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NO・3140『シーシ国防相辞任と大統領選挙立候補』 [2014年03月27日(Thu)]

長い間エジプト国民をやきもきさせていた、シーシ国防大臣の辞任が発表された。これは大統領選挙に立候補するにあたって、必要なステップあった。現役の公務員がそのまま、立候補することはできないからだ。
これまでシーシ国防大臣の立候補が、遅れていたことについては、いろんな噂が流れていた。例えば彼は意外に慎重であり、エジプトの大統領に就任した場合、アメリカによる暗殺の標的になることを、恐れているからだ、というものがあった。
また、そうではなくて混乱するエジプト経済を立て直し、民生を安定するのは至難の業であり、大統領に就任した場合、その責務を負わなければならないからだ、という説もあった。
加えて、国防大臣はエジプト経済の40パーセント以上を、牛耳っているのだから、そちらのトップに居続けた方が得なのだ、という説もあった。しかし、それらの憶測はみな外れていた。彼は国防大臣職から辞任した後にも、影響力を残せるよう、後任人事を固めることに、専念していたのだ。
その作業が完了したいま、シーシ国防大臣は辞職し、大統領選挙に参加すると宣言したのだ。彼の支持者の喜びようは大変なもののようで、与野党に関わらず、多くの著名人が彼の大統領選挙参加を歓迎している。
ムスリム同胞団の幹部は、シーシ氏が大統領になってもテロは無くならず、エジプト国内の混乱は続くと言っているが、それは彼らがそうする方針だ、ということを語ったのであろう。
しかし当分の間は突発的なテロがあったとしても、それ以上の混乱にエジプトを導くことは、ムスリム同胞団の能力では、出来ないのではないか。先にも書いたように、シーシ新大統領はムスリム同胞団の中の、穏健派を取り込み、ムスリム同胞団の切り崩しも、始めるであろう。
すでに述べてきたように、アラブ諸国は総じてシーシ氏の、エジプト大統領就任を歓迎している。湾岸諸国からは相当の金額が、流れ込んでこよう。そうなると、それを阻止するムスリム同胞団の動きは、国民の監視下に置かれるということであろう。
さて、このシーシ新大統領を誰が支えていくのか、ということになるが、多分アムル・ムーサ氏ではないかと思われる。彼はエジプトの外務大臣を長期にわたって務め、その後、アラブ連盟の事務総長にも就任している、したがって、彼の顔が広いのはアラブ世界だけではなく、世界全体であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:19 | この記事のURL
海外出張のお知らせ [2014年03月27日(Thu)]

3月28日から4月7日まで海外出張に出かけます。
従ってこの期間は中東TODAYを休ませていただきます。この期間中にはエジプトの大統領選挙に向けたデッドヒート、トルコの地方選挙をめぐる最終戦が戦われます。現地の人たちの意見を聞くのが楽しみです。
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Posted by 佐々木 良昭 at 09:24 | この記事のURL
NO・3139 『アルジャズイーラTVの暴露番組は消された』 [2014年03月26日(Wed)]

最近ちょくちょく、カタールのアルジャズイーラTV番組が、消されているようだ。今回の番組は、コロンビア大学のジョセフ・マッサド教授のものだった。内容はパレスチナ内部の権力闘争と、アラブ、アメリカ、イスラエルの関与であったようだ。
アルジャズイーラ・テレビの番組は消されたものの、その内容のサマリーは別の場所に掲載された。その記事によれば、パレスチナの情報部員2万人がイスラエルやCIAのために、スパイとして働いていたということのようだが、その元締めとなっていたのは、ガザ地区の治安責任者であったムハンマド・ダハラーン氏だったというのだ。
彼はガザの税収の40パーセントを着服しており、ハマースとファタハの双方からは、イスラエルとアメリカ、エジプトとヨルダンの情報部のエージェントとみなされていた。アメリカは2007年にハマースがガザで権力を握ると、ハマースを倒す工作をしていたようだ。
