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NO3976 『エルドアン大統領が手に入れた万能の対EU武器 』 [2015年11月30日(Mon)]
エルドアン大統領は、悪運の強い男なのかもしれない。彼は重病に罹っているという情報が、だいぶ前に流れたが、その後も元気でいる。それどころか、彼は権力を拡大し、他の閣僚を圧倒し、政敵はすべて排除できてきているのだ。

ここにきて、もう一つエルドアン大統領にとって、特別の武器が手に入ったようだ。その武器はEUに対抗するためのものだ。そのエルドアン大統領が新たに手にした武器は、使い方によっては万能の武器のようだ。まるで孫悟空の、如意棒のようなものなのだ。

これまでトルコは、シリアから流れ出してきた難民を、国内に抱えて苦労してきたが、いまになってこの難民は、トルコに大きなメリットを与えつつある。トルコがEU諸国に、難民を送り出し始めた途端、EU諸国はその対応に苦しみ始めたのだ。

なかでも難民が行きたがるドイツは、70万人を超える難民を受け入れたために、その対応に莫大な予算と、社会不安を抱え込むことになった。それは他のEU諸国にとっても、程度の差はあるものの、同じであろう。

このためEUは、難民を何とかトルコに、引き取ってほしい、留め置いてほしいと言い出した。エルドアン大統領はそのEUの意向に対し、応分の見返りを要求し始めたのだ。その見返りとは、トルコ人のビザなしEU渡航、難民対策費援助、加えて、トルコのEU加盟だ。

これらの項目はだいぶ前から進展を見ないでいた。EUが最初に応えたのは、難民対策費の支払いだったが、最近になって、トルコ人のEUへのビザ無し渡航を認めることや、トルコのEU加盟が現実味を帯びてきている。

もし、EUが最終的に難民問題から逃げるために、トルコに難民を押し付けることができれば、巨額の支援金がEUからトルコに対して、支払われることになる。それは何百億ユーロにも上ろう。

トルコのEU加盟についても、相当前向きな対応が出てきているので、トルコはEUに対して、難民問題をちらつかせることにより、巨額の政治的・経済的利益を受けるということになる。


EUにしてみれば、難民問題を武器に、トルコのエルドアン大統領が強気の交渉をしてくることに、相当腹が立っているだろうが、当面は他に、対応策がないのだ。加えて露土関係がどうなるのかも、EUにとっては頭の痛い問題であろう。

トルコはいま一石二鳥ならぬ、一石三鳥を手にしたということだ。だが好事魔多しという言葉もアジアにはあることを、忘れないほうがいいだろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:53 | この記事のURL
NO3975『エルドアンの口実は通用しない』 [2015年11月29日(Sun)]
ことの重大さに、いまになって、気がついたのであろうか。トルコのエルドアン大統領が泣き言を言い始めている。ロシアの軍用機を撃墜したことが、相当高くつく、と実感し始めたのであろう。

彼は彼の支持者を集めた、トルコ西部の町バルクシェールで『そんなことが起こらないことを望むが、現実に起こってしまった。このようなことは、二度と起こらないことを望む。』と語っている。

支持者を前にして、エルドアン大統領が弱音とも取れる、発言をしたということは、それだけ問題が大きな影響を、トルコに及ぼすことを、やっと理解したからであろう。

もし、プーチン大統領が決断すれば、ロシアのガスはトルコに届かなくなるが、そうなるとトルコは60
パーセント程度、ロシアのガスに依存しているのだから、この冬のトルコは、シベリア並みの寒さのなかで、国民が送らなければならないことになろう。

しかし、エルドアン大統領は卑怯な命令を、ダウトール首相に対して、下したようだ。『今回のロシア軍機の撃墜命令は、私が出した。』とダウトール首相に言わせたのだ。

だが、いまのトルコの国内政治を見ると、とてもダウトール首相には、そんな重大な命令を出せるわけがない。命令はあくまでも、エルドアン大統領が発したものであろう。

エルドアン大統領は一応、国際社会に対し、今回の撃墜問題について、謝罪に近い発言をしたが、他方では相変わらず、シリアの反体制派を支援し、大量の武器を送っている、つまり、全く反省していないということであろう。

