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NO3322 『最近の中東サイクス・ピコ条約否定が流行語に』 [2014年10月31日(Fri)]
中東に関心のない人には記憶にないだろうが、中東の現在にまで及び、常に問題の根源となっている条約がある。それがサイクス・ピコ条約だ。イギリスのマーク・サイクス氏とフランスのジョルジュ・ピコしによって作られた原案をもとに、オスマン帝国崩壊後の中東を、分割するという話だ。

驚くことに、この案はオスマン帝国が第一次世界大戦で敗北するよりも、6
年ほど前から討議されていたというのだ。当時のヨーロッパの大国の恐ろしいまでの周到さを、感じさせるではないか。1921年の第一次世界大戦の終戦前の1915
年頃から、イギリス・フランスは既に分割を、話し合っていたというのだから。


そのサイクス・ピコ条約で、中東の新しい国境が決められたわけだが、それはイギリスとフランスとの間で交わされた、勝手な国境線引きであったために、今日なお中東地域を、不安定な状態にしているのだ。

21
世紀に入り中東各国が対立したり、内戦が頻発し始めると、世界の警察を自負するアメリカは、サイクス・ピコ条約を破棄し、新たな国境線を引こと思い立った。それがアメリカの退役海軍大佐ラルフ・ピーター氏によって発表された『新中東地図』だった。


今回の一連のアラブの春革命も、シリアの内戦も、その構想に則って進められているものだという判断に立つと、全体像が見えてくる。アメリカはもちろん、新たな中東の国境線を引くことを、自国の利益にも結び付けている。それはシリアの石油・ガス資源の独占であり、湾岸諸国からの石油・ガスの、地中海への搬出だ。


シリアには地中海沿岸に、膨大な量のガス資源が、眠っていることがわかっているし、イラクとの国境地帯には、石油やウランも埋蔵されている、ということのようだ。加えて、イラクとシリアを経由して、湾岸諸国のガスや石油を、パイプラインでシリアの地中海沿岸都市まで、搬出するということだ。


このアメリカが手掛け始めた大計画は、地域各国に大きな影響を及ぼしているが、どうやらトルコはその陰で、ほくそえんでいるということのようだ。それはトルコには第一次世界大戦集敗北後に失った領土が、シリアとの間にはあるからだ。

トルコは中東地域が不安定化し、戦闘が続いているなかで、自国の権益を奪回しようと考えている。しかも、このことはトルコのダウトール首相(当時外相)
が、オスマン帝国の復活について、口を滑らせてしまったことがあるくらいなのだ。


シリアの内戦を機に,トルコはシリアの北部地帯の、元オスマン帝国領土を奪回することを考えている。シリア領土内のトルコに近い地域にある、スレイマン大帝の廟は、いまでもトルコの飛び地の領土だが、少なくともその地域までは、取り返したいということであろう。つまり、アメリカがサイクス・ピコ条約の破棄を考え、トルコも同じこと考えているということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:59 | この記事のURL
NO3321 『刻々と変わるトルコのコバネ対応』 [2014年10月30日(Thu)]
トルコのエルドアン大統領にとっては、冬の時期が始まっているのかもしれない。それは、対米関係が芳しくなってきたということに、原因がありそうだ。アメリカ政府はシリアのコバネ市のクルド人を、
IS(ISIL)の攻撃から救いたい、という気持ちが強いからであろう。


トルコ政府はアメリカの圧力を受け、シリアへの派兵を国会で決議したが、トルコは戦車部隊をシリアとの国境に張り付けたが、いまだにコバネには侵攻していない。それはコバネの
PYDが、トルコのクルド組織PKK(クルド労働党)と同じ、テロ組織だという判断を、下しているからだった。


そのため一切の協力をしない、という立場で来たのだが、ここにきてイラク・クルドのペシュメルガ軍が、コバネの戦闘に参加することを認めた。しかし、戦闘員の数は
150人程度に限定され、いまだにコバネには、入れないでトルコとシリアの国境地帯にいるようだ。

