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NO3580A『いろいろあった20154年来年は何が起こるか』 [2014年12月31日(Wed)]
2014年12月31日の中東の記事を、インターネットで見た。相変わらず血なまぐさい記事が多い。

ヨルダン人パイロットにIS(ISIL
)がインタビューし、それを公表したリビアのトブルクにある議会が、特攻攻撃を受けた。バハレーン反体制側は闘争継続。イラクでのイラク軍とIS(ISIL
)の戦いが続いている。パレスチナは国連での国家承認敗北を認める。

トルコからは反エルドアン側の攻勢が目立っており、一部エルドアン大統領の妥協らしいものが、ちらついてもいるが、相変わらず強気の姿勢を崩していない。そればかりか、トルコの経団連ともいえる
TUSIDが、エルドアン大統領ではなく、ダウトール首相と近いということで、エルドアン大統領が腹を立て、TUSIAD
の大会に欠席するという記事も流れている。

そのエルドアン大統領の政治姿勢に対し、欧米諸国はこぞって権威主義と判断し、批判的なスタンスを取っている。もちろん、トルコでは裁判所、検察、ジャーナリストが、それぞれの立場から、エルドアン大統領に対する、賛否両方の意見を発出してもいる。

リビアでは相変わらず内戦が続いており、シルテの石油施設が攻撃され、炎上したことで、リビア政府はアメリカの企業に依頼し、600
万ドル支払って消化した、という記事が流れている。公共建物の破壊、人的犠牲、いずれをとっても、リビア国民と将来に、重い負担になることだろう。

ヨルダンからは、同国内で外人が70万人働いている一方で、18
万人の国民が失業している、という記事があった。そのことは社会不満の種であり、早晩ヨルダンでは、大規模な反政府デモが起こるだろう。

エジプトからは、同国が14
億ドルの赤字を抱えている、という記事が出ていた。その額がどれほどの負担なのか判断できないが、何とかなる額ではないだろうか。問題は反政府デモが鎮静化して行き、国民が生産に従事する、社会的雰囲気が出来ていくことだろう。

エジプトのシーシ大統領は、第2
スエズ運河建設計画を、順調に進めているようだ。それがいまのところ、エジプト国民にとって希望であり、将来への最大の夢なのかもしれない。同国の2015
年が安定化への年であることを祈る。

2015年に危険度を増すだろう、と考えられる中東の国はリビア、トルコではないか。

リビアでは既にIS(ISIL
)に呼応する、ファジュル・ル・イスラーム組織が活発な軍事作戦を展開しているし、それに対抗するハフタル将軍側も、一歩も引いていないからだ。アメリカが何時介入するか、ということも気にかかる。

トルコはイラク・シリアのIS(ISIL)
が、今後両国からトルコに逃げて来るだろう、ということが予想され、それがトルコ南東部のクルド人との間で、衝突を起こすこが予想されからだ。これ以外にもトルコでは民主化の波が、再度高まろうし、それと時を同じくして、汚職反対の行動が、国民の間から起こるだろう。トルコは選挙の年でもあり、政治運動が活発になろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:08 | この記事のURL
NO3579『IS(ISIL)が家族をイラクからシリアに移動させる』 [2014年12月31日(Wed)]
イラクのニノイ県のモースル市から、IS(ISIL)は家族をシリアに移動させている、という情報が伝わってきた。述べるまでも無く、それはIS(ISIL)
がモースル及び、ニノイ県の各地で、不利な戦いをしているからに他ならない。

6月10日にモースルを支配したIS(ISIL)
は、その後、アメリカを中心とする連合軍の空爆や、クルドのペシュメルガ軍、イラク軍の攻勢の前に、不利な状況に追い込まれている。ペシュメルガの司令官が言うには。ペシュメルガ側に被害は無く、
IS(ISIL)の側だけに死傷者が出る戦いが、続いているということだ。

IS(ISIL)側が家族をシリアに、移動させているという情報は、モースルの情報源が、伝えてきたものだということだ。

なかでもクルド人やキリスト教徒、ヤズデイやシーア派住民などに、残虐な行為をしたIS(ISIL)
の幹部たちは、報復を恐れて今回の家族移動を、決めたのだろうと見られている。