ムハンマド・ダハラーン氏はハマースに対してだけではなく、ヨルダン川西岸を支配している、マハムード・アッバース議長に対しても、彼のスポンサー諸国との間で、打倒工作を計画していた。
そもそも、アメリカはこのムハンマド・ダハラーンという人物を、アメリカにとって都合にいい人物としてとらえており、これまで何度となくマハムード・アッバース議長に対し、彼を副議長に任命するよう、圧力をかけていたようだ。
ムハンマド・ダハラーン氏はアメリカやイスラエルの意向を受け、ハマースやファタハの幹部暗殺も試みていた。ハマースのイスマイル・ハニヤ首相がターゲットであり、ファタハの幹部もそうだったようだ。
そのことにより犠牲になったのが、ドバイで2010年に起こったハマース幹部の暗殺事件だった。この暗殺劇にはモサドが関与しており、実行犯は2人のパレスチナ人だった。述べるまでもなく、彼等はムハンマド・ダハラーン氏の子飼いの、テロリストであったということだ。
ムハンマド・ダハラーン氏を危険人物と考えたマハムード・アッバース議長は、彼の地位をはく奪し、2010年にヨルダン川西岸地区から追放している。その後にムハンマド・ダハラーン氏は、ムバーラク大統領の統治する、エジプトに逃れている。ムバーラク大統領が失脚した後は、ドバイに移り住んでいる。
アメリカはなぜムハンマド・ダハラーン氏を、こうも擁護しているのであろうか。アメリカはハマースを完全に潰してしまいたい、と考えているようだ。そのために、ムハンマド・ダハラーン氏を使うということだ。同時にマハムード・アッバース議長を権力から外すうえでも、彼を必要としていた。
オバマ大統領はマハムード・アッバース議長を辞任させたいと考えており、その後にはムハンマド・ダハラーン氏が、後任となるというシナリオのようだ。この流れの中で、ムバーラク大統領と親しい関係にあったエジプトの財閥、バハガト氏の所有するテレビで、ムハンマド・ダハラーン氏はマハムード・アッバース議長を、激しく非難している。
エジプト政府は最近ムスリム同胞団を、非合法なテロ組織だと断定した。そしてガザのハマースに対しても、同じ見方をしている。何故ならば、ハマースはガザのムスリム同胞団が、結成した組織だからだ。
ムハンマド・ダハラーン氏は現在、ドバイに亡命しているが、彼にはアメリカ、イスラエル、エジプト、湾岸諸国がついているということだ。これらの国々は、ムハンマド・ダハラーンン氏に権力を握らせることによって、パレスチナ人すべてをコントロールしたい、と考えているのだ。
そしてその後に、パレスチナ側にイスラエルを、ユダヤ国家と認めることを始めとする、すべての妥協をさせ、これまで60年以上にも渡って、解決不可能だったイスラエル・パレスチナ問題を、解決したいということであろう。それはオバマ大統領が任期の終わりに当たって挙げる、偉大な成果となろうということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 17:56 | この記事のURL
NO・3138『エジプト529人死刑判決の意味することは』 [2014年03月26日(Wed)]

エジプトでは新たな大統領を、選出する日が近づいている。いまの段階では、誰もがシーシ国防大臣の大統領当選が、確信されている。彼は今日明日にも、国防大臣職から辞任し、大統領選挙に立候補すると言われている。
何故これまで、シーシ氏は国防大臣職から辞任し、大統領選挙に立候補しないのか、とエジプトやアラブのマスコミで、取り沙汰されてきていた。事情通が言うには、同じ国防省からシャフィーク元首相や、サーミー・アナン元参謀氏が立候補するのではないか、という懸念からだったと説明されている。そうなれば国防省は分裂し、シーシ国防相の当選が不確かなものになるからだ。
そうした雰囲気の中で、何故この時期にムスリム同胞団メンバーの、大量死刑判決が下されたのであろうか。流れからすれば、シーシ国防相の人気を下げることになる、危険なものであるはずなのだが。
