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NO4466 2月28日 『ISの現状報告アルハヤート紙から』 [2017年02月28日(Tue)]
アルハヤートという新聞があるが、その新聞がIS(ISIL)の現状報告をしている。これはシリアやイラクをカバーしたものだが、私のような怠け者には、極めて好都合な纏め記事だ。

その報告には以下のような内容が記されている。

『シリア』

:コバネ=シリア北部のコバネは4か月に及んだ、クルドとIS(ISIL)との戦いの末、クルド側が勝利して、現在は完全にクルド支配下にある。

:タドモル=露機とシリアの攻撃で奪還。遺跡は大分破壊されUNESCOが修復を考えている。シリア中部。

:マンビジュ=米の支援でほぼ解放、トルコ国境に近いシリア北部。

:ジャラブルス=コバネの西に位置し、トルコ軍とFSAなどが戦闘ほぼ奪還。

:ダービク=トルコ軍が主体となって解放。

:アルバーブ=トルコ軍の支援にシリア3派がISと戦いほぼ奪還。

:ラッカ=いまだ解放されず、アメリカ中心の合同軍の支援あり。

『イラク』

:テクリート=イラク軍戦闘アメリカも支援ほぼ解放。

:シンジャル=ヤズデイ中心の居住地域アメリカ軍支援でクルド軍がほぼ解放。

:ラマデ―デイ=イラク軍がアメリカの支援で解放。

:ファルージャ=イラク軍が解放。

:カヤーラ=イラク軍が解放。

:シャルカート:モースル攻撃の拠点イラク軍が解放。

:カルクーシュ=クリスチャン居住区イラク軍が解放。

:モースル=イラク軍優勢だが、まだ陥落していない。

『リビア』

:シルテ=リビア軍が奪還するもIS(ISIL)はリビア国内に留まっている。

つまり、これらシリアとイラクそしてリビアでのIS(ISIL)の現状を見るとほぼその役割を終えた感じがするのだが、そう判断するのは早計であろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:29 | この記事のURL
NO4465 2月27日 『エジプト入国ビザ代値上げ痛し痒し』 [2017年02月27日(Mon)]
*エジプト政府は2014年以来続いてきた、空港で発行する入国ビザ代を、値上する方針を決め、それを3月1日から実施する、予定になっていた。しかし、土壇場になって、延期になったようだ。*

エジプトに入国するのは簡単で、空港の銀行出先窓口で、25ドルのビザ・シールを買い、パスポートにそれを貼り付けて入ると、何も問題がなければ、入国可能になっていた。*

自国や他国で長い間待たされてビザ申請をし、しかも高額のビザ代金を徴収されるのに比べると、極めて便利で簡単であった。私などエジプトを年に何度も訪問する者にとっては、この方法が一番便利で簡単であった。*

現在はどうか知れないが、以前は東京のエジプト大使館でビザを取ると、6千円以上していたが、空港では15ドル、そして2014年の値上以後は、25ドルと破格の安さであった。*

今回は25ドルの入国査証を、60ドルに値上げする、というものであった。しかし、エジプト国内の観光業者から不満が出て、新しい入国査証代は3月ではなく、7月から実施となったようだ。
*
観光業者に言わせると、1年単位で組まれているパック・ツアー代を、外国の観光業者と、再調整しなければならなくなるからだ、ということだ。エジプトなどの観光旅行パック代は、ぎりぎりまで値段が切り詰められていることから、35ドル値上するということは、極めて厳しいのだ。*

もう一つの問題は『ついでにエジプトにも言ってみよう。』式に気軽に近隣諸国を訪問した旅行客が、エジプトに入っていたのは、空港でビザが取れ、しかもそのビザ代が安かったことにあろう。*
エジプトの観光収入はアラブの春革命以来、国内治安が悪化していることから、2016年には34億ドルに減少し、44・3パーセントの減少となっている。観光が盛んだった2010年には、観光収入は年間110億ドルもあり、当時は年間の観光客数は1470万人にも達していたのだ。*