彼らがシリアに家族を移動させたということは、近い将来、シリアからトルコに避難させる、という前提ではないのか。しかし、シリアからトルコに逃れても、トルコの南東部の住民のほとんどが、クルド人であることから、トルコに渡っても報復を受ける可能性は、否定できないのではないか。

つまり、IS(ISIL)
はそろそろイラクやシリアにおける、有利な戦闘ができる状況には、無くなったということではないか。そしてイラクやシリアから、何とかして逃れようと、考え始めているということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 01:02 | この記事のURL
NO3578『IS(ISIL)の石油密輸でトルコが大損害』 [2014年12月29日(Mon)]
情報通の間では、トルコとIS(ISIL)との関係が、極めて良好だと理解されている。先日もトルコ軍の将兵とIS(ISIL)
の戦闘員が、シリアとの国境付近で、談笑していることが報告された。

トルコ政府はシリアのアサド大統領憎さに、IS(ISIL)
の蛮行を黙認してきたし、そればかりか武器弾薬も、提供してきているようだ。しかし、現段階に至って明らかになったことは、IS(ISIL)
が行っている、シリアやイラクの石油の密輸が、トルコ政府に大きな損失を、生み出しているという事実だ。

現在IS(ISIL)は一日数トンの石油を、トルコに密輸しているし、イラクとシリアの油田で、全体では一日25000〜40000
バーレルを、生産しているということだ。この結果、IS(ISIL)は一日当り、200万ドル程度の収入を、得ているという計算になる。

これらの石油がトルコに流れ込むばかりではなく、イランやレバノンで売られており、トルコは正規の石油輸入から上がる輸入税が、8・63
億ドルも減っているということだ。

トルコのガソリン販売業者は、合計で17.2億ドルの損失をこうむっている。IS(ISIL)
の戦争が始まって以来、シリアとイラクからのトルコへの、石油の密輸量は314パーセントも増えている、と報告されている。

トルコ国内の石油市場規模は、500億ドルでその約半分が、国家の税収となっていた。ガソリン税は61パーセント、デーゼル・オイル税が55パーセント、LPG
税が50パーセントとなっている。

密輸石油市場はいま盛んであり、デーゼル・オイルは95000トルコリラのものが、密輸では50000
トルコリラで売られているのだ。この密輸石油の市場はトルコ南東部のハタイ、クルス、ガゼンテペ、サンヌルウルファ、マルデンなどと報告されている。
Posted by 佐々木 良昭 at 21:06 | この記事のURL
NO3577 『リビアでIS(ISIL)関係組織が爆弾テロ実行』 [2014年12月29日(Mon)]
リビアの首都トリポリで、外交官防御に当たる内務省のビルが、爆弾テロ攻撃を受けた。

この攻撃が起こった後、イラク・シリアのIS(ISIL)にバイア(追従宣)
をした、リビアのイスラム原理組織が、犯行声明を出している。物的損害は発生したが、人的被害についての情報は、明らかにされていない。

トリポリのサウジアラビア大使館でも、放火によるものかどうかは明らかになっていないが、木曜日夜に火災が発生している。

リビア最大の石油油見出し港のある、ヘラール地区でも、5
つの貯油所が火災に見舞われている。この火災については、ファジュル・リビアという名前の組織が、犯行声明を出している。

リビアの今後については、不安な要素が幾つもあった。アメリカはアルジェリアに対し、領空通過の許可を申請したり、軍事空港の使用要請を出したりしている。それはアルジェリアの隣国であるリビアに対して、アメリカが何らかの行動を起こす準備をしている、と受け止めていいのではないか。

フランスの情報部はリビアの南部地域が危険度を増していると報告してもいる。つまり、欧米諸国はそろそろ、リビアに対して介入を、始めるということではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 20:17 | この記事のURL
NO3576 『アメリカがトルコのIS(ISIL)との関係に疑問』 [2014年12月28日(Sun)]
これまで何度も流れていた情報だが、ここに来てアメリカの情報機関は、トルコに対して、IS(ISIL)
との関係について、厳しい質問を向け始めているようだ。それが今後のアメリカとトルコとの関係に、どのように影響していくのか、興味深いところだ。

