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NO4731 10月31日 『バハレーン外相の過激な発言』 [2017年10月31日(Tue)]
*バハレーンのハーリド・アハマド・カリーファ外相が、過激な発言をした。それは、今度のGCC会議にカタールが参加するなら、会議をボイコットする、と語ったのだ。*

* 他方、カタールのシェイク・タミーム・アルサーニ氏は『カタールに軍事攻撃があるようなら、湾岸地域はカオス状態になる。』と警告している。*

*バハレーンがカタールに対して、過激な発言をした裏には、いままで、カタールのアルジャズイーラ放送が、バハレーンで起こるデモなどを、大々的に放送したことへの怒りと、カタールと関係のいいイランの、バハレーン国内問題への、介入があろう。*

*バハレーンという小国が、強気の発言をした裏には、サウジアラビアの依頼を受けてか、あるいは、サウジアラビア寄り発言をすることにより、支援をあおごう、という意図が、あるかもしれない。*

*アメリカのトランプ大統領が、カタール問題の仲介をする、と言い出し、会議の招待するようだが、うまくいかないだろう、と思われる。逆に、カタール問題はエスカレートしてきている、感じがするが、それにはイランの存在が、大きく影響を与えているものと、思われる。*

*しかし、これだけ厳しいカタール敵対視があるなかで、どうしてGCC会議に、カタールが参加できるのか、と思うのだが、今回のサウジアラビアのリードによる、カタール制裁にはオマーンや、クウエイトが参加していない。それが理由であろうかと思われる。*

*一方的に、サウジアラビアの意向だけで、カタールをボイコットすることは、GCCを破滅に追いやる、危険性があるからであろうか。*

*また、こうしたあいまいな対応が、結果的に、カタール問題の解決に、繋がるのかもしれない。今回のサウジアラビアによる、ボイコットに参加していない、クウエイトはカタールと、ボイコット側の仲介役を、果たしているのだ。*

*その辺の、玉虫色とでも言える動きが、アラブ的であり、解決の余地を残す方法、なのかもしれない。*
Posted by 佐々木 良昭 at 03:51 | この記事のURL
NO430 10月30日 『何故同一時にサウジアラビア非難』 [2017年10月30日(Mon)]
*サウジアラビアに対して、イラクの高官とカタールの元首相が、非難の言葉を向けている。この裏には何があるのであろうか。つい最近、サウジアラビアはイラクとの関係を改善する動きを見せ、外交関係も正常化した、と思っていたのだが。*

*カタールについては、首相職を辞任した人物の、発言であることから、カタール政府の意向を受けた、発言とは言え無い。しかも、彼はカタールに対する非難の言葉を、サウジアラビアと共に口にしているのだ。*

*イラクのバドル部隊のハーデイ・アーメル司令官は、イスラム過激主義者の追放が最重要だと語り、サウジアラビアが広範にわたってIS(ISIL)を支援していると語った。カタールもイスラム原理主義の、ムスリム同胞団を支援してきている国だ。*

*ハーデイ・アーメル司令官の発言によれば、在イラク・イスラム過激派の30パーセントは、サウジアラビア国籍だというのだ。サウジアラビアは独特のイデオロギーであるワハビズムを持っており、その影響だということだ。そして、イラク国民は自国を守るために、サウジアラビアのテロ支援を非難する、権利があると語った。*

*カタールのハマド・ビン・ジャースム元首相は、アメリカの主導の下に、カタールはサウジアラビアやトルコと一緒に、イスラム過激派を支援していると語った。ハマド・ビン・ジャースム元首相は、カタールはトルコやサウジアラビアと一緒に、トルコを経由してシリアのIS(ISIL)に、武器を提供してきていると語っている。*

* 同時にハマド・ビン・ジャースム元首相は『サウジアラビアは現段階になり、アサド体制が続くことを、望んでいる。』とも語った。*

*このイラクとカタールの要人の発言は、何を意味しているのであろうか。実はこの発言は、サウジアラビアのムハンマド・サルマン皇太子の考えと、一致してはいないか。つまり、ムハンマド・サルマン皇太子が言い始めた、イスラム法改革と連動しているのではないか、ということだ。*

