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NO4374 『トルコ機がIS戦闘員をイエメンに移送』 [2016年12月31日(Sat)]
イエメンの政府系マシーラ通信社が、伝えたところによれば、トルコの旅客機が多数のIS(ISIL)
戦闘員を乗せて、イエメンのアデン国際空港に、到着したということだ。述べるまでも無く、IS(ISIL)はイエメン戦争に参戦する目的で、シリアからイエメンに、移送されているのだ。

このIS(ISIL)戦闘員は、シリアのアレッポでの戦闘で、12月22日にシリア軍に敗北し、トルコ経由でイエメンに到着したものだ。そして、アデン空港は現在、アラブ首長国連邦の軍人が、コントロールしている。そのために,イエメン政府側は手が出せない状態に,あるということのようだ。

アラブ首長国連邦はサウジアラビアと共に、サウジアラビアの支援するハーデイ元大統領を、支援しているのだ。つまり、このサウジアラビアのイエメン戦争への介入には、アラブ首長国連邦とトルコが、深く関わっているということだ。

トルコ機はIS(ISIL)の戦闘員を、シリアからイエメンに運ぶだけではなく、イエメン戦争で負傷した、サウジアラビアが支援する戦闘員を、トルコに移送してもいる。述べるまでも無く、彼らはトルコの病院で、治療を受けるということだ。

これだけではなく、トルコ政府はサウジアラビアの、イエメン戦争を支援している、と伝えられている。シリアから脱出したIS(ISIL)の戦闘員を、イエメンの戦線に送るということは、今後のトルコの国内治安を考えた場合,賢い作戦かもしれない。

もし、シリアやイラクから逃げ出したIS(ISIL)の戦闘員を、トルコ国内に多数留めることになれば、やがては彼らとトルコ軍が、衝突する可能性が、拡大するからだ。

また、戦争ビジネスに加担することは、トルコとサウジアラビアとの関係を強化し、トルコはサウジアラビアから、経済的な支援を受けられるために、こうしたことが行われているのであろう。戦争に加担することで、自国の経済状態を維持するという手口は、なにやらアメリカのそれに、似ているような気がするのだが、付けは結果的にトルコ国民が払うことになろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:38 | この記事のURL
NO4373  『アルカーイダ2017年攻撃対象はサウジアラビア』 [2016年12月30日(Fri)]
アメリカのストラットフォー研究所が、来年はサウジアラビアが、アルカーイダの攻撃ターゲットになる、という分析を発表した。一方では、シリアでの停戦が実現し、和平が進むと思われているのだが、サウジアラビアはこれから、危険度を増していく、ということのようだ。

その根拠は、世界が現在IS(ISIL)の掃討に集中しており、アルカーイダに対する注目度が、下がっているために動きやすい、ということだ。アルカーイダは名前を変え、リビア、マリ、エジプト、アルジェリア、イエメンなどで戦闘を、展開していくと見られている。

アラビア半島、なかでもサウジアラビアでの作戦が、増加すると予測されるのは、アルカーイダとサウジアラビアとの間で、秘密裏に結ばれていた、イエメンをめぐる合意が、破棄されているからだ。その結果、サウジアラビアがアルカーイダの、攻撃ターゲットになる、とみられている。

アメリカの来年の動きは、トランプ氏が大統領に就任すると、反体制派への支援は、シリアで激減することになり、トルコやサウジアラビア、カタールがその穴埋めを、しなければならなくなろう。

アメリカは反体制テロリストへの支援を減らし、クルドへの支援を強化することになろう、とストラットフォーは予測している。また、IS(ISIL)がロシアやシリア、アメリカなどの攻撃を受け、弱体化し、支配地域を放棄しており、そこを狙って、他の反体制テロ組織が、しのぎを削ることになろう、とも予測している。

いずれにしろ、2017年はサウジアラビアにとって、テロとの戦いを本格化させなければ、ならない年になりそうだ。現在サウジアラビアはシリアに関与し、イエメンと戦闘を継続させており、イランとは一触即発の緊張状態にある。