マンスール大統領はつい最近、エジプトは徹底して、テロリストやイスラム原理主義者と、戦うと宣言した。これもまたムスリム同胞団メンバーに対する、徹底した対応を意味し、必ずしもシーシ国防大臣にとって、有利とは思えないのだが。
考えられることは次のようなものではないか。つまり、シーシ国防大臣が大統領に就任する前に、ムスリム同胞団に対する、明確なメッセージを発する。そして、シーシ国防大臣が大統領に就任した場合は、ムスリム同胞団が反政府の動きをすれば、力で抑え込むということを、伝えたということではないのか。
シーシ国防大臣が大統領に就任する前に、ムスリム同胞団問題に一旦決着をつけてしまう、ということであろう。そして、その次にはシーシ国防大臣が大統領に就任し、特赦の形で死刑判決の出ていた529人のうちの、大半を減刑するということではないか。
そして、そのうちの一部の者は無罪になるかもしれない。そうすれば釈放された者と彼の家族が抱き合う、歓喜の感動シーンが見られ、エジプトの大衆はシーシ新大統領の、温情政策を褒め称えよう。
エジプト国民はシーシ新大統領の、温情あふれる対応を歓迎し、ムスリム同胞団も同時に、シーシ新大統領を裏では支持することになろう。そこからシーシ大統領体制とムスリム同胞団との間で、妥協と和解の交渉が進むのではないか。
臨時政府はこれまで、ムスリム同胞団にも政治に参加する権利を、認めると言ってきている。つまり、黙って従えば悪いようになしない、ということではないのか。
シーシ国防大臣が新大統領に就任した後では、アメリカとの関係が重要課題であろう。アメリカ政府はこれまで、ムスリム同胞団を支援してきていたのだ。アラブ世界をかき回す上で、ムスリム同胞団は有効な武器だ、と考えていたからだ。
シーシ国防大臣もエジプトの要人たちも、そのことは十分わきまえている。シーシ特赦はカタールとエジプトとの関係も、修復していくことに繋がろう。すでにカタールからは、タミーム首長(国王)がエジプトとの、政治対話の用意があることを伝えている。これでカタールからエジプトに対し、サウジアラビアやアラブ首長国連邦、クウエイトなどと同じように、経済援助が行われるということであり、アメリカからの援助も始められる、ということではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:42 | この記事のURL
No・3137『リーベルマン外相とハニヤ首相の警告』 [2014年03月24日(Mon)]

 イスラエルのリーベルマン外相は、ガザ地区からのロケット弾攻撃が続いていることに、相当腹を立てたのであろう。それもそうであろう、以前は数日か一週間に1発程度だった、ガザ地区からのイスラエルに対するロケット弾攻撃が、最近では一日に30発も、撃ち込まれることがあるのだ。
 我慢ができなくなったイスラエル側が、この前もガザ空爆を敢行したが、それでも止む気配はない。何時ロケット弾が飛んで来るか分からない恐怖のなかで、イスラエル南部のガザに近い地域に、住んでいる国民がいるのだ。
 最近もう一つ、イスラエル側にとって脅威になっているのは、ガザ地区からイスラエルに抜ける、秘密のトンネルが発見されたことであろう。それも本格的なものであって、小さな口径のものではない。そこを通って、ガザのパレスチナ人ゲリラが、イスラエルを急襲したら、相当の死傷者がイスラエル側に出るであろう事は、容易に想像がつく。
 こうした状況から、リーベルマン外相はガザを、再度占領下に置いたほうが安全だ、と言い出したのだ。しかし、それはガザに住むパレスチナ人と、ガザのパレスチナ政府に向けた脅しであり、実際に再占領が行われるとは考え難い。
 他方、こうしたリーベルマン外相の発言に対し、ガザ地区のハニヤ首相は、ガザに手を出せばイスラエルが、相当ひどい仕返しを受けることになろう、と警告している。ガザにはハニヤ首相がコントロールしている、ハマース組織だけではなく、イスラム・ジハード組織などもあり、ハマースの力を持ってしても、コントロール出来ない状態にあるのだ。
 もし、いまの段階でイスラエルがより本格的な、ガザ攻撃と軍事侵攻を行えば、ガザの住民は総員でこれに対抗することになろう。ガザの住民はそこまで、イスラエル側によって追い込まれているのだ。