*ムハンマド・サルマン皇太子は『サウジアラビアはこれから、本来の穏健なイスラムに復帰する。』と語り、暗にワハビー派を非難しているのだ。イラクのハーデイ・アーメル司令官の発言は、まさにワハビズム非難であり、カタールの元首相の発言も、ワハビズムに基づくIS(ISIL)非難を、しているのではないか、ということだ。*

* こうしたことを推測すると、大きな変化の波が、湾岸諸国、アラブ世界で始まっているのかもしれない、と思えるのだが。*
Posted by 佐々木 良昭 at 09:09 | この記事のURL
NO4729 10月29日  『トルコのリラ大幅安の裏事情』 [2017年10月29日(Sun)]
*トルコのリラが大幅安を記録した。これまでトルコ・リラは、ドルに対して3・5〜3・6リラあたりを推移していたのだが、ここに来て一気に、3・8リラまで下げた。瞬間では3・84リラを超えていたことも、あったと伝えられている。*

*先月にはトルコ・リラは、平均3・47リラで推移しており、今月は3・6リラを挟んでの取引がほとんどだっただけに、今回の値下がりは、市場関係者やビジネスマンにとっては、少なからぬショックであろう。*

*トルコのゼイバク経済相は、デタラメな情報に基づく影響、と語っており、出されている統計資料は、信頼に値しない、とも語っている。しかし、ゼイバク経済相はドイツが活発に、トルコへの投資を阻止する動きに、出ていることを、否定してはいない。*

*これまでは、ドイツのKfW銀行、欧州再建開発銀行(EBRD)、ヨーロッパ投資銀行がトルコのプロジェクトに、主に資金提供をしていた。例えば、ボスポラス海峡を通る海底トンネル計画が、その主要なものだが、それ以外のアンカラ・イスタンブール高速鉄道計画などが、主な投資先だった。加えて、ヨーロッパからの借り入れ資金は、地震対策にも投資されていた。*

*経済担当のメフメト・シムシェク副首相は、ヨーロッパからのトルコへの貸付は、2018年には16・5億ユーロとなっている、と語っている。つまり、エルドアン大統領が自信を持って進める、メガ・プロジェクトの資金のほとんどは、外国からの借入金だ、ということだ。*

*例えば、この形で橋ができると、トルコ政府は毎月一定金額を、ヨーロッパの銀行に返済しなければ、ならないことになっている。その橋の通貨車両の数を、元に毎月の返済額が決められたのだが、トルコ政府は資金を借りるために、実態よりも相当水増しした通過車両の、予測数を銀行側に提示していた。そのため、通過車両の足りない分は、政府の金で穴埋めを、しなければならないのだ。*

*その額が結構大きいために、トルコ国民の間ではブラック・ジョークが、語られている。つまり、橋をかけたことによって、トルコ政府は明るい未来を期待するのではなく、借金を増やす暗い未来を、作ったということだ。*

*
今年は観光客の数も大幅に減り(テロの悪影響、)農産品の輸出からも、ロシアなどが止めたために、思うような利益を上げられなかった。国内はインフレと失業が眼に見える状況に、なってきている。*

*
こうした状態が長期化すれば、エルドアン人気にも陰りが出てくることは、必定であろう。それにエルドアン大統領は、気が付いているのか、あるいは、メガ・プロジェクトを請け負った企業からの、賄賂を受け取る方が、重要な関心事になっているのか。*
Posted by 佐々木 良昭 at 00:01 | この記事のURL
NO4728 10月28日 『カタールがロシアに急接近・大量の兵器購入』 [2017年10月28日(Sat)]
*最近、ロシアの兵器に対する、高い評価がアラブ諸国というよりも、中東地域全体で広がっているようだ。このため、トルコ、イラン、サウジアラビなどが、ロシア兵器の購入を決めているし、エジプトやバハレーンも然りだ。*

バハレーンはアメリカの第5艦隊の、母港であるにも関わらず、ロシアから兵器の購入を決め、加えて、 S400の購入交渉を進めている。これではアメリカとの関係は、どうしようというのだろうか、と心配になるほどだ。

アラブ湾岸のもう一つの、アメリカ軍の拠点であるカタールも、ロシアから各種兵器の、輸入交渉を進めている。いま話題のS400ミサイルに加え、戦車に各種の大砲なども購入予定だ。