このことに加えて、国内でのテロ活動が活発化すれば、サウジアラビアには打つ手が、無くなるのではないかと思われる。それは世界の石油市場に、直接的な悪影響を、及ぼすことにもなろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:51 | この記事のURL
NO4372『エジプト大統領・6か月で経済改善と語る』 [2016年12月29日(Thu)]
12月28日に、エジプトのシーシ大統領が、イスマイリヤとポートサイドの、産業施設開所式で演説した。その中で彼は思い切った、希望的予測を公表している。

シーシ大統領は今後6か月で、エジプト経済は大幅に改善される、と語ったのだ。彼はこの演説のなかで『エジプト国民は通貨の自由化を受け入れ、インフレに耐え、厳しい状況に耐え抜いた。これは、国民が個人の利益よりも、国全体の利益を、優先してくれたからだ。』と語った。

エジプトの経済がグレーなのは、実は官僚の汚職が、多いことに起因している。ある国家の調達責任者は、家宅捜査を受けたところ、巨額のエジプト・ポンドと外貨が出てきているし、彼の家には金製品など貴金属が沢山あり、土地や不動産の権利書も見つかっている。

これは一例に過ぎない。多くの高級公務員が、賄賂を受け取ることを、当然の権利のように考えている。賄賂や心付けをアラビア語では、バクシーシというのだが、エジプトではカラミーヤ(思いやりとか親切といった意味)という言葉を、使うようになっている。バクシーシでは体裁が、悪かったからであろうか。

さて、シーシ大統領は何を根拠に、エジプトの経済が来年半ばから、好転すると語ったのであろうか。そこにはそれなりの根拠があるのだ。現在、エジプトにはヨーロッパ、アフリカ、世銀などから、貸付が集中しており、サウジアラビアとの関係は疎遠になったが、外貨は流れ込んでいるのだ。

加えて、エジプト政府と外国企業が、石油やガスの探査に合意している。その地域はスエズ湾、地中海、西砂漠(リビアとの国境に近い地域)、上エジプト(ナイルデルタ地帯)などとなっている。現在既に、BP、エクソン、ENIなどがエジプトに進出しているが、その中の何社かはガスなどを掘り当て、採算ラインに達しているのだ。

エジプトの通貨がフローテイング・レートになったことで、対ドル8・5ポンド程度であったものが、現在では18ポンド程度にまで下がっている。このためエジプトへの投資が、割安になった、という事であろうか。

トランプ氏は大統領就任後、テロリストへの支援はしない、と言い出しているが、そのことはシリアやイラクだけではなく、エジプトのテロも沈静化する、という事であろう。そうなれば、これまでと同様に、多数の観光客がエジプトを、訪問することになろう。

こうしてみると、シーシ大統領が語った、エジプトの明るい2017年は、まんざら大ぼらではない、ということになるが、現実がどうなるのかは、もう少ししたら明らかになろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:33 | この記事のURL
NO4371『トルコ兵焼殺事件をトルコ政府隠す』 [2016年12月28日(Wed)]
トルコ兵が3週間前にIS(ISIL)に捕まり,焼殺されたというニュースが流れて久しい。しかし、トルコ政府はこれまで何のコメントもせずに,この出来事を放置してきていた。

そして昨日12月28日になって、ようやくヌーマン・クルトルシュ副首相が、このことに関する、政府の立場を明らかにした。彼の言うところによれ場、『いまだに、2兵士が焼殺された、ということに関して、確認が取れていない。』と語り,デリケートな問題であることから、マスコミは安易にこのことについて、騒ぐべきではない、とも語っている。

トルコ政府の沈黙対応があり、トルコのマスコミはテレビを始めこのことについて報道していない、自主規制であろうか、あるいは政府からの強い指導によるものであろうか不明だ。

しかし、マイナーなマスコミ数社は、この出来事を伝えている。トルコ国民はトルコ政府が 規制したとしても、外国のテレビやインターネット情報を通じて、出来事を知っているものと思われる。

これまでに、トルコ兵焼殺事件で出てきた政府側の報道は、フィクリ国防相によるものが唯一であり、彼は『現在3人のトルコ兵が、IS(ISIL)側に捕まっている。』という事実を、確認したものだけだった。

焼殺されたとみられている、セフェル・タシュ兵士の父親、アイドン・タシュ氏は『政府から何の連絡も説明もない。』とマスコミに語っている。もう一人の犠牲者と目される、トルコ兵の家族は沈黙したままだ。

