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NO4558 4月30日 『エルドアンの誤算・米との武力衝突ありうる』 [2017年04月30日(Sun)]
*トルコのエルドアン大統領は相変わらず、威勢のいいアジ演説を行っている。つい最近の発言では、アメリカ軍とトルコ軍が協力すれば、IS(ISIL)の首都ラッカは、彼らの墓場になると言ったのだ。*

それは確かにそうであろう、トルコ軍とアメリカ軍が一緒に、IS(ISIL)を攻撃すれば、IS(ISIL)は敗北することになろうし、その場合は多数のIS戦闘員が、死ぬことになろう。*

エルドアン大統領はIS(ISIL)に対する攻撃では『無慈悲な攻撃をしなければならない。』『アメリカは彼らと組むべきではない。』『トルコは何を何時すべきかを心得ている、トルコ軍は一夜にして進攻できるのだ。』『アメリカ軍が組むべき相手は、PKKやYPGではないトルコ軍だ。』と息巻いている。*

確かに威勢のいい発言だが、アメリカはこうしたトルコの動きに対して、どう対応しているのであろうか。つい最近、トルコ軍がシリア北部を空爆した際、アメリカ軍が危険になる、とアメリカは警告を発している。*

加えて、トルコ・シリア国境ではアメリカ軍が、シリアの反政府軍SDFやクルドのYPGと共同で、トルコとの国境パトロールをしているのだ。つまり、彼らはIS(ISIL)というよりも、トルコ軍を警戒しているのではないのか。*

トルコに近い、シリアのテルアビヤドやカミシリでは、クルド軍とアメリカ軍が、共同で活発な活動を展開しているのだ。これでもトルコはアメリカが同盟国だ、と言い張るのであろうか。*

アメリカ軍は既に、トルコのインジルリク空軍基地から、撤収することを決めているが、その事も、今後のアメリカとトルコとの関係を、懸念させる動きだ。どう考えても、今後のアメリカ・トルコ関係が、いい方向に向かうとは、思えない。*

*エルドアン大統領は5月に予定している訪米で、腹に溜まっている、アメリカに対する不満を、一気に吐き出しそうな気配だ。それは、ギュレン氏のアメリカからの追放問題であり、アメリカのYPGなどクルド勢力に対する協力と、武器の供与中止だ。*

* しかし、アメリカはIS(ISIL)問題に、これ以上トルコを関与させたくない、考えのようだ。*

だからこそ、エルドアン訪米でアメリカが、彼にどのような最後通牒を、突きつけるのかが、興味深いところだ。あるいは、アメリカはまだ悪役エルドアンを、必要としているのであろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:21 | この記事のURL
NO4557 4月29日 『エルドアン大統領訪米近づく』 [2017年04月29日(Sat)]
*トルコのエルドアン大統領が、5月16日にはアメリカのワシントンを訪問し、トランプ大統領と会談する、予定になっている。この訪米に寄せるエルドアン大統領の期待は、相当大きなもののようだ。

もし、話がうまく付けば、エルドアン大統領は懸案になっている、最も複雑な問題であり、彼のt敵を片付けることが、出来るからだ。そのエルドアン大統領の敵とは、アメリカに亡命している、フェイトッラー・ギュレン氏であり、彼を何とかトルコ側に引き渡してもらい、死刑にしたいということであろう。*

しかし、フェイトッラー・ギュレン氏はアメリカ国内で、犯罪を犯しているわけでもなければ、トルコでもこれといった犯罪を、犯しているわけでもない。従って、アメリカ政府は法の立場から、彼をトルコ側に引き渡すことは、出来ないのだ。*

しかし、エルドアン大統領はフェイトッラー・ギュレン氏が、7月16日クーデターの首謀者であるとして、でっち上げの資料を、アメリカ政府に対して大量に、送り続けてきている。*

エルドアン大統領はトランプ大統領との話し合いの中で、もう一つの問題を解決したい、と考えている。それはシリアのクルド組織YPGと、トルコのクルド組織PKKを殲滅する問題だ。*