そうしたエルドアン大統領の心理と性格を、プーチン大統領は良く知っているようだ。だから彼は、エルドアン大統領の申し込んだ会談に対し、返答もしていないのであろう。

アメリカはこの問題に付いて、ほとんど発言していないが、それはアメリカも不味かった、と思っているからではないのか。。撃墜事件の後、シリア対応でロシアとフランス、そしてドイツは一丸となって、対応するという雰囲気になっているし、アメリカの盟友イギリスも、その方向にあるからだ。

エルドアン大統領に感情の爆発が目立つのは、彼の汚職問題がこじれにこじれ、場合によっては彼の体制が崩壊したり、トルコ国民が反発し、結果的に彼と彼の家族が裁判にかけられ、有罪となることを、恐れているからではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:04 | この記事のURL
NO3974『ロシアのトルコに対する報復は何か』 [2015年11月28日(Sat)]
トルコがロシアの戦闘機を撃墜して、既に数日が経過している。撃墜後の両国の動きを見ていると、トルコはエルドアン大統領がロシアに対して『火遊びはするな』といってはいるものの、相当の不安を抱いているようだ。

トルコ政府はヨーロッパで開催される会議に、エルドアン・プーチン両大統領が出席予定であることから、エルドアン大統領のプーチン大統領との会談を、セットしようと努力している。しかし、今迄のところロシア側は、これに何の返答も、していないようだ。

それは当然であろう、撃墜された戦闘機から脱出したパイロットを、トルコの仲間が地上から発砲、し一人を殺害しているのだ。これは述べるまでも無く、国際法に違反する行為だ。

そもそも、今回の撃墜劇は、以前から周到に用意されてあったものだ、としか考えられないことも、プーチン大統領をして、激怒させているのであろう。短い領空侵犯の距離を、17秒かけてロシアの戦闘機が飛んだ、というのは計算してみれば。すぐ嘘だとわかろう。また、トルコが主張する、パイロットの発した警告テープなど、簡単に偽造できよう。

さて激怒したプーチン大統領は、即座に報復を口にしているが、どのような報復をするのであろうか。これまで発表されたのは、トルコ人に対するビザ免除を、来年1月から廃止する、トルコの生鮮野菜果物は輸入しない、ロシア人観光客をトルコに行かせないといったものだが、これだけでも相当の経済的ダメージとなろう。

加えて、ロシアのガスをヨーロッパに輸出する、トルコ・ストリーム計画を中止することや、トルコでの原発建設を凍結するといったことが、具体化してきている。トルコのロシア・ガスに対する依存度は、きわめて高いことを考えると、そのようなことは起こらないとは思うが、ガスが止まればトルコの今年から来年にかけての冬は、相当に寒いものとなろう。

野菜や果物の輸出をしている生産者や、輸出業者にとっては、まさに死を待つ状況となろう。トルコ政府はガスの輸入についても、生鮮野菜果物類の輸出についても、楽観視しているが、案外厳しい状態になるのではないのか。

加えて、ロシアはトルコの敵であるPKK、に対して、武器を大量に供与するかもしれない。シリアにいるクルド人に対しても、同様のことが起こる可能性はある。加えて、ロシアはトルコとシリアの国境に近い、トルコの軍事基地に対して、攻撃を加える可能性も、高いだろう。

トルコはいまのところ、シリアへの戦闘機の飛行を止めているようだが、シリア領空に入れば、空中戦が起こることを、想定しなければなるまい。そうなればロシアにとって有利なのではないか。パイロット錬度が数段高い、と思われるからだ。

もうひとつの懸念は、シリア国内に居住する、トルコマン人に対する、ロシア軍の攻撃が、増すのではないか、ということだ。トルコ本土に対する直接的な攻撃は、控えめにしながらも、シリア国内のトルコマン人に対する攻撃では、遠慮が要るまい。

ロシアはトルコマン人をテロリストの一味、と認識しているからであり、彼らはロシアが支援する、アサド大統領の敵だからだ。結局、この場合も一番苦しい思いをするのは、在外のトルコ人
(トルコマン人)ということになりそうだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:52 | この記事のURL
NO3973『トルコは孤立・英仏独が対ISで露とて連携』 [2015年11月27日(Fri)]
今回のトルコ軍機による、ロシア軍機撃墜事件は、これまで見え隠れしていた、不明確だったものを、明確にしたようだ。それはヨーロッパの主要諸国が、アメリカを信用せず、ロシアに接近し始めている、ということだった。

