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NO4114『サウジのビンラーデン社従業員25%カット』 [2016年04月30日(Sat)]
フランスのヴィンチ社に次いで、世界で二番目に大きな、サウジアラビアのビンラーデン社が、従業員の25パーセント・カットを決めた。述べるまでも無く、この会社はアフガニスタンでムジャーヒデーンを組織し、次いでアルカーイダを結成した、ウサーマ・ビンラーデンの父親シェイク・ムハンマド・ビンラーデンがイエメンからサウジアラビアに移住してきて、1931年に立ち上げた会社だ。

シェイク・ムハンマド・ビンラーデンはサウジアラビア王室との、特別な関係を構築することに成功し、サウジアラビア政府が進める、大規模工事のほとんどを、請け負うことが出来てきたために、巨大な企業に成長したのだ。

しかし、そのことは、同社がサウジアラビアの景気を、まともに受けるということでもあった。現在、サウジアラビア政府は石油価格の低迷による、大幅な減収に見舞われ、加えてイエメンとの戦争、そしてシリア問題への関与などで、莫大な額の資金の投入と、膨大な量の兵器の購入も進めており、財政状態は逼迫している。(サウジアラビアの国家収入は、90パーセント以上が石油収入に、依存している。)

そのことは、政府の事業を進めている、企業に対する未払いや、支払いの遅延が起こっている、ということであろう。結果的に、ビンラーデン社は従業員に対して、過去4ヶ月給与を支払っていないということだ。そして、そのことに抗議する従業員が、サウジアラビアのジェッダにある、同社の本社ビルにデモをかけている。

結果として、ビンラーデン社は20万人いる従業員のうち、25パーセントつまり5万人を解雇することを、決定したということだ。このような形の解雇では、退職金の支払いも滞るかもしれない。カタールのアルジャズイーラ社の場合は、解雇者に対し2か月分の給料と同額を、退職金として出していた。

ビンラーデン社は最近、運気を落としているのかも知れない。聖地メッカの拡張工事現場で、大型クレーンが倒れ、100人以上の巡礼者が犠牲になる、という事故が昨年の9月に、起こっているのだ。

日本でも軒並みに、大手企業が経営難に陥っているが、それは世界の趨勢なのかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:38 | この記事のURL
NO4113 『幾つかの重要な中東報道』 [2016年04月29日(Fri)]
今日は幾つもの重要なニュースが流れているので、簡単にそれらの最も重要と思われるものを、お伝えする。



:ロシアが兵器をイランで生産

ロシアとイランは何種類かの、最新の兵器を、イランで製造することに合意した。例えばT-90戦車がそれであり、Mi-8/17戦闘ヘリ、スホイSu-30SM
もそうだ。ロシアは既にS-300ミサイルをイラン側に送り、イランは既に配備している。

こうなると、イランの兵器体系はロシア型になり、その兵器面での協力関係は、長期に渡ることが予測される。両国関係は現在よりも、強固なものになり、アメリカは立ち遅れることになろう。それはアメリカにとっては、大きな失点であろう。



:シリア軍アレッポ病院空爆否定

シリアのアレッポにあるコドス病院が空爆され、少なくとも27人以上(死者数は38
人という報告もある)の犠牲者が、出ていると伝えられている。シリアの反政府側はこれを、シリア軍の空爆によるものだ、と非難しているが、シリア軍はそれを、ただちに否定した。

常識で考えて、誤爆はあるとしても意図的に、シリア軍が病院を攻撃することは無かろう。反政府側のいずれかのグループがやったのだ、と判断する方が、正しいのではないか。この攻撃については、まだ国連や欧米諸国といった、第三者からの判断は、出ていない。



:トルイコ外相エジプト大統領を誹謗

トルコのチャウソール外相は、エジプトのシーシ大統領体制は虚弱だ、と批判した。もちろんこれに対して、エジプト側から反発されている。エジプトの外相は『自分の国の政治のありようを考えろ。』と反論した。

トルコ外相に言わせれば、シーシ大統領の指導の下に、エジプトは混乱に陥っており、虚弱な状態にあるというのだが、トルコ側のエジプトを誹謗する発言は、エジプトで軍がクーデターを起こし、トルコ政権と親しい、ムスリム同胞団のモルシー政権を、打倒した時点から続いている。

トルコ側は感情的な問題が、絡んでいるものと思われる。トルコは以来、エジプトのシーシ政権に激怒しているのだ。しかし、ここまでトルコがエジプトを非難して何のメリットがあるのか、と言いたいところだ。多分、チャウソール外相のエルドアン大統領に対する、ゴマスリ発言であろう。