以前から伝えられていたように、トルコはISI(ISIL
)やヌスラ組織に対して、大量の武器弾薬を提供してきていたといわれている。その提供された武器弾薬の量は、トラックで2000
台分だというから、相当な量なのであろう。

その運搬については、トラックの荷物が何であったかは別にしても、グーグルの衛星写真から、確認できるということだ。もちろん、トルコ政府の当時首相だったエルドアン氏や、大統領だったギュル氏は、イラク国内のトルクメン人
(イラクに何代にも渡って居住しているトルコ系イラク人)に対する、人道的な援助でしかない、武器では無いと否定している。

しかし、このことは最近になって再度、トルコのマスコミの話題になっている。そして国会での質問にもなり、この話題はさらに国民の間に広がっている。

トルコのIS(ISIL)に対する貢献は、こうした武器弾薬の提供ばかりではない。誰もが否定できない、IS(ISIL)
やヌスラに参加する義勇兵の、通過地点にトルコがなっている点だ。加えてトルコは資金の通過地点でもあり、なおかつIS(ISIL)
のリクルート・センターにもなっているようだ。

IS(ISIL)のリクルートが世界に向けて行われ、80
カ国以上の戦闘員が参加していると言われているが、彼らに対する呼びかけは、トルコを基点にしているのではないか、と考えられてもいる。もちろん、それとは別に、マンツーマンのリクルートについては、これとは別の形で行われており、イズミルが一つの拠点になっている、ということのようだ。

トルコのハリス・バユンジュクという名のイスラム指導者は、IS(ISIL)の支持者として知られているが、彼は幾度と無くIS(ISIL)
礼さんの演説を行っており、それがユーチューブを通じて流されており、IS(ISIL)のユーチューブでも、報じられている。

アメリカの情報機関は何度と無く、トルコ政府に対してIS(ISIL)との関係や、トルコ国内でのIS(ISIL)
の動きに対して、問い合わせているが、トルコ政府側はアメリカの納得するような答えを、未だに出していないようだ

このことが近い将来、アメリカとトルコとの関係を、悪化させていく可能性はあろう。インジルリク空軍基地使用をアメリカに認めず、IS(ISIL)
への協力が事実であるとなれば、ただでは済むまい。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:55 | この記事のURL
NO3575 『来年のトルコは最悪の始まりか』 [2014年12月27日(Sat)]
最近になって、トルコの経済状況を示すデータが発表された。それによれば、2015年のトルコの赤字額は95億ドルに達しそうだということだ。

他方、トルコに対する外国からの直接投資額は、2011年に160億ドルを記録していたが、2014年には90億ドルに減っている。このうち30
億ドルは不動産投資によるものであり、株式市場や企業への投資ではない。

中国と競い合っていると言われていた、GDP の伸び率も3パーセントに留まっている。それにもかかわらず、インフレ率は8パーセントに達し、失業率は12
パーセントに達しているそうだ。

トルコの外国投資や送金が増えていることが、最近のもう一つの特徴だ。その額は44
億ドルに達しているということだ。外国投資先はオランダ、ドイツ、アメリカが目立っている。

こうした経済状況の悪化は、エルドアン大統領の強硬発言や、政策に対する嫌気が原因の一つではないか。エルドアン大統領は彼に対して批判的な、マスコミの報道や学者の発言を、徹底的に取り締まる方針であり、最近ではザマン新聞の編集長や、サマニヨル・テレビのトップが逮捕されている。

エルドアン大統領は、『今後もマスコミ人が留置所に、多数入れられることになろう。』と語り、ジャーナリストが反政府的であったり、テロと関連があるからだというのだ。それに加え、エルドアン大統領はジャーナリストのなかには、銃を所持する者、殺人に関わる者もいると非難している。

さすがにここまで、エルドアン大統領がマスコミ人に弾圧を加えると、欧米諸国は黙っていない。エルドアン大統領に対し非難の論調が、欧米のマスコミで目立ち始めているし、政治家らの批判発言も然りだ。

これに対し、エルドアン大統領は『トルコほどジャーナリストにとって自由な国があるか、欧米は余計な口出しをするよりも、イスラムホビアを止めるべきだ。』と切り返している。

