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NO3614『アメリカのイスラム圏対応に疑問』 [2015年01月31日(Sat)]
一説によれば、オバマ大統領は二期半ばにして、既にレイムダック状態に陥っているということだ。それが真実かどうかは知る由も無いが、最近アメリカの中東がらみのニュースには『何故?』という疑問が沸くものが多い。


例えば長期にわたって、莫大な軍資金と兵員を投入して続けた、アフガニスタンのタリバンとの戦いは、勝利することなく突然終戦宣言をした。悪い表現をすれば、アメリカはアフガニスタン問題を、途中で投げ出したのだ。


そればかりか、オバマ大統領は最近になって『タリバンはテロ組織ではない。』と言い出したようだ。この発言に対しては共和党側から、激しい非難が出たようだ。ホワイトハウス筋の意見では、タリバンはアルカーイダとは違う性質の組織だ、ということであろう。


そのような発言が、オバマ大統領の口をついて出たのは、アフガニスタンからのアメリカ軍の、完全撤退に伴う安全の確保に、原因があるのではないのか。タリバンを完全に敵に回せば、タリバンは撤退していくアメリカ軍に、容赦なく攻撃を加えてくる可能性が、高くなると思われるからだ。


加えて、アメリカ軍が持ち込んだ、大量の武器弾薬の処理についても、タリバンがその大半を、捕獲するであろうから、アメリカ軍が大量の武器弾薬を、テロの手に渡す結果となった、というのは不味いだろう。そのあたりが、オバマ大統領をして、『タリバンはテロにあらず』という言葉を、吐かせたのではないのか。


オバマ政権から出てきた意外な言葉は、イランの核についての、妥協的な発言だ。イスラエルはこのことでオバマ大統領に、クレームをつけているが、オバマ大統領はイラン側の核に関する要求を、
80パーセント受け入れたというのだ。もちろん、アメリカ側はこのイスラエル側のクレームを、事実とは異なると否定している。


エジプトが不満を述べているのは、アメリカ政府がエジプトのムスリム同胞団関係者を招待し、彼らがいま進めているシーシ大統領に対する、反対活動について話し合ったということだ。


このムスリム同胞団関係者とは、ムスリム同胞団寄りの裁判官であり、もう一人はムスリム同胞団が、反シーシ・デモで掲げた、四本指のシンボルを考案した人物だ。また、代表団のメンバーにはエジプト革命議会の代表も、含まれているということだ。


彼らのほかには、ムスリム同胞団の正式なメンバーも含まれており、その一人はルクソール県出身の元国会議員、もう一人は著名なムスリム同胞団のメンバーだということだ。オバマ大統領は一体いま、何を考えているのであろうか??
Posted by 佐々木 良昭 at 22:51 | この記事のURL
NO3613『そろそろ人質事件について書こう』 [2015年01月30日(Fri)]
中東TODAY
をご愛読くださっている方々は、私がいつ人質事件のことを書くのか、実態はどうなのか、と待ちくたびれていたことかと思います。しかし、人質事件のような問題が起こった場合は、情報の出入り口を限定して、敵にこちら側のカードを見せないのが常道です。

したがって、私のような民間人は、出来るだけ邪魔なコメントを、出さないことが得策なのです。実際にテレビを見てみると、00
専門家といわれる人たちが、新聞とテレビの情報をもとにして、連日登場しそれを繰り返しています。それは問題解決の上で邪魔にこそなれ、何の役にも立ちません。

人質事件はどうやら、最終局面に入ったと思われますので、自分の考えを許される範囲で、書いてみることにしました。

まず安倍総理の不穏当な発言が、今回の人質事件を起こしたという非難がありますが、これはばかげています。なぜならば安倍総理が発言するずうっと以前から、人質はとられていたのであり、
IS(ISIL)はそれを何時か利用しようとして、人質を今日まで殺さずにいたものと思われます。

安倍総理の発言があったから起こったのではなく、IS(ISIL)
側はチャンスを待っていただけでしょう。つまり、チャンスさえあれば他のタイミングでも、同じような展開があったということです。

何故IS(ISIL)はこの時期に、後藤氏の人質交換に出てきたのか、ということについては『金』が第一の目的であり、第二の目的は{
サジダ死刑囚の奪還』ではないか思われます。特攻に失敗したサジダに、なぜIS(ISIL)
がこだわるかといえば、彼女を釈放することによって、仲間を守ることをアピール出来るからかもしれません。