トルコのPKKは既に40年近くも、トルコ軍と戦っており、トルコに言わせれば、明確なテロ組織であろう。他方、PKK側はトルコのクルド人の、トルコからの分離独立を目指す、独立運動闘争組織ということになろう。*

トルコにとって頭の痛い問題は、このPKKが今ではシリアのYPGと、連携関係にあることだ。YPGと良好な関係を、構築することが出来たPKKは、トルコ国内で危険が増した場合、シリアのYPG支配地区に、逃げ込むことが出来る、という状態になっている。*

従って、エルドアン大統領は訪米時に、アメリカ側とYPGに対する対応を、協議したいのだが、話はそう簡単には進むまい。アメリカは再三のトルコ側の要請にもかかわらず、トルコの意向とは逆にYPGに対して武器を供与しているのだ。そして幾つかの対IS(ISIL)作戦は、アメリカ軍とYPGの協力で進められている。*

例えば、シリアのIS(ISIL)が首都と宣言している、ラッカ攻撃では、アメリカはYPGとの共闘を、トルコ軍との共闘よりも優先したのだ。その立場をアメリカが突然変更し、エルドアン大統領の意向にそう方向に、変わるとは思えない。*

エルドアン大統領は『トランプ大統領とは気が合う。』と語り、話が一気に進展する、と考えているようだが、実際にはそうはなるまい。アメリカ政府も軍も、エルドアン大統領に対し、既に嫌悪感を強く抱いているし、ヨーロッパも然りだ。*

* トランプ大統領がアメリカの立場をわきまえずに、エルドアン大統領の繰り出す要求を、どう跳ね除けるのかが見ものだ。*
Posted by 佐々木 良昭 at 10:29 | この記事のURL
NO4556 4月28日 『トルコに欧米が集中砲火』 [2017年04月28日(Fri)]
 *ここに来て、トルコに対する厳しい非難の言葉が、アメリカとヨーロッパ諸国から、向けられている。確かに、欧米諸国がトルコを非難したい気持ちも、無理はなかろう。何故ならば、トルコはNATOのメンバー国であり、NATOのメンバー国は同じような価値観と基準で、ものを考え行動をしたい、と思っているからだ。*
しかし、トルコは法律を無視し、エルドアン大統領による独裁体制を、より強化する方向に動いている。先に行われた、憲法改正をめぐる投票では、PACA(ヨーロッパの投票監視団)の活動を邪魔し、投票結果に対する疑念のクレームを、拒否している。*
 EUの幹部の一人は、トルコの憲法改正の国民投票の後『もうトルコをEUのメンバー国にするかどうかは、話し合う必要が無くなった。』とトルコを切り捨てている。西側のマスコミには『西側諸国のなかに、エルドアンにはもう友人は、いなくなった。』と書いたものもあるほどだ。
* さすがにそれは酷過ぎるとして、前大統領ギュル氏がクレームを、付けているほどだ。 *
この憲法改正投票などにも関連し、トルコ系ドイツ人ジャーナリストは、トルコのなかで活動していたが、彼は逮捕され、投獄されることになった。このことについては、ドイツのメルケル首相がエルドアン大統領に対し、クレームを 付けている。
つまり、現在のトルコの体制は法を犯し、人権を無視して行動している、ということだ。
NATOのチーフである、ジェン・ストルテンブルグ氏は『トルコは順法精神を示すべきだ。』と批判している。同じような非難は、アメリカの在トルコ領事によっても、なされている。彼は『トルコは強い民主主義を遂行すべきだ。』と語っている。アメリカ政府のスポークスマンである、マイク・トーナー氏もトルコのPKKやYPGに対する、武力攻撃でクレームを付けている。
時期を同じくして、トルコに対する欧米の非難が寄せられたことは、それなりの意味があるものと、考えられる。欧米はエルドアン大統領が発言してきた、嘘のカードを、一枚ずつ破り捨てているのでは、ないだろうか。
エルドアン大統領が『アメリカとは一枚岩だ。』と言ったことは、すでに嘘だとトルコ国民の多くが知るところとなった。加えて、難民問題でもトルコが意図的に、ヨーロッパに送り込んだという事が、ヨーロッパ諸国でもトルコでも、知られるようになった。
NATOの一員であり、準ヨーロッパ人のように、振る舞ってきていたが、ビザ廃止は実現せず、NATOメンバー諸国はエルドアンを、全く信用しなくなり、アメリカとドイツは重要なトルコの、インジルリク空軍基地から撤退することを、決めている。
それでは、ロシアとの関係はどうかと言えば、相変わらずトルコ産品の、輸入制限をしており、トルコの農業従事者は泣いている。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:20 | この記事のURL
NO4555 4月27日 『サウジアラビアでIS活動本格化』 [2017年04月27日(Thu)]
サウジアラビアではいままで、小規模なIS(ISIL)メンバーによる、テロやテロ未遂事件が、起きていた。それらは、大きな被害を生むことなく、サウジアラビア治安部が、処理出来てきていたようだ。

