厳しいものになって行こう。それは、エルドアン体制の弱体化、国民のエルドアン大統領への反発の拡大、という悪循環を起こしていくことに、なって行くのではないのか。*


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Posted by 佐々木 良昭 at 11:39 | この記事のURL
NO:5053 3月23日 『ISがシリアで基地の再構築に動く』 [2018年03月21日(Wed)]
*最近になって、ISのシリアでの活動が目立つように、なってきているようだ。ひとつは、ダマスカスの郊外にある、パレスチナ・ヤルムーク難民キャンプのそばのカダムで、ISがシリア軍を攻撃し、36人のシリアの兵士を殺害している。*

*加えて、シリア全体ではISが基地の構築に、動き出しているのだ。それはトルコ軍がシリア北部の、アフリンに進攻したことにより、相当数のクルド・ミリシアSDFが、アフリンの戦闘に投入されて、手薄になったからだ。その結果、ISは新たな基地の構築が、容易になったということのようだ。*

*このアメリカの分析にトルコは真っ向から反対し、アフリン攻撃がISの再活性化を生んだというのは、嘘だと主張している。シリアでの戦闘ではトルコもアメリカも、テロリストを味方につけて、他のテロリストを掃討する形になっているが、そのことが問題を複雑に、しているのであろう。*

*アメリカはISに再構築の機会を与えないと言っているが,本音はどうなのであろうか。ISがシリアで活動する限り、アメリカの言うテロ掃討作戦を口実に、アメリカ軍はシリアに留まれるし、大方の国々はそれを、認める形になっている。*

*トルコのアフリン作戦のさなか、トルコと共闘するSDFは、盗みを働いているし、多くの住民が逃げ出してもいる。アフリンではいま、病院も食料も不足する状態が、生まれている。トルコ政府はアフリンへの、食糧援助を始めたが、問題の解決には至っていまい。*

*トルコは今回のアフリンへの作戦を、『オリーブの枝』作戦と命名し、将来のシリア国内でのクルド独立を、支援すると言っている。その事により、マンビジュなどに集まる、クルド・ミリシアをアフリンに引き付け、トルコ側に抱き込もう、と考えているようだ。*

*
アメリカもマンビジュへの、クルド・ミリシアの抱きこみを、計っていることは、言うまでも無い。クルド・ミリシアの戦闘能力が高いことが、トルコとアメリカをクルド・ミリシアの、抱き込みに走らせているのであろう。*

*アメリカ軍はマンビジュで、クルド・ミリシアを使い、アメリカ兵の安全を確保するつもりのようだが、トルコ側はマンビジュからクルド・ミリシアを追い出せ、とアメリカに要求しており、その事が原因で、アメリカ軍とトルコ軍が、武力衝突に至る危険性もある。*

*トルコの大統領主席報道官イブラヒム・カルン氏は、トルコとアメリカとの間では、マンビジュからクルド・ミリシアを、追放する合意が出来ていると語っているが、事実はどうなのであろうか。その合意を交わしたと言われているのは、辞任したテラーソン国務長官なのだから。*

*トルコとアメリカがもめ続ければ、ISがシリア国内で基地の、再構築を進めることは、容易になろう。シリア軍だけでは充分な対応が、出来ないのではないのか、と不安が沸く。*
Posted by 佐々木 良昭 at 17:50 | この記事のURL
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