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外国に行ってきます [2014年11月30日(Sun)]
12月1日から12月3日まで外国に行ってきます。

したがってその間は中東ニュース休みます。
Posted by 佐々木 良昭 at 19:10 | この記事のURL
NO3354  『おめでとうございますエルドアン大統領閣下』 [2014年11月30日(Sun)]
トルコは遂に、戦争当事国になったようだ。複数の情報ソースは、IS(ISIL)
がシトルコの領土内から、シリアのコバネに対し特攻攻撃と、砲撃、銃器による攻撃を、始めたと伝えている。

こうなると、トルコは厳しい状況に置かれるということだ。もちろん、トルコ政府はこの情報を否定しており、トルコのシリアとの国境の街シャンヌ・ル・ウルファの市長は、全面的にこのことを否定している。しかし、事実は他の国の報じたとおりだと思われる。

つまり、IS(ISIL)
はいま厳しい状況にあり、イラクやシリアの各戦線で、後退を余儀なくされている。そこで、なんとしてもトルコに通じるコバネを、奪取したいということであろう。そのコバネではクルド側と
IS(ISIL)側との間で、こう着状態が2ヶ月も続いており、次第にクルド側が優位に立っているようだ。

今回のIS(ISIL)のトルコ領土内からの攻撃が、事実であるとすれば、当然のことながら、トルコ政府が自国領土からのIS(ISIL)
の、コバネへの攻撃を認めたということであり、実質的にトルコは戦争当事国になった、ということではないのか。

人は国家元首に就任すると、一度は戦争をやってみたくなるものだそうだ。多くの軍人が戦地に向かうとき、その前で敬礼をするのは華々しいことなのかもしれない。そして、馬鹿げたことなのだが、自分にはこの若者たちの命を、取り仕切ることが出来る、と思うのであろう。

エルドアン大統領はいま、戦争という強い酒を、あおっているのであろうか。そして大英雄にでもなったような気分に、浸っているのではないのか。彼はトルコ共和国の生みの親である、トルコの初代の大統領であり、英雄であるケマル・アタチュルクに対して、強烈な劣等感と対抗意識を持っているようだ。

だからこそ、今回建設された大統領公邸は、ケマル・アタチュルクを記念する敷地を、使ったのではないのか。新しい大統領公邸には、巨大なケマル・アタチュルクの写真が印刷された幕が、掛けられてあるが、エルドアン大統領はそれを取り払い、自分の肖像画を掲げたいのではないのか。

ケマル・アタチュルクは戦争を指揮したが、今のエルドアン大統領に無いのは、戦争を指揮する経験だけであろう。それさえ実行できれば、そしてその戦争で勝利出来れば、彼は新しいトルコの英雄として君臨することが出来よう。

エルドアン大統領閣下、おめでとうございます。これで貴殿は確実にケマル・アタチュルクを、凌げるのですから。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:53 | この記事のURL
NO3353『リビアのハフタル将軍の強気はどこから?』 [2014年11月30日(Sun)]
リビアのハフタル将軍が、極めて強気の発言をした。これはイタリアのコリエラ・デラ・セラ紙とのインタビューで、語ったものだ。

ハフタル将軍はベンガジのアンサール・シャリーア組織を、12月15
日までに完全に打ち負かす、と語った。しかしアンサール・シャリーアは強敵だとも語っている。加えて、トリポリも3
ヶ月以内に、あるいはそれほどの時間がかからないかもしれないが、支配すると語った。

ハフタル将軍は彼の軍の勝利のためには、もっと武器が必要であり、現在エジプト、アラブ首長国連邦、アルジェリア、サウジアラビアなどから、武器を供給されているが、旧式のものが多いとも語っている。

ハフタル将軍は欧米に対して、軍の派兵や空爆による支援は必要ないが、武器は供与して欲しいと語っている。

リビアの選挙によって選ばれた、議会のよる政府はアブドッラー・シンニー氏を首相とし、国際的にも認知されているが、イスラミストの組織がリビアの西部にある、首都トリポリを支配している状態だ。

ハフタル将軍はイタリアのコリエラ・デラ・セラとのインタビューの中で『もしアンサール・シャリーア組織が力を増して行けば、ヨーロッパにも飛び火する危険なものになる。』と警告している。

つまり、アンサール・シャリーア組織はIS(ISIL) とつながる組織だということだ。確かにリビアのイスラム組織がIS(ISIL)
に対して、バイア(支持し従うという意味)を行っている。