もちろん、それ以外にも複数のテロ事件が、あったと思うのだが、サウジアラビアは報道規制が効いていて、なかなか実態は伝わってきていない。しかし、今回起こったテロ事件は、サウジアラビアの石油会社、アラムコが絡んでいるだけに、そうはいかなかったようだ。

サウジアラビアのアラムコの、石油貯蔵所に対するテロ未遂事件、が発生したようだ。写真によれば、大きな爆発があったと思われる、水と煙の柱が立ち上っている。つまり、大量に爆薬を積んだボートで、貯蔵庫に対する特攻作戦を、考えていたのかもしれない。

サウジアラビア政府は、このテロは事前に察知し、被害を生むことなく、終わったと報道しているが、実態はわからない。爆発の規模からすると、数人あるいは数十人の、死傷者が出ていても、おかしくはないのだ。

さて、このテロ事件の犯人だが、一部には、犯行はイエメンのホウシ派の、メンバーによるものだ、という情報も流れている。ホウシ派と言えばイランが支援する組織であり、シーア派であることから、イエメン戦争ではサウジアラビア軍の、最大のターゲットになっているであろう、と思われる。

このホウシ派によるテロという情報が、正確であるとすれば、ホウシ派の背後には、イランがいるわけであり、イラン政府の意向で、ホウシ派が作戦を進めた、と受け止める方が、正しいであろう。

イランはサウジアラビアとの関係を、緊張させたいと望んでいる、という事であり、それは、イランの大統領選挙にも、関係しているかもしれない。緊張状態が、イランとサウジアラビアとの間に発生すれば、ロウハーニ現職大統領よりも、強硬派保守のライーシ候補の方が、有利になることが、予想されるからだ。ハメネイ師や革命防衛隊は、ライーシ候補を支援しているようだ。

サウジアラビアではこれ以外にも、テロリストが逮捕されている。シャクラー地区の治安部隊を狙ったテロを、4人のテロリストが計画し、実行しようとしていたことが、サウジアラビアの治安当局によって明かされた。彼らテロリストは、IS(ISIL)と直結するメンバーだ、ということだ。なお、そのメンバーは全てサウジアラビア人である、という事が明かされている。

もう一つのテロ事件については、やはりIS(ISIL)と直結しており、シリアのIS(ISIL)から指令を受けていた、という事のようだ。このテロ・グループは、外国人4人によって、構成されたグループで、二人のパキスタン人、一人のシリア人、一人のスーダン人で、構成されていた。彼らは、サウジアラビアの港町ジェッダで開催された、サウジアラビア対アラブ首長国連邦の、サッカー・ゲームを狙ったテロを、試みて失敗している。

これらの一連のテロ報道から分かることは、サウジアラビアがIS(ISIL)の、明確なテロ攻撃対象国家になった、ということだ。そして、その実行犯のなかにはサウジアラビア人が多分、多数含まれているのではないか、と思われる。

加えて、この情報で分かるようにシリアから指令を受け(多分、ISの本部があるラッカからの、指令であろう)、シリア人、スーダン人、パキスタン人、サウジアラビア人らが、テロ攻撃の実行を、試みているということだ。