エジプトはピラミッド、スフィンクス、ツタンカーメンなどで知られる、世界の一大観光スポット、何とか回復して欲しいものだ。観光収入がエジプトにもたらす外貨収入は、国家収入の25パーセントまで、達していたのだ。*
Posted by 佐々木 良昭 at 09:29 | この記事のURL
NO4464 2月26日 『ISは窮地・米は作戦から外されたのか』 [2017年02月26日(Sun)]
*イラクのIS(ISIL)がヨルダンイラク国境のイラク側で、国境警備隊を攻撃した。この攻撃は金曜日に起こり、イラク側のトレビルが特攻作戦の、実施された場所だった。イラク軍の警備隊員のうち、2人が犠牲になった。*

IS(ISIL)がイラクのヨルダン国境で軍事作戦を行ったのは、イラク国内でIS(ISIL)の立場が、窮地に追い込まれているからであろう。IS(ISIL)がヨルダンとの国境で、作戦を実施したということは、IS(ISIL)戦闘員がイラク脱出のルートを、確保するためなのかも知れない。

* 同日の金曜日には、イラク軍機がシリア領の国境の、シリア側の街アブー・カメルを、空爆している。*

今回のイラク軍機による、シリアへの越境空爆は、アメリカ軍の知り置かぬところで、実施されたのではないか、と考えられているが、イラク政府は4ウエイ作戦に、反しないと考えているようだ。つまり、イラク・イラン、シリア・ロシアによる共同作戦のことだ。*

しかし、今回の空爆作戦が、アメリカを無視した形で、ロシアやイランとの共同だけで、進められたものであるとすれば、今後問題になりかねない。ロシアはアメリカの存在を無視してでも、IS(ISIL)作戦を実行して行くつもりのようだが、それはアメリカとロシアとの距離を、離すことになろう。*

実は今回のイラクの、シリア越境空爆と時を同じくして、トルコもアメリカ無視の軍事作戦を進めているのだ。トルコはロシア・フランス・ドイツとの協力で、シリアのラッカを、攻撃するつもりでいる。*

こうしたイラクやトルコのアメリカ離れ、アメリカ無視の動きに、アメリカはどう対応してくるのであろうか。アメリカはいまトランプ政権が誕生したが、国内でトランプに反対する勢力が、活発に動いており、トランプ大統領は中東まで、気が回らないのかもしれない。*

*
あるいはトランプ大統領は、中東問題をロシアと地域各国に、任せるという考えに沿って、動いているのであろうか。今回のアメリカ無視の、イラク・トルコの動きは、今後のIS(ISIL)の未来と、トランプ政権の対中東政策を知る上で、貴重なポイントかもしれない。*
Posted by 佐々木 良昭 at 09:32 | この記事のURL
NO4463 2月25日 『パレスチナをめぐる二つの動き』 [2017年02月25日(Sat)]
*最近になって、パレスチナをめぐり、二つの動きが出てきた。ひとつはアメリカのトランプ大統領が、パレスチナ・イスラエル問題の解決をめぐり、穏やかな発言をしたことだ。*

その穏やかな発言とは、彼が二国家設立による、パレスチナ・イスラエル問題の解決を望みながらも、最終的には両者間の合意による選択が一番だ、としたことだ。彼に言わせると、一国家にすることは結果的に、一つの国の中に二つの制度を、持ち込むことになるというのだ。*

*パレスチナ側に言わせれば、それは差別であり、アパルトヘイトだということで、長期的に抵抗が続くことになる、という判断だ。従って、トランプ大統領は公平な方法は、二つの国家を設立するのがいい、という結論になる。*

*しかし、トランプ大統領は一国家にするか二国家にするかは、あくまでもイスラエルとパレスチナ双方の、選択にゆだねるべきだ、という考えであり、それを明らかにしたということだ。*

*トランプ大統領のイスラエルびいきは、国際的にも知られており、いまのままで行けば、アメリカは必ずしかるべき役割を果たす上で、支障をきたすことになる。それが今回のトランプ大統領の、発言に至らせたのであろうと思われる。*

*こうした流れの中で、イスラエルでもパレスチナでも、将来どうイスラエル・パレスチナ問題を解決するのか、という議論が持ち上がっている。そうした中でヨルダン川西岸地区の、ラマッラ市の入り口に近いカフル・アカブに、突然、意味深長な大看板が登場したのだ。*

