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NO:5030 3月1日 『アメリカとトルコの見えない戦争』 [2018年02月28日(Wed)]
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これは私の推測に過ぎないのだが、最近になって次のようなことが、考えられるのではないか、と思い始めている。それはトルコとアメリカのシリアに於ける利害が、露骨に対立していることから、双方は一歩も譲らなくなり、武力衝突を起こすのではないか、という懸念だ。*

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しかし,トルコはNATOのメンバー国であることから、アメリカがトルコに対して、直接的な軍事行動を起こすことは、ありえないだろうと思われる。そこで考えられるのは、アメリカが裏舞台でトルコを、追い込んでいくという形だ。*

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アメリカはシリアのマンビジュ作戦で、シリアのクルドと連携しており、こうした作戦のために、既に、SDFなるクルドを主体とする、戦闘集団を結成している。アメリカはマンビジュに長期駐留する方針だが、トルコはこれまで何度も、マンビジュを攻撃するのでアメリカ軍は出て行け、と言ったのに対しアメリカ軍は『撤収意志はない。』と繰り返している。*

*
しかし、トルコも頑迷であり、シリアのアフリンを攻略した後は、マンビジュ作戦を実行すると言っているが、そうなれば、トルコ軍とアメリカ軍が、武力衝突を起こすことが考えられる。それは、アメリカにとってもトルコにとっても、最悪の場面であろう。*

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そこでアメリカが考えているであろう、と私が想像しているのは、『アメリカはトルコ軍をアフリンに貼り付けさせ、勝利できずに長期駐留させる。』というパターンだ。そうなれば、トルコ軍はアフリンに加え、マンビジュでも戦闘を展開するというわけには行かず、結果的に、アメリカ軍と武力衝突する場面は、生まれないということだ。*

*
最近、トルコ政府の要請にもかかわらず、アメリカはSDFに対して、大量の武器を供給しているが、そのなかには相当最新型の武器も、含まれているということのようだ。そうなると、もし、トルコ軍がSDFと戦闘になれば、トルコ軍側にはしかるべき損失が、生まれるということだ。*

*
シリアのアフリンでトルコ軍と対峙しているのは、述べるまでも無く、クルド・ミリシアであり、彼らはアメリカの支援する、SDFの中心的な戦闘集団なのだ。従って、今後、アメリカによって提供されているであろう、対空ミサイルが使用され、トルコの戦闘機が撃墜されるという場面が、生まれるのではないだろうか。*

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トルコ軍がアフリンで明確な勝利を、収めることが出来ず、長期間に渡って戦闘を続ければ、トルコの将兵に犠牲が増え、トルコ国内では厭戦、反戦気分が高まっていくのではないか。*

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そうなればアメリカ軍はマンビジュに駐留し続けられ、しかもトルコ軍と戦わずに済むであろう。その程度のことはアメリカでも、考える人物がいるのではないか。*
Posted by 佐々木 良昭 at 09:42 | この記事のURL
NO:5029 2月28日 『イマーム・サドルイは生存と娘』 [2018年02月27日(Tue)]
* レバノンのシーア派の高僧、イマーム・ム−サ・サドル師がリビアで消えて以来、既に40年の歳月が過ぎ去った。*

*彼は二人のレバノン人が同行して、リビアを訪問していた。一人はシェイク・ムハンマド・ヤアコウブ、もう一人はジャーナリストのアッバース・バドルッデーン氏だった。彼らは公式訪問者としてリビアを訪問していたのだ。だが彼らもリビアで消えている。*

 当初、イマーム・ムーサ・サドル師は刑務所に入れられていた、という情報が流れたが、その後の彼については、全く情報が無い状態になっている。その結果、多くの人たちはイマーム・ムーサ・サドル師は、処刑されたのであろうと考えていた。

 しかし、ここに来てイマーム・ムーサ・サドル師の娘、ホウラ・サドル女史が『父は生きている。』と言い出したのだ。彼女に言わせると、生きている証拠の書類が出てきているし、彼は刑務所に収監されているはずだ、というのだ。

 イマーム・ムーサ・サドル師がリビアで消えた当時、リビアの首相はアブドッサラーム・ジャッルード氏だった。彼は1972年から1977年まで首相職にあった、カダフィ大佐に次ぐ実力者だった。従って、アブドッサラーム・ジャッルード氏はイマーム・ムーサ・サドル師が消えたことについて、知っているはずだ、と見なされている。