さて、ハフタル将軍は何故こうまでも、強気の発言を始めたのであろうか。それはアメリカの支援が、確実になったからではないのか。アメリカ側の意向がどうであるかについては、既にこの欄で報告してある。
Posted by 佐々木 良昭 at 00:38 | この記事のURL
NO 3352『リビアで見えるアメリカの本音とISの台頭』 [2014年11月28日(Fri)]
どうやら、イラクとシリアでのIS(ISIL)
の役割は、ほぼ終わったようだ。イラクではイラン寄りの、マリキ―政権が打倒され、シリアは北部ではアサド政権の影響力が、及ばなくなっており、実質上の分割がなされた。

その次はトルコの内乱と、サウジアラビア、リビアなど産油国で、変化が起こるだろうと思っていた。と言うのはIS(ISIL)
は既に、リビア、アルジェリア、サウジアラビア、エジプト、イエメンなどで戦闘を展開すると宣言していたからだ。


エジプトではアンサール・ベイト・ル・マクデスと呼ばれるグループが、シナイ半島を中心に、反政府の戦闘を続けているし、アルジェリアではジュンド・ル・カリーファ組織が、
IS(ISIL)の下部組織として、認められている。サウジアラビアでもIS(ISIL)関連のテロが、頻発するようになっている。


いま急上昇し始めているのはリビアであり、同国東部のデルナ市のグループだ。リビアにはアンサール・シャリーア、という名のイスラム原理組織があり、戦闘を展開しているが、この組織はアルカーイダと、直結しているといわれている。

デルナの組織はイスラム青年諮問会議(マジュリス・シューラー・アッツ・シャバーブ)という名であり、アルカーイダとは関係がなく、IS(ISIL)
と関係があるとみなされている。この組織は8月に、エジプト人を殺人罪で、公開処刑している。

そもそも、デルナにはIS(ISIL)
に参加する若者を、軍事訓練する組織が出来上がっており、そこで訓練を受けた者が、シリアやイラクに送られているということのようだ。しかし、現段階では、この組織は
IS(ISIL)によって、正式な下部組織とは見なされていない。

問題はこのようなリビアの状況に対して、アメリカが強い反応を示していることだ。アメリカ政府はアルジェリア政府に対して、リビアのIS(ISIL)
攻撃に際して、領空通過を認めてくれるよう要請するとともに、緊急着陸も認めてくれるよう要請している。


そればかりか、アメリカは潜水艦の寄港も要請しており、場合によっては、リビアに対して本格的な軍事介入をする、覚悟なのであろう。同様の要請は、アメリカ政府によって、エジプトにも出されている。

どうやら、アメリカの本音はアメリカが支援している、ハフタル将軍の属する世俗派政権を、力で支えるつもりだ、ということであろう。こうして考えると、
IS(ISIL)
とは極めて便利な組織、ということになる。アメリカが軍事介入を望む国で、活動を展開してくれ、アメリカの軍事介入に、正当な口実を与えてくれるからだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:11 | この記事のURL
NO3351 『エルドアン大統領お気を確かに』 [2014年11月27日(Thu)]
8
月にトルコ共和国の大統領委に就任して以来、あるいはそれ以前から、エルドアン大統領の口を突いて出る言葉に、何がしかの異常を感じてきている。彼は特異な才能を持っていると言ってしまえばそれだけのことであろうが、最近の発言には彼自身、あるいはトルコを危うくしそうなものもある。

許せる範囲のものでは『アメリカ大陸を発見したのはムスリムであって、コロンブスではない。ムスリムはすでに11278
年にアメリカ大陸に到達していた。』というのがあった。加えて、彼はキューバの丘の上にはモスクがあったので、キューバ政府が許可してくれれば、そこにモスクを再建したいとも語っている。


このアメリカ大陸発見を巡っては、エルドアン首相がアメリカ大陸は、ムスリムのものであって、ヨーロッパのキリスト教徒のものではない、と言い出すのではないか、と一部の人たちは不安を抱いていた。


エルドアン大統領が語るように、コロンブスをアメリカ大陸まで案内したのは、ムスリムでありレバノン人だったといわれているので、彼の発言はまんざら嘘ではない。そして、オスマン帝国は海軍を有しており、その海軍に必要な天球儀や計測器など航海に必要な機器を、多数発明していたことも事実だ。


続いて『男女は同じではない。』という発言があった。最近ではジェンダー・フリーなる言葉がはやっているなかで、時代に逆行する発言ということで、トルコの女性団体などは非難している。


