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NO4700 9月30日 『クルド追い込み、戦争か交渉か』 [2017年09月30日(Sat)]
*北イラクのクルド自治政府が実施した、独立への住民投票の結果は、予想通りだった。92〜93パーセントの住民が、分離独立を支持する票を投じた。それはそうであろう、3000万人とも4000万人とも言われるクルド人が、自分たちの国を持てずに長い苦難の歴史を、記して来たのだから。*
当然この投票結果は、クルド住民を歓喜させたのだが、問題はこれから始まるということだ。クルド自治政府が断行した投票には、イラクもイランもトルコも大反対だった。従ってこれらの国々が、クルド自治政府に圧力を掛けてくることになる。*

*その圧力とは、クルド自治区のエルビルにある、国際空港を閉鎖することに始まる。イラク中央政府は3日間の猶予を与えたが、それは29日までであり、この日以後はエルビル空港への国際便の発着は、全て止まることになった。*

加えて陸路の国境も、閉鎖されることになっているが、これについては、イラク中央政府とクルド自治政府との間で、話がまとまっていないようだ、クルド自治政府が国境警備の、イラク中央政府への権限引き渡しを、拒否しているのだ。

トルコ政府はクルド自治政府の締め上げに、イラク軍と協力して、軍事的な圧力を掛け、国境付近で合同軍事演習をしているが、それよりも応えるのは、トルコ経由のクルド地区からの石油輸出の、パイプ・ラインを止めることであろう。

クルド地区のキルクークには、イラクのなかで最大規模の、石油埋蔵量を誇る油田があるが、そこの石油が輸出できなくなれば、クルド自治政府はお手上げであろう。ただし、これはトルコにとっても、両刃の剣なのだ。締め付ければそれまで、安価に買っていたクルド自治区の石油は、トルコに入って来なくなり、トルコ経済に悪影響を与えるからだ。

アメリカもこのクルド地区の分離独立には、反対しているが、このことについて、クルド自治政府はアメリカがイラク北部に、新しい軍事基地を建設している、と揺さぶりを駆けている。それは、多分にイランに対する、警告のメッセージであろう。イランもスンニー派のイマームをして、イラクの分離には反対している旨を、伝えている。

トルコはイラクのクルド自治政府は、投票後に『トルコがどれだけ怒っているかを、知ったであろう。それまでは甘い考えであった。」と語り、これから締め付けを強化し、結果的にクルド自治政府は、立ち行かなくなる、と警告している。

トルコのエルドアン大統領は『バルザーニ大統領は投票を実施することで、自身を火中に投げやった。』つまり自殺行為をした、と非難している。確かにそうであろう。いかな勇敢なクルド人とは言え、トルコ、イラン、イラクを敵に回して、戦争をすることは、不可能であろう。時間をかけて締め付けられるか、あるいは周辺諸国の締め付けと、脅しに耐え抜くのか、これからそれが始まろう。

もちろん、交渉の余地が全く無いわけではない、イラク政府は高度な自治を保障することで、この問題を解決するかもしれない。そうあって欲しいものだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:32 | この記事のURL
NO4699 9月29日 『バグダーデイのメッセージ、死せる孔明生ける仲達を走らす』 [2017年09月29日(Fri)]
*季節外れのような、間抜けな情報が、伝わってきた。それはIS(ISIL)のトップである、アブーバクル。バグダーデイの音声メッセージが、公開されたことだ。この、アブーバクル・バグダーデイの音声メッセージは、テープでIS(ISIL)が運営する、フルカーンを通じて流された。*

*フルカーンとはアラビア語で、コーランを意味する言葉だが、そのウエッブ・サイトであろう。テープのメッセージは46 分という、極めて長いものだったようだ。このメッセージの前に流された、アブーバクル・バグダーデイのメッセージは、去る11月のものだった。*

*IS(ISIL)は今年の7月に1ヶ月にも及ぶ、イラク軍の攻撃を受け、モースルで敗退した。もちろん、この戦いにはアメリカ軍の支援があった。その後、IS(ISIL)はイラクとシリアの国境沿いの、砂漠の中に逃げ込んだ、と伝えられているが、シリアのイドリブやデルズールにも、流れ込んでいる。*