他方、トルコ政府が支援しているFSA(自由シリア軍)の、コバネ参戦については、問題がないとして、トルコ国境からコバネに入ることを許可した。

しかし、これとてもトルコ政府にしては、大変な決断だったと思われる。もし、コバネでクルド側がIS(ISIL)との戦闘に勝利した場合、その後コバネでは
PYDが主導権を握るのか、FSAが握るのか現段階では不明だからだ。

トルコはアメリカの強い圧力に屈して、イラク・クルドのペシュメルガ部隊の、コバネ入りを認め、かつFSA
のコバネ入りを認めたのであろうが、もうひとつの圧力が働いていたことも、考えなければなるまい。

それはトルコ政府がコバネでの戦闘に何らかかわらず、コバネのクルド人が虐殺されるのを放置している、とPKK
のアブドッラ―・オジャラン議長が、クレームをつけたからだ。アブドッラ―・オジャラン議長は、今後もトルコがコバネへの支援をしないのであれば、トルコとPKK
との和平交渉は打ち切る、と圧力をかけたのだ。

加えて、トルコ国内のPKK
のメンバーや支持者だけではなく、クルド人がコバネ支持デモを展開し、軍や警察そして一般市民に、犠牲が生まれていたからだ。この状態を放置すれば、やがてトルコ国内は内乱状態に、陥る危険性があったのだ。

トルコ国籍のクルド人は、2000
万人を超えると言われているが、これにシリアから難民として、トルコに入っているクルド人も、少なくないだけに、本格的な暴動となれば、収拾がつかなくなるであろう。

トルコではエルドアン大統領の公邸が完成し、それはAKサライと名付けられた。AK
はアクという意味であり、それは白ということだ。つまり、白い城という意味であろうが、どうも評判は良くない。開邸式には野党の議員が参加しなかった。

その時期には炭坑で大事故が起こり、この大統領官邸を使っての、ナショナルデーのパーテイは中止せざるを得なくなっている。しかも、この大統領官邸の建設では、ケマル・アタチュルクの農園の一部が破壊され、かつケマル・アタチュルクの名前が消されている。

そのことは今後世俗派の怒りを買うことになろう。加えて言えば、最近かつてうたわれた善隣友好外交は影をひそめ、周辺諸国との貿易も、大幅に減少傾向にある。エルドアン大統領の今後には、どうも暗雲が立ち始めている、ということではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:31 | この記事のURL
NO3320『チュニジア選挙結果はニダー党勝利ナハダ敗北』 [2014年10月29日(Wed)]
チュニジアで行われた国会議員選挙で、世俗派のニダー党がトップとなった。217議席のうちの、約80議席をニダー党が獲得し、イスラム政党のナハダ党は、
70議席にとどまったようだ。


当然のことながら、最大議席を獲得したニダー党も、単独過半数というわけにはいかなかったので、他党との連立政府ということになる。ニダー党の党首であるベジ・シデイ・シブシ氏
(87歳)は、自分の党に近い考え方の党と、連立を組むと語っている。


選挙期間中は、ニダー党がナハダ党と連立を組むかどうかという点について、明言を避けていた。選挙期間中ニダー党は『ナハダ党との連立については、選挙結果によって検討する。』と答えていた。

この議会選挙に続いて、大統領選挙が11月23日に予定されているが、ベジ.シデイ・シブシ氏が立候補するものと予測されている。


ナハダ党側はガンヌーシ党首が、ニダー党との連立にやぶさかでないことを、選挙前からすでに公言し、『いまチュニジアにとって、一番必要なのは連立内閣を作り、国民の意思を一つにすることだ。』と選挙前から公言していた。

問題は、今後連立内閣が誕生し、国民の意思を統一し、国内政治の混乱から免れても、どう貧困問題や失業問題を解決していくか、ということであろう。そもそも、
2011年にチュニジアで、アラブの春革命がおこったのは、貧困と失業が原因であった。

今回のチュニジアの国会議員選挙は、他のアラブの春革命が起こった国に比べ、極めて成功裡に終えたと言えよう。ヨーロッパの選挙監視委員も、フェアーで自由な選挙であったことを、称賛している。