トルコがロシア軍機を撃墜するという暴挙はイランの政府高官が語るようにとんでもないミスであり、それを支持したアメリカはもっと国際的信用を失うということであろう。

今回の撃墜事件を巡り、最初に言われたことは、トルコに対してNATOが支援の体制を、とるだろうということだったが、その予測は外れるのではないか。ヨーロッパ諸国はトルコが難民問題でヨーロッパ諸国を恫喝していると受け止めていたさなかに、今回の露土緊張状態が発生し、内心ではほくそえんでいるのではないだろうか。

ロシア軍撃墜事件のすぐ後に、オランド大統領はロシアを訪問し、プーチン大統領と協議している。その結論は、ロシアとフランスが協力して、IS(ISIL)退治に当たる、というものだった。

同じタイミングでドイツもシリアへの軍の派兵を言い出しているし、イギリスのキャメロン首相も『参戦する時期が来た』という内容の発言をしている。つまり、これら3国はロシアと協力して、IS(ISIL)の掃討作戦に当たる、ということであろう。

アメリカはIS(ISIL)を叩くと言いながら、裏ではIS(ISIL)に有利に働く作戦を、展開してきたし、IS(ISIL)に対して武器その他の必要な物資を、空から投下しても来ていたのだ。

トルコがこれまでIS(ISIL)に対して支援を続けてきていたことは誰もが知るところだ。その結果100万人に近い難民がヨーロッパに流れ込み、ヨーロッパは大混乱の瀬戸際に立たされている。

そこでヨーロッパ諸国は、ロシアこそがシリア問題、IS(ISIL)問題を解決できると判断し、アメリカではなく、ロシアと協力することを、選択したのであろう。

トルコによるロシア軍機撃墜事件は、こうしたヨーロパの真意を、表面化させたということであろう。

それに対して、アメリカには何が残されているのであろうか。パリ・テロの第二幕をヨーロッパのドイツかどこかでやるのか、あるいはこれとは全く異なる作戦をアメリカ国内で、やるのかは予測できない
Posted by 佐々木 良昭 at 11:34 | この記事のURL
NO3972『トルコの露機撃墜についてもう一言』 [2015年11月26日(Thu)]
トルコによるロシア機の撃墜について、もう一言言わせていただこう。これは確実に、事前に準備された計画的な、行動であったと言えよう。つまり、平たい言い方をすれば、計画的殺人だった、ということだ。

そのことについては、常識的な判断から、結論が出てくる。まず、ロシア機が領空侵犯をしたのに対しての対応として、トルコ機が空軍基地から飛び出していたのであれば、とてもロシア機がトルコ領空内にいる間には、現場にたどり着けなかったろう。

ロシア機がトルコの領空を侵犯したのは17秒間だったといわれている。しかも、間に合わずにロシア機を撃墜したのは、シリア領空内だったということだ。つまり、トルコ機は既に上空にあって、ロシア機の侵入を待ち伏せしていた、ということであろう。

そして、そのような行動をトルコ空軍が取れたのは、トルコ政府内部に意見の一致があったか、エルドアン大統領が大統領権限で決めており、空軍にその旨を、指示していたからであろう。

そうでなければ、トルコ空軍が単独でロシア機を撃墜するなどという、大それたことは、起こらなかったろう。つまり、この事件はエルドアン大統領によって計画され、命令が出され、実行されたものだったということだ。

常識で考えれば、領空から出て行って、既にシリア領空に入っていた飛行機を、撃墜するなどということは、起こりえなかろう。せいぜい、後日、トルコ政府からロシア政府に対して、クレームが出される程度なのではないか。

ではトルコは何故ロシア機を、撃墜したのかということだが、エルドアン大統領はロシアがシリア国内の、トルコマンに対して攻撃を加えていることに、激怒していたと伝えられている。

それはそうであろう。ロシアのシリア政府支援は効果を生み、IS(ISIL)は相当追い込まれていたのだ。トルコはそのIS(ISIL)を使ってシリア政府を打倒し、返す刀でクルドを殲滅しようと考えていた。それが皆不可能になっていることに加え、シリアのトルコマンつまり、同じトルコ人がロシアによって、攻撃されていたのだから、エルドアン大統領が激怒しても、不思議はあるまい。