そして、つい最近発した言葉には『アメリカはシリア問題で無礼千万だ。』というものがあった。確かにアメリカはシリア政府との合意なく、シリア領土内への突然空爆を始めている。その際、エルドアン大統領にとって不愉快だったのは、中東の覇者を自認する彼に、何の相談もなかったことであろう。

そもそもエルドアン大統領は、中東地域の問題はアメリカなどが、でしゃばってくるべきではない。地域各国間の話し合いで、解決出来ることだとも語った。彼曰く『
12000
キロも離れたところからここに来て、勝手なふるまいをしている。これは無礼な行為そのものだ。地域の人たちの相互支援で、問題を解決することができるというのだ。


その言わんとするところは、アメリカ非難なのだが、この発言がジョー・バイデン副大統領のトルコ訪問後であっただけに、含むところは大きいだろう。アメリカはトルコに対し、シリアに対して陸軍を派兵しろ、インジルリク空軍基地の使用を認めろ、とも圧力をかけた。しかし、エルドアン大統領はそのいずれにも応じなかった。


世界一大きな大統領公邸を建てて、そこの城主に納まったエルドアン大統領には、ジョー・バイデン副大統領の高圧的な発言が、腹に据えかねたのであろうか。これでエルドアン大統領とアメリカとの関係は、ますます悪化していくだろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:00 | この記事のURL
NO3350 『陸の孤島になったリビア』 [2014年11月26日(Wed)]
リビアはついに、陸の孤島になってしまったのかもしれない。首都トリポリで使用可能だったマテーガ空軍基地も、攻撃を受けて使用不能になったようだ。もちろん滑走路を修理すれば可能だろうが、当分は使えないのではないのか。


現在トリポリを支配しているのは、国際的に認められているリビア東部にある政府ではなく、ミスラタ組のイスラミスト政府だ。オマル・ハーシが首相を名乗っているが、どれだけの統治能力があるのか、イスラム勢力の閣僚や国家公務員のレベルがどうなのか疑問だ。

リビアには人材がいない。カダフィ時代に完全に高等教育を否定する、愚民政策がとられたために、高度な教育を受けたのは50
歳以上の高齢者ばかりだ。そうであるがゆえに、リビアで反カダフィ革命が起こった時、一番心配だったのは、誰がどうカダフィ後のリビアを、リードしていくかということだった。


結果は暗い予測通りになった。リビアの各部族や政治組織そして宗教組織が、権益を巡って血みどろの戦いを、展開するようになった。エジプトから入り込んだムスリム同胞団はリビア人を抱き込み、リビアではムスリム同胞団が大きな力を持つようになった。

ミスラタ組(リビアの首都トリポリから200キロほど東側にある地中海沿岸の都市)
がそのコアになっているのだが、カダフィ時代に輸入された膨大な数の武器が、いまだに山積しており、武力闘争の道具には事欠かない状態にある。


これに対抗するのは、いわゆる世俗派と呼ばれるグループであり、その実際の中心人物はハフタル氏だ。彼は元リビア軍の将校で、チャドに派兵され人質になった後に、アメリカに渡り、そこで
20年の間機会が来るのを待たされていた。


そしてリビア革命が始まると、リビアに戻り戦列に加わり、今では世俗は政府の軍の最高のポジションにある。しかも、彼の立場は世俗派の軍のポストではなく、彼のミリシアのトップなのだ。彼は自分のミリシアとリビア軍とを、コントロールしているのだ。

今回トリポリの唯一使用可のであった、空軍基地マテーガ空港を空爆したのは、ハフタル氏の所有する、戦闘機だといわれている。


オマル・ハーシ首相は、敵側は外国の援助を受けており、武器も豊富だと嘆いているがそれは事実だ。ハフタルが参加する世俗派政府には、エジプトやアラブ首長国連邦など、アラブ諸国が支援を送っているのだ。


現在エジプトのシーシ大統領はイタリアを訪問しているが、当初の訪問目的は両国間の経済協力とされていたが、第一の議題はリビア問題をどうするか、ということであろう。事実、イタリアとの間でシーシ大統領は、最初にリビア問題を討議している。


リビア問題はすでにリビア人の手では、解決できない段階に完全に入ったようだ。しかし、この国は石油が豊富であることから、欧米諸国は放ってはおくまい。これから先外国の介入を含め、リビアは再度流血の舞台になるのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:25 | この記事のURL
NO3349 『エルドアン大統領支持の編集が長首に』 [2014年11月25日(Tue)]
トルコを代表するビジネスマン一人である、サンジャク氏が所有するスター・メデイアの編集長ムスタファ・カラーリヨル氏が首になった。それはスタッフのボイコットによるものだとされているが、そればかりではないようだ。