さてこのチュニジアの選挙の成功例が、隣国のリビア国内政治に、今後、どのような影響を与えていくのか見ものだ。リビアはいまだに部族や宗教派閥、世俗派との間で、戦闘状態が続いている。今後、チュニジアの国内情勢が安定化していき、経済的にも発展していくことを期待したい。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:52 | この記事のURL
NO3319 『イラクのペシュメルガコバネ到着遅延』 [2014年10月28日(Tue)]
トルコのエルドアン大統領が、アメリカの圧力を受けて、遂にイラク・クルドのペシュメルガ軍の、コバネ進出を許可した。ペシュメルガ軍はコバネでクルド人戦闘員を訓練し、
IS(ISIL)に対抗できる軍事力に、育てようという考えだった。

ペシュメルガ軍はしかるべき軍事装備を携帯して、コバネへの進出を実現すべく、トルコ領内に入った。彼らはパスポートを所持しなくても、兵士のID
カードを所有していれば、通過できるという合意が、トルコ政府とイラク・クルド自治政府との間で、できていたものであった。しかし、コバネ進出は日曜日の予定になっていたにもかかわらず、現在なお実現していない。


これはペシュメルガ軍が装備している武器が、重火器も含まれていることから、エルドアン大統領が将来を懸念しての、ことなのかもしれない。すでに報告したように、エルドアン大統領はコバネのクルド人たちの組織
PYDは、トルコのPKK(クルド労働党)と変わらないテロ組織だとみなしている。

そのテロ組織に対し、イラク・クルドのペシュメルガ軍が、重火器を手渡すことは、危険極まりないということであろう。だが西側諸国はPYD
をテロ組織とは認めていないし、コバネで大量の犠牲者が出ることを懸念している。

エルドアン大統領の懸念はわからないではないが、結局はアメリカを始めとした、NATO
諸国の圧力の前に、ペシュメルガ軍のコバネ入りを、認めることになろう。現在の遅延はエルドアン大統領による、単なるいやがらせではないか。


最近のトルコの微妙は変化を見ていると、エルドアン大統領がアメリカの圧力の前に、抵抗できなくなりつつあるのではないか。それがトルコ国内でトルコ国民に、どう受け止められ、トルコでどのような新たな政治的潮流を、生み出していくのか興味深いところだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:48 | この記事のURL
NO3317『シナイテロでエジプト政府緊急対応』 [2014年10月26日(Sun)]
シナイ半島の北端にあるアリーシュで、エジプト軍のポストに対する、特攻テロが行われた。結果的に、31
人のエジプト兵が犠牲になるという、大惨事になった。これだけの犠牲が出ることは、そう多くは無い。それだけに、エジプト政府は緊急の対応を、迫られることになった。

エジプトのシーシ大統領は緊急幹部会議を開催し、対応策を検討した。その結果はテレビを通じて、国民にも伝えられた。

シーシ大統領はシナイ半島北部地域を、向こう3
ヶ月に渡って閉鎖することを決め、外出禁止令なども出された。ガザ地区とエジプトを繋ぐラファゲートも、無期限で当分の間、閉鎖されることになった。こうなるとガザの住民の生活は、厳しいものになろう。

シーシ大統領は今回の特攻テロについて、外国の協力があって出来たことだと判断している。シーシ大統領はその外国が、どの国であるかについては言及していないが、これまでの経緯を考えると、ムスリム同胞団の組織である、ガザのハマースがその候補であろうし、ムスリム同胞団を支援している、カタールもその候補の可能性があろう。あるいはトルコも、何らかの関係がある可能性もあろう。

シナイ半島で今回の特攻テロを行ったのは、アンサール・ベイト・ル・マクデス組織と思われているが、この組織とムスリム同胞団の関係は、大分以前から噂されているし、現在モルシー元大統領を含む、ムスリム同胞団の幹部に対する、裁判が行われていることから、エジプト国内でもテロが頻発している。

シーシ大統領は今後、シナイ半島にバッファー・ゾーンを設置することも、検討しているようだ。そうなるとガザ地区の生活はより厳しくなろうし、エジプトからの支援も、減少していくものと思われる。