*この看板の何が問題かというと、その看板にはアラビア語で『もし選択肢が二国家か一国家ということであれば一国家を選択する』と書かれてあったのだ。つまり、この看板を掲示した人物は、二国家制に反対であり、一国家を選択する、と言っているのだ。*

この看板は真夜中に取り付けられたようだが、近くイスラエル軍が取り外しに行く予定であり、看板を取り外すことは、大半のパレスチナ人にも、支持されるということだ。

パレスチナ自治政府にしてもパレスチナ一般市民にしても、一国家にするということは、パレスチナ国家を設立する夢を、諦めることになるからだ。同じように、イスラエル側も、自国の中にパレスチナ人を抱え込むことは、困難を増すだけであり、将来にまで、問題が引きずられてしまう、と考えている。

しかし、他方にはパレスチナとイスラエルが、ひとつにされれば、結果的には、パレスチナ人の人口が、イスラエル人(ユダヤ人)の人口を上回り、統一された国家は、パレスチナ人が牛耳ることになる、という考えを持っている人もいる。

イスラエルのクネセト(国会)の議員であるテイビ氏(パレスチナ人でイスラエル国籍保持者)は『一国家制でもいい、ただし、私が首相になれるのならば。』と語って皮肉っている。

もちろん、いまの段階でイスラエルとパレスチナが一国家になっても、パレスチナ人の人口が上回るとは限らないので、直ぐにテイビ氏が首相になる、可能性は無いだろうが、将来的には十分にありうる話なのだ。

それはイスラエルが豪語してきている『中東で唯一民主的な国家イスラエル』という立場をイスラエルが捨てない限り、現実味を帯びてしまうのだ。

今後イスラエルとパレスチナが、どのような選択をするのか、明らかでは無いが、二国家にしても難問山積であり、一国家も然りだ。従って、結論はなかなか出ない、ということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:16 | この記事のURL
NO4462 2月24日 『トルコ軍のシリア快進撃は嘘という説』 [2017年02月23日(Thu)]
トルコが明日にでもシリアの要衝を落とし、北部シリアを支配する、という情報が流れているが、これを真っ向から否定する、情報が流れ始めている。その説によれば、トルコ軍がシリアのアルバーブを陥落させるのは、非常に近いというのだが、実際にはそうではないというのだ。

アルバーブを陥落させた後、トルコ軍はマンビジュを陥落し、ラッカを最終的に落とす予定なのだが、実際はどうなのであろうか。この説を唱える者の言うところによれば、トルコ軍がアルバーブをほぼ制圧した、というのは嘘で、未だに90パーセントはIS(ISIL)が、支配しているということのようだ。

確かに、トルコ軍の空爆で、アルバーブでは60人が犠牲になっているが、それがトルコ軍の勝利を示すものではない、ということだ。それとは逆に、何のカバーも無く放置されている、トルコ軍の戦車などは、IS(ISIL)側のミサイル攻撃で、破壊されまくっているというのだ。

このため、トルコ軍と協力してIS(ISIL)と戦っている、FSA(自由シリア軍)は戦闘意欲を無くし、戦闘の継続を拒否しているということだ。こうしたなかで、トルコ軍兵士64人が死亡し、386人が負傷した、という情報が流れている。

トルコ軍が苦戦しているのはほぼ確かなのであろう。トルコ政府はシリア内部のトルコ軍を強化すべく、5000人を増派する計画だ。

トルコ軍が今苦戦しているには幾つかの理由が挙げられている。それらの理由は以下のようなことだ。

:サプライラインが伸び過ぎた。

:戦闘機1機に対し熟練したパイロットは0・4人しかいない。

:パイロットの養成には10年が必要。

:NATOはトルコ軍に協力する意志が無い。

:トルコ政府には明確な終戦の計画が無く、日々の単位でしか考えていない。

:シリア政府は正式に、トルコ軍の介入を拒否している。

:イランやロシアは、トルコと共闘するつもりは無い。

こうした状態では、トルコ軍のシリアにおける勝利は、考えられないし、マンビジュやラッカでの勝利などはもちろん、ありえないことだ。もし、この情報が正確だとすれば、トルコのシリア介入は、やがてはエルドアン体制にとって、大きな負担になる、ということではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 19:41 | この記事のURL
NO4461 2月23日 『トルコのクーデターは誰が命令したのか』 [2017年02月23日(Thu)]
昨年7月15日に起こったトルコのクーデターは未だに疑問が多い。そもそも、それは誰がクーデターの命令を、軍に発したのかということだ。私はクーデターが起こり、その後の状況を見ていて、これはエルドアン大統領によるものだ、と判断していた。