*バグダーデイの死については、ロシア軍がラッカ攻撃をした際に、ほぼ確実に死亡したようだ、と発表したのは6月であったが、アメリカはその後、このロシア軍による、アブーバクル・バグダーデイ殺害情報を否定し、まだ生存している確率が高い、と発表している。*

*それはそうであろう。アメリカにとってIS(ISIL)は、まだ使えるテロ集団であり、アメリカが打倒したいと望んでいる、シリアのアサド大統領にとっては、最大の脅威であろう。従って、そう簡単には、IS(ISIL)のリーダーであるアブーバクル・バグダーデイに、死なれては困るということであろう。*

*加えて、アメリカ政府はアブーバクル・バグダーデイに懸賞金をかけており、ロシア軍が殺害したのであれば、懸賞金額2500万ドルをロシア軍に支払わなければならない、というジョークになってしまう。*

*もう一つは、彼らが創り上げた虚像の、アブーバクル・バグダーデイは自分たちの手で始末したい、という気持ちもあるだろう。私に言わせればアブーバクル・バグダーデイは死亡している、と思えるのだが『死せる孔明生ける仲達を走らす。』の類ではないのか、と思えるのだが。*
Posted by 佐々木 良昭 at 08:10 | この記事のURL
NO4698 9月28日 『トルコ大幅増税は体制危機へ』 [2017年09月28日(Thu)]
トルコ政府は大幅増税に踏み切るようだ。これまで何度と無く、予算の赤字が伝えられ、対外債務の増加が伝えられていたが、無理からぬことであろう。国家の財政規模を無視して、メガプロジェクトを次々と,進めていたのだ。*

*これでは、トルコ政府が赤字になっても、当然であろう。しかし、その増税はこれから、トルコ国民の生活を圧迫することは、明らかであり、それは体制の不安定化に、繋がるかもしれない。*


例えば、自動車税は40パーセントも、引き上げる方針のようで、それ以外に車のサイズで増税が決められるようだ。新車は20パーセント増税、1600〜2000CCの車には90パーセントの税がかかり、2000CC以上の車には145パーセントということになる。*

*庶民の楽しみである、ロッタリーの当選賞金に対しても、税がかけられ、10パーセントだったものが、20パーセントになるということだ。またタバコの紙にも、増税されることになっている。所得税も引き上げられ、27パーセントから30パーセントになる、ということのようだ。

トルコ政府はこうした増税と同時に、インフレ対策と失業問題対策に、本格的に取り組む方針のようだ。しかし、それが一定の成果を上げるとは、とても思えない。なぜならば、優秀な官僚の多くが、クーデター関連や、ギュレン関連という名目で、逮捕され職場から追放されるか、投獄されているからだ。

つまり、優れた政策を立案できる優秀な官吏は、今では政府に残っていない、ということだ。エルドアン大統領のミラクル行政は、彼自身の破滅を生むのではないか、と思えてならない。

これまで何度も書いてきたように、欧米との信頼関係は、エルドアン大統領の体制の下で、破滅的な状況にある。加えて、イラク北部のクルド自治政府が、分離独立への住民投票を実施し、結果は93パーセント以上が、賛成ということになり、イラク政府を始め、イラン政府、トルコ政府はその対応に、苦慮している。

 石油の大産地であるキルクークを、支配しているクルド自治政府は、トルコ企業にとっては雑貨から建設事業まで、大きなマーケットになっていたのだが、経済制裁を実施すれば、それは全てが止まってしまうことになる。この問題に対する対応策は、トルコ政府にはあるまい。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:06 | この記事のURL
NO4697 9月27日 『クルド独立への投票結果と今後』 [2017年09月27日(Wed)]
* 今日は嬉しいニュースが二つあった。それは、イラクのクルド地区で独立への投票が、行われたこと。そしてもうひとつは、サウジアラビアの女性に、運転が認められたことだ。それ以外にもリビア問題が、進展する雰囲気になってきたことも、嬉しいニュースであろう。また、シリア政府が北部のクルド地区の自治を認める交渉に、入ってもいいという意向を、明らかにしたことも、嬉しいニュースであろう。*

 さて、イラクのクルドについてはどうかというと、独立へのステップである住民投票が行われて、90パーセント以上が賛成に回ったようだ。一部、トルクメン人やアラブ人の間には、不満はあろうが、現段階ではあまり大きな問題には、なっていない。*