実はIS(ISIL)はいま、資金難から戦闘員の離脱が目立ってきています。彼らは捕まるとIS(ISIL)
の刑務所に入れられるか、処刑されています。そうした中では、『裏切らなければ敵につかまっても、奪還してもらえる。』ということが、大きなメリットになるでしょう。

最近IS(ISIL)
は、負傷者はその場で殺害するように、命令しているとのことですが、それは戦局が不利になったことに加え、協力国であろうかと思われるイスラエルやトルコが、だんだん協力を渋るようになってきており、両国で治療を受けることが、難しくなってきているからではないでしょうか。もちろん、負傷者を国外の病院まで搬送することも、不利な戦局のなかでは、大変な仕事になると思います。

ヤズデイの女性を奴隷として取引することも困難になってきており、最近では二束三文で売り飛ばしたり、無条件に多数を釈放するという現象も起こっています。そのことは、
IS(ISIL)がいま、いかに苦しい台所事情になってきているかを、あらわしているということでしょう。

今回身代金を要求した後に、それはいらないと言い出したのは、アラブ人のプライドがなせる業ではないでしょうか。アラブ人はおおむね『貧乏人』『無能』と言われることを、非常に嫌います。身代金問題が立ち消えになったのは、彼らのプライドが邪魔したからでしょう。

さて、現段階ではIS(ISIL)
側は、サジダの釈放を要求しており、明言は避けているようですが、後藤氏の釈放を交換とするようです。しかし、ヨルダン人パイロットの釈放については、殺すか生かすかだけを語るだけで、釈放を口にしていません。

その点が問題であり、ヨルダン政府は国民の前で、パイロットを犠牲にはできないのです。そんなことをすれば、そうでなくとも不安定なヨルダンの王政は、打倒されることもありうるからです。

それでもヨルダン政府は、サジダの釈放を明言しました。もちろん、パイロットの釈放と引き換えです。これは日本に対する日ごろの支援に対する、お礼の気持ちがあったからでしょう。この双方の動きは問題の半分を解決したということでしょう。
IS(ISIL)側は後藤氏の釈放は、サジダと交換だと言い、ヨルダン側はパイロットの釈放と交換に、サジダを釈放すると言ったからです。


これで一応乱暴な言い方をすれば、交渉の半分がまとまったということです。あとは最終的な詰めがありますが、双方が信頼できる仲介者が表れて、仲介の労をとってくれれば、いいということです。今回の釈放はトルコでということのようですが、これまでのトルコと
IS(ISIL)との関係から、IS(ISIL)側はトルコを信頼できる仲介者、とみなしたということです。


日本政府もヨルダン政府も、トルコなら信頼できるでしょう。あとはパイロットの釈放を取り付けるだけです。多分裏ではほぼ話がついているのでは、ないかと思えます。なぜならば、何の話もついていないのに、トルコが名乗り出れば失敗した場合に、トルコが恥をかくことになるからです。


そして最後に残る問題は、仲介者であるトルコが、いかにして日本とヨルダン、そして世界に対して、トルコには知恵と力と温情があるか、ということを示すことです。トルコは人質交換という、世界的なイベントを成功裏に、しかも派手にやりたい、と考えているはずです。

1月28日の夜に私がフジテレビのBS
で、引き渡しはシャンウルファではなく、ガジアンテペだろうと言ったのは、トルコの派手好みを考慮してのことでした。しかし、今ではそれも飽き足らず、派手好みのエルドアン大統領は、人質交換のセレモニーを、彼が最近建て終えた、アンカラにある
AKサライ(大統領公邸)で行うかもしれません。


処刑と拷問の恐怖に取り囲まれていた人質問題は、アラビアンナイトのお話のように、派手な結末を迎えるかもしれません。そうあってほしいものです。その時には安倍総理は深々と頭を下げて、エルドアン大統領に感謝の言葉を贈るべきだと思います。

