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NO:5002 2月1日 『トルコ軍は15日でシリア戦争終わらせられる』 [2018年01月31日(Wed)]
トルコのヌーレッテン国防大臣が、1月30日に記者会見を開き、シリアの軍事情勢を説明した。そのなかで彼は『シリア人の安全を考えなければ、作戦は最長15日で終えることが出来る。』と語っている、

ヌーレッテン国防大臣は『クルドのYPGは市民を盾に使って戦っているが、トルコ軍は細心の注意を払って、戦っているのだ。』とも語った。彼は戦闘が長引いている理由はそこにあり、トルコ軍はYPGから特攻攻撃を5回受け、FSAも24回受けていると語っている。

トルコ軍側はこれに対して、空爆で応戦し、458のYPG拠点を攻撃し、649人のYPGの戦闘員を殺害している。陸軍の攻撃はYPGの4370の拠点を、攻撃したとも語っている。

こうした状況を受け、野党第一党のCHP議員は、トルコがFSA(自由シリア軍)との協力作戦を展開しているが、FSAはやがてトルコの敵に回るだろう、と警告している。確かにそれは十分ありえよう。トルコはシリアの北部地域を奪取し、トルコ領に併合しよう、と考えているからだ。

FSAが何処までシリア内戦で、優位に立てるかは、保証の限りでは無いが、彼らもシリア国民であり、トルコが自国領土を奪うという段階では、銃口をトルコ軍に向けるのは、当然であろう。現段階はあくまでも、アサドと彼の体制が、トルコ・FSAにとって、共通の敵になっているための、共闘以外の何物でもないのだ。

トルコはシリア内戦に手を出したことにより、多くの損失を生み出しているのではないか。エルドアン体制とアメリカとの関係は、完全に信頼を失っているし,EUとの関係も、決していい状態にはない。

シリアの前線では、次第にトルコ軍の犠牲が、増えてきてもいる。イスラム学者の一部は、『シリアのアフリンでの戦闘はジハード(聖戦)だ。』と戦争を鼓舞する発言をしているが、トルコ国民は醒めており、その言葉を信用してはいまい。

トルコ国民のそのような感情は、トルコに居住するシリア難民に対する対応でも、明らかになってきている。いまではシリア難民が、トルコ国内で襲撃されたり、非難されるケースが、増えているのだ。

その事もあってか、トルコ政府はアフリン作戦を、一日も早く終わらせ、トルコに居住するシリア難民を、シリアに追い返したい、ということのようだ。最近発表された数字によれば、トルコに居住するシリア難民の数は、500万人を超えたということだ。その多くはトルコで生まれているのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:56 | この記事のURL
NO:5001 1月31日 『トルコのリビア内戦への関与武器密輸』 [2018年01月30日(Tue)]
*トルコがシリアに軍事侵攻したことは、誰もが知っていよう。またトルコがイラクについても、軍事的に関与していることを、知っていよう。そしてトルコがカタールに軍を派兵していることも、公になっており多くの人が、知っていよう。*

*しかし、トルコがリビアの内戦に関与していることは、あまり知られていまい。実はトルコはリビア内戦にも深く関与しているのだ。その状況に関する情報が漏れ始めている。トルコはギリシャ、オマーン、ジブチなどの港を経由して、リビアに武器弾薬爆発物を届けているのだ。そして、その荷物の行き先はリビアのミスラタだ。*

*これらの武器弾薬をリビアに輸出しているのは、トルコの武器メーカーであるトルン社と、ヤウシュチャラル社であり、トルン社はコンテナ二箱に詰めた5000丁の武器を送り、ヤウシュチャラル社は50万発の爆発物を送ったようだ。*

*ヤウシュチャラル社はラテフ・アラル・アリシュなる人物が介在して、このビジネスを進めたようだが、この人物はエルドアン大統領と、極めて近い関係にあるようだ。*

*また、エルドアンの義理の子息であるベラト(エネルギー大臣)も、このビジネスに関与しており、彼は倒産の瀬戸際にあった、貨物船会社に働きかけ、負債を帳げしにすることを条件に、武器の輸送を依頼したようだ。*

