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NO3762『トルコ・ストリーム遅延・エネルギー供給に不安』 [2015年07月31日(Fri)]
ロシアのエネルギー相であるアレクサンダー・ノヴァク氏は、黒海海底を通過する、ロシアからトルコ向けの、パイプ・ライン工事が遅延する、という見通しを明らかにした。


その理由は、ロシア・トルコ間の合意に、遅延が生じるようであれば、実質的に工事に、取り掛かれないからだ。問題はトルコ側がより多くのガスを、このパイプ・ラインを通じて、ロシアが送ることを望んでいるからだ。

当初は、パイプ・ライン工事が順調に進み、2017年には開通する見込みだった。そして、このパイプ・ラインを通じて、157・5億立方メートルのガスが、トルコに向けて送られる予定になっていた。

このパイプ・ラインはトルコ・ストリームと名づけられ、トルコからギリシャを経由し、2020
年には南部ヨーロッパにも、ロシアからのガスが送られる予定であり、その総量は、630億立方メートルとされていた。

トルコがこのガス・パイプ・ラインを・完成させることが出来れば、ロシアがウクライナ経由のヨーロッパ向けガス供給を、止めることになっており、将来的には、ロシアからのヨーロッパの、ガス供給の首根っこを、つかむことになるのだ。

そのことは、トルコをヨーロッパ諸国に対し、優位に立たせることになろう。今回の、ロシア側のパイプ・ライン着工が遅延する理由は、トルコ側がロシアの考えよりも、多くのガスの供給を望んでおり、そのために工事の着工が、遅延したということになっている。

それも事実であろうが、何らかの働きかけが、ヨーロッパ側なかでもドイツからロシアンに対して、行われているのかもしれない。トルコがヨーロッパ向けガス供給ラインを、抑えるということは、トルコとの関係で、ヨーロッパをして戦略的に、非常に不利な立場に、立たせることになるからだ。

なにやら優位に見える、トルコのエネルギー事情にも、不安が無いわけではない。トルコが現在エネルギーを輸入している中心は、イランでありイラクだが、最近テロリストによって、イランからのガス・パイプ・ラインが破壊された。もちろんすぐに復旧されてはいるが、今後もこの手のテロ行為は、起こる可能性があるだけに、大きな懸念となっていよう

加えて、イラクのクルド地区から送られる、石油のパイプ・ラインも、テロ攻撃があり破壊されている。問題はイランからのガス供給は別として、イラクからの石油輸送は、単にトルコだけではなく、トルコのジェイハン港を通じて、ヨーロッパにも供給されているということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:24 | この記事のURL
NO3761 『シリアのクルドが石油生産開始』 [2015年07月30日(Thu)]
シリア北部に居住するクルドが、最近石油の生産を本格的に再開した。これはシリアが内戦前に開発し、石油生産していた油田を、復旧したものだ。

サハカ地区のラミラーン油田がそれであり、生産された原油は、精製も行うようになっている。このラミラーン油田での生産は、1年ほど前から復旧が、始まっていたものだ。

ラミラーンには1300本の油井があったが、今回そのうちの150油井が、2014年後半から、再開したということのようだ。現在ではラミラーンの油田から、15000バーレルの石油が、生産されるに至っているが、かつては165000バーレルが、生産されていたということだ。

現在シリアでは3種類の石油が販売されており、そのひとつはシリア政府の販売する石油、クルドが生産する石油、そしてイランからの輸入のものだ。

シリア政府が現在販売している石油の価格よりも、クルドの生産する石油価格は1リットル50セントと安く、イランからの輸入物は1リットル1・3ドルしている。シリアはかつて38万バーレルの石油を生産していた。

興味深いのは、クルドが石油の生産をし、販売するようになると、かつてのISと同じような状態になり、独自の資金源を持つことになる。それはクルドの兵器装備が、今後改善されるということでもあろう。

それはシリア北部のクルドが、自治権を持つに至る重要な、ステップではないのか。そうなることをトルコ政府は予測しようから、クルドに対するトルコの軍事攻撃は、激化していくということでもあろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:17 | この記事のURL
NO3760  『サイフルイスラームカダフィに死刑判決が出たが』 [2015年07月29日(Wed)]
カダフィ大佐の次男で、理知的な人物として、カダフィ時代に内外で知られていた、サイフ・ル・イスラーム・カダフィに対して、トリポリ裁判所は死刑判決を、欠席裁判で下した。

