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新刊『中東の謎」発行しました [2014年02月28日(Fri)]
各位
また本を出しました。
今度の本はアラブに関する基本的な疑問にお答えする内容で、誰にも理解できる 分かりやすい説明になっています。
活字離れが進む若い人たちにも読んでもらえるのではないかと期待しています。
お友達にもご紹介いただければありがたいです。佐々木拝

タイトル:中東の謎
価格:1200円
出版社:海竜社
Posted by 佐々木 良昭 at 16:38 | この記事のURL
NO・3113『サウジアラビアは強力な革命に遭遇』 [2014年02月28日(Fri)]

イランとサウジアラビアの関係は、最悪の状態に向かいつつあるようだ。宗教的側面から考えると、イランはシーア派のイスラム総本山を自認し、他方、サウジアラビアはスンニー派の総本山であり、2つの聖都メッカとメジナを擁しているという自負心がある。
湾岸地域における覇権の問題もあり、両国は事あるごとに対立してきたが、ここにきて、イランは一気に恫喝外交を始めたようだ。『サウジ危うし』の情報を流しているのだ。
イランのプレス・テレビが、ブログで伝えたところによれば、サウジアラビアはいま、極めて危険な状態にある。サウジアラビアのペルシャ湾に面する、東岸のアルカテーフ地域では、サウジアラビア軍とシーア派住民との間で、何度も衝突が起こっており、シーア派住民の側では2人、サウジアラビア軍側からも2人の死者が出ている。
サウジアラビア軍の兵士が死亡したのは、シーア派住民の誰かが、発砲した結果のようだが、そのことは厳しく規制されている、アルカテーフ地域に銃器が持ち込まれた、ということであり、今後それが拡大し、最終的には平和的なデモではなく、銃火器を使った抵抗闘争が、始まることを予感させる。
サウジアラビアとコーズウエー橋でつながるバハレーンに、イラク南部からと思われる銃器の密輸が試みられ、一部が拿捕されていることから考え、イラクその他から、アルカテーフにも銃器が流れ込んでいる、可能性は否定できまい。
イランは自信を持って、サウジアラビアの非民主的な、シーア派住民に対する対応が、このまま続けられれば、武装革命が始まると警告している。そのことは、サウド王家にとっては極めて、危険な状況であろうということだ。
つい2月の後半にも、数千人が参加する大規模なデモが、アルカテーフで起こっているが、これはシーア派住民の犠牲者二人を惜しむ、追悼のデモであったようだ。
このイランのプレス・テレビの報道は、湾岸専門家のリドワーン・リズク氏の、コメントを主とするものだ。イランとサウジアラビアとの関係を考慮すれば、大分拡大した論評と言いたいところだが、そう安易にも受け取れないのではないか。それはイランがサウジアラビアの危険と、銃火器を使用する革命運動が、起こることを予測したということは、単なる予測ではないからだ。
イランは今後、何らかの方法でサウジアラビアとバハレーンの反体制派に対し、銃火器を提供していくということではないのか。そうなれば、確かにサウジアラビアの平和的なデモ、瞬時に変化し、武力抵抗革命運動に様変わりしよう。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:56 | この記事のURL
NO・3112『エルドアン首相スキャンダル最終段階』 [2014年02月27日(Thu)]