カタールは今週水曜日に、セルゲイ・ショイグ国防相を迎え、ムハンマド・アテッテイヤ国防大臣が交渉し、合意に至った。合意の内容はS400を含む、対空パンツアー・ミサイル、軽武装車両、対戦車砲など、巨額に上るものだった。

カタールに限らず、最近ではアラブ湾岸諸国のほとんどが、ロシア製兵器の性能を、高く評価するようになり、入手を望んでいる。カタールの場合は兵器輸入に加え、軍事技術協力合意も、交わしているのだ。

カタールと敵対する関係にあるバハレーンも、ロシアとの関係を強化しており、バハレーン王立ガードのトップである、ナスル・ハリーファ氏は『バハレーンとロシアは軍事面で協力関係を構築し、交渉するに至っているし、トップ同士の関係も、強まっている。』と語っている。

カタールはサウジアラビアとの関係が、悪化するなかで、イランとの関係が強まっているが、そのイランの背後には、ロシアがいるのだ。従って、カタールがイランに接近すれば、おのずとロシアとの関係の、窓口が開かれる、ということであろう。

カタールの要人がイランを訪問すれば、イラン側は同国の持つ兵器を、見せることにより、間接的にサウジアラビアなどに、警告を送ることになる。そうなると、カタールはイランの兵器の多くが、ロシア製かロシアの技術支援を、受けているものであることから、自国にも取り入れたくなるということだ。

問題は、こうしたカタールを始めとする、アラブ湾岸諸国のロシア兵器への、関心の拡大と輸入が、アメリカとの関係に、どう影響を与えていくか、ということだ。そして、カタールにあるアメリカ軍の基地は、カタールを捨てサウジアラビアに、戻るのかという点だ。
Posted by 佐々木 良昭 at 00:04 | この記事のURL
NO4727 10月27日 『トルコ・リラ暴落の主因はマネー・ロンダリングか』 [2017年10月27日(Fri)]
*今週の水曜日、トルコの金融市場では、トルコ・リラの暴落が記録された。それまでトルコ・リラはドルに対して、3・5から3・6の範囲で動いていたが、3・8を瞬間的に記録し、その後3・76で定着し始めているのだ。*

*このことについて、トルコ政府高官はトルコと、アメリカとの関係が悪化し、相互にビザの発給を停止した状態が、続いていることなどからきているのだろう、と語っているが、どうもそうとは思えない。*

*今回のトルコ・リラの下落の主因は・アメリカがトルコとイランとの間で行われていた、金の取引やマネー・ロンダリングに、関わるものではないか、と思えてならない。それはレザ・ザッラブなる人物(イラン生まれイラントルコ国籍保有者)の、事件に関わるのではないか、ということだ。*
*既に、アメリカ筋はトルコのハルク・バンクに対して、50億ドルの罰金を果たす方向であることを、明らかにしており、他の5行についても、金額はハルク・バンクへの罰金に比べて少ないが、罰金を果たす方向だ、といわれている。*

*問題は銀行に対する罰金よりも、レザ・ザッラブ氏の裁判が、今後どう展開するかにかかっている。このイランとトルコとにまたがる、マネー・ロンダリングや金の取引問題は、実はエルドアン大統領がどっぷりつかっており、彼の家族のほとんどが、関わっているのだ。*

*
裁判が進むにつれて、エルドアン大統領と彼の家族の首にかけられた、ロープは締まって行く危険性が、あるということだ。その事を熟知しているエルドアン大統領は、トルコ国民の前では、問題を隠蔽するために、ギュレン・グループのクーデター関与問題と、ギュレン氏の引渡しをアメリカ政府に、強く要求している、と語ってきたしそうしてもいた。*

*実際には、エルド大統領はアメリカとの間で、レザ・ザッラブ氏の釈放と、引渡しを第一に要請していたのだ。その事によって、イランとの間で行われていた、スキャンダルを問題化せずに済む、と考えているので題は遂に、最終段階に入ったのであろう。その事は、エルドアン大統領の立場がますます、厳しいものになっていく、ということであろう。ヨーロッパとの関係が劣悪になっており、アメリカとの関係も、トルコ政府のロシアやイランとの関係改善で、悪化の一途をたどっている。*