彼は場合によっては、混沌を続けているリビアを、再度纏め上げる可能性を、持った人物ではないか、と私は思ってきた。彼はカダフィ大佐健在の頃に、カダフィ大佐の政治、経済政策の進め方に、問題があるとして、何度もカダフィ大佐に、意見をしてきた人物だった。

そのたびに、彼はカダフィ大佐に対して、もし政治方針を変更しなければ、全ての政府の仕事から手を引く、とまで言っていた人物だ。そのサイフ・ル・イスラームに対して、カダフィ大佐は何度となく、妥協したといわれていた。

しかし、それだけの理性派である、サイフ・ル・イスラームであっても、自分の父である、カダフィ大佐に対して起こった革命では、断固として父親を守る側に回った。その結果が、革命派の人々を多数死に追いやった、ということで死刑判決が、下ったということだ。

彼は逃亡先からリビアに送還され、リビア南西部のズインタンで軟禁状態に置かれているが、ズインタンの部族はサイフ・ル・イスラームを、トリポリ政府の裁判所には、再三の要求があったにも関わらず、引き渡さなかった。それはトリポリでの裁判が、公正に行われない懸念がある、という理由だった。

国際犯罪裁判所(ICC)も、サイフ・ル・イスラームの引渡を、ズインタンの部族側に要求したが、断られている。

何故ズインタンの部族は、サイフ・ル・イスラームをトリポリの裁判所にも、国際犯罪裁判所にも、引き渡さないのかというと、サイフ・ル・イスラームが持つ、政治的価値を考えてのことだろう、と推測されている。

トリポリ政府は『リビアの夜明け』組織の管轄下にあり、イスラム色が強い政府だが、トブルクに拠点を置く、もうひとつの国際的に認知された政府は、ズインタンの部族と関係が深い。

国際犯罪裁判所はサイフ・ル・イスラームの引渡と、その後の裁判を希望しているが、国際人権組織はサイフ・ル・イスラームの、擁護に回っている。ズインタンの部族は、彼の引渡をしないだろうし、トブルクの正統政府がそれを、歓迎している状態では、死刑判決は下されたものの、サイフ・ル・イスラームが死刑になることは、当分ありそうにない。
Posted by 佐々木 良昭 at 04:32 | この記事のURL
NO3759『どうも胡散臭いトルコの対IS戦争』 [2015年07月28日(Tue)]
トルコがやっと重い腰を持ち上げて、ISに対する戦争を開始したかのイメージで、世界は捉えているようだ。あるいは西側の各国にとっては、そう認識した方が、都合がいいのかもしれない。

トルコから7月27日に帰国したが、イスタンブールの街中で気になったのは、シリア難民の数が増えているという印象だった。6〜7歳位の女の子が、車の波を縫うようにして、小銭を貰おうとしていた。

母親や父親と思われる大人たちは、路肩に座り込んで、子供たちの稼ぎを待っている、という風だった。車の通りだけに危険であろうし、暑さもひとしきりだったので、子供たちが倒れたり、車にはねられないかが気になった。

先日も、レストランでシリア難民の子供が、ちり紙を売ろうとして、店の中を歩き回っていたところ、店員に殴られ店から放り出された、というニュースが伝えられた。

むごいように思えるだろうが、トルコ人側もシリア難民の対応には、苦慮している。汗とホコリで薄汚れた体臭のする子が、レストランの中を歩き回り、客にちり紙やガムなどを、売りつけようとされるのは、極めて迷惑であろう。

それはまだいいとして、執拗に金をせびり付きまとう子供や、盗みや引ったくりをする、子供もいるのだから、トルコ人にしてみれば、大迷惑ということになる。特に観光地では、シリア難民の対応に、困り果てているようだ。

そうしたシリア人に、うんざりするトルコ国民が多い中で、今回のトルコ軍によるシリアに対する、軍事攻撃が始まったわけだが、トルコ国民のなかには何処かこの戦争を、歓迎する雰囲気があるかもしれない。あるいは戦争という一大事を、軽視する傾向があるのかもしれない。

トルコで会った友人が語ったところによれば、いまのトルコ人にとっての、最大関心事は戦争ではなく、インフレ、トルコリラの下落、経済の悪化などだという話だ。従って、エルドアン大統領に対する非難の声も、あまり多く聞かれない、というのが庶民の実感だ、ということだった。

トルコ軍は今回の戦争で、ISとクルドのPKK(クルド労働党ゲリラ組織)を、攻撃すると語っているが、ほとんどの攻撃はPKKに対してのものであり、シリア北部のクルド人に対するものではないか。従って、ISに対する攻撃は、形式的なものであり、本格的なものではなさそうだ。