シーシ大統領は今回のテロを、エジプトの背骨を破壊する目的だ、と表現しているが、エジプトが国家再建に向かって、努力しているのを駄目にしよう、と思っている国があるということであろう。

エジプトはあるいは近い将来、今回のテロを支援した国、あるいは組織に対して、反撃に出るかもしれない。それは新たな戦火を、中東に生み出すのかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:40 | この記事のURL
NO3316 『中東地図は変わるとイスラエルの国防省語る』 [2014年10月25日(Sat)]
もう5
、6年以上が過ぎているだろうか。あるいはそれ以上が経過しているかもしれない。アメリカの退役大佐ラルフ・ピーターズが、新中東地図という論文を軍の機関紙で、発表したことがある。

当然、アメリカの軍人が書き、それが公式の出版物に、掲載されたということは、アメリカ政府の方針となんらかの関係が有る、と考えるのが普通であろう。それでその論文の一部を、日本で発表したが誰も関心を払わなかった。

そればかりか、その後に出版した本の中で、そのことを書いたところ、著者の夢想幻想であり荒唐無稽と馬鹿にされた記憶がある。しかし、東京財団が開催した大使会議で話したときには、パキスタンの大使が食いついてきたし、トルコで発表した時には、主要紙のトップ・ページに私の話が載った。日本人には国際的な意味での、危機感がまるで無い、ということであろうか。

今回はほぼ同じ話が、イスラエルのヤアロン国防相によって語られた。彼に言わせると、ヨーロッパが人工的に引いた国境線は、既に通用しなくなり、一部では既に、描き変えられているというのだ。

ヨーロッパの引いた人工的な国境は破壊された。リビアは第一次世界大戦の後に、ヨーロッパが作り出した国家だが、現状は極めて不安定であり、3
分割の話も出ている。

同様に、イラクも実質的には、クルド自治政府の誕生で、国土が分裂状態にあるし、シリアは混沌の中でシリア政府と、IS(ISIL)とによって、2
分割されているのではないか。

ヤアロン国防省はエジプトとイスラエルの国境については、今後も不変であろうと語っている。当然であろう。このことでもし国境が描き変えられる、とヤアロン国防相が語れば、それはイスラエル政府が、エジプトの領土奪取に関心がある、とエジプト側に受け取られるからだ。

パレスチナの難民については、難民の帰還を許すことは、イスラエル政府の頭の中には、全く無いと全面的に否定している。470
万人にも達している、パレスチナ難民が帰還した場合に、居住するスペースが残されていないからであろうし、そのことはイスラエルの安全を、脅かす危険性があるからだ。

イスラエルはこれまでに、500
以上の村を破壊し住民を追放し、幾つもの街を地図上から消してきている。その後には、イスラエル人が入植地を設立し、快適な暮らしをしているのだ。

ヤアロン国防省はこの時期に、何故中東の国境が変わり、地図が描き変えられる、と言ったのであろうか。それえはアラブ側の混乱が、イスラエルの拡張への野望を、くすぐっているからではないのか。そして、そもそもヨーロッパが描いた地図にこそ、根本的な問題があるのだ、と責任を転嫁しようとしているのではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:40 | この記事のURL
NO3315 『トルコに関する幾つかの情報』 [2014年10月24日(Fri)]
トルコはある意味で、今の時期の主役なのかもしれない。しかし、それは決して芳しいことだけではない。以下のような情報がトルコを巡って、飛び交っているのだ。


最初に紹介するのはシリアのコバネに対する、アメリカ軍による支援物資投下をめぐってだ。トルコのエルドアン大統領はこのことで、アメリカを激しく非難している。これに対し、アメリカ政府のスポークスマンは『
IS
がトルコとの国境地帯を制することなれば、クルドにとって極めて危険でありトルコにも危険だ。アメリカは方針を変えるつもりはない。』と明確にエルドアン大統領に返答している。つまり、エルドアン大統領の主張は、アメリカ政府によって完全に否定されたということだ。