 加えて、エジプトのムスリム同胞団政府が、軍によって打倒されて以来、同じムスリム同胞団組織である、ハマースの統治するガザには、厳しい対応をしており、ガザ・エジプトの秘密トンネルは、1500本以上も閉鎖されてしまい、密輸から徴収していた税金が、ガザ政府には入らなくなってもいるのだ。
 しかも、パレスチナ全体を代表する、パレスチナ自治政府は、ガザの惨状を無視し、イスラエルと結論の出ない、交渉という逃げを打ち続けている。ハニヤ首相がパレスチナ自治政府の、アッバース議長を怒鳴りたくなる気持ちは、分からないでもない。
 アッバース議長が統治するヨルダン川西岸地区にも、相当数のハマース・シンパがいると言われているいま、ガザのハマースが全面戦争に打って出れば、ヨルダン川西岸地区にある入植地の、イスラエル人はきわめて危険な状況に、追い込まれ、遂にはイスラエル軍とパレスチナ・ゲリラとの、武力衝突に発展する可能性も否定できまい。その意味でハニヤ首相と、リーベルマン外相が発した言葉は、無視できない危険な兆候であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 23:47 | この記事のURL
新刊出しました [2014年03月24日(Mon)]
新刊『中東の謎」発行しました各位
また本を出しました。
今度の本はアラブに関する基本的な疑問にお答えする内容で、誰にも理解できる 分かりやすい説明になっています。
活字離れが進む若い人たちにも読んでもらえるのではないかと期待しています。
お友達にもご紹介いただければありがたいです。佐々木拝
タイトル:中東の謎
価格:1200円
出版社:海竜社


最も参考になったカスタマーレビュー
著者は現地の人々と頻繁に交流を持っているようで、
実地の内情に詳しく、それだけに中東のあれやこれがよく分かる。
大して中東に行きもしないのに中東批評をしている本が多い中で、
この本は真に中東を理解するのに間違いなく役立つ本だ。
特に面白いな、と思ったのは、1章のイスラムについての話だ。
イスラム教徒の考え方・志向について、非常にわかりやすく解説してくれている。
なぜ豚食を禁止しているのか?
世俗主義とイスラム主義とは?
なぜ科学の時代に神を信じることができるのか?
なぜスンニ派とシーア派は対立しているのか?
など詳しいのに分かりやすい。
ただ、全体として、中東を理解するにはもう少しいろいろなことに触れたほうがいいのではないかと思う所があり、★は4つとした。
とはいえ、最初からいろいろと情報を出されると消化に苦しむだろうから、このくらいがちょうどよいのかとも思う。
イスラム、中東、アラブについて知りたいと思っている人がまず手始めに読みたい本だ。

数年前よりトルコに興味を持ち始め、何度かトルコに行く機会に恵まれ自分の体験を思い出しながら読ませていただきました。
全体的には31章ごとに分かれてることで理解を深め記憶に残りやすい方法で大変読みやすい本でした。
この本を読んでしまうと、イスラム圏の国に旅に出ようと考える方も出てくるのではないでしょうか!特に男性が興味を示すと思います。
少し前の日本人の生き方と、イスラムの教えには共通点が見れ、あーこのこと俺の親父が言ってな、お袋はそんな気持ちで子供時代に
接していたななど、忘れかけていた自分の記憶がよみがえ不思議な感覚にもなり私にとっては記憶に残る本となってます。
トルコでの体験で、9章に書かれているヒズメッが運営する学校を訪問した際には金曜日という事もあり、卒業生が集まり地域社会への奉仕報告や今後の奉仕活動についての会議を昼食をとりながら話し合われていた。私も同席させられ日本では地域社会においての奉仕活動の方法やまた現在何かに奉仕活動を続けてるか?と色々と質問にあった。地域とは何か、社会とは何か、と真剣に話し合われている卒業生をみて、自国の状況に危機感を抱いた記憶が蘇った。
また、地下鉄に乗ると、我先と男性女性と関係なく座席に座る姿をみて・・・・・となったが、女性、老人、子供が乗車してくると我先に...