:米国防長官クルド各派の関係を認める

アメリカのカーター国防長官は、シリア・クルドのPYDやYPGが、トルコのテロ組織PKKと、関係があることを認めた。これまで、トルコはPYDやYPG
が、テロリスト組織であるPKKと、関係があることを、何度も指摘していたが、アメリカはそれを、認めようとはしなかった

それはPYDやYPG
が、アメリカにとって反シリア体制の戦闘に、利用できると思ったからであろう。アメリカのカーター国防長官は、シリア国内にあるクルド組織は、対IS(ISIL)
戦闘で有効だ、と判断しているからだ。

つまり、このカーター国防長官の発言が出たことは、シリア情勢に大きな変化が生まれてきている、ということであろう。例えば、IS(ISIL)の弱体化とか。



:ロシアがトルコケバブを全面禁止に

ロシア政府は衛生面に問題があるとして、ロシアに進出している、トルコ・ケバブの店を全面禁止にした。オーナーたちはこれに反発しているが、ロシア政府の言う、衛生基準にあわせるためには、相当の投資が必要になり、解決は困難なようだ。

しかし、トルコのドネル・ケバブ(シャワールマ・ケバブとも呼ばれる)はロシア人の間で評判がいいことから、今後、ロシア人の援軍が出てくるかもしれない。この問題は衛生面というよりも、ロシア政府のトルコに対する嫌がらせの方が、強いのではないかと思われる。



:トルコのコンヤでハラール観光国際会議

トルコのコンヤ市で、5月3日から5日まで、国際ハラール観光会議が開催される。この会議には、ダウトール首相が出席予定になっている。

会議には、サウジアラビアを始め、アラブ首長国連邦、イラン、南アフリカ、クウエイト、カタール。マレーシア、インドネシアなどが、参加する予定になっている。南アフリカの参加は、意外と思えるかも知れないが、南アフリカにはイギリスが連れて行った、多数のインド人(ムスリム)が居住しているのだ。

最近では、ムスリムの外国旅行が激増しており、各国にとって重要なビジネスになっている、ということだ。このスリムの観光客に対するサービスを向上させ、より一層の観光客を呼び込もう、という作戦であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:48 | この記事のURL
NO4112 『リビアのハフタル石油支配に動き出す』 [2016年04月28日(Thu)]
アメリカのCIAが、アメリカ国内で20年も支援してきた人物、カダフィ時代の軍人ハフタルは、2011年の革命でリビアに帰国し、今では確固たる地位を、トブルク政府のなかで認められている。

彼はこれまで、国際的に承認されてきた、リビア東部のトブルク政府の、軍参謀長として、活動してきた。彼の持つ空軍力や陸軍力は、リビア東部でのIS(ISIL)の伸長を阻止するうえで、大きな役割を果たしてきていたと言えよう。

しかし、ここに来てリビアの状況は一変した。欧米が立ち上げた、統一リビア政府なるものがファーイズを首相として、リビアに送り込まれたのだ。この統一リビア政府に対して、欧米はリビアの海外凍結資産670億ドルを、解凍してもいいと言い出し、石油の輸出についても、統一リビア政府だけが正式に、認められるとした。

つまり、欧米は資金的にこれまであった、二つの政府を締め上げることで、リビアの二政府を、統一リビア政府に従わせよう、という考えだ。勿論、それは欧米の利益に、かなっているということだ。

こうした状況変化に対し、東部政府のハフタル参謀長が動き出した。彼はリビア東部の石油を支配する動きを始めたのだ。リビア東部の油田を支配し、輸出しようという目算だ。もちろんそのことは、石油の輸出で得た資金で、兵器を買い込み、リビア全体を支配下に置く意図からであろう。

以前に、リビア東部からインド船籍のタンカーが、石油を輸出しようと動いたが、それはアメリカなどの圧力で抑え込まれ、輸出先国ではなく、リビアに戻されている。

アメリカ政府は今後、ハフタルの動きを監視し、必要な対応策をとっていく方針のようだ。ハフタルが石油輸出で資金を得て、兵器を大量に買い付けたのでは、欧米のリビアに対する目論見が、外れてしまうからだ。

しかし、欧米の創り上げた統一リビア政府が、今後、どれだけの力を持つことができるのかは、いまだに不明だ。トリポリ政府は統一リビア政府を支持する側に回ったが、トリポリ政府の全てがそうなったわけではない。トリポリ政府内部にも、欧米の強引な進め方に対して、反発する者たちもいるのだ。