以前から予想はしていたが、IS(ISIL)が既に公言しているように、サウジアラビアも明確な、IS(ISIL)の攻撃目標になった、という事であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:15 | この記事のURL
NO4554 4月26日 『リビアに関する三つの話』 [2017年04月26日(Wed)]
リビアは中東諸国のなかにあっては、準主役であり主役には、なり難いようだ。それはやはり、リビアが生んだ世界的なスーパースター、カダフィ大佐が死亡したからであろう。

最近、リビアから伝わって来るニュースは、あまり各国から歓迎される物ではない。それどころか、リビアのイメージを下げるものばかりだ。例えば、アフリカからリビアを経由して、ヨーロッパに入り込もうとする、アフリカ人を捕まえて、リビア人が奴隷として売っている、という話であるとか、武器の密輸の話などだ。

そのことに加えて、リビア国内組織間の権力闘争の話が、伝わって来ている。今回の話は、リビア南部のセブハという街にある、刑務所が空爆され、5
人の受刑者が死亡した、という話だ。

空爆の後、誰が攻撃したのかについては、明らかにされていないが、セブハにはトリポリ政府(統一リビア政府と呼ばれ国連が作った傀儡)
の空軍基地があることから、東リビア政府のハフタル将軍の側が、空爆したのであろう、とみられている。

エジプト政府はこのセブハの街などから持ち出され、大量の武器がリビアからエジプトに流れ込んでいることに、頭を痛めているが、今回もやはり、大量の武器の密輸団が逮捕され、武器が押収されている。

述べるまでもなく、それらの武器はシナイ半島北部に陣取る、IS(ISIL)と連携するアンサール・ベイト・ル・マクデス組織(イスラム原理主義組織)
に流れ、エジプト軍との戦闘に、使われているのだ。

エジプトに流れ込む、リビアからの武器は機関銃はもとより、拳銃、爆薬、地雷など各種であり、北シナイ以外にも、シリアなどにも流れ込んでいる。多分に、レバノンで使用されている武器も、元はリビアから流れたて来た密輸品であろう。

カダフィ大佐という独裁者(?)
が、リビアをコントロールしているときは、リビアから武器が密輸されることは、ありえなかったし、アフリカ人を奴隷として、売買するという事も、起こりえなかった。

欧米が唱える人道主義は、地中海での大量の水没死者を、アフリカ難問の間に生み出しており、アフリカ人奴隷を誕生させており、イスラム・テロの活動を活発にさせるようにしているのだ。

何が正義で何が悪なのかを、真剣に考えずに、マスコミが流す情報を、信用していては、自分たちの身にも、危険が降りかかってくる、ということだ。北朝鮮との緊張もそれであろう。誰が火をつけたのか、何のために??
Posted by 佐々木 良昭 at 11:03 | この記事のURL
NO4553 4月25日 『ロシア地上部隊シリアに派遣意向』 [2017年04月25日(Tue)]
ロシアはシリアの現状と、欧米のシリアに対する関与を、どう見ているのであろうか。ここに来てロシアは、シリアに対して地上部隊を、派遣する意向のあることを発表した。

シリアに対して、ロシアが地上部隊を派遣する構想は、以前からプーチン大統領が考えたことであり、それがやっと実現する状況になってきた、という事であろう。つまり、プーチン大統領はどうしても、シリア問題をロシアの構想に則って、解決したいと考えている、ということだ。

もちろん、ロシアが空軍の派遣に加え、今回のような地上部隊の、派兵を考える場合、その前提となるのは、シリア政府の意向だ。シリア政府の要請なしに、出て行ったのではアメリカと同じに、単なる蛮行であり、国際法違反ということになる。

アメリカは自国の行うことは、全て正当であり、世界のどの国もそれを非難出来ない、と考えているが、もし、同じことをロシアや中国が行った場合、猛烈な反対の論陣を張ることは、見え透いている。

ロシアがシリアに送ろうとしているのは、ミサイル部隊を含む地上部隊であり、特別部隊だ。つまり、プロの戦闘集団を送るという事であり、各種の高度なテクノロジーも持ち込む作戦が、既に立案されているということだ。