 投票前にはキルクークをメインに、異民族間の流血事件が起こるのではないか、と言われていたが、その動きには至っていない。イラク中央政府も現段階では、比較的穏やかな対応をしており、バルザーニクルド自治政府代表と、我慢強い交渉を、していくつもりのようだ。

 他方、トルコはエルドアン大統領が強硬な対応を、口にしており、イラク軍とは両国の国境地域で、合同の軍事演習を行っている。エルドアン大統領はイラクのクルド人は、独立するというのであれば『飢えるか妥協するかのどちらかを選べ。』と語っている。

 しかし、今回のクルドの動きで、トルコはクルド地区の石油を、トルコ経由で輸出させない、と言っているが、それはトルコの首を、絞めることでもある。既にトルコ国内では、石油価格が上がり始めている。

 これまで大量の一般消費物資が、トルコから輸出されていたが、これが止まればクルド側も困るが、トルコの中小企業は相当経営が、苦しくなろう。また、クルド自治区の街づくりを進めてきた、トルコの建設会社も仕事が止まってしまったら、やはり経営が厳しいものになろう。

 こう考えてみると、エルドアン大統領の無慈悲なような強硬発言も、結局のところ脅しでしか、ないのではないか。前にも書いたが、トルコが大赤字の状態で、シリアともイラクとも同時に、戦争をやるとは思えないからだ。

 アメリカも口先ではクルド独立に反対と言っているが、だからといって、トルコに戦争をけし掛ける、とは思えない。イランも政治交渉の余地は残されていよう。結果的に、今度こそクルドは自治から独立に、進めるのかも知れない。

 クルド独立問題は周辺諸国にとっては、頭の痛い問題ではあろうが、このクルド独立は人道上の問題でもあろう。従って、世界の良心は独立賛成に、回るのではないかと思われる。それを軍事力で潰そうとすれば、事態はかえって悪くなるのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:18 | この記事のURL
NO4696 9月26日 『何故皆が北クルド独立投票に反対なのか』 [2017年09月26日(Tue)]
イラクの北部はクルド人が、多数居住する地域だが、そこで9月25日に、分離独立への賛否を問う、投票が行われた。これは述べるまでも無く、エルビルを首都とするクルド自治政府が、実施したものだ。*

この分離独立への投票が、いま大きな国際問題になっている。クルド地区と隣接するイラン、トルコ、そしてイラク中央政府が反対しており、場合によっては武力衝突も、起こりかねないのだ。

加えて、シリア政府もこの投票に、反対しているが、シリア自体は同国北部のクルド人が、自治に向かって動いていることに、あまり怒りを感じていないようだ。シリアのクルド人たちは、
9月24日に投票を実施しているのだ。

アメリカや国連も、今回の投票に反対しているが、それを放置すれば、イラクが分割されるという、懸念からだといわれている。しかし、イランはイラクのクルドは以前から、イスラエルとアメリカに支援され、使役されてきており、クルドの独立に賛成しているのだから、今回の投票に対する反対は、口先だけのことだ、と非難している。

イスラエルはイラクのクルドが、分離独立することに賛成しており、今回の投票運動のなかでは、イスラエル国旗がはためいている。つまり、イスラエルに対する親近感と、感謝が 現れているのだ。

さて、多くの国々が反対する、クルド国家誕生問題だが、何故なのかということを考えてみた。クルド人はイラク、トルコ、イランに主に居住しており、イラクには835万人、トルコには1500万人、そしてイランには660万人が居住している、という報告がある。

クルド人の総人口は2500万人から、3000万人だろうということだが、実際には4000万人程度ではないか、と思われる。それは、30年以上前に出版された本に、そう書いてあったからだ。

イラクのクルドが分離独立することになれば、当然、イランでもトルコでも、分離独立の動きが活発になろうし、大量の石油資源を持つ、北イラクのクルドが独立できれば、これらの分離独立運動のスポンサーになろう。だからエルドアン大統領は、クルドの石油輸出を止めると言い、トルコの首相は戦争も持さず、と激しい発言をしているのだ。

クルド人はトルコやイラン、イラクだけではなく、グルジア、ロシア、アルメニア、アゼルバイジャン、レバノンにも居住している。つまり、一旦北イラクのクルドが立ち上がれば、多くの国々でクルド問題が燃え上がる、危険性があるということだ。