昨年の12月17日から始まった、トルコの実質的革命は、現段階に至って結論が見え始めてきた。あまりにも巨額御賄賂を取っていたエルドアン首相の犯罪が明るみになり、それを否定することが出来なくなったからだ。
エルドアン首相は検察の幹部を地方に左遷し、警察の幹部も同様にすることによって捜査のスピードを遅らせ、なおかつうやむやにしようと画策した。それだけでは足りず、捜査に前向きな裁判官の更迭や、マスコミへの弾圧も実施した。最近では野党の宣伝にまで、検閲の目を光らせるようになっている。
こうした流れのなかで、唯一の希望はギュル大統領が、エルドアン首相の犯罪を止めることができるか否かだったが、彼はエルドアン首相の進める裁判官検察官最高委員会(HSYK)なる物を用意し、法の上に法を置くシステムを考えた。
このHSYKがギュル大統領によって承認されれれば、トルコの法律は機能しなくなるのだが、ギュル大統領は承認してしまった。これでは国民の怒りは収まるまい。
数日前、こうした希望の持てない流れのなかで、CHPの党首がエルドアン首相と彼の子息ビラールとの電話会談を国会で暴露した。12月17日の汚職捜査が進むなかで、エルドアン首相がビラール氏に、現金を隠せという指示をしている内容だ。
国会でこの電話対話が流され、テレビ各局はそれを一斉に放映した。一説によれば、このテレビ番組(国会中継)を見たトルコ国民の数は、2000万人にも上るということだ。何とその収賄の合計金額が、300億ユーロというのだから、想像を絶するものだ。
その後、トルコの主要6都市では、大規模な反政府デモが展開されている。述べるまでもなく、エルドアン首相の収賄と、エルドアン政権に対する辞任要求だ。イスタンブール、アンカラ、イズミールといった都市が、デモの起こっている都市だ。
トルコの左派系で著名なジャーナリストである、ジンギスチャン氏は『もし、私たちが民主国家に住んでいるのであれば、録音が明かされた段階で、エルドアン首相は辞任しているだろう。』とエルドアン批判発言をしている。
アラブのある新聞は、こうした状況を踏まえ、『エルドアンの終わり・だが如何に・そして何時』というタイトルの記事を掲載している。つまりエルドアン首相の辞任は、時間の問題だという判断のようだ。
これまでのいきさつからすれば、エルドアン首相はサウジアラビア政府に、温かく亡命を受け入れてもらえるだろう。その際に、トルコで貯めた膨大な賄賂の金を、持ち出せるのか否かだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:12 | この記事のURL
NO・3112『エルドアン首相スキャンダル最終段階』 [2014年02月27日(Thu)]
昨年の12月17日から始まった、トルコの実質的革命は、現段階に至って結論が見え始めてきた。あまりにも巨額御賄賂を取っていたエルドアン首相の犯罪が明るみになり、それを否定することが出来なくなったからだ。
エルドアン首相は検察の幹部を地方に左遷し、警察の幹部も同様にすることによって捜査のスピードを遅らせ、なおかつうやむやにしようと画策した。それだけでは足りず、捜査に前向きな裁判官の更迭や、マスコミへの弾圧も実施した。最近では野党の宣伝にまで、検閲の目を光らせるようになっている。
こうした流れのなかで、唯一の希望はギュル大統領が、エルドアン首相の犯罪を止めることができるか否かだったが、彼はエルドアン首相の進める裁判官検察官最高委員会(HSYK)なる物を用意し、法の上に法を置くシステムを考えた。
このHSYKがギュル大統領によって承認されれば、トルコの法律は機能しなくなるのだが、ギュル大統領は承認してしまった。これでは国民の怒りは収まるまい。
数日前、こうした希望の持てない流れのなかで、CHPの党首がエルドアン首相と彼の子息ビラールとの電話会談を国会で暴露した。12月17日の汚職捜査が進むなかで、エルドアン首相がビラール氏に、現金を隠せという指示をしている内容だ。
国会でこの電話対話が流され、テレビ各局はそれを一斉に放映した。一説によれば、このテレビ番組(国会中継)を見たトルコ国民の数は、2000万人にも上るということだ。何とその収賄の合計金額が、300億ユーロというのだから、想像を絶するものだ。
その後、トルコの主要6都市では、大規模な反政府デモが展開されている。述べるまでもなく、エルドアン首相の収賄と、エルドアン政権に対する辞任要求だ。イスタンブール、アンカラ、イズミールといった都市が、デモの起こっている都市だ。
トルコの左派系で著名なジャーナリストである、ジンギスチャン氏は『もし、私たちが民主国家に住んでいるのであれば、録音が明かされた段階で、エルドアン首相は辞任しているだろう。』とエルドアン批判発言をしている。
アラブのある新聞は、こうした状況を踏まえ、『エルドアンの終わり・だが如何に・そして何時』というタイトルの記事を掲載している。つまりエルドアン首相の辞任は、時間の問題だという判断のようだ。
これまでのいきさつからすれば、エルドアン首相はサウジアラビア政府に、温かく亡命を受け入れてもらえるだろう。その際に、トルコで貯めた膨大な賄賂の金を、持ち出せるのか否かだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:12 | この記事のURL
シリア難民支援の事後報告 [2014年02月26日(Wed)]
シリア難民支援のご協力いただいた方々に感謝します。
以下はこの支援を言い出し現地に乗り込んでくれた佐藤麻衣子さんからのメールです。

佐々木先生

いつも大変お世話になっております。
まだ写真レポートは完成していないのですが、今日からファンドレイジングが始まったばかりです。でご連絡させていただきました。
1ヶ月の期間で120万円を募集しています。クラウドファンディングを使っています。https://www.makuake.com/project/kogosairudeba/
もしも拡散して頂く事ができたたら大変助かります。
こちらがみなさんに書いているメールです