たとえば『日いずる国日本の総理大臣から、現代の世界で最も優れた、賢明なスルタンである、エルドアン大統領に感謝の言葉を贈る、、、。』といった具合に。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:34 | この記事のURL
NO3612 『トルコとIS(ISIL)の間にも問題はある』 [2015年01月29日(Thu)]
トルコとIS(ISIL)
との関係は、表面には出ていないが、お互いに邪魔しない無言の良好な関係にある、と言ってもいいのではないかと思われる。それはこれ迄の間、IS(ISIL)
が必要とする戦闘員や武器や資金が、どうもトルコを経由して、IS(ISIL)の手に渡っていたようだからだ。

したがって、これまでトルコは大きな被害を、IS(ISIL)
から受けることは無かったし、たとえあっても、意外にスムーズに解決することが出来てきている。たとえば、イラクのモースルのトルコ領事館がIS(ISIL)
によって支配されたとき、48人の外交官や警備員が人質となったが、長期にわたる人質期間にもかかわらず、彼らは極めて健康な状態で、釈放されている。

その後、比較的最近に起こったのは、トルコの軍人が密輸取り締まりや、麻薬取り締まりなどを目的として、シリア領内に入りISI(ISIL)
によって、取り押さえられたことがあった。しかしこの場合も、トルコの軍人は難なく釈放されている。

だが、トルコとIS(ISIL)との間では、いまだに解決されないままに、11
か月が経過した、重要な問題がある。それはシリア領土内にある、トルコ領土のスレイマン大帝廟に関するものだ。


このスレイマン大帝廟はシリア領土内にあるのだが、トルコが自国の領土として、現在なお領有し、軍人を派遣しガードさせているのだ。このスレイマン大帝廟は現在、
IS(ISIL)によって包囲されている。

このため通常は2〜3
か月で、ガードの兵士が交代になるのだが、それが出来ないでいるし、トルコから食料や水の補給もできないでいる。もちろん、トルコ政府に代わり、IS(ISIL)
が食料と水を、トルコのガード兵士に供給してはいるが。

このスレイマン大帝廟の問題が放置されている、と報じたのはデミル氏という、トルコ人のジャーナリストだ。

デミル氏はこれ以外にも、実はトルコでは、大型のテロ計画が3件あったが、それを政府が未然に阻止したことを伝えている。1件はIS(ISIL)
によるものであり、他の2件はアルカーイダによるものだったということだ。

デミル氏はこのことに加え、トルコのなかには2万人のIS(ISIL)支持者が、シリアとの国境から侵入していると指摘している。また1
万人の外人戦闘員がトルコの領土を通過して、シリアやイラクに向かっていることも指摘している。その戦闘員たちが、ドイツ、フランス、イギリスなどのパスポートを所持していたということだ。

エルドアン大統領の特別顧問である、イブラヒム・カルン氏は今までの段階では、トルコ兵が危害を受けるような状態は、生まれていないと楽観的だ。しかし、トルコもシリアやイラクほどではないが、レベルではないにしても、今後危険の度合いが上がっていくのではないかと思われる。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:55 | この記事のURL
NO3611『トルコのEUに対する強気発言』 [2015年01月28日(Wed)]
トルコのエルドアン大統領とダウトール首相が、EUに対して強気の発言をしている。それが興味深いので紹介しておこう。

まずダウトール首相だが、彼は『10年前はトルコが貧しいからEUの仲間入りはできないと言われた。しかし、今ではトルコが豊かになり、強くなり過ぎたからEU
に入れないということだ。』と語っている。

そして、EUはトルコが加盟することで、経済的に大きな動揺を生み出すことを、恐れているからだとも語っている。

これに呼応するように、エルドアン大統領は『トルコがEUに対して、いまでも玄関で物乞いをすると思っているようだが、そんなことはない。EU
はトルコを受け入れるべきであり、そうでなければ、キリスト教徒のクラブと揶揄されよう。』と語っている。

こうした強気の発言が、エルドアン大統領とダウトール首相の口をついて出るということは、トルコの経済が10
年前に比べ、相当実力をつけたからであろう、それなしにはできない発言だからだ。


そしてトルコの経済の拡大に加え、ロシアのトルコ寄りの政策が、トルコをして元気づけているのであろう。それはロシアのガスが、ウクライナ経由ではなく、トルコ経由でヨーロッパに運ばれるようになる計画が、そこまで近づいているからだ。

ロシアのガスプロムの幹部アレクセイ・ミラー氏は、630
億立方メートルのガスがウクライナ経由で、ヨーロッパに送られているが、このサウスストリームのパイプラインは無くなり、トルコ経由になると語っている。