*このビジネスには在ベンガジ・トルコ領事館のアリー・ダウトール領事も関係しており、彼は船会社に圧力をかける役割を、担っていたということだ。従ってこの武器密輸取引は、トルコのトップ・シークレット事項であった、ということだ。*

*トルコがリビアとの関係の中で行ったことは、これだけではない。リビア人の戦闘員にトルコ・パスポートを、偽造して与えていたし、トルコ経由でシリアやイラクに入ることも、黙認するどころか支援していたのだ。*

*情報によれば、アルカーイダもIS(ISIL)の戦闘員も、トルコ・パスポートを使ってリビアから欧州に入り、その後トルコを経由して戦闘地域である、シリアやイラクに入っていた、ということだ。これにはリビアのミリタント組織も、関与していたのだ。*

 トルコのエルドアン大統領が、ここまでリビアに関与しているということは、それが金儲けにつながるからに他ならない。金儲けはある種の麻薬のように、人の感覚を狂わせるのかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:37 | この記事のURL
NO:5000 1月30日 『エジプトは独裁国家になるのか』 [2018年01月29日(Mon)]
*3月26日から28日にかけて、エジプトでは大統領選挙が、行われることになっている。しかし、この選挙はどうも胡散臭い感じがするのだが、実態はどうなのであろうか。*

*選挙を1か月後に控えたいまなお、実は立候補者がシーシ大統領以外に、いないのだ。つまり大統領選挙とは言いながら、実態は大統領信任投票、ということになるのだ。*

* 何故、他には大統領選挙に立候補する者が、いなかったのであろうか。実は以前大統領選挙に立候補したことのある、サーミ−・アナン将軍も立候補を、予定していたのだが、取りやめとなったのだ。*

*その理由は二つあった。サーミー・アナン将軍は軍の出身であることから。軍から二人の候補者が出るのはまずい、という軍部の意向が圧力となって、彼の立候補を潰したのだ。*

しかし、その前にはサーミー・アナン将軍の汚職問題が取りざたされ、もし立候補を断念しなければ、法的に裁くという直接的な圧力が、かかっていたのだ。これは誰が考えても、シーシ大統領に継続して大統領職を務めてほしい、という意向が働いていた、ということであろう。

 政治家や軍の高官政府の高官で、汚職の嫌疑の無い者など一人もいないのが、世の常であり、そのことでサーミー・アナン将軍は立候補を、取りやめさせられたのだ。エジプトではビジネスには、何処でもバクシーシがついて回る、バクシーシとは賄賂であり、思し召しであり、貧者の救済の援助金でもある。

 結果的に、サーミー・アナン将軍は大統領選挙立候補を、取りやめたが、サラフィー派のヌール党も、大統領候補を立てることをあきらめ、シーシ大統領支持にまわった。また、ワフド党もバダウイ氏を擁立することをあきらめている。

 今回の選挙ではどの政党も、大統領候補を立てることは、立候補者の安全が保障できないし、党そのものの存続も、危険にさらされるという判断が、広がっているのだ。

 さて、その結果次期大統領はシーシ大統領で、固まったようだが、彼が大統領を継続することはどんな結果を、エジプトにもたらすであろうか。エジプトはいま経済苦に直面している。政府の発表では外国の金融機関、世銀、IMFなどからの支援で、改善方向にある、ということなのだが。

 エジプト政府は地中海の、海底ガスの開発を進めており、それが本格的な生産体制に入れば、ガスを輸入しなくて済む、その結果エジプトの経済は、上向くと発表している。

 エジプトはアメリカやイスラエルとの関係を、大幅に改善しているし、ロシアもエジプトを重要視し始めている。それらのことがシーシ大統領の、第二期を明るくしてくれることを望むばかりだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:43 | この記事のURL
NO:4999 1月29日 『サウジアラビアはイスラム法を破るのか』 [2018年01月28日(Sun)]
* 私がイスラム教を勉強していたのは、*もう50年も前になったのだから、不確かな気もするのだが、イスラム法には『人をその家から追い出してはならない』というのがあったような気がする、灼熱の砂漠では、家を追い出されることは、死を意味しているからだ。