その根拠はいたって単純なのだが、エルドアン大統領はマルマリスのリゾート地から、クーデターが起こると自家用機で、イスタンブールに向かったことだ。通常であれば大統領、首相、国防相は一番最初に、クーデターを起こした側が、身柄の拘束をするはずなのに、彼はその危険を省みずに、イスタンブールに向かった、ということだ。

しかも、彼は自家用機でマルマリスから、イスタンブールに飛んでいるからだ。空軍の中にもクーデター派がいたはずであり、強制着陸させられるか撃墜される、危険性があったにもかかわらずだ。

しかもイスタンブールに到着すると彼は記者会見をやっているのだ。意外なことに、彼の義理の息子ベラト・エネルギー相は、終始にこやかな表情をしていたのだ。常識的に考えれば、顔が緊張のため引きつっていて、当然なはずなのだが。

クーデターが起こって直ぐ、にエルドアン大統領は『これはギュレン派によるものだ。』と主張し、1日2日すると大量逮捕を始めたのだ。これは事前に逮捕者のリストが出来ていなければ、出来ないことであろう。

さてここに来て、クーデターに関わっていたとされる二人の軍高官が、意外なことを言い出したのだ。ギョクハン・ショメザテス氏とシュクル・セイメン氏だが、彼らはクーデターの命令が、参謀本部長の事務所から、受け取っていたというのだ。

この命令を出した参謀本部長は、セミ・テルジ氏で、彼はクーデターが起こった夜に、死亡している。彼の事務所からの命令は、クーデターを起こした後、4時間は動くなというものだった、ということだ。

誰がこの4時間は動くな、という命令を出したのか、不明のままだ。そしてエルドアン大統領は拘束しても殺さずに、アンカラまで連れてくるように、という命令が出されていた、ということだ。

NATO側はこのクーデターが、エルドアン大統領自らが計画したものだ、と見ている。確かにその後の展開は、全ての反エルドアン大統領の人士が、逮捕投獄されているのだから、その通りなのかも知れない。その数は20万人前後といわれている。

エルドアン大統領の体制が、早晩打倒されることになろうが、その時点では、誰がこのクーデターを仕掛け、大量の逮捕者を出す方行に向けていき、エルドアン大統領に反対する人士を、一掃できる状況を作ったのかの、からくりが明かされよう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:02 | この記事のURL
NO4460 2月22日 『中東短針リビア・サウジアラビア』 [2017年02月22日(Wed)]

:ほとんど忘れかけられていた、リビアのカダフィ大佐の子息、サイフルイスラームをICCに引き出して、公正な裁判を行うべきだと言い出している。*

*サイフルイスラームはリビアの、革命騒ぎの中で捕まり、ズインタンの刑務所に繋がれている。ズインタンの部族たちは彼をトリポリに引き渡せば、殺されるだろう、少なくとも公平な裁判は、行われないだろうということが、引き渡し拒否の公式の理由だ。*

ヨーロッパ諸国がサイフルイスラームの、引き渡しをリビアに迫り、ICCで公正な裁判をしてやる、というのは聞こえはいいが、実はカダフィの金塊を狙ってのことではないのか。ズインタンの部族に連中も然りであろう。*