ヨーロッパがいま受け取っているロシアのガスは、ヨーロッパの消費量全体の3分の1だが、そのうちの半分の量が現在、ウクライナを経由しているのだ。

ロシアのガスがトルコ経由になれば、EU
諸国は常にトルコの圧力を感じなければならなくなるだろう。そのことを考慮してか、ガスプロムのアレクセイ・ミラー氏は『ヨーロッパはトルコに依頼して、ガスパイプラインを繋げさせてもらわなければならない。』と語ってもいる。


トルコの強気の姿勢に対して、気位の高いヨーロッパ諸国が、妥協するとは思えないが、実際の対応策を真剣に考えなければ、ならない時期が、近付いていることは確かだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:29 | この記事のURL
NO3610『二つの気になる情報トルコから』 [2015年01月27日(Tue)]
トルコから二つの気になる情報が、伝わってきている。一つは、与党AKP
の支持が大分下がってきている、という内容だ。そして、もう一つの情報はカラ検察官が、エルドアン大統領を真正面から攻撃する形で、汚職事件について語っていることだ。

与党AKP
が汚職発覚以来、そしてエルドアン大統領の公邸建設などに絡む大散財、インフレの高進、失業率の上昇などで、国民の支持を落としてきているようだ。それでもエルドアン大統領は、全く気にすることなく、最近では『私こそが国家であり、スルタンだ。』と公言してはばからない。

こうしたエルドアン大統領の言動は、トルコを民主国家から独裁国家(権威主義国家)にしていくものだとして、欧米から非難の声が上がり始めている。EU
の議員などは、トルコの最近の政治は、EU加盟に近づくものではなく、逆に遠ざかるものだということを、あからさまに語っている。

そうしたEU
からの非難について、エルドアン大統領は『ロシアや中国と組めばいい。:』とでも考えているのであろうか。全く動じる気配はないようだ。そのあたりのことはロシアもわかっていて、事あるごとにトルコとの関係緊密化を口にしている。ガス・パイプ・ラインのトルコ通過計画などは、まさにその典型であろう。


もう一つのトルコに関する情報は、カラ検事が汚職事件について、トルコのジュムフリッイェト新聞と、ブギュン紙とのインタビューで、相当突っ込んだ発言をしたことだ。その発言内容はショッキングとも言えるものであり、『汚職事件で最も悪いのはエルドアン大統領だ。』と語ったことだ。


カラ検事の語るところによれば、エルドアン大統領は初めのうちは汚職に絡んでいなかったが、次第にはまっていったということのようだ。これはイラン人ビジネスマンの、ザアレブ氏の工作によるものだ。

それはザアレブ氏の家族が、トルコ国籍をとることに絡んで、はめられたようだ。100
万ドルの賄賂がエルドアン大統領に贈られたのだ。そして、エルドアン大統領の子息ビラール氏が理事を務める、TURGEV (青年教育財団)
に対する寄付もそれだ。

その他にも、エルドアン大統領名義で贈られたラマダン月の貧者への贈り物は、ザアレブ氏の金で行われたものだったということだ。


これらの秘密情報をカラ検事が暴露できたのは、それなりの準備がなされたからであろう。汚職にかかわる検事調書や資料は、すでに何組もコピーがとられ、しかるべき人たちの手に、渡っていることであろう。


いまトルコではマスコミはすべて、エルドアン大統領のコントロール下にあるといわれているが、そうしたなかで2紙がカラ検事のインタビューを掲載したということは、エルドアン大統領の締め付けに、ゆるみが生じてきていることを意味しているのではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:29 | この記事のURL
NO3609『サウジアラビアとアメリカの信頼関係に亀裂』 [2015年01月26日(Mon)]
中東諸国のなかにあって、サウジアラビアはイスラエルに次ぐ、アメリカと信頼関係の強い国だ、と信じられてきたし、事実、サウジアラビアはアメリカが直面する、種々の問題で協力してきてもいる。

例えば、サウジアラビアは世界の石油価格が大幅に動くたびに、減産したり増産したりして、安定的な価格を維持するよう、努力してきた。それはアメリカにとっては、何にも勝る援助だった。このことにより、アメリカは世界の主導国としての地位と、基軸通貨としてのドルを守ってこられたのだ。