トルコにとっていい情報は、ロシアからのガス輸入価格が、下がる見通しが出てきたことだ。これは、ロシアがヨーロッパの経済制裁下で、窮地に立たされたために起こっている、現象であろう。ロシアはトルコへのガス輸出価格を引き下げると語り、トルコ側は
2015年には3000万BCM輸入する方針だ。


最後は首相府になる予定の新ビルを、エルドアン大統領が使いたいと言い、ダウトール首相はそれを受け入れたことを巡り、副首相のブレント・アルンチ氏が反対したことだ。この新ビルはAKSARAY
と呼ばれ白い城を意味するが、与党AKPから名付けたものだ。

これまで共和国記念日パーテイは、大統領府のチャンカヤ・ビルで行われていたが、今年からは、AKSARAY
新ビルで行われることになり、既に招待状が発送されている。このことについて、野党のMHP
は共和国に対する関与だと非難し、ケマル・アタチュルクに対する、冒涜だと述べている。

エルドアン大統領が使うことになっているAKSARAY
は、実はケマル・アタチュルクを記念する山林農園の土地に建てられたものであり、農園はそのために壊された。このことは世俗主義者の多くが、反発することになろう。

エルドアン大統領の子供じみた『何でも自分の手に入れたい。』は、近い将来、逆に彼から全てを、奪ってしまうかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:09 | この記事のURL
NO3314『悪化が顕著なトルコ・アメリカ関係』 [2014年10月23日(Thu)]
NO3314 10月24日 中東TODAY






先にも書いたが、トルコとアメリカの関係は、シリアのコバネ問題を巡って、ますます悪化しているようだ。そもそも、アメリカが目的としているシリア対応と、トルコが目的と吸するところには、だいぶ差異があるのだ。

アメリカはシリアのコバネという街が、戦略的に重要だと捉えているが、それはトルコにとっては、もっと深刻な問題なはずだ。IS(ISIL)
がシリアを離れる場合は、トルコを経由することになるが、彼らがトルコにとどまって問題を起こすことも、十分に考えられるからだ。

また、シリアでの戦闘を終えて
、自国に帰っていく戦闘員たちは、トルコを経由することになる。その戦闘員たちがヨーロッパやアメリカで、問題を起こす危険性は極めて高いし、すでに幾つかの国でそれが起こっている。したがって、アメリカはいまになって、
IS(ISIL)を何とか打倒したいと考えているのだ。

しかし、トルコが考えていることは、これとは全く異なる。トルコのシリア問題への関与の意向は、あくまでもアサド体制の打倒であって、IS(ISIL)
の打倒ではない。トルコは出来る限りIS(ISIL)との、良好な関係を維持し、クルド問題の解決に使いたいと考えているようだ。


その意味でトルコは、アメリカによるクルド人に対する、武器と医薬品の提供に、強硬に反対してきた。しかし、アメリカ側は人道的な判断もあり、武器や医薬品を空から投下させる、という方法をとっている。

トルコはこの問題で反シリア組織の、FSA(自由シリア軍)
に提供すればいいだろうと食い下がったが、完全に無視された形となった。アメリカはあくまでも、当初の方針通りに進めるので、これまでトルコとの間で交わしてきた立場に、変化はないと言っている。


今回の空中からの投下支援物資は、アメリカの説明によれば、イラクのクルド自治政府が提供したものだったということだ。あるいは一部はそうなのかもしれないが、それが事実かどうかはわからない。


アメリカは支援物資の提供者は、イラクのクルド自治政府であり、アメリカはその支援物資を運んだだけだ、と言いたいのであろうか。もちろん、そのアメリカの言い逃れが、トルコを満足させるはずはなかろう。


トルコの主張はアメリカに無視され、今回お空からの支援が送られたわけだが、その中には医薬品に加え、手榴弾、機関銃、対戦車砲などが含まれていた。トルコはいつの日にか、それが自分たちに向けられることを、懸念しているのだ。