ロシアが地上部隊をシリアに、派兵することを考えたのは、アメリカと話し合って作戦を進めていては、シリア問題を解決することは出来ない、という結論に、達したからではないだろか。

問題はアメリカがこのロシアの構想に、どこまで邪魔をしてくるか、という事であろう。アメリカ軍が横槍を入れるようなことになれば、場合によっては、ロシア軍とアメリカ軍が、シリアで衝突する、あるいは航空部隊が上空で、戦闘機同士の戦いを展開することも、ありうるという懸念がもたれる。

アメリカは先の化学兵器使用による、犠牲者が出た問題で、証拠を提示すること無く、シリア政府がやったと非難したが、後にガス兵器はトルコから、テロリスト側に渡されたものであり、その隠匿場所をシリア軍は、化学兵器の存在を知らずに、空爆したために、ガスが漏れ出して被害者が出た、ということが報告されているし、シリア政府も同じ反論をしている。

ロシアが本格的にシリアに乗り出せば、このようなケースの場合、国際的な調査団を受け入れ、公平な調査結果を出させることであろう。アメリカのごまかしが効かなくなる可能性が、あるということだ。

だが、同時にそれはアラブ諸国のなかにあって、アメリカを支持している、サウジアラビアやカタール、ヨルダンなども非難される、危険性があろうし、それらの体制も不安定化する、危険性があろう。

中東世界ではロシアの動きによって、黒いベールが少しずつ、めくられ始まった、という事であろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:11 | この記事のURL
NO4552 4月24日 『きな臭さを感じさせるサウジアラビア』 [2017年04月24日(Mon)]
*エジプトのシーシ大統領が、日曜日からサウジアラビアを訪問したが、この訪問団には大半の閣僚と、軍の高官が加わっていた。現状からすれば、軍の高官が参加しても不思議はない、という事であろう。エジプトとサウジアラビアとの間では、リビア、イラク、シリア、イエメン問題が討議されるわけであり、それには軍幹部の参加も、必要であろう。*

*
それ以外には、文化協力、教育協力、経済協力、医療協力、開発協力などが話し合われるようだ。シーシ大統領のサウジアラビア訪問は、2日間に渡るとされているが、到着早々に、サウジアラビアのサルマン国王との、会議がもたれている。*

サウジアラビアは情報規制が厳しく、具体的に何が話し合われたのかについての情報は、断片的にしか出てこないだろう。そこで推測すると、いまサウジアラビアとエジプトにとって、何が喫緊の問題か、ということだ。

エジプトにとっては、経済改善が最優先であり、次いでリビア問題という事に、なるのではなかろうか。もちろん、それ以外のシリアやイラク、イエメン問題も重要だろうが、エジプトの経済に直結するのは、やはりリビアであろう。

他方、サウジアラビアにとって何が重要かというと、イエメン問題ではないのか、既にイエメンとの戦争状態は、2
年以上が経過していると思うのだが、その間に、サウジアラビアが投じた、兵器輸入代金は巨額に上ろう。

石油価格の低迷に合わせ、イエメン戦争はサウジアラビアにとって、最大の頭痛の原因であろう。エジプトがどこまで具体的に、軍事協力してくれるのかが、討議のポイントなのではないか。エジプトはこのことについては、小出しにしか協力していないのだ。

石油価格の低迷が、サウジアラビアの経済を悪化させており、つい最近では、公務員給与のカットが行われたが、そのことは、サウジアラビア国民の間に、不満を拡大していることであろう。

加えて、シリアやイラクに追い出していた、犯罪者の戦闘員たちが、IS(ISIL)
の敗北が続くなかで、帰国していよう。そうなると、彼らがサウジアラビア国内で反政府テロを、始めても何の不思議もなかろう。