 アブドッサラーム・ジャッルード氏はいま、欠席裁判でイマーム・ムーサ・サドル師が消えた問題に絡み、有罪の判決を受けている。しかし、彼は1995年以来、表に顔を出さないようになっている。

 このイマーム・ムーサ・サドル師に関する問題が、レバノン国内で再表面化したのは、彼が消えて39年が経過した記念日に、シーア派の政治家ナビ・ベッリ氏が、彼について語ったことによる。それをレバノンのマスコミが、取り上げたことによリ、再度大きな関心を呼ぶようになったのだ。

 レバノン政府はこの問題を、調査をする方向にあるのだが,現在のリビア国内は、内戦状態にあるため、とても調査に入れる状況には無い。それでこの問題が放置されている、ということだ。そもそも、イマーム・ムーサ・サドル師はレバノンのシーア派ミリシアである、アマルを
1974年に結成した人物であり、シーア派国民の間では、伝説の英雄という見方が、なされている。

 いまイマーム・ムーサ・サドル師の消息を調べる上で、最も有力な手がかりとなりうる人物は、カダフィ大佐の息子ハンニバルだ。彼は現在、レバノンの刑務所に収監されているのだ。

 イマーム・ムーサ・サドル師の娘、ホウラ・サドル女史の父親への愛が、この不可解な問題に、結論を出せるのであろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:27 | この記事のURL
NO:5028 2月27日 『中東短信』 [2018年02月26日(Mon)]
*:イラクがトルコ女性処刑多数*

*イラクではIS(ISIL)の戦闘員の未亡人たち多数が、死刑判決を受けている。彼女たちのほとんどは、夫に従っただけであり、戦闘に参加していたとも思えない。実に不幸な結末ではないか。*

*こうしたことはイラクに限らず、今まで世界中で起こってきていることであろう。そもそも、トルコではギュレン・グループに関与ということで、罪のない女性たちが多数投獄されているし、子供たちもやはり数百人が、刑務所に収監されている。*

*弱者救済の方法を考えなければならないのだが、利益が優先する世の中なのであろうか。誰も具体的な行動に出ようと考えていない。国連がシリアのゴウタ停戦を決議するのだが、紙に描いた餅のように、全く効果が出ていない。*

:ロシアがイスラエルをシリアから守ってやるが*

*ロシア政府はイスラエルに対して、シリアのイラン軍による攻撃から、イスラエルを守ってやる、と言い出している。シリアとイスラエルの国境にイラン軍が陣取り、明日にでもイスラエルを攻撃する雰囲気に、なっているからであろう。*

*ただし、ロシアはそれだけではなくイスラエルを、イランの攻撃から守ることに条件を付けている。その条件とは、シリアに駐留するイラン軍に対して、イスラエル軍が攻撃をするようになれば、イラン軍を守るとも言っているのだ。*

*ロシアが言っているのは、イスラエルもイランも攻撃するな、ということであり、ロシアの考えに賛成すれば守ってやり、そうでなければ攻撃する、ということだ。納得のいく考えではあるが、イスラエルにしろイランにしろ、あまり愉快な提案ではなかろう。*

*それにしても、最近では中東におけるアメリカの影が薄くなり、ロシアの存在がすこぶる大きなものに、なってきている。ロシアが中東問題解決のキー・プレイヤー、という感じが色濃くなってきている。*

*:サウジアラビアがカタールにワールド・サッカー主催の資格無し*

*サウジアラビアがカタールと関係が悪いことは、既に誰もが知っていることであろう。その関係の悪いカタールがワールド・カップを主宰する予定になっているが、サウジアラビアはカタールに対して、同国にはワールド・カップを開催する資格は無い、と言い出している。*

*これはサウジアラビアのトルキー・アルシェイク・スポーツ大臣が語ったものだが、開催を阻止するために、サウジアラビアはカタールとの間で軍事緊張を高めるかもしれない。*
Posted by 佐々木 良昭 at 11:30 | この記事のURL
NO:5027 2月26日 『米はISを他所に移動しているとイラン』 [2018年02月25日(Sun)]
*アメリカはIS(ISIL)戦闘員を、イラクやシリアから移動しているに過ぎない、IS(ISIL)は今後も活動を続ける、とイランのザリーフ外相が語った。これはテヘラン大学での講演で語ったものだが、それは事実であろうと思われる。*