:サウジアラビアがシリアに派兵を言い出している*

* サウジアラビアのジャビール外相が、最近、サウジアラビアはシリアへ自国軍を、派兵する意向であることを、明らかにしている。*

*ジャビール外相はサウジアライア軍の、シリアへの派兵はアメリカの、対IS(ISIL)戦争を支援することが、目的だということだ。*

* 加えて、ジャビール外相は他のアラブ湾岸諸国も、同様の意向であることを、明かした。*
Posted by 佐々木 良昭 at 11:30 | この記事のURL
NO4459 2月21日 『アラブ諸国欧米露がリビアに介入意向』 [2017年02月21日(Tue)]
*リビアは砂漠の花嫁なのであろうか。内戦で相当に街は破壊され、瓦礫の下になったが、多くの国々がこの国の持つ可能性に、食指を伸ばし始めている。エジプト、チュニジア、アルジェリアといった北アフリカのアラブ諸国は何とか内戦をおさまらせよう、と努力している。*

*
しかし、リビアのネオ・ストロング・マンであるハフタル将軍が、統一リビア政府のセラジ首相と、対話する気が無いので、なかなか然るべき成果は生まれないでいる。エジプトは先日、セラジ首相と、このハフタル将軍の仲介を、試みたのだが、恥をかく結果となっている。*

加えて、最近はロシアが仲介役に登場する、雰囲気になって来ている。それはハフタル将軍とロシアとの関係が良好だからだ。トリポリの統一リビア政府のセラジ首相は、ロシアのリビア問題解決への支援を期待し、コンタクトを取り始めている。ロシア政府もセラジ首相の、モスクワ訪問受け入れ意志を、明らかにしている。*

チュニジアも同様に、アルジェリアやエジプトに声をかけ、3月にはリビア会議を開催する予定になっている。果たして、ハフタル将軍はその会議に、参加するか疑問だ。エジプトが開催した際に、ハフタル将軍はカイロを訪問しているが、それはエジプト政府がハフタル将軍の属す、東リビア政府[トブルク]を支援しているからであろう。*

アメリカやフランス、イタリアも手を出してはいるのだが、未だに決定的な成果は、挙げていない。敢えて言えば、シルテからIS(ISIL)を追放する作戦で、アメリカが本土から爆撃機を飛ばして、空爆支援したことであろう。それはそれなりの成果を挙げ、IS(ISIL)はシルテから追い出されている。

そうは言っても、リビアの内戦状態がだいぶ終わりに近づいたから、各国がリビア問題に、首を突っ込んでいるのであろう。そうしたなかで、トリポリのセラジ首相公邸のそばで、彼に対する暗殺未遂事件が起こった。*
*
犯人はトリポリに拠点を置く、リビア国民救済政府(グエールなるテロの親玉がトップ)のメンバーだった。このグエールについては、無知で乱暴な男というのが、私のリビア人の友人の評価だったが、確かに彼の顔からは、知性も品性も感じられない。*
Posted by 佐々木 良昭 at 11:42 | この記事のURL
NO4458 2月20日 『ロシアに泣きつきたいリビア首相』 [2017年02月20日(Mon)]
ロシアの中東諸国に対する、存在感が拡大している。それと相反して、アメリカの影響力は、後退しているのではないか。アメリカはアラブ諸国に問題を創り、その解決に高い兵器を売りつけ、軍隊が土足で入ってくるのだから無理もない。

それに対して、ロシアは手弁当で、しかも、相手国の要請に従って派兵し、きちんとした仕事をしてくれている。シリア駐留のロシア軍が、その典型であろう。

リビア問題もしかりだ。リビアは3つの政府が、存在するといわれているが、メインはトリポリを首都とする統一リビア政府、セラジ首相が率いる政府だ。そしてもう一つは東のトブルクを本拠とする政府だ。残りの一つは、ミスラタのミリシア集団だ。

いま、リビアでは西のトリポリ政府と、東のトブルク政府が、綱引き状態にあり、なかなか一体化できないでいる。その裏にはロシアの関与があるからだ。東のトブルク政府の実質的トップは、アメリカ帰りのハフタル将軍だが、彼は訪露して関係を強化している。

しかも、彼は強力な軍を抱えていることから、トリポリ政府も安易には、手を出せない状態にあるのだ。エジプトがつい最近、セラジ首相とハフタル将軍の仲介を試みたが、失敗に終わったようだ。

もちろん、エジプト政府は成功だったと発表したが、後にセラジ首相は、何の合意も生まれなかった、と語っている。そうであろう、ハフタル将軍はセラジ首相との会談を、拒否しているのだから、主役抜きの合意など、生まれるわけがないのだ。