ムスタファ氏が首になった本当の理由は汚職のようだとされている。そのことに加え彼の給与が45000
ドルと、極めて高給であったことも問題とされたようだ。彼はスター・デイリー紙に加え、カナル24テレビの編集長でもあった。


ムスタファ・カラーリヨル氏はエルドアン大統領の、強力な支持者であったことを考えると、今回のことは今後のトルコの政治の流れを、示唆するものではないかと思われる、


トルコの友人のルートから最近入ってきた情報によれば、幾つかのエルドアン大統領が敵対していた組織や、個人との関係が修復の方向に、向かっているということだ。


今回のムスタファ・カラーリヨル氏の首は実は、その辺に本当の理由があるのではないか。つまり、あまりにも明確にエルドアン大統領礼さんの報道をしていては、今後の変化の波に、スター・メデイアが乗っていけなくなる、ということではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:11 | この記事のURL
NO3348『マリキー元首相IS(ISIL)誕生の原因はサウジにある』 [2014年11月24日(Mon)]
イラクの元首相で現在副大統領の職にある、マリキー氏はIS(ISIL)
が誕生した素地は、サウジアラビアのワハビー主義の思想にあると発言した。この発言はイラク政府の方針とは、少し異なるようだ。

イラクの現政権はマリキー首相の後任である、アバデイ首相がサウジアラビアを訪問し、両国関係の修復を図り始めたところだ。両国間に問題があることは、イラク国内の治安に大きなマイナスになるからだ。

マリキー副大統領はIS(ISIL)
のルーツはワハビー主義にあるとし、サウジアラビア、カタール、トルコが、シリアやイラクのテロリストを、支援していると明言した。なかでも、トルコはシリアやイラクの国内問題に、関与しているばかりではなく、エジプトやリビアにも内政干渉しているというのだ。

他方、イランについては賞賛の言葉を寄せている。それは、イランが他国との国境を遵守し、他国への干渉を避けているからだ。

アメリカについては手厳しい発言をしている。アメリカによるIS(ISIL)
に対する空爆は、治安回復には役立たない。治安回復にはインテリジェンスと、地上軍の派兵が必要だと語った。したがって、現在アメリカが建てている治安作戦は、失敗に終わるとも語っている。加えて、アメリカの同盟諸国が
IS(ISIL)を、支援していることの矛盾も突いている。

確かにそうであろう。いままでサウジアラビアやカタール、そしてトルコがIS(ISIL)
や、ヌスラ組織、そして、シリアの反政府組織や戦闘グループを、トルコが支援してきたことは、公然の秘密となっていた。最近になって、サウジアラビアやカタールの支援は、低下したと思われるが、全面的に停止しているわけではなさそうだ。

もう一つの問題は、アメリカとトルコとの、この問題への関与の目的が、異なっている点だ。アメリカはIS(ISIL)
の排除(?)を目的としているが、トルコはシリアのアサド体制打倒を目標としている。トルコは同国の目的を達成するためには、IS(ISIL)
を使おうと考えているようだ。

イラクについても、トルコ政府はクルド自治区との関係を強化し、大産油地帯であるキルクークを含む、クルド国家の樹立に支援を送っている。それは、イラク中央政府にとっては、認められないことであり、イラク中央政府にとってはトルコが最も危険な存在、ということになろう。

このマリキー副大統領の発言は、イラク政府の意向を代表してのものなのか、あるいはあくまでも、彼個人の考えなのかについては、これからのイラクの動きを見ていかなければ、明らかになるまい。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:28 | この記事のURL
NO3347『ドイツ550・スエーデン300何を表す数字か』 [2014年11月23日(Sun)]
ドイツ550スエーデン300
という数字は、何を表しているのであろうか。ほとんどの日本人は、答えられないだろう。それもそのはずだ、この数字は日本人がほとんど興味を持たなくなった、シリアとイラクで暴れまわっている、
IS(ISIL)の戦闘に参加している、ドイツ人とスエーデン人の数なのだ。

述べるまでもなく、彼らは自分の意思で、シリアやイラクに出かけ、IS(ISIL
)が展開する殺人作戦に、参加しているのだ。彼らのなかの一部は、イスラム教徒であろうが、イスラム教徒以外の人物も、参加しているものと思われる。

そのいずれであるにしろ、いまシリアとイラクで展開している戦闘は、殺人以外の何物でもなかろう。いわゆる文化人と称する人たちが、IS(ISIL
)の戦いはヨーロッパ人が引いた、国境に対する挑戦であり、アメリカの中東支配への、反逆だなどと言っているが、それほどの深い意味は無かろう。