*このIS(ISIL)の移動作戦は、アメリカによって行われており、中東地域から他の場所に、移されているということだ。アメリカはシリアのハサカやマヤデーン、デルズールを初めとし、各地からIS(ISIL)を他の場所に、移している模様だ。*

*ザリーフ外相が語ったところによればIS(ISIL)は通信手段を持ており、リーダーが存在し、外国からの支援金も届いている、ということだ。従って、今後、再度IS(ISIL)が活動を活発化させることを、予測しておかなければならない、とザリーフ外相は警告している。*

 ザリーフ外相は『我々が犯してはならない間違いは、IS(ISIL)が終わったと勘違いすることだ。IS(ISIL)は未だに中東に存在しているのだ。彼らはアメリカによって創られたものだ。IS(ISIL)
はパレスチナ問題に対する、イスラエルの圧力にも、利用されている。』と語っている。

 ロシアの大統領特使も『IS(ISIL)がイラクやシリアで敗北した後、アメリカはIS(ISIL)をアフガニスタンに移動させている。』と語っている。実際にアフガニスタンの各所からは、『IS(ISIL)が何処(国籍不明のヘリコプター)かのヘリコプターで、運ばれて来ている。』という報告がなされている。

 このザリーフ外相の講演内容と同じことを、イランの最高指導者であるハメネイ師も、語っている。IS(ISIL)は未だに膨大な資金を持ち、スポンサーを持ち、アメリカの支援で武器を手にしている、ということだ。

このザリーフ外相の講演内容が報じられた日に、リビアではIS(ISIL)が再度、活動を激化している、というニュースが伝わってきているし、モーリタニアの大統領も『リビアへの外国の介入は止めろと。』語っている。

モーリタニアはアルジェリアやチュニジア、モロッコなどと同じ、アフリカ大陸の北端に位置する国であり、IS(ISIL)の侵入の脅威が、増大しているのであろう。そのために今回の発言を、したものと思われる。そのIS(ISIL)のアフリカ侵攻の、一大拠点がリビアなのだ。
 イランがIS(ISIL)の動向に神経質になっているのは。自国への破壊工作が予測されるからであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:06 | この記事のURL
NO:5026 2月25日 『ISは歴史的金満テログループ』 [2018年02月24日(Sat)]
*IS(ISIL)の凋落が語られているが、実態はそうでもないようだ。最近報道されたものを見ていると、イラクやシリアでは確かに、IS(ISIL)はほぼ姿を消したが、彼らは相当の資金を、溜め込んでいるようだ。*

*その報道によれば、IS((ISIL)は世界で歴史的に、最も資金力のある、テロ組織だとう事のようだ。ニュースはエコノミストから、伝えられたもののようだ。*

*その裏付けとなっているものの一つには、武器密輸業者の証言がある。その内容によれば、IS(ISIL)は武器をキャッシュで、買っていたということだ。そうして購入した武器で、彼らは3年間でイラク・シリアの相当部分を、支配するに至ったということだ。*

*IS(ISIL)は4億ドルをイラクとシリアから、持ち出しているということだ。そうした金は石油の密輸と、イラクの銀行から盗んだものが、5億ドルにも達していた、ということだ。*

*また外国から寄せられた寄付金は、ほとんどが溜め込まれていたようだ。つまり、IS(ISIL)は活動する地域で使う金は、そこで調達する方式だったようだ。また、両替商や、資金の送金屋も行っていたようだ。*

*IS(ISIL)が運営する両替所は、イラクだけで数百箇所有った、という話しで、彼らはイラク中央銀行にも、入り込んでいた(関係していた)、ということのようだ。そこでIS(ISIL)は通貨の売買に、関与していたというのだ。*

*IS(ISIL)は主に、イラク・デナールからドルに、換金していたらしい。昨年始めの頃からは、イラクやシリアにある金を、トルコに持ち込んでおり、国境の両替商たちが、その事実を伝えている。*

*そうしてトルコに持ち込まれた資金は、個人などの名義で隠匿されており、その資金の多くは金(ゴールド)に替えられ、近い将来、スリーパーたちが行う、新たな作戦に使われるのであろう、とトルコの情報部は推測している。*