数日前には、16
歳の少年がエルドアン批判をして、逮捕され留置所に入れられる、ということが起こったし、若い女性も同じように逮捕される、ということが起こっている。いまのトルコでは報道の自由どころか、少しでもエルドアン大統領を批判すれば、逮捕され投獄されるということだ。しかも、それは年齢に関係なく行われるということだ。

エルドアン大統領に批判的な記事を書く、ジャーナリストが多く参加している、トルコ・ジャーナリスト協会の本部を警察が急襲し、閉鎖してもいる。
Posted by 佐々木 良昭 at 17:48 | この記事のURL
NO3574 『リビア第二政府が苦境に』 [2014年12月26日(Fri)]
ちょっと日本人の常識からすると納得がいかないのだが、現在リビアには二つの政府が並立している。第一の政府が反対派によって、首都トリポリから追放され、今ではリビア東部のトブルクに、政府施設を移転したのだ。


その政府が活発に国内外活動を展開しているため、首都トリポリの政府施設を占領して設立された第二政府は、外国からの認知がなされていない。トリポリにあった外国の大使館は、治安上の理由からほとんどが閉鎖され、活動停止の状態になっている。


トリポリ政府のハーシ首相がどんなに呼びかけても、外国の外交官は戻ってくれないばかりか、リビア問題を巡る国際会議にも、トリポリの第二政府は招待されないのだ。国際会議では常に、第一政府シンニー首相側だけが、招待されている。


それは無理からぬことだ。ハーシ首相は外国のジャーナリストとのインタビューで、リビアのアンサール・シャリーアという、イスラム原理主義の組織を支持する、と発言しているのだ。それは当然であろう。ハーシ首相もその一派なのだから。しかも、その裏には
ムスリム同胞団が構えているのだ。


ここにきて、ハーシ首相率いる第二政府は、難しい問題を幾つも抱え込むようになっている。第一の問題はアメリカやフランスの支援で、第一政府が軍事的に優位に立っていることと、本格的な攻撃が始まる、という不安が高まっているのだ。現在の状況では第二政府側が相当不利になることが、予想される。すでにアメリカ軍は第一政府への支援体制を、アルジェリア政府との間で交渉しているのだ。


第二の問題は第二政府にとって、資金的枯渇が生じる可能性が、高くなってきていることだ。油田地帯や石油の積み出し港の占拠を試みるのだが、どうもうまくいっていない。それは第一政府の方が、軍事力を増強で来ているからだ。


エジプトのムスリム同胞団政府が、シーシ国防相によって打倒され消え去ったが、その後のシーシ政権に対しては、サウジアラビアやアラブ首長国連邦などが、全面支援に乗り出している。
ムスリム同胞団政権の時代には、モルシー大統領が湾岸諸国を訪問しても、これらの国々は、びた一文出そうとしなかったのだ。

シーシ政権が誕生するとこれら3
国は、そろってムスリム同胞団メンバーの追放を始めてもいる。こうした中東諸国の政治的流れの中では、リビアの第二政府がイスラム原理
主義と連帯すると言い、母体がムスリム同胞団だとあっては、国際的に孤立せざるを得まい。


リビアの第二政府が国際的孤立を深め、自然消滅していくのがリビア国民にとっては、一番いい選択肢であろう。そうでなければ、アメリカとフランスが、直接間接軍事介入してくる懸念が高いのだ。こうした事情から、そう簡単ではあるまいが、あえて第二政府の滅亡を期待する。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:47 | この記事のURL
NO3573 『バルグーテイ刑務所からアッバース非難』 [2014年12月25日(Thu)]
ヨルダン川西岸地区のPLO 幹部で、元デモ煽動の罪で、イスラエル刑務所に収監されている、マルワーン・バルグーテイ氏がマハムード・アッバースPA
議長の方針を、激しく非難した。マハムード・アッバースPA
議長は国連安保理で、国家承認を取り付けようとし、あらゆる基本的な問題を、あいまいにした内容の、提案書を出すつもりだからだ。

マルワーン・バルグーテイ氏は国連安保理に提出される、PA
の国家承認ドラフトには、基本的なことが盛られていない、それは欠かすことにできない重要な問題だ、と非難している。たとえば、イスラエルとパレスチナとの国境線は、
1967年戦争以前なのかそうでないのかという、パレスチナ国家設立にかかわる、肝心な部分についての言及がないのだ。