そしてもう一つの点は、トルコがこれまで一度も勝利したことのない、ロシアに対して戦争にもなりかねない、危険な行動に出たのは、何故かということだ。この裏には、NATOかアメリカが、トルコの後ろ盾をする、という約束があったのではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:09 | この記事のURL
NO3971『トルコ機がロシア機を国境で撃墜』 [2015年11月25日(Wed)]
普通ではあまり考えられないような、出来事であろう、トルコの戦闘機がトルコ・シリア国境上空で、ロシアの戦闘機を撃墜する、とういう出来事が起こった。もちろん、トルコ側は撃墜したのはトルコ領空であり、5分間に10回もロシア機に対して、警告を発していたと主張している。

しかし、トルコの友好国であるアメリカは、撃墜が起こったのはシリア領空だったと述べている。ただし、それはトルコ領空に侵犯し、シリアに戻ってからだった、ということのようだ。言ってみれば、アメリカはトルコとロシアの双方の、メンツが立つ発言をしている、ということではないのか。

トルコがロシア機の領空侵犯に、これまで激しい憤りを覚えるには、それなりの理由がある。現在、ロシアが支援しているシリア政府軍が、シリア国内のトルコマン人(トルコ系シリア人)に対して、攻撃を加えているからだ。

このため、シリアのトルコマン人は、トルコ政府に対して、救援を求めているのだ。大オスマン帝国の復活を夢見ている、エルドアン大統領としては、放置できないということであり、彼が打倒を強く希望している、アサド大統領を支援するロシアは、いわば目の敵であろう。そうした背景があり、今回の撃墜事件が起きたのではないかと思われる。

この推測は誰にも可能であろう。しかし、それだけではないと思えてならない。今回の撃墜事件は、プーチン大統領が語っているように、背後からナイフで刺すような、卑怯な行為であり、必ず復讐するということになる。多分、プーチン大統領はそれを実行しよう。

そうなると、トルコとロシアとの関係は、戦争状態になるのではないのか。ロシアが今後、トルコ機を撃墜するのか、国境地域を空爆するのかは、分からない。

そしてそれがエスカレートすれば、NATOもトルコがメンバー国である以上、放置できまい。そうなれば、ロシア対NATOの戦争状態が起こることが考えられる。それはウクライナ問題に極似しているのではないか。ウクライナ問題が発生した時も、NATOとロシアとの間では、一触即発の緊張状態が生まれていた。

今回の場合、イギリスは『ただ事ではない』と警告しているが、まさにそのレベルの危険な状況ということであろう。そこで手腕が問われるのは、ドイツのメルケル首相であろう。

ヨーロッパ諸国はいまでは、アメリカの考え方、物事の進め方を熟知している。そのことがフランスやドイツをして、ロシアとの関係改善に、向かわせていたのであろう。その動きが今回の危機を乗り切らせるか。エルドアン大統領は強気で、ロシアとの緊張を高めていくのか。もう少し事態の推移を、見る必要があろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:30 | この記事のURL
NO3970『イギリスの執念深さか?計算か?』 [2015年11月24日(Tue)]
イギリス政府が30年前に、ロンドンで起こった事件の、犯人を逮捕した。これは、1984年4月17
日にロンドンの、ジェイムズ・スクエアーに近い、リビア大使館からの発砲で、ロンドン市警の婦人警官(イボンヌ・フレッチャー当時25歳)
が、銃殺されるという出来事だった。

犯人はサーレハ・イブラーヒームという人物であり、彼は事件後に、教育大臣に就任している。そして、科学アカデミーを設立し、イギリスの幾つかの大学と、活発に交流していた。つまり、リビアはイギリスを丸め込むために、これらの大学に対して、研究資金を提供していた、ということであろう。

また、彼はリビア革命ののち革命委員会結成にも、一役買っていた人物だ。彼の出身部族はバニー・ワリード族(ワルファッラ)という、リビアの有力部族だ。なお彼は現在50代の年齢に達している。

カダフィ打倒の革命後、彼はチュニジアを経由して、イギリスに2001年に政治亡命しているが、彼がイギリスに戻れたのは、2000年にイギリス政府が入国禁止を、解いていたからだ。

カダフィ打倒革命から、既に6年以上が経過しているが、サーレハ・イブラーヒームは何故いままで、逮捕されないで、ロンドンに住み続けて、いられたのであろうか。そして、何故いまの段階で、逮捕されたのであろうか。

カダフィ大佐の体制が打倒され、新しい政権が出来上がるなかで、旧カダフィ体制に関する、秘密資料が出てきて、当時、リビア大使館内部から発砲したのが、誰であったのかが明らかになったからだ、といえば説明は付こう。