しかし、最近になってこの、強いサウジアラビアとアメリカとの協力的な関係に、ひびが入り始めているように、見受けられる。その第一は、サダム体制を崩壊に追いやったことだ、とアメリカのシンクタンクの研究員は、指摘している。

サウジアラビアとしては、サダムに対する、一定の制裁は必要でも、サダムを生き残らせた方が、サウジアラビアとイラクとの関係の上で、得策と考えたからであろう。しかし、現実はアメリカが軍事攻撃をかけ、サダム体制は打倒され、以来、サウジアラビアの隣国イラクでは、カオス状態が続いている。

イランに対しては逆で、サウジアラビアが望む軍事攻撃を、アメリカは未だにかけないでおり、イランはサウジアラビアが恐れている、核兵器保有国になるのではないか、ということになる。

シリアについても、ある意味ではイラン同様で、結局、アメリカはアサド体制を打倒しようとしていない。最近ではアサド体制の打倒を、アメリカ政府高官は全く口にしないようになったのだ。

他方、サウジアラビアはアメリカが呼びかけた、IS(ISIL)
打倒のために、いち早く戦闘機を飛ばして、協力しているのだ。こうしたアメリカのサウジアラビアに対する、非協力的な対応が、結果的に中東のバランスを崩している。不安定な状態が、中東全体に広まっているのだ。

そして最後には、アメリカのオバマ大統領の言動が、世界のムスリムの信頼を、失ってきているということだ。古くは、2001年に起こった、9・11
事件へのサウジアラビア人の関与だが、サウジアラビア国民のほとんどは、自国民が関与していたとは信じていない。同時に世界の多くのムスリムが、サウジアラビア人と意見を共有しているのだ。

最近ではアメリカとイスラエルとの、信頼関係にもサウジアラビアは、大きな不満を抱くようになってきている。例えば、ガザに対するイスラエルの、非人道的な攻撃を、アメリカが黙認したことだ。

また、イエメンでのホウシ派の勝利は、イランを元気付けることになり、サウジアラビアを始めとした湾岸諸国は、アラビア半島の南北から挟撃される形になり、大きな不安を抱くようになってきている。アメリカはサウジアラビアの信頼を、どう挽回するのだろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 21:37 | この記事のURL
NO3608『勇敢な検察官1・17は終わっていない』 [2015年01月25日(Sun)]
トルコの与党AKPの閣僚を始めとする政治家や、ビジネスマンを震撼させた汚職事件は、2013年12月17
日に法的追及を、政府によって阻止された。以来、トルコ社会ではこの汚職問題がくすぶり続けている。

この汚職問題は4人の閣僚と彼らの子息たち、加えてエルドアン首相(当時は首相、現在大統領)と彼の子息が、容疑者として挙げられていた。容疑者は当時53
人にも及んでいた。

その後、このうちの30
人が逮捕され、留置された。通常であればこの後は裁判が始まるのだが、エルドアン首相の強引な介入があり、逮捕者は全員が裁判を受けえることも無く、釈放になっている。

政府側はこの容疑者が挙げられたことで、電話の盗聴があったとして非難し1
たことに加え、トルコには同国を動かし、牛耳っている影の政府が存在すると非難した。政府はエルドアン首相を始めとして、パラレル・ガバメント(二つの政府)が存在すると言い出し、それは宗教慈善団体ヒズメトであり、その組織のリーダーは、ギュレン氏であるとしたのだった。

この政府の要人を含む汚職事件の捜査に当たった、警察官と検察官は不十分な説明も無く、数万人が担当地域から他の地域に、任地を変られたり、職場から追放されている。

今年に入りその状況に、少しばかり変化が見え始めている。汚職に絡んで辞任した閣僚4
人について、最高裁が査問にかけようとしたことを、与党は阻止しに動いたのだ。与党議員が議会の相当数を占めていることから、この査問案は取りやめられ、実施されなかった。

このことをめぐり、議会では賛否を問う投票が行われたが、与党議員の48
人が実施すべきだという方に投票したのだ。それは汚職問題が横たわっているままでは、つぎの選挙に勝利できない、という焦燥感を抱く、議員たちによるものだった。