Posted by 佐々木 良昭 at 00:05 | この記事のURL
NO4726 10月26日『サウジアラビアで危険な大変革が始まった』 [2017年10月26日(Thu)]
*数週間前だったろうか、サウジアラビアで来年から、女性が車を運転できるようになったことが、報じられた。それを読んだ時の感想は、やっとサウジアラビアも女性に、運転を許可したか、という程度のものであったが、後になってこのことは、とんでもない大変革を、サウジアラビア国内に生み出すのではないか、と考えるようになった。*

*サウジアラビアでは映画が禁止され、若い男女が集まることも禁止され、女性の一人旅も禁止され、といった具合になっている。全てはイスラム法に則ってということなのだが、他の湾岸諸国では女性の、運転が認められている。つまり、厳しいルールは、サウジアラビアだけのものなのだ。*
それは、サウジアラビアのイスラム法は、同国の王国が誕生する以前からあった、ワハビー派という厳しいイスラム法を、順守するグループの影響によるものだ。このワハビー派は、サウド家がサウジアラビアを支配する段階で、政治的同盟を結んだ組織なのだ。*

*この結果、サウド家は強大なイスラム組織の、バック・アップを受けて、安定した体制へと成長していった。そして、そのサウド家とワハビー派との間で、交わされた合意は、ワハビー派にイスラム教の全ての権限を託し、ワハビー派は国の統治の権限の、全てサウド家に託す、というものだった。*

*以来、この合意は今日まで、双方によって守られてきており、サウド家は王家となっても、イスラム法についてはワハビー派に、口を挟むことは無かったのだ。その鉄壁の関係に、ムハンマド・サルマン皇太子が穴を、開けるかもしれない,という懸念が、生まれてきた。*

それはムハンマド・サルマン皇太子が発した一言だった。彼は『サウジアラビアを以前の穏健なイスラムに戻す。』と言ったのだ。『以前』とは何時の事なのか、誰の統治の時代なのか、という疑問が沸いて来よう。

彼が言った『以前の』という時期は、サウド家とワハビー派が結託する前のことを、言っているのだ。つまり、ムハンマド・サルマン皇太子は、ワハビー派のイスラムに対する考えを、全面否定すると宣言した、ということではないのか。

サウド家とワハビー派との力関係は現段階では、対等なものからサウド家優位に、なっていることは、誰にも分かろう。サウド王家がイスラム教についても、ワハビー派とは異なる意見を、露骨に述べるように、なって来ていたのだ。

問題は、IS(ISIL)がワハビー派のイスラム理論を、大幅に受け入れており、IS(ISIL)に参加しているサウジ国民も、ワハビー思想なのだ。従って、ムハンマド・サルマン皇太子が今後も、イスラム改革を進めていくことになれば、サウド王家とワハビー派が対立し、遂には武力衝突を起こす事態も、懸念されよう。

ムハンマド・サルマン皇太子は26歳、欧米を見て、自分の国もそれに近づけたい、と思うこともあろう。それは危険と背中合わせではあるが。
Posted by 佐々木 良昭 at 00:08 | この記事のURL
NO4725  10月25日 『サウジアラビア5000億ドルプロジェクト発表』 [2017年10月25日(Wed)]
*サウジアラビアのムハンマド・サルマン皇太子は・5000億ドルのプロジェクトを発表した。このプロジェクトはビジネス・アンド・インダストリー・ゾーンを建設するというもので、その面積は26500平方キロメートルという、巨大なものだ。*

*このプロジェクトが進めば、サウジアラビアは石油に依存する必要が、無くなるというのだが、果たしてどうであろうか。このゾーンでは太陽エネルギーや、風力エネルギーも導入される、ということだ。*

*設計図は88国から3500人が参加して、描かれている。そして資金はソルビン・ウエルス・ファンド、インベストメント・ファンドなどだ。資金は3000億ドルがサウジアラビアから、10パーセントは外国からの、投資によるということのようだ。*