こうなると案外、ハフタルに勝ち目があるのかもしれない。あるいは、欧米は彼に対して、妥協のカードを切るかもしれない。いずれにしろ、統一リビア政府は動き出したばかりであり、トリポリにあるこれまでの省庁ビルも、一部が統一リビア政府に、明け渡されたに過ぎないのだ。

新たなリビア内部の動きの中で、IS(ISIL)が勢力を拡大できるかというと、そうでもないようだ。IS(ISIL)は一進一退というほどの、動きは出来ていない。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:26 | この記事のURL
NO4111 『IS(ISIL)の資金8億ドルが灰になる』 [2016年04月27日(Wed)]
どこでも何をするにも、まず資金であろう。IS(ISIL)
はシリアやイラクの石油を、盗掘することで相当の資金を、手にしていた。この金を狙って、ヨーロッパやアラブなどから、多数の戦闘員がIS(ISIL)
陣に、駆けつけていたのは、昨日の話になったようだ。

一時期は、1か月に1500人から2000人の、新規の戦闘員が集まっていたのだが、最近で、はせいぜい200人程度に、減少していると伝えられている。

アメリカや合同軍イラク軍などは、IS(ISIL)の資金を断とうということで、IS(ISIL)の金庫のあるビルを、攻撃するようになってきた。このため、
IS(ISIL)側は相当の現金を、灰にしてしまったようだ。

もちろん、合同軍やイラク軍の攻撃で、金庫のなかのどれだけの現金が、灰になってしまったかを、正確に知ることは出来ない。金庫のなかにどれだけ現金があるかを知っているのは、
IS(ISIL)だけなのだからそうであろう。

ただ、灰になったドル札の合計は、推測で、5億ドルから8億ドル程度であろう、と言われている。つまり、600億円から900億円ということだ。IS(ISIL)
がどれだけの資金を持っているかは別に、2015年の年間予算は、20億ドルだったが、2・5億ドルが過剰だった、ということのようだ。

最近では、金庫に対する攻撃や石油施設、そして、タンクローリーなどへの攻撃が続いており、IS(ISIL)は資金難に陥っている。このため、IS(ISIL)
の戦闘員の給与は半額に減らされ、IS(ISIL)が所有する車両も、一部売却されている、ということのようだ。

こうなってくると、IS(ISIL)
の戦闘員のモラルは低下し、強姦や意味の無い殺害が起こり、泥棒もするようになる。加えて、給与の支払いが減ったことや、遅配から戦闘意欲も、減退しるということだ。

また、IS(ISIL)の戦闘員が女装して、イラク政府側に投降した、あるいは難民に紛れて投稿している、ということも起こっているようだ。一部では
IS(ISIL)がまるで、スーパーマンのように強いイメージで、伝えられているが、やはり彼らも、人間なのであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:44 | この記事のURL
NO4110『ラビア・カデールがトルコを称賛』 [2016年04月26日(Tue)]
トルコ政府支持新聞アッサバーハ紙が、ウイグルの独立闘争リーダーである、ラビア・カデール女史とのインタビュー記事を掲載した。彼女は来日もしている人物であり、世界ウイグル議会議長だ。

ラビア・カデール女史はトルコ国民の、ウイグル難民に対する支援に、深く感謝し、なかでもトルコのカイサリ住民に、感謝の言葉を送っている。このカイサリ市には、ウイグルの戦闘員1500人が、居住していると彼女は語った。

彼女はカイサリ市の住民が、家族のようウイグル人に、パン分けて与えてくれている、と称賛した。そして、そうしたトルコ人の、我々に対する親切は、我々に希望と幸福感を、与えるものだと語った。

ウイグル地区は中国の西部に位置し、中国政府はラマダンの断食を禁じたり、ブルカ(イスラム教徒の女性が、体をすっぽり包む衣服であり、湾岸やアラブではアバーヤと呼ばれる、似通った衣服がある)の使用を禁じたりしている。

中国政府はモスクへの出入りを監視したり、宗教教育を禁止したり、と圧力を加えている。

ラビア・カデール女史は『我々が望むのは宗教的な自由だ。我々はトルコ族の一部族なのだ。』と語った。しかし、中国政府はウイグル人をテロリストと決めつけて、弾圧を繰り返しているということだ。