海外の事に興味があり読みました。イスラム教の事を今までより知る事が出来た以上に、起業しようと思い会社を辞めたばかりの私にとっては、自分を勇気づけるものとなりました。
それはそういう事かというと、本文中に「信仰というものは理屈で考えるものではない、ただひたすら信じるものだ」とあります。
起業しようと思い、不安のある中、ただひたすら自分を信じることが大切だと思い、勇気がわいてきました。
また、「善意は今度は別の誰かにしてあげればいい」というところで、それは素敵な生き方だなあと感じました。
人生をよりよく生きるヒントを頂きました。
イスラムの世界には素敵な智恵がある事を教えて頂きました。
より深くイスラムの世界を学ぶ本とは違うと思います。
どちらかというと人生の指南書。
そういった視点で読まれると面白いですよ♪
Posted by 佐々木 良昭 at 16:12 | この記事のURL
NO・3136『エルドアン首相の危険な賭け』 [2014年03月24日(Mon)]

トルコの戦闘機がシリアの戦闘機を撃墜、というニュースが流れた。トルコ側はトルコの領空内に侵入したので、撃墜したと言うが、シリア側はシリアの領空内だった、と主張している。
トルコとシリアとの関係は、準戦闘状態と言って、差し支えなかろう。トルコはシリアの反体制派に対し、全面的に支援を送っているからだ。ジハーデストの通過を認め、化学兵器の通過を認め、資金が流れ、武器もトルコ経由で、シリアの反政府側に入っているのだから、トルコとシリアは明確に、敵国同士であろう。
そうだとすれば、領空侵犯が起こった場合、敵国の戦闘機を撃墜するのは、当然のことかもしれない。これまでにも、トルコはシリア軍のヘリコプターを撃墜しているし、戦闘機も撃墜している。シリアもトルコ軍の戦闘機を、撃墜しているのだ。従って、トルコ側がシリア軍の戦闘機を撃墜しても、何の不思議もあるまい。
だが、問題は撃墜の時期にある。トルコでは今月3月30日には、地方選挙が実施されることになっているのだ。戦時色が強くなれば、愛国的な言辞をはく者が有利になろう。
そこで出てきたのが、トルコの飛び地領土にある、スレイマン・シャー大帝の墓が、シリア側によって破壊される、というニュースだった。この場所はトルコとシリアとの間で一定の合意があり、シリア領内ではあるが、トルコの領土ということに、なっているようだ。
スレイマン・シャー大帝はオスマン帝国の、始祖の皇帝の祖父に当たる人物であり、その人の墓だということは、トルコ人の愛国心を奮い立たせるであろう。
かつて1955年9月に起こった、ケマル・アタチュルク事件を彷彿させるではないか。この年、ギリシャ領内にあるケマル・アタチュルクの生家が、ギリシャ側によって爆破された、というニュースが流れた。 このニュースはたちまちにして、トルコ中を駆け巡り、イスタンブールではキリスト教徒やユダヤ教徒が、襲われるという事件が起こっている。
そして今回は、この撃墜のニュースとスレイマン・シャーの墓の問題が、トルコ国民をして激こうさせ、選挙ではエルドアン優位が、出てくるかもしれない。
トルコの識者たちの多くは、シリア軍機がトルコの領空を侵犯したのであるから、撃墜しても問題はないとしながらも、あまりにもタイミングを狙った撃墜事件である、感じがあることは認めている。エルドアンは選挙のために、シリア軍機を撃墜させたのか?あるいは偶然の軍事的対処でしかなかったのか。前者であるとすればまさに危険な賭けであろう 。それで火傷をするのは誰かについては、すぐに結果が出よう。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:20 | この記事のURL
NO・3135『トルコ選挙に向け世俗派と保守派の連携』 [2014年03月23日(Sun)]

 トルコの地方選挙は、今月の30日に実施されるが、トルコ国内では最後の1週間に向けて、新たな動きが始まっているようだ。