明確には、東エルサレムをパレスチナ国家の独自の首都として、主張していない。もちろん、そればかりではなく、パレスチナ難民の帰還についても、明言されていないと非難しているし、現在イスラエル刑務所に収監されている、パレスチナ人についても、何等具体的な解決策が、盛り込まれていないということだ。


同様に、ガザについても何等の言及も、なされていない。当然、イスラエルのガザ攻撃に対する非難があり、補償問題が書き込まれているべきだということだ。また、入植地を残存することを認めた形の、土地の交換について、マハムード・アッバース
PA議長が語っていることも、許されるべきことではない。それは将来のイスラエルとパレスチナとの、国境線をゆがめることになるからだ、というのだ。

しかも、マハムード・アッバースPA議長は、国連安保理に提出する、パレスチナ側の提案書の内容について、PA
幹部やファタハ幹部に対しても、詳細を明かしていないし、説明も行わず、承認も得ていないということだ。

マハムード・アッバース議長がこうした手法をとるのは、多分に彼が、一日も早く国連安保理に、国家設立案を提出することで、ICC
へのイスラエルの犯罪提訴を、あきらめたことをごまかすためだというのだ。

マルワーン・バルグーテイ氏だけではない。DFPLのタイシール・ハーリド議長、PFLPの幹部も同様の非難、をマハムード・アッバースPA
議長に対して、浴びせかけている。マハムード・アッバースPA議長は、何時の間にかパレスチナの独裁者にでも、なった気分でいるのだろうか。


中東諸国では民族主義の風潮が、盛んになってきていることと、それに合わせて、独裁者になろうとする者が、増えてきているようだ。マハムード・アッバース議長はその波に、乗ろうというのだろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:13 | この記事のURL
NO3572 『欧米で始まったエルドアン批判』 [2014年12月23日(Tue)]
『欧米で始まったエルドアン批判』

トルコのエルドアン大統領の横暴ぶりは、最近、特にひどくなってきている。何事につけ、彼に批判的な人士は逮捕され、投獄されている。そうしたエルドアン大統領の行為は、もちろん法律を無視したものであり、裁判官や検察官、そして警察官の中にも、批判的な人たちがいる。

しかし、公然とエルドアン大統領の対応を批判すれば、彼らも左遷されるか首になる状態だ。これまで何百人という検察官や警察官が左遷され、首になっているし、裁判官や弁護士にも、犠牲者が出ている。

そして、最後の牙城がマスコミだったが、これまでに既に、多くのテレビ局や新聞社、雑誌社が、実質エルドアン大統領に対する礼賛、報道をするようになっている。それは各社に圧力を掛けて、編集方針を変えさせ、政府に対する批判は、書かせないようにしたからだ。

また、マスコミ各社を資金的に追い込み、会社をエルドアン大統領支持者に、買わせたりもした。そして、残った数少ない新聞社やテレビ局が、最後の弾圧に直面することになった。

これまで、エルドアン大統領が目の敵にしてきた、ザマン新聞やサマニヨル・テレビの責任者やジャーナリストが、片っ端から逮捕されることになった。一部のジャーナリストたちは、その後釈放されたが、これは明確なエルドアン大統領による、マスコミ各社とジャーナリストに対する、示威行為であり、警告であろう。

ゲジ・パークの破壊と、その土地へのショッピング・モール建設に反対した、ベシクタシュ・サッカー・フアン・クラブのメンバーも、逮捕される始末だ。それが彼らは、汚職反対でデモに参加したことで、いつの間にかクーデター未遂という容疑で逮捕されたのだ。

こうしたエルドアン大統領の蛮行に、遂に在外トルコ人たちが、行動を起こした。ニューヨークでは数百人の在米トルコ人が、国連本部の前に集まり、反エルドアン・デモを行っている。彼らの代表者であるアルトノク氏は『マスコミは政府の敵ではないが民主主義を守る。』と語った。同時に『汚職追求は許すわけには行かない。』とも語っている。

こうした在外トルコ人による、エルドアン大統領に対する抗議デモは、ニューヨ−クだけではなく、ブリュッセルやロンドン、ボストン、ロスアンジェルスでも繰り広げられている。