しかし、このことを闇に葬ることは出来まい。焼殺が事実行われたのか、あるいは嘘の情報であったのかは、やがて明らかになろう。

今の段階で言えることは、これだけ携帯電話が、普及している世の中で、焼殺されたと言われている人たちが、生存していれば家族に、連絡を取っているはずだし、あるいは彼らの上官や友人が、家族に連絡を入れているはずだ。こうした状況下では、政府は兵士に家族と、連絡を取ることを勧めよう。

そう考えると、気の毒な話だが、2人のトルコ兵士は焼殺された、と判断すべきではないのか。そのことが明らかになった場合のトルコ国民の反応を恐れてトルコ政府はひた隠しに隠しているものと思われる。


2トルコ兵士の焼殺事件は、エルドアン大統領にとって、来年は危機的な年に、なるのではないかと思わせる、今年最後の段階で起こった、悲惨な出来事であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:47 | この記事のURL
NO4370 12月28日 『露大使暗殺犯の姉が語る』 [2016年12月27日(Tue)]
メウルート・メルト・アルトンタシュは、在トルコロシア大使暗殺犯の名前だ。彼がどうしてロシア大使を暗殺するに至ったのか、全く背後関係が分かっていない。トルコのエルドアン大統領は暗殺が起こると、すかさずギュレン派(FETO)によるものだ、と断定した。

FETOとはトルコの慈善団体、フェイトッラ―・ギュレン氏をリーダーとしていることから、頭文字をとってつけられた名だ。正式にはヘズメトと呼ばれ、社会奉仕を主たる活動に、している組織だ。この組織はギュレン・グループ、と呼ばれる場合もある。

エルドアン大統領はメウルート・メルト・アルトンタシュを、ギュレン・グループと結び付けて、暗殺の裏にギュレン・グループが存在する、と主張したのだ。しかし、このエルドアン大統領の主張については、被害者であるロシア、いまだに賛成していないようだ。

このメウルート・メルト・アルトンタシュなる人物が、どのような人物であったのかを知るうえでは、彼の姉であるセヘルの証言が、最も貴重であろう。彼女は幼くして父親を失い、その後、彼女が4歳の段階で、母は再婚している。

もちろん、メウルート・メルト・アルトンタシュも父親を失っているのだ。その後は祖母に育てられ、貧しい生活を送るが、メウルート・メルト・アルトンタシュは警察学校に入学でき、そこで学んでいる。彼が警察学校入りを決めたのは、授業料が他校に比べて、安かったからだということだ。

当時キョルフェズという学校があり、この学校はギュレン系列であり、奨学金制度もあったのだが、彼はその学校に、進もうとはしなかった。姉に言わせると、彼は酒を飲んでいたことも、あるということだ。

また、彼女と弟メウルート・メルト・アルトンタシュの生い立ちに、ビジネスマンからの支援も、寄せられなかったということだが、それは、姉弟がギュレン・グループの世話にはなっていなかった、ということを意味している。

家族はメウルート・メルト・アルトンタシュに宗教的なことを、押し付けることはなかったということだ。

しかし、誰かが彼を洗脳していたようで、姉は彼が親しかったという、S氏のことをしきりに気氏もメウルート・メルト・アルトンタシュと同様の警察学校に入り、その後、大統領特別警備の試験に、同時に合格している。

しかし、自分がその職に向いていない、という判断を下のであろう。メウルート・メルト・アルトンタシュは、その職を離れているのだ。

姉の話によれば、メウルート・メルト・アルトンタシュは、特別宗教熱心ではなかったようだし、ギュレン・グループとの関係も、無かったようだ。何故エルドアン大統領は、彼をギュレン・グループと、結び付けたのであろうか。

そして、一番の疑問は、何故彼を逮捕せずに、射殺してしまったのであろうか。これで事件の背後関係が、全く分からなくなってしまった。そこには政府の意向が、働いていたのか。そうした疑問が浮かぶのだが。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:56 | この記事のURL
NO4369 『トルコ政府トルコ兵の焼殺に沈黙』 [2016年12月26日(Mon)]
野党MHPの党首バフチェリ氏が、シリアで焼殺された2人のトルコ兵に関して、怒りを爆発させた。『もしこれが事実なら、全てのIS(ISIL)戦闘員を焼き殺せ。』と言ったのだ。