エルドアン大統領は48人もの票が、裁判実施に投じられたことに激怒したろう。議会で投票が行われた後、犯人探しが始まっている。

こうした政治的変化のなかで、勇敢な検察官が12.17の調書は閉じることが出来ない、と主張したのだ。つまり真正面から政府に対抗する、意思を表明したのだ。

彼の名はジェラ―ル・カラだ。彼は以前に実施された法律最高会議の、議員に立候補しようとしたが、政府によって阻止されている。彼の動きの裏には、しかるべき組織が存在するのではないか。それが動き出したということか。
Posted by 佐々木 良昭 at 18:35 | この記事のURL
NO3607『トルコ政府寄りの新聞ソマリア・テロは英国』 [2015年01月25日(Sun)]
トルコの政府寄りの新聞エニ・シャファク紙が、奇異な報道をした。それは、ソマリアの首都モガデシュで起こったテロの裏には、イギリスの情報部が絡んでいる、と報じたのだ。

通常では考えられないことであろう。なぜならば、今回特攻テロが起こったのは、トルコのエルドアン大統領が、近く訪問を予定している、ソマリアのモガデシュであり、エルドアン大統領訪問の、訪問を受け入れるために、トルコから出向いていたトルコ政府の、スタッフが使っているホテルで、起こったからだ。

つまりエニ・シャファク紙が主張したいのは、狙われたのはトルコの代表団だったということだ。もっと突っ込んで言えば、エルドアン大統領の訪問を狙ったものか、訪問阻止のための警告だった、ということであろう。

この特攻テロは、特攻を行った者が車に爆弾を積み、トルコ代表団が宿泊しているホテルのゲートに突っ込んで、爆発したというものだ。このテロで2
人の警察官が死亡している。

この特攻で、ソマリアの警察官2
人が犠牲になっているが、犯行はアッシャバーブ組織が行ったものであり、既に同組織から犯行声明が出ている。アッシャバーブ組織はアルカーイダとつながっているテロ組織だ。

エニ・シャファク紙は犯行の背後にイギリスがいる、と書いたわけだが、その根拠については、言及していないようだ。

エニ・シャファク紙はこれ以外にも、奇妙なニュースを報じている。それはアメリカの警官が襲撃されて殺されたことと、フランスで起こったシャルリー・エブド社襲撃事件は関連しているというものだ。

この場合は、フランス人ジャーナリストがシリアで、人質になったことに対する復讐として、フランスはアメリカのファーガソン問題で、デモをあおり暴動にまで発展させ、警官が犠牲になったというものだ。

つまり、エニ・シャファク紙が主張したいところは、ファーガソンに関するデモと、その犠牲となった警官の事件も、シャルリー・エブド社の襲撃事件も関連しており、いま、フランスとアメリカは激しい対立関係にある、ということであろう。

真偽のほどは分からないが、トルコのエニ・シャファク紙はこうしたニュースを、しかるべき根拠と意図があって、流したのであろう。それはフランスを狙ってのものなのか、アメリカを狙ってのものなのか分からない。
Posted by 佐々木 良昭 at 01:26 | この記事のURL
NO3606 『ヨルダンの不安と苦悩』 [2015年01月23日(Fri)]
ヨルダン政府はいま、大きな問題を抱え込んでいる。それは隣国シリアの状況が、影響しているのだ。加えて、ヨルダン川西岸地区のパレスチナの問題も、今後ヨルダンが直面する、大きな課題となるであろう。


まずシリア問題だが、ヨルダンは大量の避難民を受け入れており、彼らに対する人道的支援の費用は、膨大な額になっているものと思われる。住居用テントに始まり、食料から水、電気や石油、そして医療支援もしなければならないからだ。


加えて、この難民に仕事とを与えることも、考慮しなければならない。一家の大黒柱が仕事のない状態になることは、家族のなかの若い女性が、非合法な仕事をせざるを得なくなるということだ。幼い年齢で湾岸の老人たちに、臨時婚をさせられるという形で、実質的には売春させられている、少女たちもいるのだ。


そうしたことに加え、最近ではシリアから武器が、密輸されるようになってきているのだ。しかも、その量は相当なようで、国境でうまくヨルダン側の治安部が、捕まえたケースも幾つかある。もちろん、ヨルダン側の治安部に捕まらずに、うまく持ち込んだ武器も、相当量あるということであろう。