さて、この時期にトルコ政府の肝いりのサバーハ新聞が、何故、ラビア・カデール女史のインタビュー記事を、掲載したのであろうか。簡単に言ってしまえば、エルドアン大統領の大国主義、オスマン帝国復活への一歩、ということになるが、それだけではあるまい。

アメリカがウイグルの若者を、シリアやイラクの戦線に送り込み、IS(ISIL)やヌスラと共に戦わせた。これは戦闘訓練であったろうと思われる。彼らウイグル人の青年たちはその後、ウイグル地区に戻っているのだ。

そして、こうしたアメリカの作戦を支援すべく、トルコ政府は大量のトルコ・パスポートを、中国国内でばらまいていた。そのパスポートを持って、ウイグルの若者たちはマレーシアに入り、そこからトルコに向かっていたのだ。

つまり、こうした秘密作戦の成果が、そろそろ形になって表れる時期が、来たということなのではないか。つまり、ウイグル人たちは中国に対して、立ち上がる時期が、来たのかもしれない。

しかし、それは他の少数民族、たとえば朝鮮族、満州族、モンゴル族、チベット族などが、時を同じくして立ち上がらなければ、中国軍に簡単につぶされてしまおう。アメリカやトルコの作戦は、どの段階まで進められるのだろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:30 | この記事のURL
NO4109『イランがアサド家族の受け入れ提案』 [2016年04月25日(Mon)]
イラン政府がシリアのアサド大統領に対して、彼の家族を受け入れる意向を伝えた。それは、シリアの状況が極めて危険であるため、アサド大統領の家族を、保護したいということだ。

このイランの申し入れに対して、アサド大統領は『私の家族は他のシリア人の家族と、何ら変わりはない。従って、イランが保護してくれる必要はない。私の家族は他のシリア人の家族と共に、シリアに留まる。』と応えたということだ。

アサド大統領のイランの申し出に対する返答は、実に立派ではないか。確かにそうであろう。アサド大統領の家族が今の段階で、イランに避難すれば、シリア国内のアサド大統領に対する、支持は低下しよう。

同時に、『アサド大統領側が追い込まれている。』という印象を内外に与えることになろう。そのことは、結局、アサド大統領側を追い込ませることになり、敗北につながるのだ。したがって、今回のアサド大統領の判断は、正しかったということであろう。

イラン政府はIS(ISIL)がイランに対しても、テロを計画して来ていたが、イラン側はその都度、阻止することに成功してきたとも語った。イランの認識では、2006年に起こったイスラエルと、レバノンのヘズブラとの戦い以来、シリアがヘズブラのバックにいるとして、イスラエルはアサド体制の打倒に、動いているというのだ。

つまり、イスラエルとIS(ISIL)とは、A特別な関係にあり、シリアやイラン、ヘズブラに対して、共闘している、ということを、言いたいのであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:31 | この記事のURL
NO4108 『また破壊トルコ行き密輸タンクローリー』 [2016年04月24日(Sun)]
ロシア軍がシリア政府の要請でシリアに駐留して以来、ロシア軍機によって多くのタンクローリーが、破壊されている。このタンクローリーは述べるまでも無く、シリアやイラクでIS(ISIL)が盗掘している石油を、トルコに輸出するためのものだ。

そのことについて、ロシアは国際会議がある度に、トルコ政府を非難してきている。それは当然であろう。この盗掘石油を輸入しているのは、トルコのエルドアン大統領の子息、ビラールなのだ。しかも、ご丁寧にもエルドアン大統領はエネルギー大臣に、義理の息子ビラトを、就任させてもいるのだ。

IS(ISIL)の戦闘で負傷した、戦闘員を治療する秘密の病院が、トルコ南東部のガゼンテペ市郊外にあるが、この病院の担当はエルドアン大統領の娘の、スメアだといわれている。彼女は足しげくこの病院に、通いつめているということのようだ。

IS(ISIL)とエルドアン・ファミリーの、こうした協力関係は石油の密輸で、双方に莫大な利益を、もたらしていたのだが、ロシア軍によるタンクローリー空爆で、計算が狂ってしまった。ロシア軍機は2000台のタンクローリーを、空爆で破壊したのだ。

IS(ISIL)は当初の3分の一にまで収入を減らし、戦闘員への給与は半分になり、遂には3分の1
になり、一部は遅配と言われ、戦闘員なかには自分の臓器を、提供する者まで出てきている、と報じられている。