家を追い出されるということは、水も食料も無くなることであり、炎天下では生きていけまい。そして冬の砂漠は、日本人が想像するよりも寒い。サウジアラビアでも雪が降るところは、幾らでもあるのだ。先日はレバノンに逃れていたシリア難民が、山岳部で十数人が凍死した、というニュースが伝えられていた。

サウジアラビア政府はサウジアラビアの王族や、大金持ち政府の高官などに対する、汚職疑惑に関わる取調べを、行ってきていたが、その結果、定められた罰金を支払う者は釈放し、それを拒否する者は投獄する、という対応をした。

その事に加え、罰金支払い拒否組に対しては、家屋を没収することを決めた、と伝えられている。日本人からすればまさに、お城のような豪邸を、政府が取り上げてしまうということだ。そして、その事は述べるまでも無いが、その家の住民は家から、追い出されるということだ。

そうした家では多数の従業員が雇われていよう。東南アジアなどからの出稼ぎの、家政婦や男性従業員、ドライバーは、何の保証も無くその家から、追い出されるのではないのか。家の主人が巨額の罰金を、政府によって要求され、家を没収されるのだから、彼らには何を言う権利も、与えられまい。

日本でも知られる大金持ちのタラール・ビン・ワリード王子の場合は、莫大な罰金を支払うことを条件に、釈放されたと伝えられている。その罰金の額は、数兆円にも上るものだったような気がする。まさに眼が回るような金額だ。

タラール・ビン・ワリード王子はサウジアラビアの、王位継承権を捨てて、ビジネス一本やりの人生を選んだ人物として知られ、これまで世界のテレビネット、インターネット、映画など、マスメデアを買収して来た人物であり、欧米には著名な友人も多くいる。

サウジアラビア政府が実際に、どれだけの罰金を彼から取ったのかは分からないが、しかるべき段階で、手を打つ方がサウジアラビアの国のイメージを、良くすると考えたのかもしれない。

今回の汚職事件は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の、いわば独断で進められたものの様に思えるのだが、あまり長引かせては、国内の高位高官大金持ちの反発を、受けることになろう。未だに投獄されている、多くの財閥や高官はいるだろうが、一応これで汚職事件は終わり、ということになり、話題にはなるまい。

その次に待っているのは、サウジアラビア社会のモダン化だが、これはやはり宗教が絡むことだけに、そう簡単ではあるまい。サウジアラビアではサウド王家誕生をめぐり、イスラム原理主義のワハビー派と結託している。サウド家は政治を牛耳り、ワハビー派は宗教を管轄する、という取り決めだった。

しかし、その後、石油の価格が上がり、王家の人達が大金持ちになってくると、ワハビー派の権限は低下してきていた。今回のムハンマド・ビン・サルマン皇太子の『モダンなイスラムに帰ろう』という呼びかけは、西側の人達からすれば大きな前進、と思えるのだが、ワハビー派の人達からすれば、許せないことであろう。

このサウジアラビアのモダン・イスラムの実施で、サウジアラビア政府は女性の運転、サッカー観戦などを許可している。そしてイランでは無いが、ヘジャーブを緩くかむることが、若い女性たちの間で広まるのではないか。宗教問題は日本人が考えるほど,安易なものではない。場合によっては血を見ることになり、内乱にも繋がる危険性もあるのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:22 | この記事のURL
NO:4998 1月28日 シリアでまたISが攻勢に』* [2018年01月27日(Sat)]
*シリアのIS(ISIL)勢力はほぼ掃討された、という理解が世界中に広がっており、アサド大統領は勝利宣言したはずなのだが、ここに来て、IS(ISIL)は再度息を吹き返し攻勢に出ているようだ。*