それは全てのトルコ人の、正直な感情であろう。トルコ兵が家畜のように、首に縄をかけられ、焼殺されるという映像は、見るに耐えまい。未だにこのことが、トルコ国内で大抗議デモに、発展していないのが不思議だ。

その理由は、政府がトルコ兵焼殺について、明確なコメントをしていないからであろう。政府が未だこのことに関する、コメントを出していないことに、野党各党は早急な対応を、求めている。

もちろん、政府はこの事件について、報道することを、規制しているのであろう。主要紙にはこの事件に関する記事が、掲載されていないし、テレビでも同様に、報道されていないのであろう。これではトルコ国民が、沈黙していても不思議は無い。

フィクリ・イシク国防大臣は『トルコ兵の焼殺は、未だ確認が出来ていない。我々が知り得ているのは、3人のトルコ兵がIS(ISIL)に、捕まっている、という事実だけだ。』と語っている。

バフチェリ党首は[シリア・イラクでの、戦闘勝利が必要だと強調し、それは、もし貫徹されることが無ければ、トルコ南東部の地域が、危険にさらされるからだ、と言っている。シリアのアルバーブでの勝利無しには、トルコ南東部の街デヤルバクル市や、首都のアンカラ市でさえも、危険にさらされている、という判断だ。

トルコの友人にこの事件のことを伝えたとき、彼はまずそのことを否定し、確認すると語り、次いで外国の報道には出ているが、殺害されたか否かは、確認できない、と語っていた。

トルコ国民のほとんどは、あまりにもむごい殺害方法であることから、簡単には認めたくない、ということであろうか。日本でも同じような反応が起こっている。湯川氏や後藤氏が殺害された後、『実はあれはやらせであり、彼らは殺されていない。』という解説がネット上で踊っていた。

しかし、現実は厳しいものではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:41 | この記事のURL
NO4368 『トルコ兵をISが焼殺』 [2016年12月25日(Sun)]
トルコ兵2人が3週間前に、IS(ISIL)によって拿捕され、焼殺されるという事件が、起こっている。この焼殺のシーンは、IS(ISIL)のSNSアカウントで、木曜日に公開され、それをトルコのポータル・トルコ・ミニッツが報じている。

当然のことながら、トルコ国内ではこの惨劇に、同情と怒りが拡大している。IS(ISIL)の処刑の前に、IS(ISIL)とトルコ兵は、トルコのエルドアン体制が悪い、と非難している。

今回の場合、何処までIS(ISIL)が、処刑シーンを流したか分からないが、前回のヨルダン人パイロットの場合は、最初から最後までのシーンが、流されていた。日本テレビの友人から、このシーン全体のCDを受け取り見たが、悲惨のレベルを通り越す、無残なものであった。

多分、今回も全体のシーンが、流されていると思うが、それを見たトルコ人は、どう反応するのであろうか。処刑されたトルコ兵の顔は、極めて鮮明に映っているので、家族や親戚、友人たちは、直ぐに誰であるかを、確認できよう。

家族や親戚、友人たちも、焼殺になった兵士たちと同じような、思いでいることであろう。トルコ人は事の外、家族を大事にすることから、その悲しみと痛みが、想像できる。

ヨルダンのパイロットの場合は、有力部族の出身であったことから、対応次第では、ヨルダン王家が危険になると判断し、最大の釈放努力が行われたのだが、問題解決には至らず、処刑が断行されている。

現在もなお、処刑された2人とは別に、トルコ兵3人がIS(ISIL)の手中にあると言われており、今後も同様の処刑が行われる、危険性もあろう。当然のことながら、トルコ国内ではこのニュースは報じられず、報じられたとしても、極めて限定的な範囲ではないのか。

しかし、今の時代はテレビや新聞の報道を、信じない人達が増えており、このニュースはトルコ人の間では、もっぱらツイッターなどで、流され広まっているものと思われる。その結果、トルコでは市民が暴発するのか、あるいは何の大掛かりな、抗議行動も起こらないのか、気になるところだ。

他方、エルドアン大統領はこのことに対する、コメントは無く、『シリア北部にクルド国家が出来ることは許さない。』『シリアに飛行禁止空域を設けるべきで、アメリカと協議している。』といった発言をしている。