トルコに圧力をかけているのはアメリカだけではない、EU
も同様に、トルコに難しい要求を突き付けている。それは食料品や医薬品といった人道支援物資の通過を、認めろというものだ。これもトルコにしてみれば、簡単な問題ではあるまい
Posted by 佐々木 良昭 at 14:32 | この記事のURL
NO3313 『トルコ・アメリカ関係悪化か』 [2014年10月22日(Wed)]
トルコとアメリカの関係がIS(ISIL)問題を中心に、悪化しているようだ。トルコにとってIS(ISIL)
は隠れた友人であり、対クルドのパートナーになっている。それはトルコが30年以上にも渡って、PKK(クルド労働党)との戦いを続けてきているからだ。

しかし、アメリカにとっては現段階で言えば、IS(ISIL)は最も脅威的な敵とみなしている。当初は、アメリカとIS(ISIL)
との秘密の協力関係が、噂されてきていたのだが、最近になると、IS(ISIL)の欧米諸国に及ぼすであろう脅威を、無視できなくなってきているからであろう、

アメリカはIS(ISIL)をイラクとシリアで、打倒したいと考え始めている。そして、人道的見地からシリアのコバネにいるクルド人を、IS(ISIL)
の攻撃から守ろうとしている。例えば、つい最近実行した、コバネのクルド人に対する、医薬品や武器弾薬の飛行機による投下は、その具体的な形であり、それに先立つ
IS(ISIL)の拠点に対する空爆もそうであろう。

トルコにとってこのアメリカの動きは、極めて不愉快なものであろう。トルコ政府はコバネのクルド人たちを、自国でテロ活動を展開してきた、PKK
と連携するテロ組織(PYD
)であり、味方をするつもりは全くない。そればかりか、アメリカが唱える人道的立場からの、コバネのクルド人に対する、医薬品や武器弾薬の供給は、見逃せない大問題となっているのだ。

しかし、アメリカ政府はコバネのクルド人たちを、テロ組織とは見なしていない。あくまでもIS(ISIL)
の攻撃に対して、敢然と立ち向かう市民とみなしているのだ。したがって、トルコが主張する、シリアのクルド人(PYD)
はテロだという認識とは、真っ向から対立しているのだ。

こればかりではない。アメリカ政府の本音はアメリカ軍が、IS(ISIL)
に対して空爆を加え、トルコは陸軍を派兵して欲しいのであろう。誰もが分っているように、敵を倒すためには、空爆だけでは不可能だからだ。


しかし、アメリカは自国の軍人を犠牲にしたくないから、トルコの軍人を使いたいという腹の内を、トルコはよく分っている。ヨーロッパ諸国もアメリカと同様の考えであろう。そこでトルコが言い出したのは『他の国も派兵するのであれば参戦するが、単独では派兵しない。』というものだった。このトルコの立場はアメリカをして、激怒させていることであろう。


トルコ政府がイラクのクルド兵ペシュメルガの、自国領を通過してのコバネへの参戦を認めたことは、トルコにしてみればギリギリの妥協であったろう。しかし、それはアメリカが満足できるレベルには、至っていないのではないか。


先日国連で行われた国連安保理会議で、トルコが国連安保理の非常任理事国になれなかったのは、多分にアメリカのトルコに対する不満が、理由であったろうという考えが、トルコでは広がっているようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:58 | この記事のURL
「グローバル化時代の異文化人事マネジメント」 [2014年10月21日(Tue)]
各位

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精工に勤務したのち、コンサルタントをしています、ベテランです。

◆日 時 :2014年 11月 25日(火)
16時00分〜18時 00分
◆会 場 :株式会社ベクトル 1F・研修センター
東京都千代田区紀尾井町3−12
紀尾井町ビル1階
(地下鉄有楽町線・麹町駅2番出口 徒歩2 分、
地下鉄丸の内線 赤坂見附駅D7番出口徒歩7 分)
◆定 員 :24名(先着定員になり次第締め切りといたします)
◆参 加 費 :無 料
◆主 催 :株式会社ベクトル

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株式会社ベクトル セミナー事務局 e-mail:seminar@vector-up.com FAX:03−6701−4431
開 催 日 2014年11月25日(火)
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Posted by 佐々木 良昭 at 15:04 | この記事のURL
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