*アルハヤート紙が伝えるところによれば、シリアでは以前解放された、アブー・カマールでIS(ISIL)が攻勢に立っている。それ以外にも2箇所で、IS(ISIL)は息を吹き返している模様だ*

*ユーフラテス川の西岸沿いの数キロが、IS(ISIL)の手に落ちている模様だ。このため、シリア軍兵士やシリア軍支持のミリシアが、相当犠牲になっているようだ。シリア軍側はIS(ISIL)の戦闘員が多数犠牲になり、彼らの武器も破壊した、と発表している。*

しかしIS(ISIL)側も対戦車ロケットで、多数のシリア軍の戦車を破壊した、と発表している。まさに大本営発表を、双方が行っているということであり、何が真実か分からない状況だ。問題は多くの人達が処刑されており、その数は53人にものぼり、そのうち子供の犠牲者は、21人だということだ。

いまシリアのアレッポ州やハマ州、イドリブ州の17の村落も、彼らの手に落ちているということのようだ。

一説によれば、アレッポやハマ、イドリブなどの80の村落を、IS(ISIL)は支配している、ということのようだ。それでは一体何故このような、IS(ISIL)の巻き返しが起こり、しかも、成功しているのか、ということが気になる。

戦闘には戦闘員と武器と、資金が必要なのは、述べるまでも無い。それは誰が提供しているのかが、気にかかる。しかも、それらの支援は、一時期は止まっていたのであろうが、何故いまになって、繰り返されているのか。

あるいはこれは、トルコ軍のシリア越境攻撃で、新たな危険が発生したことが、原因しているのかもしれない。これまで、IS(ISIL)のスポンサーはトルコであり、サウジアラビアであり、カタールだと言われてきている。これらの国々はシリアで、直接的な利害が絡んでいるのであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:48 | この記事のURL
NO:4897 1月27日 『ロシアはトルコ・アメリカ戦争を望むのか』 [2018年01月26日(Fri)]
トルコ人の友人が事務所を訪問した。その彼との会話の中で、彼の祖国を思う気持ちが、ありありと見えていた。彼は最近のロシアの言動が、トルコとアメリカの戦争を、期待しているように思えてならない、と言っていた。*

*そうではないだろうが、ロシアはアメリカに対抗する意味で、アメリカに反発するトルコを激励するような発言を、しているものと思われる。アメリカの最近の中東での動きが、ロシアには許せないのであろう。*

*アメリカは状況が悪化すると、化学兵器を使用し、それはロシアやシリアによって使われた、と非難している。世界のマスコミを牛耳っている、アメリカにとってはまさに『嘘も百篇言えば本当になる。」という感じなのだ。*

*アメリカは最近のトルコ軍の動きに、神経質になっており、一方ではトルコに自制を求め、他方ではトルコを非難している。しかし、アメリカが非難するトルコの軍事行動を、ヨーロッパの多くの国々が『自国防衛の当然の権利だ。』と、トルコを擁護するようになってきている。*

*そうなるとアメリカの軍や傭兵、情報部員や外交官が、危険に直面することになろう。だからアメリカはトルコに対して,自制を求めることを、繰り返しているのだ。*

*だが、アメリカもトルコに自制を求めながら、SDFやYPG、IS(ISIL)に対する支援を、止めていない。相変わらず、アメリカはこれまでテロリスト組織だ、と非難していた各組織に、武器の供与を続けているのだ。YPGに対する武器の供与について、トルコは再三に渡ってアメリカに、止めるように要請したが、まだ続いているのだ。*

*どうもこうしたことを考えると、トルコの友人が懸念するように、実はアメリカとヨーロッパ諸国、ロシアは裏で連絡しあい、トルコをアメリカとの戦争に押しやるように、動いているのではないか、とさえ思えてくる。*

*そう思えるほどトルコは、アメリカやヨーロッパから、嫌われているのだ。その原因を作ったのはトルコのエルドアン大統領であり、最初にそれを支援したのは、アメリカだったのだ。*