*設立地はアカバ湾の近くであり、完成すればスエズ運河を使い、アフリカ、ヨーロッパ、アジアに繋がることになる。もちろん、サウジアラビアに加え、このプロジェクトでは、ヨルダンもエジプトも、メリットを受けられる、ということだ。またサウジアラビアとエジプトを繋ぐ、キング・サルマン橋もこの計画に、結びつくことになる、*

*計画の責任者はシーメンスの元責任者の、クラウス・クレンフェルド氏だ。計画の名称はNEOMだ。だが、投資家たちの心はあまり動いていないようで、この計画は警戒感を抱かれているようだ。しかし、サウジアラビアの計画では、第一フェーズの完成は、2025年ということだ。*
Posted by 佐々木 良昭 at 00:04 | この記事のURL
NO4724 10月24日 『トルコのマネー・ロンダリング問題と対米関係の悪化』 [2017年10月24日(Tue)]
*トルコとアメリカとの関係が、悪化してきているという報告を、何度か書いたが、ここに来てその悪化の主因は、トルコとイランとの間で行われてきた、マネー・ロンダリングに絞られてきたようだ。*

*
アメリカのワシントンにある、外交評議会中東アフリカ研究の、シニア・フェローであるステーブン・クック氏が、詳細な報告書を作成した。それによると、トルコとアメリカとの関係が悪化することは、アメリカとトルコとの関係はもとより、NATOとトルコとの関係にも、大きな悪影響を及ぼすことに、なるということだ。*

*なかでも、トルコのインジルリク空軍基地の使用に、大きな影響が出てくるということだ。この基地はアメリカやNATOにとって、戦略的に極めて重要な意味を、持っているからだ。*

*
アメリカやNATOはこの基地を使って、シリアやイラクのIS(ISIL)掃討作戦を、行ってきていたし、アフガニスタンやコソボ、エーゲ海作戦にも、活用して来ていたのだ。しかも、インジルリク空軍基地には、アメリカによって大量の核兵器が、持ち込まれてもいるのだ。*

*
トルコとアメリカとの関係は、イランで生まれ、イランとトルコの二重国籍を有する、レザ・ザッラブ氏のマネー・ロンダリング問題で、いま大きく揺れている。この問題の進展によっては、多くのトルコ政府の高官が、厳しい状況に追い込まれることになる。*

*
そのなかには、エルドアン大統領はもとより、彼の家族も含まれるし、エルドアン大統領と親しい閣僚たちも、引き込まれる可能性が高い。また、トルコの国立銀行もこのスキャンダルには、絡んでいるのだ。ステーブン・クック氏に言わせると、現在のトルコ・アメリカ関係は最悪のレベルであり、これはトルコがキプロスに軍事侵攻した、1974年以来の最悪の関係だ、ということだ。*

*
アメリカ国内では、既に多くのマスコミが、このマネー・ロンダリング問題を報道している。つまり、アメリカ国民の多くの、知るところとなっているのだ。トルコ・アメリカ関係協会のビュレント・アリリザ氏は『汚い血が双方の体の中を流れている。』と評している。*

*
このマネー・ロンダリング問題をきっかけに、いまトルコとアメリカとの間で、問題になってきているのは、F-35戦闘機のトルコへの供与だ。アメリカはトルコが信頼するに値するか否かに、疑問を抱き始めているのだ。*

*当初、F-35のトルコへの供与は、2019年に予定されていたのだが、それが実行されなくなれば、エルドアンは国内外で、面子を失うことになろう。もちろん、そうなればエルドアン大統領は、ロシアに輸入先を変更する、と騒ぎ立てることによって、西側諸国に圧力を、掛けようとするだろう。*

*しかも、ロシアからの戦闘機の輸入は夢ではない。S400をロシアから輸入する、仮契約は出来ているのだから。*
Posted by 佐々木 良昭 at 00:01 | この記事のURL
NO4723 10月23日 『コロンビア大研究所トルコIS関係報告暴露』 [2017年10月23日(Mon)]
*
アメリカのコロンビア大学の研究所が、詳細なトルコとIS(ISIL)との関係を、暴露する報告書を作成した。その報告書の内容は、カリフォルニアにあるCourier.COMが、広く一般に公開した。*