それでは彼らは 何のために参加しているのか
ということになるが、最近ヨーロッパからの参戦者のなかから、離脱者が出ているという情報がある。もちろん、彼らは逮捕され処刑されるか、投獄されているのだ。

その理由も、聖戦という美名とは全く違うという、現実を直視した結果なのか、あるいは金銭的報酬が途絶えたか、減額されたことに対する、反発なのかもしれない。

命と交換にしては安いが、ヨーロッパ人が参戦すれば、月額2600
ドル程度の報酬を得られる、という情報が流れた時期があったが、今ではそうも行かなくなったのであろう。

これまでシリアとイラクの油田や、製油所を支配していたIS(ISIL)には、月額で1億円から2
億円の金が入ってきている、といわれていた。しかし、イラクではイラク軍が製油所油田を奪還しており、この分野からの収入は、大幅に減っているものと思われる。

問題はIS(ISIL
)の収入が減ったことにあるのではなく、ヨーロッパから来た戦闘員たちが、多数に上っているため、彼らが帰国した後に、何がヨーロッパで起こるかということだ。

彼らは武器の使い方を習い、武器の作り方を教わり、殺人技術を学んでいるのだ。既にIS(ISIL
)は帰国戦闘員たちに対して、ヨーロッパで破壊活動を展開するよう、指示を出している。

ヨーロッパ諸国の経済状態は、決していいとはいえない。そのことから生まれる、失業や所得格差、政治的不平等といった要素は、彼ら帰国戦闘員をして、自国内での破壊活動を、起こさせるのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:43 | この記事のURL
NO3346『シリアのアサド大統領は何故権力の座にいるのか』 [2014年11月22日(Sat)]
2011
年以来、もめにもめているシリア国内情勢のなかで、アサド大統領は何故いまだに権力の座に、留まっていられるのか不思議だと思うだろう。チュニジアのベンアリ大統領はあっけなく国外逃亡し、エジプトのムバーラク大統領も最終的には失脚し、リビアのカダフィ大佐は反対派の青年に、拳銃で撃ち殺され最期を遂げた。


しかし、シリアのアサドの場合は、大掛かりな反体制組織やミリシア組織が出来、しかも外人部隊が大挙して押しかけても、未だに打倒されずに、残存し続けている。アサド大統領に敵対する組織としては、シリア国民が結成したFSA(自由シリア軍)反アサド政治組織のシリア国民連合、アルカーイダの下部機関イスラム原理主義のヌスラ組織、そして
IS(イスラム国家ISIL)などだ。


それにも関わらず、アサド大統領が権力の座に留まっているのは、他のアラブの春革命の結果が、影響しているということだ。結局は混乱が続き、エジプトの場合は軍人シーシが権力を握った。しかし、未だにどの国も落ち着いてはいない。

シリアの場合はIS(ISIL
)が台頭したことで、この問題を解決するには、多数のアメリカ軍を、派兵しなければならないだろうし、巨額の支援が必要であろう。いまのオバマ大統領には、そのいずれも不可能であろう。


シリアの指導的立場の人たちは、最近、誰も民主主義を口にしなくなってきている。それよりも国内の治安回復が、優先するからだ。それは、イスラエルにとっても然りであろう。シリア国内が不安定の度を増してゆけば、イスラエルの治安も不安定の度を増すのだ。

そう考えると、イスラエルにとっては、アサド大統領という人物と彼の体制は、より安全な敵ということになろうし、IS(ISIL)
やアルカーイダ系ヌスラのような組織は、危険の度合いを測りえない、組織ということになろう。

そればかりではない、IS(ISIL)
やヌスラのような組織が権力を拡大して行けば行くほど、マイノリテイのアラウイ派国民やキリスト教徒国民などは、シリアから逃げ出さなければなるまいし、もし留まれば虐殺されることを、覚悟しなければなるまい。そのマイノリテイをアメリカはどう保護するのか、ということを考えたとき、アサド大統領が秩序を回復することが、出来るのであれば、その方が楽だということに、なるのではないか。


最近、オバマ大統領はアサド体制の打倒を考えていない、と言い出している。それはいま述べたような、理由によるのではないのか。アメリカにとってはアフガニスタンとイラクの先例が、あまりにも大きな負担を、アメリカにもたらしたからであろう。私に言わせれば何をいまさらだが。
Posted by 佐々木 良昭 at 23:52 | この記事のURL
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