なおIS(ISIL)の資金は、石油の密輸だけではなく、ゆすり、密輸、そして誘拐によっても、得られていたということだ。

問題はIS(ISIL)に資金が充分にある、という情報が流れると、新たなIS(ISIL)参加希望者が、現れるということであり、彼らは欧米でも動き出す、可能性がある。事実の報道は価値があろうが。そうしたことを考えると、今回の『IS(ISIL)は金持ち』報道は、危険がいっぱいな気がするのだが。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:46 | この記事のURL
NO:5025 2月24日 『トルコはシリア戦にイラン参戦が不安』 [2018年02月23日(Fri)]
*トルコは1月末にシリアに、軍事侵攻したが、その後3週間以上が過ぎても、しかるべき成果は生まれていない。それどころか、シリア内部では新たな展開が、始まっているようだ。*

*シリアの政府軍と政府支持のミリシアが、戦闘で協力体制を取り始めているのだ。従って、アフリンでのトルコ軍は厳しい状況に、追い込まれる危険性が高まっている、ということであろう。*

*シリア軍と政府支持のミリシアは、クルドが主体なのだが、一部の報道によれば、ラッカ陥落で放り出されたIS〈ISIL〉の元戦闘員が、最近ではシリアのミリシア・グループに加わっている、ということのようだ。*

*こうなると、トルコ軍はシリア軍と、政府寄りのクルド・ミリシアと、IS(ISIL)の残党と、戦わなければならなくなるということだ。それは大変なことであろうと思われる。*

*シリアの国内に入れば民間人も含め、周辺にいる人たちは全てが敵だ、と思わなければならなくなるからだ。突然ナイフを手にして、襲い掛かってくる者や、銃器をもって襲ってくる者、爆弾を使って攻撃してくる者などが、想定されるからだ。

*そのことに加え、いまトルコ人の間で密かに語られていることは『イランが参戦して来るのではないか?}という不安だ。既に、イラン軍はシリア国内に駐留しており、相当量の武器も持ち込んでいる。先日は、そのイラン軍がイスラエル軍の戦闘機を、撃ち落としてもいるのだ。
*
もし、イランが参戦すれば、トルコ軍は先に挙げた3つの戦闘集団に加え、イランとも戦わなければ、ならなくなるのだ。その結果は、多数のトルコ兵が死亡する可能性が、高いということであり、トルコ国民としては、座視して放置できる、問題でなはかろう。

しかも、イランはシリアを数少ないシーア派体制国家(シーア派の中のアラウイ派がアサド大統領の基盤))とみなしており、出来るだけ多くの期待を、この国に向けたいと思っている。

だが、そうだからと言って、イランがトルコに攻め込まれている、シリアにトルコと戦うための軍を送り、トルコと一戦交えるかというと、確率は低いのではないか。それはイランがいま、シリアそしてその先にある、イスラエルと緊張関係にあること。

イランはイエメンではホウシ派を支援しており、対局の側はサウジアラビアやアラブ首長国連邦に支援を受けている。そして、アメリカとイランとは核問題をめぐって、一触即発の危機的状況にある。

そうしたなかでは、イランがトルコに戦争を挑むとは考えられない、というのが私なりの判断なのだ。その私なりの判断を、何人かのトルコ人に話したが、まだ彼らには不安がありそうだ。当然であろう、彼らはこの緊張問題の、当事者なのだから。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:06 | この記事のURL
NO:5023 2月22日 『エジプト・イスラエル大型ガス取引成立だが』 [2018年02月22日(Thu)]
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エジプトとイスラエル政府が、大型のガス取引契約を結んだ。その額が150億ドルというのだから、まさに大型契約であろう。しかし、その詳細についてエジプト政府は、国民に明かそうとしていない。*

その理由は二つ三つ考えられる。一番簡単な理由は、イスラエルのガス資源が、実はレバノンとの係争地から産出されるものだ、ということだ。従って、その契約内容を公にすれば、エジプト政府はレバノン政府から、非難される可能性があるということだ。

第二の理由として考えられることは、エジプト国民の感情問題だ。1979
年にエジプトとイスラエルは、平和条約を結んだとはいえ、いまだに多くのエジプト国民は、イスラエルに対して敵対感情を、抱いているのだ。

そのエジプト人の敵であるイスラエルから、大量のガスを購入するということは、まさに敵に塩を送る行為だ、ということになろう。加えて、潜在的敵国であるイスラエルに、エネルギー資源を依存するということは、極めて危険ではないかということになろう。