トルコが今回の作戦を始めた真の理由は、クルドがシリア国内で自治区を形成することを、阻止するためであり、将来的なクルド国家の樹立に繋がる、芽を潰すことにあるのだ。そのためには世界が敵視する『ISに対する戦争』は、格好の口実となろう
Posted by 佐々木 良昭 at 16:12 | この記事のURL
NO3758  『第二スエズ運河11日前に開通テスト航行』 [2015年07月22日(Wed)]
エジプトのシーシ大統領の肝いりで始まった、第二スエズ運河工事は、順調に進んでいるようだ。8月6日が開通式なのだが、その11日前にはテストの航行が、行われる見通しだ。このテスト航行には、各種サイズの船が参加するようだ。その72キロあるスエズ運河には、ガイド・ポストが10
か所に、設けられることになった。

工事の状況は現時点で97・2パーセント完成、残すところあとわずかだということだ。新運河の建設では2・5億平方メートルの広さで土地が削られ、バイパスの分には7000万平方メートルの深さが、掘られたということだ。

この8月6日の開通式は、盛大に行われる予定であり、外国からも多くの要人を、招待することになっている。その中にはエジプトと関係が悪い、トルコやカタールからの、招待客も含まれている。

この開通式の費用に関しては、一般や掘削作業に参加した企業などからの、寄付で賄われることになっている。政府の費用は極力使わない、という方針であろう。

このことに加え、いまエジプトで話題になっているのは、新カイロ首都建設構想だ。すでに都市の模型は出来上がっており、高層建築なども、その中には含まれている。エジプト政府はこの新カイロ建設についても、極力出費を抑える予定だ。

当初24パーセントの費用を負担としていたが、最近、それを20パーセントに減らしていることからわかろう。政府は土地の提供とその土地のインフラ整備で、負担分を賄うつもりのようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:26 | この記事のURL
NO3757 『エルドアン大統領の娘がIS(ISIL)にご執心』 [2015年07月22日(Wed)]
エルドアン大統領の娘スメイヤ・エルドアンが、IS(ISIL)の戦士を病院に見舞っている、ということが漏れてきた。彼女はこれまでも、複数回この病院に見舞い、IS(ISIL)の戦闘員を激励している、ということのようだ。

このIS(ISIL)の戦闘員が入院している病院は、特別に設立されたものであり、IS(ISIL)の戦闘員が負傷その他の理由で、入院しているということだ。この病院があるのは、サンヌルウルファ市で、シリアの国境に近い、トルコ南東部の街の、郊外のようだ。

この病院で働いているのは、トルコのマイノリテイである、アラウイ教徒が主なようで、エルドアン大統領はマイノリテイに対する配慮で、病院を設立したと語っているようだ。この病院のスタッフの給与は、すこぶるいいとも、伝えられてきている。

スメイヤ・エルドアンはこの病院に、IS(ISIL)の負傷者を見舞うだけではなく、イラクのモースルを訪問したい、と考えているということだ。述べるまでもなく、モースル市はIS(ISIL)が完全に支配しているところだ。

スメイヤ・エルドアンはモースル市を訪問し、IS(ISIL)の戦闘員を激励したい、ということなのだから、熱の入り方が尋常ではない。エルドアン大統領はシリアのアサド体制の打倒や、クルドの打倒に、IS(ISIL)を使っているわけであり、将来のことを考えれば、エルドアン・ファミリーとIS(ISIL)とは、一蓮托生なのかもしれない。

それにしても、このニュースが伝えられたタイミングは、絶妙といえるのではないか。スルジュでIS(ISIL)による、とみられる自爆攻撃があり、31人が死亡し100人以上が負傷した後なのだから、トルコ国民のエルドアン大統領に対する、憎しみは拡大していくのではないか。

この病院があるのは、サンヌルウルファ市だとお伝えしたが、ここでは市長が抗議デモを抑えきれなくなって、デモ禁止を解除している。そこまでトルコ国民は、激昂しているのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:49 | この記事のURL
NO3756  『サウジアラビアが核兵器保有を検討か』 [2015年07月22日(Wed)]
サウジアラビアの王族に近い人物の、明かしたところによれば、サウジアラビア政府は核兵器の入手を、検討する可能性がある、ということだ。そうなれば、中東各国は核兵器保有レースの時代に、入る危険性があろう。

サウジアラビア以外に予想される、核兵器保有候補国はエジプトであろうし、イラク、トルコなども、予想できるのではないか。核保有レースの様相を、中東地域が呈してくれば、それ以外にも幾つかの国が、検討を始めることになろう。