*
その内容によれば、トルコ政府はIS(ISIL)に対して、軍事協力、武器の供与、資金提供、医療協力、ロジステック協力をしていたというのだ。この調査報告の製作はデビッド・フィリップ氏が代表した。*

詳細は以下の通りである。

:トルコ軍事支援

IS(ISIL)の指令官が、ワシントンポストとのインタビューのなかで、ほとんどの戦闘員がトルコ経由で、参加していると語った。同時に彼はIS(ISIL)
の武器その他の供給ルートもトルコだ、と明かしている。2014年8月12日

CHPのケマル・キリツダウール氏は、トルコはIS(ISIL)に武器を送っており、それはトラックによって、運び込まれている、と明かしている。2014年10
月14日

CHPのビュレント・テズジャン氏は、ロケット、武器、弾薬などが、トルコからシリアのIS(ISIL)に送られている、と語っている。

トルコのジュムフリエト紙は、フアト・アウニ氏の情報として、トルコはアルカーイダと協力関係にある、テロリストたちに、資金軍事支援を行っている、と報じている。
2014年10月12日

:トルコはロジステック面でIS(ISIL)に協力

ムアンマル・ギュレル内相は、トルコのハタイが、ムジャーヒデーンたちにとって、トルコからシリアに抜ける通路として、極めて重要な場所だ、と語っている。そして支援は増加しており、ロジステック支援、医療支援、軍事訓練の、場所となっている。
2014年6月13日

デイリーメール紙はシリアやイラクに向かう、外国人戦闘員はトルコを、経由していると報道。2014年8月25日

イギリスのスカイ・ニューズ社は、トルコ政府が戦闘員のパスポートに、シリアやイラクに入る前に、出国スタンプを押していることを、確認している。

エジプトの情報幹部はトルコが、衛星画像やその他の情報を、IS(ISIL)に提供していることを、明かしている。2014年10月9日

:トルコが戦闘員に軍事訓練提供

トルコのCNNテレビは、イスタンブールのアダパザリ、ドズジェが、IS(ISIL)の集合場所になっていることを、明かしている。2014年7月29日

トルコでIS(ISIL)に参加した戦闘員たちが、集合している。2014年7月28日

IS(ISIL)のメンバーが、イスタンブールのオメルデイで、集合礼拝を行っている。

ヨルダンの情報部の情報によれば、トルコはIS(ISIL)の戦闘員に、特別作戦の指導を行っている。

:トルコはIS(ISIL)戦闘員に医療支援

IS(ISIL)の司令官は高官を含め、IS(ISIL)
の負傷者などの医療支援を、トルコの病院で受けていることを明かした。これはワシントン・ポスト紙に司令官が語ったものだ。2014年8月12日

タナフ・ニューズ紙は、AKP
の創設者の一人である、デンジル・メフメト・フィラット氏は、トルコがテロリストに対して、支援をして来ていたが、今でも支援しており、医療支援も行っている、と語った。
2014年10月12日

:トルコは石油輸送を通じてIS(ISIL)に資金援助をしている

ニューヨーク・タイムズ紙は、オバマ政府はトルコに対して、IS(ISIL)が石油を売ることで、資金を得ていることを、止めようとしている。2014年9月13


トルコのラデイカル紙のフェヒム・タシキン氏は、非合法なパイプラインが、シリアから石油を、トルコに移送していることを明かした。2014年9月13日

:トルコがIS(ISIL)のリクルートを支援

キリチダウールCHP党首は、トルコのガジアンテペやイスタンブールに、IS(ISIL)のリクルート・センターがあることを明かす。2014年10月14日

コンヤのムフテイは、100人のトルコ人が、IS(ISIL)に参加したと語る。2014年10月10日

オダTVがトルコやドイツの、トルコ語を話す人たちを、IS(ISIL)にリクルートする放送を放映。

スアト・キリジ・スポーツ相が、ドイツのサラフィ・ジハーデスト・メンバーに会う。彼らはコーランを無償配布し、寄付金を集めている。

オダTVはIS(ISIL)メンバーがイスタンブールでバスに乗っている光景を放送。

:トルコ軍はIS(ISIL)と共闘

セィモア・ハーシュ記者は、エルドアン大統領がヌスラなど、ジハーデストを支援していることを、ロンドン・レビュー誌に掲載する。

DHPのデミル・チェリク議員は、トルコの特別部隊がIS(ISIL)と、共闘していることを明かす。

:トルコ軍がコバネの戦いでIS(ISIL)側で参戦

コバネの市長アンワル・ムスリムは、トルコが完全な武器を、IS(ISIL)に提供していることを明かす。これはCHP
議員団がコバネを訪問した折に、明かされたものだが、トルコ政府はIS(ISIL)に戦闘服から銃まで、提供しているということが、明らかになる。2014年9月
19日