 世俗派の最大野党CHPと、イスラム保守派の連携が、生まれるかもしれない。トルコ第二の都市イスタンブール市の、市長選挙に立候補したサブル・エルバカン氏は、イスラム保守派の人たちも巻き込んで、AKPに挑戦するようだ。
 これまでは、イスラム保守派の人たちが、CHPの候補者を支援することは無かったのだが、サブル・エルバカン氏は時代が変わった、今は以前とは状況が異なると言っている。
 彼によれば、CHPの女性議員はスカーフをかむって、議会に参加しているというのだ。つまり、CHP はそうしたイスラム保守の主張することを、認めているということだ。
 サブル・エルバカン氏が言うには、イスラム保守派の女性が、何とか現在のAKP 体制を突き崩して欲しい、我々を救って欲しい、と訴えたということだ。ちなみに、サブル・エルバカン氏は以前、リファー党の党首であり、首相職を務めた、ネジメテイン・エルバカン氏の甥に当たる人物だ。
 サブル・エルバカン氏はいま、ミッリ・ギョルシュ(国家の方向性とでも訳せばいいのか?)という新しい運動を展開し始めているが、この運動はイスラムの価値を再評価し、実生活に生かすことを目的としている。
 彼は自分の叔父であるネジメテイン・エルバカン氏も、エチェビット氏の率いるDSPとの、連携を行っていたと語り、市長はいずれの党とも連絡を取り、政策を進めていくべきだと語っている。
 確かに、現在のカデル・イスタンブール市長は、イスタンブール市の一角である、ファーテイ地区の区長とは、不仲のため4年間も連絡を、取っていないということだ。これでは市政に影響が出るのは当然であろう。
 イスタンブールばかりではなく、ブルサ市でも同様の動きが始まっている。ここでもイスラム保守派と、CHP の連携が始まっているのだ。つまり、ここに来てトルコの国内では、イスラム保守派と世俗派の違いに関係なく、反エルドアン首相、反AKPの動きが、本格化してきたということであろう。
 サブル・エルバカン氏はエルドアン首相とAKPが、今度の選挙で敗北することは確実であり、エルドアン首相がテレビ・カメラの前で、泣き崩れるシーンが、見られるだろうとまで語っている。
 選挙までの最後の1週間が、どのような結果を生み出すのか、実に興味深い。エルドアン首相は反対派の動きを抑えるために、ツイッターの通信を禁止したが、それには盟友のギュル大統領でさえ反対している。AKPは仲間割れで敗北するのか、あるいは野党の追い上げで敗北するのか。いずれの結果が出るのか明らかになるまでには、残された時間は1週間だ。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:41 | この記事のURL
NO・3134『ハメネイ師の危険な発言・意図は何か』 [2014年03月22日(Sat)]

 イランの最高指導者であるハメネイ師が、世界を驚かせる発言をした。彼の発言の内容は、『ホロコーストは起こらなかった』という意味のものだった。彼は「ホロコーストは実際に起こったのかどうは不確かだ。もし起こったとしても、それはどう起こったのか、不確かなものだ。』という内容の発言をしたのだ。
 この発言はハメネイ師のツイッターで流され、しかも、イランの新年であるノールーズの祝いの、マシャドの大衆の前で行った演説の中で、語られたものだ。加えて、彼は欧州諸国がこの問題で沈黙を守っており、真実を語ろうとしない、と苦言を呈している。
 イランのノールーズの祝日に向けて、イスラエルからはペレス大統領が、祝意のメッセージを送った直後だっただけに、ハメネイ師の今回の発言には、首を傾げたくなるのだが。
 考えられることは、最近のロウハーニイラン大統領に対する評価が、世界各国とイラン国内で、高くなってきていることであろう。彼の微笑外交は欧米諸国から歓迎されており、彼の側近であるザリフ外相もまた、EUを初めとした各国との間の、関係を改善している。
 あるいは、ハメネイ師はロウハーニ大統領率いる、現在のイラン政府が西側との関係を大幅に改善し、成果を挙げることを、懸念しているのかもしれない。