ちなみに、日本にもクルド人は住んでいるが、彼らは政治亡命という名の、出稼ぎ定住者たちだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:12 | この記事のURL
NO4695 9月25日 『バハレーンがイスラエルと関係正常化へ』 [2017年09月25日(Mon)]
アラブ湾岸諸国の一国であるバハレーンが、イスラエルとの関係を、正常化する方向に動き出している。これは他の国々とは異なり、正式な関係に変えていこう、という動きであるため、注目されている。*

アラブ首長国連邦のドバイなども、イスラエルとの関係は非公式ではあるが、既に開かれているが、外交レベルでの正式な関係を、開くまでには至っていない。多分、他のアラブ湾岸諸国への配慮が、あってのことなのであろう。*

しかし、バハレーンとイスラエルは双方向で、接近が進んでいるようだ。一部の関係者が漏らしたところによれば、バハレーンとイスラエルとの関係は、来年にも正式なものになろう、ということだ。*

既に、バハレーンとイスラエルとの間では、ビジネスマンの往来があり、宗教関係者の相互訪問も、行われているとのことだ。しかし、それでもイスラエル大使館を、バハレーンに開設するかという話になると、まだ腰が重いようだ。*

来年の段階では、バハレーンから公式な経済貿易大臣の、イスラエル訪問が行われるようだ。それに合わせて、バハレーンとイスラエルの貿易関係が、正式にオープンになろう。*

こうしたバハレーンとイスラエルとの関係が、急速に進んでいるのは、バハレーンとイランとの関係が、緊張していることによろう。バハレーンではイランの国民(スパイ)が逮捕され、拷問を受けている、とイラン側が非難している。*

しかし、イスラエルの場合はバハレーンに対して、そのような敵意は無い、ということだ。イランは継続的にバハレーンを非難し、敵意をむき出しにしている。それは、バハレーンのシーア派国民に対する、政府の対応に問題があるし、イランはバハレーンを自国領土だ、と思っているからであろう。*

バハレーン政府は治安部門や情報部門で、イスラエルとの協力を進めるつもりでおり、既に、イスラエルの情報機関である、モサドともコンタクトを取っている。*

また、イスラエルのユダヤ教のラビが、バハレーンを訪問し、カリーファ首長 (国王)とも会見している。*

バハレーンは今後、アラブ諸国に対して、イスラエルへのボイコットである、アラブ・ボイコットを止めるよう、働きかけていく方針でいる。現実的には、このアラブ・ボイコットは現段階では、あって無いようなもので、多くのアラブの国が、既に無視している状態だ。*

* 加えて、カリーファ首長(国王)はシモン・ペレス首相が、死去したときには、弔意を示している。*

このバハレーンのイスラエルに対する接近の前にも、アラブ湾岸の国から同じような趣旨の、発言が出ていたが、そろそろ、イスラエルを無視することは止めて、大人の関係になろう、という動きが始まったのであろう。それは極めて当然のことであろう。*
Posted by 佐々木 良昭 at 07:27 | この記事のURL
NO4694 9月24日 『複数の戦争をしたがる中東の大国』 [2017年09月24日(Sun)]
*過剰な自信からであろうか、はたまた経済的余裕からであろうか。サウジアラビアはいま複数の敵を相手に、戦争をしている。ひとつはイエメンであり、もうひとつはシリア介入であり、そしてカタールとの対立だ。*

サウジアラビアが金満国家であったのは、石油価格が高いときの話であり、現状はそう楽ではないはずだ。そのサウジアラビアが1100億ドルもの武器を、アメリカから買う約束をした。*

*それはサウジアラビアの意向というよりも、アメリカの意向であったろう、と思われる。この先、サウジアラビアの経済状態が、どうなっていくのかは、石油価格の推移にほとんど頼る、ということであろう。*

トルコもサウジアラビア同様に、複数の戦争を始めようとしている。トルコはサウジアラビアとは異なり、石油など生産していない。もっぱら農産品、軽工業品の輸出と観光で、国の財政を支えているのだ。それと外国からの投資であろうか。

 そのトルコの経済状態はと言えば、現状は決して楽ではない。報道規制がなされているなかからも、時折財政状態に関する情報が、漏れ出しているが、それは巨額な対外債務に、関するものであったり、予算の赤字が膨らんでいる、という話ばかりだ。