トルコ軍は戦車や武器を、IS(ISIL)支配下であるジャラブルスやカルカミシュで、自由に移動していることが、ヌハバル・ビデオで明らかになる。

:トルコとIS(ISIL)世界観共有

ジョー・バイデン氏はトルコが、IS(ISIL)を支援していることを明かす。

フリエトにトルコの公務員が、IS(ISIL)とトルコ政府の高官が、通じていることに驚いたと語る。2014年9月26日

これだけ詳細な報告がこの時期に、アメリカで公表されたことには、それなりの目的があるのであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 00:01 | この記事のURL
NO4722 10月22日 『米がトルコの銀行に数十億ドルの罰金イラン制裁破りで』 [2017年10月22日(Sun)]
* アメリカ政府がトルコの6つの銀行に対して、イランに対する経済制裁を破ったとして、罰金を果たす方針だ、とロイターが報じた。*

*この問題については、トルコのハベル・トルク(トルコ・ニュース社)が報じたものが、その内容は厳しいもので、ひとつの銀行に対しては、50億ドルの罰金が果たせられ、他の二行はそれよりも、罰金の額は少ないようだ。しかし、ハベル・トルコ社はウエッブ・サイトに掲載したこのニュースを、後で抹消している。*

*しかし、このニュースについて、トルコの政府関係者は全面否定し、『そのような連絡はアメリカから受けていない。』とコメントしている。通常であれば、アメリカ政府がそのような決定を下した場合は、トルコ政府の財務省に、まず連絡があるのが普通だ、ということだ。*

*他の国の銀行は、既に制裁を受けていることから、イランとのマネー・ロンダリング問題は、真実味を帯びてきそうだ。もちろん、イラン側もこの問題で、制裁の対象になる、ということだ。*

*エルドアン大統領はアメリカとの交渉のなかで、表面では、ギュレン・グループに対するアメリカの対応を非難し、ギュレン氏をトルコ側に引き渡すように、声高に叫んでいるが、実は裏では、レザ・ザッラブ氏の釈放を、第一に要請している、と言われている。*

*このレザ・ザッラブ氏はイラン人であるが、エルドアン大統領との特別な関係で、トルコ国籍も持っている人物だ。レザ・ザッラブ氏はイランとトルコとの間で、マネー・ロンダリングを行っていた人物だ。*

*また彼はエルドアン大統領ばかりではなく、彼の子息ビラール氏とも、特別な関係にあった、と言われている。イランは彼の活躍で、外貨不足問題から、救われることが、出来ていたのだ。*

*後には、彼の存在が危険だと判断し、イラン政府とトルコ政府は、彼を暗殺するだろうと言われていた。そのため、レザ・ザッラブ氏は暗殺されることを恐れ、アメリカに渡り、フロリダで逮捕されることとなったが、彼自身が出頭したのだろう、と言われている。*

 今回のアメリカによる、トルコの複数の銀行に果たせられる、巨額の罰金は、このレザ・ザッラブ氏の証言を元にして、下されたものと思われる。そして、その先にあるのは、エルドアン大統領を含む、エルドアン・ファミリーへの嫌疑であり、逮捕ということになるのではないか。

 エルドアン大統領は今回の問題で、トルコとアメリカとの関係が、ビザ問題やボデー・ガードの釈放問題などで、こじれているために、出てきたものだ、と説明している。トルコの財政は現在逼迫しており、もし、アメリカが罰金を果たすことになれば、トルコの財政はますます悪化する、ということになろう。なお、マネー・ロンダリングに関わる賄賂は、エルドアン・ファミリーの懐に入っているのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:14 | この記事のURL
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