加えて、シリア側から犯罪集団やテロリストが、侵入してくることに対しても、ヨルダンは対応しなければならない。彼らが侵入してきて、しかるべき状態が整えば、当然のこととして、ヨルダン国内の治安は、不安定なものとなろう。

ヨルダンとシリアとの国境は370
キロメートルあり、この国境を完全に防御することは、ヨルダン政府には不可能であろう。サウジアラビアやイスラエル、エジプトなどは国境に長大なフェンスを構築しているが、その費用は大変な額となろう。地下資源に恵まれないヨルダンには、到底できないことだ。


パレスチナについても、ヨルダンは頭を痛めている。ヨルダン川西岸では、ハマースの影響もあってか、あるいはフラストレーションがたまってきている関係か次第に、パレスチナ人によるイスラエル側に対する、過激な行動が目立ってきている。


そのことは、ヨルダン川西岸地区から追放される、あるいはイスラエルの逮捕から逃れるために、ヨルダンに逃れてくる、パレスチナ人の数が増加するということだ。この場合はパレスチナ人のなかに、ヨルダン国籍を有しているものが多数いることから、入国を拒否することは難しい。


しかも、現在では完全にヨルダン国内のパレスチナ人の数の方が、ネイテイブなヨルダン人よりも、多くなっていることから、安易な厳しい対応を取ることは、国内が混乱することに繋がる危険性が、あるということだ。シリアから持ち込まれる武器、シリアから侵入してくるテロリストや犯罪人、そしてヨルダン川西岸地区から入ってくる、パレスチナ人が連結すると、ヨルダンは極めて危険な状況に、なるということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:49 | この記事のURL
NO3605『イエメン首都がホウシ派によって支配される』 [2015年01月22日(Thu)]
イエメンという国名を聞いても、すぐにっ地球上のどこに位置しているのかを、イメージできる人はそう多くはないだろう。イエメンはアラビア半島の南東端に位置する、クの字型の国だ。


以前にイエメンは南イエメンと北イエメンという、二つの国に分かれていたのだが、その後統一されて一つのイエメンの時代が続いていた。しかし、南北の対立はぬぐい難く、再開することとなった。それは南北イエメンの住民が、異なる部族であることや、イスラム教のシーア派とスンニー派に分れているからであろう。


北イエメンの住民はスンニー派がほとんどであり、南イエメンの住民はシーア派のなかのザイデイ派だ。アリー・サーレハ大統領の時代にも対立はあったが、アリー・サーレハ大統領は裏で南イエメンの側とも、連絡を取っていたようだ。南イエメンはホウシ組織が牛耳っているが、このホウシという名前は、アブドルマリク・ホウシ氏が代表であることからきている。

つい2,3
日前に、ホウシ派がついにイエメンの首都サナアを支配し、マンスール・ハーデイ大統領は自由だと語っているが、実質的には軟禁状態になっている。何故ならば彼の大統領警備隊は、胡散霧消してしまったからだ。


イエメンで今回起こったことは、日本にはどのような影響があるというのだろうか。イエメンが南側のホウシ派の手に落ちたということは、このホウシ派を支援するイランが、ペルシャ湾の出口のホルムズ海峡と、紅海の出口のバーブルマンデブ海峡を、支配することになったということだ。


これでイランはその気になれば、ペルシャ湾から積み出されるガス石油が紅海を通過しスエズ運河を通って、欧米に運ばれることを、阻止できるようになったという事だ。もちろん、日本製品が紅海を通過して、欧州市場人入っているわけだから、日本にはペルシャ湾から来る石油ガスが止まり、紅海の封鎖によって日本製品の欧州市場への道は
、断たれるということだ。


アメリカ政府はこの緊急事態を前に、すでに軍艦をイエメン沖に送り、大使館員の救出の準備を始めたようだ。以前にイエメンのアメリカ大使館が攻撃を受けて、大使館員が戦い脱出する、という内容の映画があったが、事態は今まさにその映画の状況に、向かっているということだ。

この事態を前に、日本政府や企業は、何か行動を起こしているのだろうか。どうもそうは思えないのだが。あの近辺で日本人の犠牲者が出れば、アルジェリアの場合と同じように官民ともに『まったく残念なことであります、哀悼の意を表します』で終わらせるのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:06 | この記事のURL
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