*マッチ・ポンプという言葉があるが、まさにトルコとアメリカとの関係はマッチ・ポンプであろう。そのマッチ・ポンプの裏で、苦しい状況に追いやられているのは、シリア人でありクルド人なのだ。*

*アラブの独裁国は次々と、消されていっているのはいいことだが、そのことは、国家と国民が中心を無くし、庶民は戦火の中で右往左往し、死んでいくだけなのだ。独裁は必要悪ではないか、とつくづく思える昨今だ*
Posted by 佐々木 良昭 at 15:18 | この記事のURL
NO:4896 1月26日 『トルコ・米・クルド・ISの四巴』 [2018年01月25日(Thu)]
トルコ軍はエルドアン大統領の命令で、シリアのアフリンに進軍し、そこのクルドをせん滅する、作戦を進めている。そのことは、トルコ・アメリカ・クルド・IS(ISIL)の関係を、複雑にしており、悪ければこの4者は、複雑に絡み合い、動けなくなるかもしれない。*

*まずトルコが、シリアのアフリンに進軍したことにより、アフリンの状況は危険になった。そのため、アフリンに駐留するSDFはラッカにいるSDF(クルド・ミリシア)に、援軍を依頼した。それは当然であろう。トルコ軍の重装備の前に、アメリカから新兵器を供与されたとはいえ、クルドのミリシアは応分の、反撃ができまい。*

*しかし、そのことはラッカでのIS(ISIL)に対する、戦いが手薄になるということであり、それはアメリカ軍にとって、危険な状況といえよう。そのため、アメリカはラッカからアフリンに、SDF(クルド・ミリシア)が移動したことを根拠に、今後、SDFに対して武器の供与を、止めるかもしれない。*

*そうなればSDF(クルド・ミリシア)は、万事窮すであろう。つまり、トルコ軍のアフリン侵攻は、結果的にアメリカとSDFとの関係を、疎遠にしつつあるということだ。*

*こうした状況はラッカのIS(ISIL)を有利にさせたようだ。SDFのIS(ISIL)への攻撃が手薄になれば、IS(ISIL)は思う存分アメリカやトルコに、攻撃が出来るということだ。もちろん、シリア軍に対しても攻撃の範囲を、広げることが出来よう。*

*このような変化は、トルコにとっては当面問題なかろう。シリアのクルドを叩き、IS(ISIL)の動きは放置する、ということだ。ただ、アメリカにしてみれば、IS(ISIL)撲滅をアメリカ軍のシリアに進軍させた、理由にしているために、世界的な非難を浴びることに、なるかもしれない。アメリカ国内でも『アメリカ軍は何をしているんだ!』という非難が起こる危険性があろう。*

*そうしたこともあり、アメリカはいま必死で、トルコ軍の行動を阻止したいと考え、トルコ政府に対して強く、自制を求めている。しかも、アフリンだけではなく、トルコがマンビジュにも、侵攻することになれば、そこではトルコ軍とアメリカ軍の、直接戦闘も起こりかねない。*

*トルコのエルドアン大統領は、アメリカのこれまでの失策を取り上げ、『アメリカはイラクでもシリアでも、結果的に判断を誤り、行動が遅れたために、何にも解決出来ないでいる。トルコはそうはせず、即決実行しているのだ。』とアフリン攻撃を正当化している。然し、エルドアン流がこれからも、通用するのだろうか。*
Posted by 佐々木 良昭 at 11:18 | この記事のURL
NO:4895 1月25日 『アメリカトルコの不信と対立高まる』 [2018年01月24日(Wed)]
*いまトルコがシリアの北部アフリンに、軍事攻撃をかけているが、このことは、トルコとアメリカとの関係を、悪化させている。トルコがシリアで攻撃を加えているのは、アフリンという街に集まるSDF(クルド・ミリシアのYPGが主体、アメリカが支援する組織)を、打倒することが目的だ。*
*他方、アメリカはSDFを本格的に支援し、シリアの北部をシリア政府から分離させ、そこを一大軍事拠点とする計画のようだ。そうなれば、アメリカ軍はトルコのインジルリク空軍基地を、使う必要は無くなろうから、トルコとの関係は終わる可能性がある。*