密輸石油を運ぶタンクローリーへの攻撃は、ロシア軍機ばかりではなく、最近では、イラク空軍によっても、行われるようになり、最近、20台のタンクローリーがイラク空軍によって、破壊されたと伝えられている。

これはイラクのニネベ県のカイヤーラ油田からのものであり、攻撃された20台のタンクローリーは、黒煙を上げて燃え、タンクローリーも原油も全滅したということだ。

困ったのは言うまでも無く、トルコのエルドアン・ファミリーであり、同時にこの密輸石油を買う、キプロスも困っているようだ。市場価格の3分の1程度の、低価格で買えていたのだから、キプロスがどれだけ、密輸石油の恩恵を、受けていたかが分かろう。

最終的には、IS(ISIL)の盗掘石油の密輸は、完全に阻止され、シリアやイラクでのIS(ISIL)の戦闘も、大幅に下火になるということであろう。それは、トルコにとっては大問題だが、アメリカにとっては、痛くも痒くもなかろう。既に、シリア北部はクルドには自治区並に、自由になっているのだから。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:15 | この記事のURL
NO4107『トルコの大国意識とナゴルノ・カラバフ紛争』 [2016年04月23日(Sat)]
トルコのエルドアン大統領は、タイムズ紙が選んだ『世界の中で影響力の強い強力なリーダー100
人』に入ったようだ。確かに、彼の言動はヨーロッパ諸国を、震撼させていることは事実であり、アメリカもエルドアン大統領の、強引な言動には辟易している。

ここに来て、遂にたまりかねたロシアが、エルドアン大統領の国トルコの、対ナゴルノ・カラバフ対応について、非難を寄せた。ロシアのラブロフ外相は、トルコのナゴルノ・カラバフ対応は平和を語りながら、火に油を注ぐ行為だ、と非難している。

トルコ政府は平和を語りながら、他方では、アゼルバイジャンに対して全面的な支援を、送ると言っているのだから、その通りであろう。ナゴルノ・カラバフ紛争は4月2日に始まり、既に、アゼルバイジャンとアルメニアの双方に、合計で100人以上が死亡している。

ロシアの仲介で停戦状態には至っているが、未だに時折銃撃戦が起こっているし、双方とも一歩も引く気配を、見せていない。ナゴルノ・カラバフは戦略的に、極めて重要だということであろう。

1994年にもこのナゴルノ・カラバフでは、アゼルバイジャンとアルメニアとの間に戦争が起こり、3年の長きに渡って続いた、問題はこのナゴルノ・カラバフ紛争が拡大した場合、アゼルバイジャンとアルメニアとの紛争に留まらず、コーカサス全域に戦闘が拡大する危険性があるのだ。

そして、それはトルコとロシアとの戦争に、発展する危険性すらある、ということだ。もちろん、そうなればアメリカを始めとした、NATO諸国が介入することになるので、それは第三次世界大戦が始まる、ということであろう。

第三次世界大戦を起こしたい、とアメリカやヨーロッパの権力者たちは、望んでいる、その理由は戦争によって、いまど壺にはまっている経済不況を、突破したいからだということだ。

極めて危険な考えではあるが、案外真剣に、世界大戦を起こしたい、と願っている人たちが、いるのかもしれない。トルコのエルドアン大統領は、そうした西側の権力者たちの、言いなりになって、動いているのかもしれない。

あえて、エルドアン大統領の考えを、擁護しようと思えば、ナゴルノ・カラバフがアゼルバイジャンの、支配下に置かれるようになれば、アゼルバイジャンの石油やガスは、トルコにパイプ・ラインで移送することが、出来るようになるのだ。

そうなれば、カザフスタンやトルクメニスタンのエネルギー資源も、このルートを通るようになり、ロシアの中央アジア諸国に対する、エネルギー輸送ルートとしての強みは、無くなるということだ。それは欧米の喜ぶところであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:09 | この記事のURL
NO4106 『サウジアラビアとアメリカの蜜月は終わった』 [2016年04月22日(Fri)]
サウジアラビアの元駐米大使であり、情報大臣であった、トルキー・ファイサル氏がCNNとのインタビューのなかで、重大な発言をした。それは、今後両国関係だけではなく、中東全域と世界に、大きな影響をもたらすかもしれない。

トルキー・ファイサル氏は『アメリカとサウジアラビアの蜜月時代は終わった。それが元に戻ることはないだろう。』そして『誰が新しいアメリカの大統領になっても、両国関係の修復は、ありえまい。』と語ったのだ。彼に言わせると、オバマ大統領の一連の発言が、サウジアラビアなど多くの国々を、目覚めさせたというのだ。