国内経済の悪化、インフレ問題、失業問題などが、トルコでは山積している。今回のトルコ兵焼殺事件は、その火に油を注いだ感があるのだが、今後の展開を待ちたい。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:23 | この記事のURL
NO4367 『リビア機ハイジャック・マルタへ』 [2016年12月24日(Sat)]
12月23日の金曜日に、リビアのエアバスA320の、エアー・アフリカ機がハイジャックされた。ハイジャック犯は20代の青年2人で、リビア空港の説得を拒否し、ハイジャック機をマルタに向かわせた。

この2人のハイジャック犯は、カダフィ支持者たちであり、飛行機から降りる際に、カダフィ大佐が国旗と指定した、グリーン一色の旗を掲げていた。彼らは何らかの要求を、していたようだが、その内容は明らかになっていない。

ハイジャック犯は要求が受け入れられれば、無抵抗で投降する、と言っていたところから見ると、あるいは何らかの妥協が、リビア政府との間か、マルタ政府との間で、生じたのかもしれない、仲介にはイギリスの専門家が、加わったようだ。

ハイジャック犯の要求は、マルタ政府が政治亡命者として、彼らを受け入れてくれることだったのかもしれない。いずれにせよ、ハイジャック事件は結果的に、いとも簡単に投降が決まり、乗客やクルーなど118人は、無事飛行機から降りて、保護されている。

ハイジャック犯たちが飛行機に搭乗したのは、リビア南西部のセブハからであり、彼らはテブ部族の出身だということだ。1人のハイジャック犯の名前が分かっているが、彼の名はムーサ・シャハのようだ。

ハイジャック犯は彼が所属しているのは、ファタハ・ジャデード(新9月)という政治組織であり、ムーサ・シャハは自分が組織の代表だ、と名乗っているようだ。今回のハイジャックは、ファタハ・ジャデード組織の宣伝が、目的だったのかもしれない。

こうした派手な事件を起こせば、リビア国民の間でくすぶっている、カダフィ待望感情に、火が点く可能性があろう。2011年にカダフィ大佐を殺害して、革命が成功したのはいいが、その後、今日に至ってなお、リビアは内乱状態にあるのだ。

カダフィ大佐存命時代には、リビアはアフリカで最も豊かな国だ、と言われていたが、今では国民がパンを得ることすら、難しくなっているのだ。今回のハイジャック事件を機に、軟禁状態にあるカダフィ大佐の次男、サイフルイスラ−ムに対する処遇に、何らかの変化が起こるのか、リビア国民が動き出すのか、興味深いところだ。

この組織の名前ファタハ・ジャデードは、カダフィ大佐が1969年9月に革命を起こし、成功して以来、ファタハを9月と結び付けており、ファタハとは勝利も意味するアラビア語だ。この事件の後を、注視する必要があろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:51 | この記事のURL
NO4366 『エジプトに外国から資金が次々に流れ込んでいる』 [2016年12月23日(Fri)]
エジプトの経済は、極めて厳しい経済状況下にある。エジプト・ポンドはIMFの指導で、完全なフロ−テイングになり、1ドルに対して8ポンド程度であったものが、急激に値下がりし、今では1ドル18ポンドのレベルにまで値下がりしている。

述べるまでも無く、その事は、エジプトの諸物価の、値上がりにつながり、庶民は厳しい生活にに、置かれることとなった。それは政治的な不満を高め、デモが行われ、そのデモを力で押さえ込む、という悪循環が起していた。

シーシ大統領のクーデターによって、政権の座を追いやられた、ムスリム同胞団は活動を再開し、派手な反政府活動を展開し始めたが、政府の弾圧が酷いために、穏健派と強硬派の二つに、分裂したといわれている。

こうした状況は、エジプトで明日にも、新たな革命が起こるか、大暴動が起こる、と思わせるのだが、どうもそうではないようだ。過去2〜3ヶ月の間で、エジプト政府はIMFを始めとする、国際機関から融資を受ける交渉に、成功したのだ。

まずIMFは経済改革の指導をし、エジプト政府がそれを受け入れた結果、120億ドルの融資枠を決定し、当座の対応として、世銀から10億ドルを融資することを、決定している。