 イラン国民にとって喫緊の問題は、経済の改善であろう。その意味では、ロウハーニ大統領の対外政策は、成功していると認めざるを得まい。中国やロシアばかりではなく、ヨーロッパ諸国も、続々とイランに閣僚を送り込み、イランとの関係改善を図ろうとしているのだ。
 アメリカの企業も、イランの市場に食指を伸ばしており、イラン詣でを始める機運に、なってきている。それが話だけではなく、現実のものであるために、アメリカ政府は『イランに対する経済制裁はまだ解除されていない。』と声高に叫ばなければならないほどだ。
 このイランと欧米諸国との関係改善と、経済関係の促進への動きは、多分止まらないだろうと思われる。イランの持つ膨大なニーズが欧米諸国に、イランとの関係再開の時期が来た、と感じさせているからだ。
 このままの流れで行けば、ロウハーニ大統領の評価は内外ともに高くなり、それに反して、ハメネイ師に対する評価は、下がっていくことになろう。
 今回のハメネイ師のホロコースト否定発言は、ロウハーニ大統領の外交の邪魔をすることを意図したものであり、同時に、ロウハーニ大統領の行動に対する、警告なのであろう。しかし、イラン国民はハメネイ師よりも、ロウハーニ大統領を支持する方向に、傾いていくのではないか。
 ハメネイ師の切り札である革命防衛隊も、大きな商談が動き出せば、一枚加わろうとするであろうから、ハメネイ師よりもロウハーニ大統領の方針を、支持するようになるかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:56 | この記事のURL
NO・3133『石油開発合意エジプトに朗報』 [2014年03月21日(Fri)]

 以前から納得がいかなかった、エジプトの石油ガス埋蔵の問題が、やっと動き出すようだ。常識的に考えれば、エジプトの西に位置するリビアが産油国であり、トルコ、シリア、イスラエル、ガザの海底にはガスがあり、紅海を挟んだ対岸のサウジアラビアには石油があるのに、何故エジプトだけに無いのか、ということだった。
 それは多分に、エジプトが持つ軍事的底力を恐れて、資金的余裕を持たせない、という政治的な意図が働いていたからではないのか、と思ってきた。エジプトで石油やガス資源が開発され豊かになれば、エジプト政府は巨額の軍事投資が可能になり、たちまちにして軍事大国になるからだ。それはイスラエルにとっても欧米にとっても、歓迎できないことであったろう。
 しかし、時代が全ての状況を変化させ、エジプトでも本格的な石油ガス開発が始まるようだ。イギリスのB社、カナダのシー・ドラゴン社がエジプトとの間で、資源開発の合意を交わしたのだ。
 エジプト側からはイガス社(エジプト・ガス社)が対応するが、ナイル・デルタのダスーク地区で、石油開発のため3本試掘するようだ。
 BP社は地中海の海底油田地帯2箇所で、試掘を始めるようだ。BPは北マクス地区の開発に、3億300万ドルを投資することになっているし、もう一箇所の北タネイン地区には、3億7000万ドルを投資することになった。
 他方、シー・ドラゴン社は3本の試掘に、1700万ドルを投入することで、エジプト側と合意している。
 エジプト政府にしてみれば、今回の外国企業による、石油ガス試掘への動きは、大歓迎であろう。今回の試掘地域だけではなく、その他の地域でも石油ガス資源の開発に、弾みがつこうというものだ。
 度重なる革命の中で、エジプトは経済的に相当ダメージを受けたが、ここに来て、湾岸諸国を始めとする、友好国からの投資が増え、外貨事情は大幅に改善されたし、株価も上昇している。
 近く行われる大統領選挙では、シーシ国防大臣が大統領に選ばれようが、これら全ては、エジプトの今後に希望を持たせる兆候ではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:47 | この記事のURL
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