もし
エジプトとイスラエルとの間に、何か問題が発生すれば、ガスはイスラエルが止めることになり、その途端にエジプトはエネルギー危機に、落ち込むことになるからだ。それではエジプトはイスラエルに対して、弱い立場に立たされるということになろう。

この問題は、エジプト国民が根強く抱いている、イスラエルに対する不信感によるものであろう。1973
年の第四次中東戦争後、エジプトとイスラエルとは、平和な関係に向かって動き出し、今日に至るのだが、感情という厄介な物は、なかなか取り去れない、ということであろう。

確かに今後、何らかの不測の事態が生じれば、イスラエルとエジプトが敵対し、ガスの供給が止まることもあろうし、戦火を伴うこともあろう。常識的には起こりえないことが、歴史の中では何度も、繰り返されてきている。

従って、エジプト国民がイスラエルに対して、強い不信感を抱き続けており、いまだに信用していないとしても、非難するには当たるまい。人間の愚かさは、人間が信じ考え出した常識よりも、強いのだから。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:27 | この記事のURL
NO:5023 2月21日 『トルコの今後とヌーリシーの予言』 [2018年02月21日(Wed)]
20世紀の初め頃であったろうか、トルコに偉大なスンニー派のスーフィー学者がいた。彼の名はバデーウッザマン・サイド・ヌーリシーだ。彼は政府の弾圧を受け、何度も刑務所生活を繰り返したが、自説を曲げようとしなかった。
 彼の教えはその後、何人かの学者たちによって、受け継がれるが、その学者の一人が、いまエルドアン大統領と対立している、フェトッラーギュレン氏だ。彼も自説を曲げようとはせず、彼と彼のメンバーはトルコ政府の、強い弾圧を受けているが、エルドアン大統領に妥協しようとはしていない。
 そのバデーウッザマン・サイド・ヌーリシーが語った話が、いまトルコ国民の間で、話題になり始めているようだ。それは『オリーブを語る者は敗北する。』という言葉らしいのだが、今回のエルドアン大統領のシリア侵攻作戦は『オリーブの枝作戦』と名付けられている。
 トルコには幾つものタリーカ組織が存在するが、それは秘密結社のようなものなのだ。そして、そのタリーカのほとんどがスーフィーであり、そのまたほとんどが、バデーウッザマン・サイド・ヌーリシ―思想を受け継いでいる、ということのようだ。
 トルコ軍のシリア侵攻の現状は、どうなっているかというと、クルド勢力とシリア軍とが、共闘する形になってきている、といわれている。しかもこのクルドは、アメリカに支援を受けているのだ。そのことはトルコが窮地に立っている、ということだ
 トルコがロシアに泣きつくと、ロシアはトルコとシリアが直接話し合って、解決しろと突っぱねて、相談に乗ろうとはしていない。楽観的な見通しもないではないが、現実は厳しいのではないか。
 そうしたなかで語られ始めているのが、トルコの分割だ。トルコを二つに分けて弱体国家にすることを、欧米もロシアも望んでいるというのだ。それは十分ありうる話であろう。
 以前、トルコ国内のクルド人たちの多くは、トルコ国民の立場を維持したい、と願っていたが、いまでは分離独立できるのなら、そのほうを選択する、と考えている者が多くなっていよう。
 トルコのエルドアン大統領の強圧対応が、PKKを元気づけ、トルコのクルド人を激怒させた結果だ。バデーウッザマン・サイド・ヌーリシ―の予言は現実のものとなるのではないか
Posted by 佐々木 良昭 at 11:45 | この記事のURL
NO:5022 2月21日 『トルコ軍シリアで窮地に立つか』 [2018年02月20日(Tue)]
トルコがシリアのアフリン作戦で、窮地に立ちそうな状況が、発生してきている。それは、1月19日にトルコ軍が、シリアのアフリンに向かって、戦闘を開始して以来、初めての状況なのだ。*

*トルコ軍による傍若無人ともいえる、アフリン攻撃を受け、シリアのクルド組織(SDFであろうか?)がシリア政府と交渉して、シリアをトルコ攻撃から守ろう、と言い出したのだ。クルド側が語るところによれば、シリア政府との合意は成立しており、2〜3日以内に、シリア軍がアフリンの戦列に、加わるということだ。*