サウジアラビア政府内で、核兵器入手が取りざたされ、噂が出てきているのには、それなりの根拠がある。それはイランが今回合意した内容では、核兵器を作らないという前提になっているが、それが、何処まで信用できるか、分からないからだ。

イランは今回の合意で、正式に平和的な核開発が、認められたわけであり、それが何時かの段階で、核兵器に進展することは、否定できないというのだ。もちろん、現段階では、イランには核兵器を開発するつもりは無い、と全面的に核兵器の開発を、否定してはいるのだが、今後はどうなるかわからない。

その前例としては、パキスタンが挙げられる。パキスタンは当初、核兵器を開発するつもりは無い、と全面否定していたのだが、敵国であるインドが核兵器を開発製造すると、急きょ核兵器開発に乗り出し、製造に至っている。

イランは当分のあいだ、核兵器を製造することはない、と核兵器製造の意欲がないと言いながらも、そのことをちらつかせることにより、政治的なメリットは手にする、ということだ。サウジアラビアもパキスタン同様、当分の間は核兵器を持つ意志が無い、といった発言を繰り返すだろう。

サウジアラビアの場合は、イランが核兵器を開発しなくとも、噂が真実味を持ってきた段階で、どんなことをしても手に入れよう、と考えるのではないか。サウジアラビアはイランとの通常兵器を使用した戦争では、勝利することが出来ないからだ。サウジアラビアとイランとの間には、人口の差、技術力の差などがあるからだ。

サウジアラビアはだいぶ前から、パキスタンの核兵器開発に資金を提供しており、完成した後、サウジアラビアが要求すれば、パキスタンは核兵器を、サウジアラビアに手渡さなければならない契約内容に、なっていると噂されてきている。その悪魔のような、中東地域での核兵器拡散という未来が、そこまで近づいてきている、ということであろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:23 | この記事のURL
NO3755『トルコのスルジュ・テロ死傷者300人・真犯人はあいつだ』 [2015年07月21日(Tue)]
トルコの南東部の街スルジュで、7月20日大爆発が起こり、31人が死亡し、100人以上が、重軽傷を負っている。この出来事は即座に、IS(ISIL)による特攻テロと断定された。その判断は正解であろう。

このスルジュの街は、シリア北部のコバネに近い街で、住民の大半がクルド人と思われる。今回のテロは社会青年協会(SGDF)のメンバーが、スルジュの街のアマラ・センターで集会していたものを、狙った犯行と思われる。

約300人の18歳から25歳のメンバーが、ここで集会をしていたのは、シリアのコバネの街の再建を、手伝うためであった。会員はトルコのクルド人やトルコ人であり、クルドに対するシンパシーを、強く抱いている人たちだ。

今回のテロ事件については、世界中から非難の言葉と、トルコに対する哀悼のメッセージが、送られているが、この事件が起こった原因については、「トルコ国民を分裂させるためだ。」という判断が出ている。

当然のことながら、PKK(クルド労働党)はトルコ政府の、治安不備について抗議している。また、イスタンブールで起こったデモでは、与党AKPとエルドアン大統領に対する、IS(ISIL)は殺人集団だ!エルドアンは協力者だ!という非難が叫ばれている。警察は催涙弾や放水車で、デモを潰そうとしている。

実行犯がIS(ISIL)であることは間違いなかろうが、なぜこの時期に、IS(ISIL)がこのような大規模なテロを、トルコ国内で起こす必要が、あったのであろうか。IS(ISIL)はコバネへの攻撃でトルコ領土から作戦を展開していた、という噂も流れている。

IS(ISIL)に参加する外国人戦闘員のほとんどが、トルコ領土を通過して、シリアやイラクに入っている。しかも、武器弾薬や医療品までもが、トルコから秘密裏に送られているのだ。つまり、トルコ政府(エルドアン大統領)とIS(ISIL)との関係は、極めて緊密なのだ。そのことを、オバマ大統領は露骨に非難してさえいるのだ。

そうした事情を考え合わせると、今回のテロはトルコ国内のしかるべき勢力が、トルコのクルド人に対して、攻撃を仕掛けることを、IS(ISIL)に依頼したのではないのか。そして、そのことはトルコ国内と国民に対して、トルコが異常事態であることを、強く印象付けるためではなかったのか。

この先予測されることは、極めて厳しい治安対策という名の、国民対する締め付けが始まろうし、そうした中では連立内閣構想も、それが失敗した場合の選挙も、実施されないかもしれない。つまりトルコは戒厳令に近いような、状態に置かれる可能性が高いということだ。