ブリュッセルのデモでは『マスコミの自由は沈黙しない』『権威主義は去れ』といったスローガンが叫ばれた。

興味深いことは、このエルドアン大統領に批判的なトルコ人たちが、EUに対してトルコのメンバー資格交渉を、止めないで欲しい、と言っていることだ。それはそうであろう。もし、EUがエルドアン大統領の権威主義や、マスコミ弾圧を批判し、トルコのEU資格交渉を止めれば、エルドアン大統領は自暴自棄になり、ますます独裁職を強める、危険性があるからだ。

エルドアン大統領は最近、EUよりもロシアとの関係を強化する、といった発言もしているのだ。

これまで軍部や政府が、一定の範囲で民主的に動いてきたのは、EUのメンバー参加資格の条件に、民主主義の実現があったからに他ならないのだ。

こうした在外トルコ人の動きは、アメリカのなかの民主主義支持者たちによって、支援され始めている。例えば、ハリウッドのスターである、ブルース・デヴィソン氏は『魔女狩りは止めろ』と語り、『オバマ大統領だってウオールストリート・ジャーナル紙やニューヨーク・タイムズ紙が彼の批判を書いても、編集者を逮捕することは出来ない。』と語っている。

彼のような人士が、これから世界中で増えていくものと思われる。そして、それがトルコ国内に影響を及ぼし、反エルドアン大統領運動が、再度盛り上がっていくのではないか。それに徹底して弾圧を加えれば、彼はトルコのチャウシスクと呼ばれよう。

ある段階に至れば、裁判官、検察官、警察官などによる、逆襲が始まろう。また軍部も、何時までもだんまりを決め込むわけには行くまい。既に退役将軍たちによる、現役の軍幹部に対する批判が始まっているのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 23:20 | この記事のURL
NO3571『追い込まれるIS(ISIL)内部衝突も』 [2014年12月22日(Mon)]
9日間の外国出張を終えて帰国すると、IS(ISIL)
が窮地に立ち始めていることが明らかになってきた。イラクでは目立って防戦に追われ、イラク軍やクルドのペシュメルガ軍の対応に、苦慮しているようだ。

カイロ訪問中に、日本のテレビがどうしてもインタビューしたい、というので応じたが、その中でのメイン・テーマは、IS(ISIL)
の実力はどれほどのものなのか、どこまで持つのかということだったと思う。

以前からこのブログで 書いてきたように、インタビューではIS(ISIL)
の実力はアメリカ軍の空爆で、大分低下している。石油がもうほとんど売れなくなっているから、軍資金が不足しているだろう、といったことを話した。

奴隷として売り飛ばす予定だった、女性たちの維持が大変になり、大安売りを始めたこと、IS(ISIL)
内部で汚職にかかわり、処刑される幹部が出ていること。IS(SIL)から抜け出そうとして処刑されたり、投獄されたりする者が出ていること、なども話した。

今回帰国してみると、イラクのシンジャルやその他の街で、IS(ISIL)
が追い込まれ、逃亡を始めていることと、シリア国境地帯がクルドのペシュメルガ軍によって制圧された、という情報が流されていた。

主な戦略拠点をイラクからクルドに移す、という情報も流れているが、それはシリアからトルコに逃げ出す、準備ではないのか。これまで、IS(ISIL)
を使ってクルドを撲滅しよう、と考えていたエルドアン大統領は、これから付けを払わされることになるだろう。

IS(ISIL)
が追い込まれて、イラクやシリアから逃げ出すとなれば、行き先はトルコしかない。しかも、通過地点はほとんどの住民が、クルド人であるトルコの南東部だ。そうなれば、トルコのクルド人たちは、
IS(ISIL)が攻撃を加えた、シリアのコバネのクルド人攻撃に対する、報復戦を始めるのではないか。

もちろん、その場合はPKK(クルド労働党)の戦闘員たちが、しかるべき主導的な役割を戦闘の場で果たそう。そのことは、非PKKのクルド人の若者たちが、
PKK入りしていくことを意味しよう。


エルドアン大統領はイラクやシリアの内乱で儲けようとして、結果的には高い付けを払わされる、ということではないのか。今後トルコ国内が危険になっていく、と予測するトルコの友人たちは少なくなかった。そのことは経済の悪化も含んでいよう。戦場には誰も投資しようとは、考えないのだから。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:53 | この記事のURL
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