*アメリカは出来るだけ北シリア地域を、温存したいとも考えていよう。そこにトルコが軍を派兵し、攻撃を加えるのだから、対立しないわけはあるまい。しかも、トルコ政府はアフリン攻撃の後は、マンビジュ攻撃だと息巻いている。*

*このマンビジュはアフリンよりも、東側に位置するところだが、そこには多数(ほとんど)のアメリカ軍が、集結しているのだ。加えて、アメリカの外交官、情報機関員、傭兵部隊も集まっているのであろう。*

*もし、トルコがアフリン攻撃の後、マンビジュに攻撃を加えることになれば、アメリカ軍と正面衝突するか、アメリカが撤退するか、のどちらかであろう。アメリカとすれば、シリアの北部を今後の中東戦略の、一大拠点とする気であり、そう簡単には引くことはできまい。*

*アメリカはそうした事態を未然に防ぐために、トルコに何度となく、アフリン作戦をやめろ、と警告してきたが、エルドアン大統領は作戦は順調に進んでいるとして、一歩も引く気配を見せていない。*

*トルコの野党第一党CHPを始め、各派やアルメニア協会やユダヤ協会など各団体も、エルドアン大統領の対シリア作戦を、支持している。それはトルコにいま500万人のシリア難民が、住み着いているからだ。早くシリアの一部を解放し、そこに難民を追い返してしまいたい、ということだ。トルコは国境のアッザーズにシリア難民のための、3000人収容可能な、テント村を建設中だ。*

*他方、アメリカにしてみれば、シリアのクルドは信頼に値する組織であり、戦闘能力も高く、利用価値は高い、ということだ。事実、IS(ISIL)作戦でクルドのYPGや、SDFが果たした役割は大きかった。*
 
 こうした状況を考えると、近い将来何らかの軍事的衝突が、トルコ軍とアメリカ軍との間で、起こるかもしれない。それは、トルコにとってもアメリカにとっても、高い代償を払うことに、なるのではないか。問題はこのことに仲介する国が、あるかということだ。フランスやイギリスは、それを考えているかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:31 | この記事のURL
NO:4894 1月24日 『トルコ軍のシリア侵攻は問題多い』 [2018年01月23日(Tue)]
*トルコ軍はシリア北部で、クルド掃討作戦を始めたが、この作戦はそう簡単な問題では、なさそうだ。攻撃対象地はいまのところ、シリア北部のアフリンであり、そこはトルコ国境から、極めて近い距離にある。*

*このアフリンにクルド・ミリシアが陣取っており、それはトルコへの攻撃を意図しているとし、トルコは攻撃される前に、攻撃を仕掛けたということであろう。従って、このトルコ軍の行動は正当な軍事行動、ということになろう。イギリスはトルコ軍の攻撃を、正当な行動として認める、発言をしている。*

*しかし、アフリンを始め、シリア北部で展開しているクルド・ミリシアは、アメリカの全面的な支援を受けているのだ。アメリカはクルド・ミリシアを中心に、SDF(シリア防衛軍)なるものを結成したが、トルコ軍のアフリン攻撃では、このSDFが主な攻撃対象となっている。*

*しかも、このSDFのなかには、アメリカ軍の将兵が2000人もいる、と言われているし、外交官も200人程度いる、と言われている。彼らは外交官というよりは、情報部のスタッフが、主なのではないか。*

*そうなると、トルコ軍の攻撃次第では、アメリカ軍の将兵や外交官が、犠牲になることもありうる、ということだ。従って、トルコ軍のシリア北部への軍事侵攻は、近い将来、トルコ軍とアメリカ軍との間に、武力衝突を起こす可能性が、あるということだ。*

*トルコ政府は今回の、シリア北部への軍事作戦について、第一に、シリア北部30キロまで侵攻して、トルコの安全を確保することを上げており、次いで、YPG(PYD)を攻撃することにより、アメリカのYPGに対する武器供給を、止めることだと説明している。*