そのことで、誰が一番喜ぶのかを考えてみれば、今回のテロが起こった、真の理由がわかろう。またそのツケは、やがて大きな報復をその人物に対して、確実にもたらすことになろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:58 | この記事のURL
NO3754『リビアはIS(ISIL)と死闘か』 [2015年07月20日(Mon)]
リビアから二つのニュースが、伝えられてきている。ひとつはシルテで2人のファジュル・リビア側のスパイが、IS(ISIL)によって、十字架のようなものに縛り付けられて、銃殺されたというニュースだ。

これは処刑された二人が、ツイッターを通じて、シルテなどからベンガジに向かう、戦闘員の名前などを伝えたことが、処刑の理由だということだ。IS(ISIL)側にしてみれば、これは処刑に値する重罪であろう。

例によって公開処刑であり、遺体は長時間に渡って、さらししものにされたようだ。シルテの住民などは恐怖と共に、IS(ISIL)に対する強い敵対感情を、抱いていることであろう。

もうひとつのニュースは、リビア政府軍側がベンガジ港近くに停泊する、外国船に対して空爆し、撃沈させたという内容だ。船が撃沈したかどうかは定かでは無いが、相当なダメージが発生したことは事実であろう。

この外国船は、リビア政府軍のスポークスマンの語るところによれば、戦闘員と武器弾薬を、リビア東部に運んでいた、ということのようだ。しかし、トルポリ政府は、この船はタンカーであり、石油を積載するものだった、とリビア政府を非難した。

実際がどうであったのかは、確認のしようがないが、積載物が石油であれ武器弾薬であれ、空爆により引火すれば、相当の爆発が起こったろうから、船は沈没しなかったとしても、相当破壊されたことであろう。

トリポリ政府はIS(ISIL)の側に立った、声明を出したわけだが、関係はどうなっているのであろうか。あるいは、トリポリ政府側が戦闘員と武器弾薬を、リビア東部に運んでいたのであろうか。その実態は不明だ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:04 | この記事のURL
NO3753『連立内閣の交渉が進む他方で与野党が汚職追求合戦』 [2015年07月20日(Mon)]
愛国党のMHPは早い段階で、連立に加わることはない、と連立参加を明確に断った。HDPについては、クルドの党であることから、与党AKP側が連立を、実質的に避けてきている。そうなると、残りはCHPとの連立、ということになる。

そのCHPとAKPとの間で、この段階にきてスキャンダル暴露合戦が、始まっている。双方がお互いに市長などについて悪い噂を流し、汚職のスキャンダルを、でっち上げて(?)いるのだ。例えば、イスタンブールの市長の一人は、CHPの出身者だが、AKP側は彼が豪華なマンションを、幾つも所有している、これの裏には汚職が行われた、可能性があるのだろう、と言い出した。

CHP側も同様に、AKPメンバーの市長などについて、同じように汚職の噂を広げている。もちろんCHPもAKPも、彼らは市長になる前から、十分に金を稼いでいたとし、現在金持ちであることは、市長の職権を乱用した、汚職の結果ではない、と言い張っている。そこでこの汚職問題が、CHP側によって国会の場に、持ち込まれることになった。

これだけ読んだのでは、何処にでもある政治家の、汚職疑惑ということになるのだが、それが検察や警察で捜査が進められるのではなく、国会の場に持ち込まれるというのが、最近のトルコらしい。

トルコの検察や警察は未だに、与党AKPの支配下にあり、AKPについては手抜きだが、野党に対しては厳しい捜査をしている。そこでCHPは国会の場で、この問題を討議しよう、と考えたわけだ。6月7日の選挙以前であれば、簡単に与党AKP側によって、拒否されたのだが、いまはそうは行かない。野党の合計議員数が、与党よりも多いからだ。したがって、野党のどこかが、問題を議会に持ち出せば、それを国会は討議することになるのだ。

それ以外の場面での現象でも、野党側が多くなったことが、少なからず影響を及ぼしていることが分かる。野党側は裁判所や警察検察に、正面切って文句を言い始めているのだ。裁判所も警察も検察も、明日は与党になる、あるいは連立与党になる、可能性が出てきている野党に対して、これまでとは違って、丁重な対応をせざるを得、なくなったということだ。

しかし、いまダウトール首相が必死の努力をしている、CHPとの連立工作の時期に、何故与野党の汚職スキャンダル合戦が、起こり始めたのだろうか。その裏には、何とか連立を潰して、選挙に持ち込もうと考える、エルドアン大統領の影が、ちらつくのだが。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:12 | この記事のURL
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