この逮捕劇の裏には、リビアの国内状況の変化が、影響しているのではないかと思えてならない。つまり、リビアの混乱状態は近く収束し、リビアの富の分配が始まる、ということではないのか。

現在、リビアの内乱に最も強い関心を寄せているのは、アメリカであり、フランスであり、国連だ。そこにイギリスも、加わるということであろう。イギリスはかつて、リビアがイドリス国王統治の時代に、アメリカと二分して、リビアの東部を影響下に置いていた、という歴史的経緯がある。

リビアは腐っても鯛、良質の石油を産出し、欧米の市場にも近い国だけに、イギリスは放置できない、ということであろう。そのイギリスがいまの段階で、30年も前の婦人警官殺害事件を、持ち出してきたのは、リビアの内戦が近く収束する方向にある、そのために頭角を現して来たのではないのか。

いずれにしろ、リビアの内戦が収束してくれることを、願って止まない。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:13 | この記事のURL
NO3969『イスラエルのパレスチナ人17%がIS支持』 [2015年11月23日(Mon)]
イスラエルの国籍を持つパレスチナ人のうち、17パーセントがIS(ISIL)を支持している、という結果がわかった。これは、サーミー・スムーハというハイファ大学教授が、行った調査結果だ。サーミー・スムーハ教授はこの結果を、11月23日に開催される、ギヴァト・ハビバ会議で発表することになっている。

彼の調査結果によれば、82パーセントのイスラエル・アラブ人(パレスチナ人)は、IS(ISIL)が過激主義者だと考えている。他方、IS(ISIL)を支持するパレスチナ人の割合は、17パーセントに達している。

また、イスラエル国内存在するイスラム運動の活動は、パレスチナ人を代表するものだ、と考えているということだ。このイスラム運動は南北に分かれており、つい最近、北の組織は非合法とみなされ、活動を禁止されている。しかし、南の同組織は禁止されていない。

イスラエル政府の、北のイスラム運動に対する措置については、28パーセントが反対している。どうやら、パレスチナ人の間では、IS(ISIL)やイスラエルの政策に対して、統一した見解が生まれていない、ということのようだ。

しかし、パレスチナ人のなかには、IS(ISIL)がイスラエルや世界の大国に、抵抗出来る組織だという認識が、あるということのようだ。彼らは暴力によって、イスラエルを排除できる、と考えているということだ。

パレスチナ人の中には、イスラエルとの二国共存を、全面的に否定するグループがあり、イスラエル側にも、パレスチナ人全てを、イスラエルから追放すべきだ、と考えているグループも存在する。イスラエル人の31パーセントは、パレスチナ人のクネセト(国会)での投票権を奪え、と主張している。

パレスチナ人の42パーセントは、北のイスラム運動を支持しているが、それはイスラム運動が、イスラエル政府に代わって、社会サービスを実行しているからだ。

イスラム運動に対する、パレスチナ人の支持が高いのは、同組織が幼稚園、小学校を運営しているし、スポーツ・クラブやコーランを教える教室も、開いているからだ、とスムーハ教授は語っている。

しかし、イスラエルに居住するパレスチナ人は、現実的な思考をしており、政治を通じて、政策を変えさせ、生活のレベルを引き上げ、暴力を減らしたいと考えているということのようだ。

そうは言っても、イスラエル側からすれば、IS(ISIL)支持者が17パーセントもいるということは、約5人に1人が、将来IS(ISIL)に参加するか、同じような行動に出る危険性がある、と受け止めていよう。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:28 | この記事のURL
NO3968 『誰がISを支援しているのか』 [2015年11月22日(Sun)]
大きな魔物と化したIS(ISIL)を、誰がそうさせたのか、ということが世界的に、関心を引いている。組織が大きくなっていくためには、それなりの条件が揃わなければならない、ということは企業でも、社会でも同じであろう。

IS(ISIL)のようなテロ組織の場合は、戦闘員、資金、武器といったものが、その基本的なニーズであろう。それでは誰がIS(ISIL)に、そうした基本的ニーズを提供したのか、ということになるが、そのことを本に纏めた人物がいる。

ティム・アンダーソンという人物が『シリアのダーテイ・ウオー』という本を書いた。そのなかには、どの国がどのような支援を、IS(ISIL)に送ったのかを、詳細に書いている。

そのなかで目立つ支援国は、サウジアラビア、トルコ、カタール、イギリス、フランス、アメリカの6カ国となっている。

:サウンジアラビア=イラクがイラン寄りになり過ぎたために、アメリカはサウジアラビアに対してIS(ISIL)を創立することを指示した。その結果、シリアの全ての反政府組織が、武器を入手することになった。