今回のエジプトのシーシ大統領の、サウジアラビア訪問の真の目的は、両国のテロ対策ではないか、と思えるのだが。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:46 | この記事のURL
NO4521  4月23日 『投票後のトルコ新外交』 [2017年04月23日(Sun)]
僅差で勝ったこともあってであろうか、エルドアン大統領はトルコの未来を開くとばかりに、新外交を展開するとぶち上げている。その意気込みは評価したいが、その結果がどうなるのか、については危ぶまれる。*

エルドアン大統領はロシア、中国、アメリカ、ヨーロッパのドイツ、オランダなどに対して、集中砲火のような外交攻勢を、かけるつもりでいる。トルコの直面する経済の行き詰まりや、諸外国との間に高まっている齟齬と軋轢は、確かに大改革を必要としていよう。*

その新外交方針とはおよそ次のようなものだ。世界の大国に対して切り込んでいくという、勇ましい意欲が感じられるではないか。エルドアン大統領の今後の外交日程は、次のようなものになっている。*

:最初の訪問国はインドであり、4月30日から始まる。インド訪問では経済政治協力について話し合う予定だ。*

:5月3日にはロシアを訪問し、ロシアのプーチン大統領とは、ロシア領のソチで会談が予定されており、シリア問題を始め、農産品輸出問題についても、話し合う予定になっている。トルコはロシアに対して、4・5億ドルの農産品を輸出していた。ロシア側はトルコのビジネスマンに対して、ビザ発給を緩和する方針を、明らかにしている。*

:アメリカ訪問による新関係構築が行われるが、今回の訪米はトランプ政権誕生後,初のものであり、今後の両国関係を占い上では、重要なものといえる。なお訪問は5月半ばに予定されている。訪問に先立ち、エルドアン大統領とトランプ大統領は、電話対談を行ったが、そのなかで、トランプ大統領はエルドアン大統領に対して、『直接会って語り合おう、トルコはアメリカにとって重要な国だ。』と語った、と伝えられている。*

トルコ側はアメリカに対して、ギュレン問題、シリア問題、シリアのクルド組織PYD、ラッカ解放戦などについて、討議することを希望している。*

:5月25日にはブリュッセルで、NATOサミットが予定されており、エルドアン大統領も参加予定だ。ブリュッセル訪問時にはEU側に対し、トルコはビザ問題、PKK問題を話し会う予定だ。ドイツのメルケル首相もエルドアン大統領との、交渉を希望している、と伝えられている。*

:5月14〜15日は中国でシルクロード諸国会議が開催され、習金平主席を始め関係諸国の首脳が、集まることになっている。*

予定は盛りだくさんであり、交渉がうまくいけば、トルコの将来は明るくなる、ということであろうが、まだ成果は予測できない。ロシアは貿易について、大きくドアを開くとは思えないし、中国もリップ・サービスが最初であろう。中国の経済状況は、決してよくないからだ。*

アメリカやヨーロッパ諸国は、エルドアン大統領の出方を見る、ということではないか。トルコがアメリカ軍に代わって、イラク・シリアに軍を投入してくれるのであれば、ある程度話は進むかもしれないが、アメリカはクルドについては、譲らないのではないか。*
Posted by 佐々木 良昭 at 10:25 | この記事のURL
NO4520 4月22日 『エルドアン激怒与党AKPと票結果を分析』 [2017年04月22日(Sat)]
*今回の新憲法に関する、国民投票の結果は、与党AKPにとって、相当ショックだったようだ。エルドアン大統領は最低でも、65パーセント、願わくば、70パーセントの支持を得たい、と思っていたからだ。*

*ヨーロッパ諸国などの場合、憲法改正については、国民の3分の2以上の賛成が、必要とされているが、トルコの投票結果はそれには、程遠いものであったからだ。トルコの場合、全体で憲法改正賛成票は51パーセントと、半分を2パーセント弱上回っただけだった。*

*しかも、その投票結果は政府が各種の不正をして、やっと取り付けたものであった。例えば、政府のはんこが押していない、投票用紙がまかり通り、抗議されても受け付けなかった。また投票所に置いてあったイエスの判は、イエス・ノーのどちらに押しても、それはイエス票とみなされるという、ごまかしだった。*