それは、オバマ大統領のシリアや、イエメンに関する発言であり、それ以前にも、サウジアラビア側からすれば、裏切りとしか取れない、アメリカの行動があったからであろう。

例えば、シリアに対する攻撃を、2013年に約束していながら、アメリカは実行しなかった。オバマ大統領は『シリアのアサド体制を打倒する。』とサウジアラビア側に確約していたにもかからずだ。

また、アメリカを始めとする、世界の大国がイランとの間で、新たな合意に至ったことも、サウジアラビアには不満だった。サウジアラビアにしてみれば、北の隣国イランは、常に安全上の頭痛の種に、なってきていたからだ。

そして、イランの核問題でも、アメリカは結果的に妥協している。これではアメリカの発言や約束は、全くあてにならない、ということであろう。

加えて、最近ではアメリカとサウジアラビアとの間で9・11事件に関する情報の公開が、問題になっている。これまで公開されていなかった、28ページの情報が公開されれば、そこでは9・11事件に、サウジアラビアが深く関与していたことが、明らかにされているというのだ。

もし、それが公開されれば、世界的なサウジアラビアの、大スキャンダルになろうし、犠牲者家族への補償問題も、巨額に上ることになろう。そうなれば、いまでも苦しいサウジアラビアの台所事情は、破滅するということに、なるのではないのか。

アメリカは何故いまの時期に、サウジアラビアをこうまでも、追い込んでいるのであろうか。その原因の一つは、アメリカの経済状態に、あるのかもしれない。また、サウジアラビアという国の体制を、揺さぶり、打倒することを、考えているのかもしれない。

ご存じのとおり、IS(ISIL)はサウジアラビアを、次のターゲットに決定している。すでに相当数のIS(ISIL)のサウジアラビア人の戦闘員が、同国に帰還しているようだ。

オバマ大統領がサウジアラビアを訪問した際、サウジアラビアの国王は迎えに出ていない。つまり、極めて冷たい受け入れ方を、したということだ。こうしたことを考えると、アラブの春という名の、アラブ各国の政権打倒が、サウジアラビアでも始まる、ということではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:09 | この記事のURL
NO4105 『ロウハーニ大統領のいきな計らいは成功するか』 [2016年04月21日(Thu)]
イランのロウハーニ大統領が、珍しい思い切った発言をした。それは、イランの宗教警察の行動を、規制する内容だった。イランでは数千人の男女の、宗教警察が存在し、国民の日常の行動を、監視している。

たとえば、女性がスカーフをきちんと、冠らずに髪を出していたり、厚化粧をしていると、処罰されるのだ。以前は相当宗教警察の行動は、激しいものであり、女性が路上で、殴打されるということもあったし、留置所に連行される、ということもあった。

車の中で音楽を聴いていても逮捕されて、処罰を受けるということもあった。なかでも西欧の音楽の場合は、厳しい対応がなされていた。これではイラン国民には、心の圧迫から逃げる場所が、無くなるということだ。

そこでロウハーニ大統領は、今回宗教警察に対して、国民に対する緩やかな対応を、させるようにと考えて、発言したのであろう。それによれば『宗教警察には逮捕権がなく、国民の間違いを正すだけだ。それは文書による注意や、電話による注意の、喚起のみだ。』と発言したのだ

こうした発言は当然、最高権威者のハメネイ師の、意に沿わないものであろう。それにもかかわらず、ロウハーニ大統領が敢えて、こうした発言したのは、イラン国内の権力構造に、変化が生まれ始めているからではないのか。

最近になって、元大統領だったラフサンジャニ氏も、同様にハメネイ師の意向に反すると思われる、内容の発言をしている。

イランではいま、経済制裁が緩和されたこともあり、自由をより強く求める傾向が、国民の間では広がりつつある。これを政府が全面否定すれば、その反動として国民の間に、反政府の機運が持ち上がって来よう。以前、大統領選挙に立候補して、落選させられたカロウビ師も、最近になって選挙の不正を、言い始めている。
(本人は当選したのだが、不正に投票結果が改ざんされ、落選とされたと信じている)

ハメネイ師が最近、軍を称賛したり、ヘズブラを称賛しているのは、政府に対して厳しい政策を、取らせるための、間接的な圧力なのかもしれない。イランは欧米による経済制裁緩和という、雪解け気運のなかで、また一波乱あるかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:13 | この記事のURL
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