 トルコ政府は国家権力で、金利を押さえ込み、実質固定金利にしているが、現実には、その結果としてインフレが起こっており、庶民の暮らしは楽ではなさそうだ。

 そんな状態にあるトルコが、ネオ・オスマン帝国の夢を、追ってであろうか。いま二つの戦争を、始めかねない状況にある。エルドアン大統領は彼の権力の下で、トルコ共和国を大オスマン帝国に復帰させたい、と願っているようだ。そのために、彼はトルコ共和国大統領という呼称を、トルコ大統領に変えてもいる。
 その野望を抱くエルドアン大統領としては、何としてもIS(ISIL)にかき回されて、混乱したイラクとシリアに進出して、かつてのオスマン帝国の領土を、奪還したいと願っているようだ。

 大義名分は『トルコの安全のための防衛』であり、『人道』であり、『テロ対策』だということだ。その口実でいま、トルコはシリアへの軍事侵攻を用意し、大軍を国境に移動させている。

 ちょっとした弾みで、実際にトルコ・シリア国境では、戦闘が始まりかねないのだ。いま大戦車軍と装甲車両、重火器がシリア国境に集結している。これはただ事ではないだろう。

 確かに、シリアのクルド(YPG)がトルコのクルド(PKK)と連携しており、シリア北部のクルド(YPG)が強化されていけば、トルコにとっては極めて、危険なことであろう。そのYPGに大量の武器を供与しているのは、アメリカなのだからトルコはアメリカにも、腹を立てているが、アメリカからはトルコのクレームが、完全に無視されている。

 トルコが手がけるかも知れない、もう一つの戦争への危険は、イラクのクルド対応であろう。イラク北部のクルド自治政府が、キルクークを含むイラクからの、分離独立を目指す、住民投票を
9月25日に、実施する予定だ。

 もし、この住民投票が実施されれば、答えは分離独立賛成になることは明白だ。そうなれば、クルド自治政府とイラク政府との間で、戦争も起こりえよう。このドサクサにトルコが手を出し、イラク北部の領土を支配しよう、ということであろう。

 トルコ政府に言わせれば、クルド自治政府が分離独立を目指す、住民投票を実施することは、極めて危険な状態を、地域に生み出し、トルコの安全保障を犯す、という非難になる。実際に、イラク国境ではトルコ軍が、軍事訓練を始めている。

 確かに、トルコは中東地域では、屈指の軍事大国ではあるが、二つの戦争を起こすほどの、総合的な力(軍事・外交・経済力)があるのであろうか。ドイツを始めとするヨーロッパ諸国は、トルコへの武器供与を、抑える方向に動き出している。状況によっては、アメリカもトルコに武器を、供与してくれないかもしれない。

 今回のエルドアン大統領の強気は、あくまでもハッタリなのか、あるいは本気なのか、その辺のことは分からないが、物ごとは考えどおりには動かず、とんでもない結果を導き出すことがある、ということを忘れてはなるまい。エルドアン大統領はいま、決して運気が強い状態には、無いのだから。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:44 | この記事のURL
NO4693 9月23日 『ドイツ兵器メーカーがイスラエル・サウジに輸出停止』 [2017年09月23日(Sat)]
ドイツの兵器メーカーであるヘックラー・アンド・コッチ社は、イスラエルやサウジアラビアに、兵器を輸出しないことを決めた。これは、イスラエルがガザで、既に2200人を殺していること、サウジアラビアがイエメンで、12000人以上を殺していることから、出された判断だ。*

* イエメンでは2015年以来、サウジアラビア軍が、病院や学校、工場などインフラを、破壊してもいる。*

これら二国以外にもエジプト、アラブ首長国連邦、インドネシア、マレーシア、トルコなどにも輸出しない方針だ。こうした判断は相手国の、民主化の度合いや、経済的状況などを加味した、判断と見られている。*

*ヘックラー・アンド・コッチ社は1955年以来、兵器の輸出を行っているが、その同社が製造した兵器で、世界中で200万人が死亡し、500万人が負傷した、と見られている。*