サウジアラビアを除く、アラブ湾岸諸国からも、援助が届けられていることも事実だ。この場合はほとんどが、純然たる援助であり、エジプトに返済義務は、無いようだ。

次いでヨーロッパが動き、EUがエジプト経済建て直しに、4・2億ユーロを融資することを決定している、このEUの決定は、エジプトを大きく勇気付けているものと、思われる。

加えて、エジプトはアフリカ開発銀行から、5億ドルの融資を受けることが、決まった。こうした幾つもの融資が、エジプトに今の段階で向かっているのは、何故なのであろうか。

単純な見方をすれば、中東地域におけるエジプトへの再評価が、生まれたということであろう。その最も重要な位置にあるのが、イスラエルとパレスチナの和平(中東和平)だが、エジプトは国連安保理での、イスラエルによる入植活動への、批判をめぐる決議で、これを支持しなかった。

トルコの独裁的な手法に対しても、エジプトは冷静な対応をしている。また、シリア問題ではロシアの進める解決に対し、前向きに捉え、シリア政府への和平努力支持を、明言してもいた。

今後、シリアで勝利を手にしたイランが、アラブ湾岸諸国に対して、強圧的な姿勢を取ることが、予測されるが、そこでもエジプトの軍事力は、一定の重みを持ち、アラブ湾岸諸国を安心させることに繋がろう。

もちろん、これらの変化はアメリカの大統領に、トランプ氏が就任することも、絡んでいよう。彼の中東政策はしかるべき変化を、生むことは確実だ。そのなかで、軍事力を持つエジプトは、重要なパートナーとして、認識されたということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:04 | この記事のURL
NO4365 『トルコ嘘も100遍いうと本当になるか』 [2016年12月22日(Thu)]
*在トルコ・ロシア大使が、暗殺されるという、衝撃的な事件が起こった。そのことは、あるいは第一次世界大戦の発端と、似たような状況ではないか、とみる人も少なくない。*


第一次大戦が起こったきっかけは、オーストリアの皇太子が、セルビアの一青年の放った銃弾で、暗殺されたことだった。今回トルコの首都アンカラ市で起こったテロ事件は、それに似ているというのだ。

ロシア大使暗殺事件の後、ロシアとアメリカは関係が凍結され、今では、プーチン大統領とオバマ大統領のホット・ラインは、アイス・ラインに変わっているのだ。このような状態が長期化すれば、双方に生まれる誤解が、どんな危険な状況を生み出すか、想像出来ないのだ。

トルコのエルドアン大統領は、今回の暗殺事件も、自分に有利になるように、工作し始めている。つまり、『これは外国の手による犯罪だ。』と語り、後に『ギュレン派が背後にいる。』と言い出したのだ。

こうしたエルドアン大統領の、事件説明に対して、ロシアのプーチン大統領は、無言の返答をしているのではないか。そのことを盾に取り、エルドアン大統領はロシアがトルコの主張を、受け入れたと勝手に、宣伝している。

一部では、この暗殺はヌスラの犯行だ、という情報も流れているのだが、どうも胡散臭い感じがする。この事件で利益を得るのは誰かと言えば、第一に考えられるのは、アメリカではないのか。

トルコ政府はこのところ、ロシアに異常接近しており、トルコがNATO
のメンバー国、とは考えにくい状態が、生まれてきているのだ。トルコとロシアそしてイランが、シリア問題を話し合い、共通の路線で進めるべく、合意している。

トルコでは大型のテロが頻発しているが、南東部のクルド・エリアには、多数のIS(ISIL)
メンバーや、イランの民兵が入り込んでいる、と伝えられている。それを取り締まりたい、と地方政府は考えているのだが、中央政府から阻止されて、動きが取れないという、苦言が出ている。

エルドアン大統領は国内に流入してくる、テロリストを放置することで、社会不安をあおり、結果的に彼の強引な統治が、国民によって、受け入れられる状況を作っている、という事であろう。

エルドアン大統領の発する嘘は、いまのところ、アメリカからもロシアからも、明確な拒否は、出ていない。それは、まだエルドアン大統領には利用価値がある、と思われているからであろう。

他方、アメリカからは大物政治家が『エルドアン体制はテロリスト(IS
)にコントロールされている。』という意見が聞こえてきた。エルドアン大統領の嘘にアメリカやロシアが付き合うのも、時間の問題という事に、なるのでは無いのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:44 | この記事のURL
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