*今回の投票で、トルコの主要都市である首都のアンカラ、最大都市のイスタンブール、そしてイズミール、アンタリヤ、アダナ、エスケシェヘル、デヤルバクルなどでの敗北は、政府としては完全に面子が潰された、ということであったろう。*

投票結果が出た1時間半後には、緊急閣僚会議が開催され、そこで、何故これだけ敗北したのか、ということが討議されたようだ。討議といっても、ほとんどエルドアン大統領の感情が爆発するシーンであり、出身地でAKPが敗北した閣僚たちは、顔色を失ったことであろう。

エルドアン大統領はこの反省会議で『国民に対する人道的配慮や、サービスが足りなかった、プロジェクトが足りなかった。』と語ったらしいのだが、本当の理由は他にあったろう。

投票内容を見ると、憲法改正に賛成した政府寄り野党の、賛成投票率は37〜38パーセント程度、与党AKPですら70パーセントを割っていた、ということのようだ。エルドアン大統領は閣僚たちに対して、大都市での敗北理由を調べろ、と怒鳴りまくったということだ。

また、トルコの南東部での支持は低く押しなべて反対派に負けている、エルドアン大統領はテロ対策上、南東部は重要だとも語り、国民の支持を増やすよう、努力しろとも語っている。各種の計画を進めて、住民の支持を増やせ、ということだ。これまでの住民サービスは、不十分だったと考えたようだ。

もし、このエルドアン大統領の発言が、正しいとすれば、彼は現実が見えていない、ということであろう。投票が済んだ後、国民の間から反発が生まれ、多くのデモ参加者が逮捕され、野党からの突き上げがあったにもかかわらず、エルドアン大統領は『投票は済んだ。』と語り、ばっさり切り捨てている。

経済は悪化の一途であり、ドイツはトルコの外貨収入源の観光面で、トルコからスペインやギリシャに、観光客が向かうようになった、という報告もある。ドイツはまた、あからさまにトルコの
EU加盟に、異議を唱え始めてもいる。

今回の国民投票で勝利した結果(?)、エルドアン大統領がどんな強権を得ようとも、トルコの経済をそれで改善することは出来まい。エルドアン大統領の苦悩と、国民の彼に対する離反が始まるのは、これからが本番ということではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:26 | この記事のURL
NO4519 4月21日 『イランの大統領選挙候補者リスト』 [2017年04月21日(Fri)]
イランでは5月19日に、新大統領選出の投票が行われるが、それに先立ち大統領候補者資格審査が行われた。この審査の前の段階では、1600人が立候補を希望していたのだから、イランの大統領職というのは、人気があるという事であろうか。

それが最終的には、6人にまで絞り込まれたのだから、大したものだということになる。その作業たるや、実に無駄なことのように思えるのだが、日本でも泡沫候補はいるわけであり、立候補前に資格審査をやる方が、理にかなっているかもしれない。

その6人の候補者は以下の通りの、経歴の持ち主たちだ。

:アカ・ミルサレム

文化大臣ハメネイ側近

:ハシェミ・タバ

ラフサンジャニ大統領、ハタミ大統領の時期の副大統領、産業大臣

:ジャハンギリ

ハタミ大統領の時期の第一副大統領、鉱物資源大臣

:カリバフ

革命防衛隊トップ、警察長官、

:ライーシ

アスタン・コドス守護者、最高裁幹部

:ロウハーニ

現職大統領、専門者会議メンバー

本命は述べるまでもなく、ライーシ氏ととロウハーニ氏ということになるが、ライーシ氏についてはハメネイ師の支援が強いようだ。ロウハーニ氏はハメネイ師が、コントロールできなくなったからであろう。

選挙を前に、20000人の警官が、国内の治安維持にあたることが、決定している。ハメネイ師は外国が、イランの選挙を妨害するだろう、と警告を発していることから、この措置が取られたものと思われる。

アメリカはボーイング機を売りつける反面、イランの核に対して、厳しい対応を変えようとしていない。この問題が今後に取り上げられ、アメリカからの圧力が強まれば、そのことが選挙に影響を、与えるものと思われる。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:57 | この記事のURL
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