ヘックラー・アンド・コッチ社は今回の決定について、国内の平和団体の圧力によるとしている。また、ドイツの兵器製造各社は、わが社はヘックラー・アンド・コッチ社のようにはなりたくない、我々のモラルのほうがましだ、と言っているということだ。*

 今回のヘックラー・アンド・コッチ社の決定が、ドイツだけではなく、世界の兵器メーカーに、いい影響を与えることを、願うばかりだ。しかし、世の中はそうは甘くなく、同社の輸出停止で開いた穴を、埋める競争が始まるのであろう。*
Posted by 佐々木 良昭 at 09:11 | この記事のURL
NO4692 9月22日 『留学組はスパイになる危険性があるとエルドアン』 [2017年09月22日(Fri)]
エルドアン大統領は欧米に留学した者の多くが、その地の文化に犯され、最終的には相手国のためにボランテアで、スパイを働くようになる危険性がある、と語った。この危険極まりない発言は。アメリカのニューヨークに本部を置く、トルコ・ファウンデーションの夕食会の折に、語られたものだ。

エルドアン大統領は留学したトルコ人の若者たちは、結果的に相手国政府に奉仕したり、相手国企業で働き、あるいは相手国の機関で、働く場合が多いとし、彼らはその所属する組織のために、尽力するということだ。
この発言は多くの留学組が、結果的には相手国の国籍を取り、帰国しなくなる実情を問題視しているためであろう。これまでも、トルコでは頭脳流出が何度も、マスコミで取り上げられてきていた。
加えて、留学してその国に居住するようになった、トルコ人の多くがギュレン支持者になっていることにも、今回のエルドアン大統領の発言の、原因があろう。
さて今回のエルドアン発言の後には、何が待っているのであろうか。一つはこうしたトルコ人から、トルコの国籍をはく奪するということだ。加えて、一時帰国した際に、彼らのパスポートを取り上げ、破棄してしまうということだ。
パスポートを取り上げられた後では、二度と外国に行くことは、出来なくなる訳であり、結果的に、トルコに留まらざるを得なくなる。その後は厳重な監視の下に置かれ、何時でも逮捕できる状態を、トルコ政府は彼らに対して、用意するということだ。
トルコは青天井のオープン刑務所だという人がいるが、まさにその通りであろう。そうした状態がいつまで続くか,誰にも予測ができないのが,いまのトルコのエルドアン体制だ。
Posted by 佐々木 良昭 at 20:30 | この記事のURL
NO4691 9月21日 『イラクのIS家族北部では大半がトルコ出身』 [2017年09月21日(Thu)]
イラク政府は敗北したIS(ISIL)の、モースル脱出の後に残された、IS(ISIL)の家族を収容することになった。現在モースルの近くのキャンプに、IS(ISIL)の戦闘員たちに放置された、夫人と子供たちが収容されている。

驚いたことに、そのほとんどが実は、トルコ人だったということだ。トルコは隣国ということもあり、イラクに入りやすかったことと、それだけイスラム原理主義的な考えを持つ者が、トルコには多いということであったろう。

イラク政府は収容した夫人たちを、取り調べてみたが、彼女たちは戦闘に参加していないし、彼女たちにはこれといった犯罪歴もない、ということが分かっている。このため、トルコの夫人子供たちを始めとし、その他の置き去りにされた、夫人子供たちを含め、出身国政府や大使館と連絡を取り、一日も早い本国送還を、実現しようと思っている。

 問題はこれら放置されたIS(ISIL)の家族を果たしてすんなりと、出身国が受け入れてくれるか、という問題だ。子供たちが軍事訓練を受けたり、場合によっては、戦闘に参加させられていた、ということもあり、殺人や戦闘がトラウマのように、彼ら子供たちの神経を、犯している可能性がある。

 その事は将来、突然それが表面化して、犯罪に走らせたり、テロ集団に加わる危険性もあろう。それを防ぐためには、出身国政府が子供たちの精神状態を、正常化させるための手当てが、必要なのではないか、ということだ。

 日本人女性も収容されている、という情報が流れたが、果たしてそれは事実だったのであろうか。その後、この情報を政府は隠しているのか、あるいは日本人女性はいなかった、ということであろうか。本当のことを教えてもらいたいたいものだ。

 トルコのエルドアン大統領はこの問題を、どう処理するのであろうか、気になるところだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:53 | この記事のURL
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