ここに来て、セラジ首相はハフタル将軍の強気の立場は、ロシアの後ろ盾にあるとして、ロシアに仲介を依頼したい意向をロイター通信とのインタビューのなかで語っている。それは正しい選択であろうと思われるが、果たしてロシアはトリポリ政府を、相手にするか否か疑問だ。

セラジ首相はハフタル将軍側との交渉に、次のような立場を示している。

:交渉から軍人を排除しない。

:リビア軍を統一したい。

:テロとの戦争を共に進めたい。

:軍は政治的指導の下に置かれることを希望する。

しかし、トリポリ政府のこれらの新しい立場は、ハフタル将軍を喜ばせはすまい。交渉から軍人を排除しないのはいいとしても、リビア軍の統一にはハフタル将軍は賛成すまい。彼はあくまでも東の軍を掌握していたいのだ。

加えて、テロとの戦争を共に進めることについても、受け入れないだろう。そして最後の、軍を政治の指導下に置くという考えは、まるで相手にされまい。つまり、
IS(ISIL)のシルテからの掃討作戦は、一応成功したが、まだまだリビアの内部対対立は解消されない、という事ではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:08 | この記事のURL
NO4457 2月19日 『エジプトは地獄から抜け出せるか』 [2017年02月19日(Sun)]
*エジプト政府にとっては、いまの同国の経済状態は、まさに地獄であろう。それは庶民にとっても同じだ。物価は値上がりし、物資は不足し、明日の生活がどうなるか、分からない状態なのだ。*
エジプトの現在の失業率は、公式発表で(実質はもっと悪い)14パーセントとなっており、若者の失業率は40パーセントにまで、跳ね上がっている。つまり、若者の2人に一人が、仕事の無い状態にある、ということだ。*

*エジプトはシーシ大統領の肝いりで、第二スエズ運河を作り、運河収入が増える予定だったが、世界的な経済不況などから、減ることはあっても、運河収入は増えていない。*

*巨大なガス田が、ナイル・デルタ地帯や地中海海底で、発見されているが、未だ本格的な生産段階には、入っていない。エジプトは観光収入も、高いポテンシャルを、持っているのだが、テロの不安から伸び悩みの状態にある。*

*エジプトは可能性としては、大きいものがあるのだが、それが現実化していないのだ。外貨準備高は減り、シーシ大統領は3年間の期間で、120億ドルをIMFから借り入れる、契約を交わした。*

*その結果、エジプトのポンドはフローテング制になり、たちまちにして半額に値下がりし、現在は18ポンドになっている(以前は8ポンド台だった)。このためシーシ政権はエネルギー価格を値上し、公共費への援助を減らすことになった。*

*結果は、砂糖、米、食用油、薬品などが品不足となり、値上がりしている。政府は薬品については、軍の工場で増産して、市場に供給すると言っているが、未だその成果は、出ていないようだ。

*シーシ大統領は苦境下にある、エジプトの経済の見通しについて、楽観論を国民に語っている。彼の考えではこれから6ヶ月が最も苦しい時期であり、それを過ぎれば改善していくというのだ。その根拠はエジプト経済が、4〜4・5パーセント伸びていくからだ、ということのようだ。
*
*先日起こったコプト・キリスト教会テロ事件の後、シーシ大統領が早速現場に駆けつけたことで、コプト教徒からの受けは良くなっているが、ムスリムの国民の間の受けは良くなく、悪化してさえいる。*

*先日は離婚法をめぐり、エジプトの宗教権威であるアズハルのトップと、シーシ大統領との意見が対立して、もめてもいるのだ。加えて、シナイ半島北部にいるISなど反政府勢力は、次第に南下し、カイロに迫ってもいる。*

*シーシ大統領の政権は、現在抱える難問をクリアでき、発展段階には入れるのか、あるいは躓いて倒れるのか、極めてデリケートな段階にあることは、確かなようだ。しかし、私はエジプトの経済改善に期待を抱いている一人だ。*
Posted by 佐々木 良昭 at 10:40 | この記事のURL
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