*このクルド側の申し入れに対して、シリア政府は前向きに受け止め、アフリンに派兵する方針のようだ。そうなると、トルコ軍はアフリンでの作戦で、これまでとは異なり、クルド・ミリシアだけではなく、シリア軍とも戦わなければならなくなる、ということだ。*

*しかも、現在のシリア軍は以前とは異なり、ロシアから新兵器の供与を受け、相当に強化されている、先日もイスラエル軍機が、シリア軍によってミサイル攻撃を受け、撃墜されているのだ。その事は、相当イスラエル政府をあわてさせ、不安に陥れているということのようだ。*

*トルコはアフリン作戦に、陸軍だけではなく、空軍も投入する方針であろうが、その場合にはトルコの空軍機の損失が、目立つことになるのではないか。勿論、戦闘機だけではなく、巨額の訓練費をかけて、訓練したパイロットも、犠牲になるということであり、トルコ政府にとってはそう簡単に、動き出せないということになるのではないのか。*

*そもそも、トルコ軍のシリアのアフリンへの攻撃は、同盟国であるはずの、アメリカも反対している。表面的にはトルコとアメリカとの間では、アフリンに続く戦闘予定地の、マンビジュに関しての対立であり、マンビジュにはアメリカ軍が駐留しており、トルコ軍が入ればアメリカ軍にも、被害が出るということだ。*

 このため、アメリカ政府はトルコ政府に対して、マンビジュ作戦は実行するな、と言っているが、トルコ側は攻撃をかけるので、アメリカ軍は出来るだけ早く、マンビジュから去れと警告している。そのマンビジュ作戦の前哨戦が、まさにアフリン作戦なのだ。

 このところ、アメリカとトルコとの関係は、日増しに悪化しているが、アフリンでの作戦で、トルコ軍は手痛い敗北を、喫するかもしれない。エルドアン大統領が高らかに宣言しているような、ネオ・オスマン帝国軍の進撃は、挫折するかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:15 | この記事のURL
NO:5021 2月20日『トルコがアフリンで化学兵器使用?』 [2018年02月19日(Mon)]
*シリアのYPGがトルコのアフリンでの、化学兵器使用を非難している。使用された場所は、シリアのアフリンであり、激戦が報告されている場所だ。この場合問題なのは、YPGは間接的にアメリカの支援を受ける、戦闘集団だということだ。*

*アメリカはシリア問題の解決のために『アメリカはIS(ISIL)掃討にSDFと協力している。』と公言している。アメリカSDFを支援しているが、SDFはYPG、PYD、PKKといったクルドが中心の戦闘集団を、主体とする組織なのだ。つまり、今回トルコ軍が化学兵器を使用し、アフリンの住民を危険にしているという、YPGのトルコに対する非難は、アメリカの黙認のもとに、YPGが行った非難だ、ということではないのか。*

*いずれにせよ、今回の化学兵器使用により、アフリンの6人の民間人が、犠牲になった、とYPGは報告している。もちろん、トルコ側はこれを、単なるブラック・プロパガンダだ、と否定している。*

*このYPGによるトルコに対する、化学兵器使用に関する非難について、アメリカは確認していないが、あり得ないことだ、と否定的な立場を、表明している。アメリカは今回のクレームについて、化学兵器は使用しないよう、各方面に呼びかけていると同時に、民間人の安全を守ろうとしている、という立場を明らかにした。*

*ただ、今回のトルコ軍による、化学兵器使用への疑惑は、YPGだけではなく、国際的な監視団体も、語っている点が問題だ。もし、トルコが化学兵器を使用したことが明らかになれば、アメリカはしかるべき措置を、トルコに対して取らざるを得まい。*

*そのことは、そうでなくとも複雑な状況にある、トルコとアメリカとの関係を、より一層複雑にさせることになろうし、NATOの一員としての、トルコの立場にも影響を、及ぼそう。*

*一説によれば、トルコはNATOから脱退することを望んでいる、という話がある。トルコはNATOの一員であることが、トルコにとって足かせになっていることに、嫌気がさしてきている、ということなのだが。*

*これは、トルコがアメリカと距離を置き、ロシアに接近しようとしていることから、来ているのかもしれない。*
Posted by 佐々木 良昭 at 11:46 | この記事のURL
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