:トルコ=トルコはイラク・シリアへの、テロリストの移動を許可した。サウジアラビアとトルコが協力して、ヌスラ組織(アルカーイダ)を結成した。イスラミストが盗んだ石油の密輸を支援した。IS(ISIL)の戦闘員の治療を行っている。

:カタール=ムスリム同胞団組織例えばFSA(シリアの反政府組織自由シリア軍)に対して、資金援助を行った。サウジアラビア・トルコと協力して、テロリスト組織を支援した。

:イスラエル=全てのシリアのイスラム戦闘組織に対し、武器を供与し、医療支援を行った。協力地点はゴラン高原であり、この支援相手にはヌスラも、IS(ISIL)も含まれている。

:イギリス・フランス=アルカーイダに近い組織(ヌスラ)に、武器を供与した。システマテイックに参加し、武器を供与した。

:アメリカ=上記全ての支援活動を差配し、トルコ、ヨルダン、カタール、サウジアラビア、イラク等の基地を、使用可能にした。IS(ISIL)をクルド地区から追い出したが、IS(ISIL)を支援しシリア・イラクを攻撃させた。アメリカは直接的に、空中からの投下で、支援物資武器などを、IS(ISIL)に提供した。



この本の内容を信じるか否かは、国際情勢にどれだけ精通しているか否か、にかかっていよう。先日、カタール政府の高官は、IS(ISIL)はサウジアラビアの生み出したものだ、と語っている。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:51 | この記事のURL
NO3967『追い込まれてきているIS(ISIL)』 [2015年11月21日(Sat)]
派手なパリでのテロを目の当たりにするとき、我々はIS(ISIL)がいまだに大きな力を、持っているように考えてしまう。確かにパリで129
人を殺害したのだから、そのIS(ISIL)の力は侮れない。

だが、無防備の市民を殺すことは容易であろう。テロリストがいて、武器や爆発物さえあれば、それは出来ることであり、通常の戦闘とはわけが違うのだ。ただ、テロを起こした後では、現地の軍や警察に包囲されるわけだから、テロリストたちは逮捕あるいは、死を覚悟して実行しなければなるまい。その覚悟があれば、案外簡単なのではないか。

パリでの派手なテロ攻撃とは異なり、シリアやイラクではIS(ISIL)
は相当追い込まれてきているようだ。ロシアの空爆は正確であり、猛爆撃を繰り返している。その成果が上がっているだけに、アメリカも放置できず、遂に
IS(ISIL)攻撃に、本腰を入れ始めている。

IS(ISIL)
の主要資金源といえる、石油密輸用のタンクローリーを、米露の空爆で数百台破壊したし、製油所施設も破壊することに成功している。加えて、ロシアは
IS(ISIL)の軍事訓練所や武器庫、それにIS(ISIL)の指揮所や、事務所を破壊してもいる。

あまりにも空爆が激しいので、IS(ISIL)の幹部や戦闘員が、何人も死亡している。そのため、IS(ISIL)
の幹部の家族が、彼らが首都と言っている、シリアのラッカ市から、イラクのモースルに逃げ出している。

しかし、そのイラクのモースル市も、イラク軍が攻撃を強化する方針であり、やがては、イラク軍によってIS(ISIL)
の手から、解放され奪還されることになろう。そうなれば、IS(ISIL)は今度は何処へ逃れるのであろうか。リビアではIS(ISIL
)は苦戦しているので、当分は家族を避難させる場所にはなるまい。

そうなると、アフガニスタンということが考えられるが、そこもそう安全な場所とはいえまい。アメリカ軍が撤退する予定だったが、ここに来て駐留が、延長されることが決まっている。もしアメリカが手を抜いてくれるのであれば、話は別だが、そうで無ければ相当の犠牲が、
IS(ISIL)側に生まれることになろう。

これまでIS(ISIL)
を支え、資金提供してくれていた、サウジアラビアやカタールも、次第に資金の提供を控えてきているし、クウエイトは民間の資金援助者を、取り締まることを決定している。

トルコもまた、これまでのように大量の武器を援助したり、戦闘員の自国領通過を、許すわけにはいかなくなってきている。資金の通過地点にも、なり難くなるだろう。
IS(ISIL)は追い込まれている、ということではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:27 | この記事のURL
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