*現在、トルコ軍の推定では、アフリンに8000人から10000人の、YPGが集結しているということだ。トルコ軍はそのアフリンに、5キロ侵入したと発表している。その地域に対し、トルコ軍はこれまでに戦闘機や砲で、153回攻撃を加えている、ということのようだ。*

*私の考えでは、トルコはどうも見ている範囲では、本格的な軍事攻撃を、かけていないのではないか、と思えてならない。アメリカに対する配慮、不安があるからかもしれない。*

*しかし、そうした中途半端な攻撃は、結果的にトルコ軍のシリア侵攻を、泥沼にはめ込むことに、なるのではないだろうか。エルドアン大統領にしてみれば、シリアへの軍事侵攻で、どれだけ経済的リスクが発生するのか、どれだけの将兵が犠牲になり、武器を失うのか、多くの難問が控えていよう。*
Posted by 佐々木 良昭 at 11:53 | この記事のURL
NO:4993 1月23日 『トルコ軍のシリア侵攻への世界の声』 [2018年01月22日(Mon)]
 トルコ軍が南東部の安全を、確保するという口実であろうか、シリアの北部に軍を進攻させて、既に3日目になろうとしいている。このことに対して、各国がそれぞれの立場を、明らかにしてきている。
 トルコのシリア侵攻作戦は、何が目的なのであろうか。トルコ軍は既にアフリンを含む、シリア領土内30キロの地域を制圧した、と発表している。この地域はトルコに隣接する地域だが、多分、トルコは戦後もその占領地域を、支配し続けるのであろう。
 トルコのシリア領土への執着は、オスマン帝国の夢を追うことから、起こっているのであろう。勿論、それでは国際的に通用するわけは無く、あくまでも自国の安全確保だ、と言わざるを得まい。
 そうしたトルコの本音を、トルコの周辺諸国は分かっているし、それ以外の国々も分かっていよう。イランはシリアに対して、特別の関心を抱いている国だが、当然、今回のトルコ軍のアフリン作戦に、反対している。
 アメリカも同様に、トルコ軍のシリア侵攻作戦を、早急に止めろ、と叫んでいる。それはトルコ軍のシリア侵攻で、アメリカが創設しつつある国境警備軍が、崩壊するからであろう。国境警備軍はほとんどが、クルド人によって結成されている、アメリカの傭兵軍のようなものだ。
 エジプトもトルコ軍のシリアへの、侵攻について反対しているが、それは、シリアがアラブの国の一つであることに起因し、トルコの意図が領土支配にある、と見ているからであろう。アラブの軍事大国であるエジプトとしては、トルコがアラブの国に侵攻し、支配することは許せまい。それが許されれば、他のアラブの国々にも同じように、トルコは軍を派兵し、支配するようになる、危険性があるからだ。
 ロシアはいまのところ、沈黙を保っているが、それはトルコをアメリカの同盟国から、外すためであろう。しかし、ロシアは決してトルコを、信用しているわけではない。事態が進展し、シリアのアサド体制にとって、危険な状況が出てくれば、ロシアは反トルコに回るであろう。
 現段階では、シリアのクルドが力を付け過ぎて、シリア国内で分離独立に至ることを、トルコが阻止していることが、ロシアをしてトルコの軍事侵攻に、沈黙を守らせているのではないか。これまでシリア政府が、クルドの動きを放置していたのは、対IS(ISIL)からであったろうが、いまではIS(ISIL)問題はほぼ解決しており、シリアにとって次の敵は、クルドということになるからだ。
 これからはもっと本格的に、国際的なトルコ非難が広がって行こうが、必ずしもそれが論理的とは言えまい。イランはシリア軍の要請ということだが、シリアに軍を派兵しているし、アメリカはシリア政府の立場を無視して、シリア国内に国境警備軍 (傭兵軍)を創設し、シリア国内に10箇所以上も、軍事基地を創設しているからだ。そこには何の正統な論理もない、力だけがものを言う、状態があるだけだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:13 | この記事のURL
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