〜東北からシリアへ〜 シリア難民支援「こごさいるでばプロジェクト」の寄付金集めがついに始まりました! 今回のプロジェクトは、東北の方々の「何か恩返しがしたい」という気持ち、日本全国からの「何かしたい」という気持ち、そしてトルコ航空の30トンまでを無償でトルコまで空輸してくださるという協力があって開始することができました。 東日本大震災で集めた物資をシリア難民に向けて送るプロジェクトは全国のみなさんの協力、賛同のもと今年1月に始まりました。東北では釜石市のみなさん、陸前高田市の女性会やモビリア仮設のみなさんやSave 高田のみなさん、大船渡氏の有志の方々、気仙沼ボランティアステーションや気仙沼復興協会、そして仙台ではルーテル教会のみなさん総勢約100名の方々が防寒具や緊急物資の回収から仕分け、梱包まで手伝ってくださいました。プロジェクトが開始する事になってからは自分たちの周りにも声をかけ、一週間足らずで約40名の方が 直接成田の倉庫に物資を送ってくださいました。みなさんの「何か出来る事がしたい」という気持ちを1200箱(約12トン)の物資とともに、シリアの内戦で疲れ傷ついた難民の人たちに送りました。物資輸送には時間がかかりましたが、今現在全ての物資がトルコのイスタンブールに到着しており、数日以内にシリアとの国境付近に届けられる予定となっています。 今回募集している寄付金は東北から成田までのトラックの運送費、倉庫管理費及び通関の費用です。現在はすでに色々とお世話をしてくださっている日本トルコ文化交流協会が立て替えてくださっている状況です。全額お返ししたいので是非みなさんのご協力をお願いします! https://www.makuake.com/project/kogosairudeba/

どうぞよろしくお願いたします。
今度エルビルのご報告もしますね!


佐藤


あ、すいません、ファンドレイジングは寄付集めです!
ネット上で寄付集めをする手法があるのですがもしも宣伝していただければと思っていました。
https://www.makuake.com/project/kogosairudeba

でも21万円も集めてくださっていたんですね!
本当にありがとうございます!

佐藤
Posted by 佐々木 良昭 at 22:15 | この記事のURL
NO・3111『サッバーヒの不思議な発言とメフラブ新内閣』 [2014年02月26日(Wed)]
ナセリスト党の代表で、次期大統領選挙に立候補を早々に宣言している、ハメデイン・サッバーヒ氏が不思議な発言をしている。それは『選挙になればムスリム同胞団は私にではなく、シーシ候補に投票するだろう。』というものだ。
ムスリム同胞団のモルシー政権を潰したのは、言うまでもなくエジプト軍であり、その国防大臣であるシーシ氏をムスリム同胞団が支援することは、常識では考えられないのだが。
今回の大統領選挙では、いろいろな不明な動きがある。例えば、ビブラーウイ内閣が突然解散したことも、不思議と言えば不思議だ。まるで責任を投げ出してしまったような形であり、ビブラーウイ首相の責任感が問われよう。
ビブラーウイ首相筋からは、現在のエジプトの政権を担当するのは、重責過ぎて、とても負いかねるということのようだ。それにしても、首相職からの辞任は、もっと内部で相談して決められそうなものだが。
彼は次の内閣が誕生するまでは、首相職を担当するようだが、それにしても唐突過ぎる。このことについて、エジプトのマスコミでは、シーシ大統領が選挙に立候補し、大統領に就任するためのものだった、という推測が流れている。
ビブラーウイ首相が辞任を発表すると、時間を開けずイブラヒム・メフラブ住宅相が新首相に指名され、組閣を始めている。すでにアーデル・ラブイブ開発相、ムハンマド・イブラヒム内相、ヘシャーム・ザアズーウ観光相、マハムード・アブ・ナスル教育相、ファフリ・アブドルヌール通総産業相などが内定したようだ。
勘ぐると、シーシ新大統領の下で、これからはイブラヒム・メフラブ首相が活躍する、その彼の指揮の下の閣僚は、これこれの人々であるということを宣伝したいのではないのか。
つまりシーシ大統領の下では敏腕の閣僚が勢ぞろいするということだ。そして閣僚の多くに、元の官僚が就任するということは、新政府は安定した政権となり、これまでの経験を生かせる、そして官僚をフルに使いこなせる、ということではないのか。
シーシ国防大臣が大統領に就任するとすれば、そろそろ国防大臣の職を辞さなければならない。立候補はその次ということになっていからだ。シーシ国防大臣が未だに、国防大臣のポストにいるのは『国民のなかにシーシ待望の盛り上がりを創るためだ。』と解説する人もいる。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:55 | この記事のURL
NO・3110『やはり分裂が本格化した反シリア運動』 [2014年02月25日(Tue)]
だいぶ前から、アメリカのアサド体制潰しの、意欲が減退したと書いてきた。それはサウジアラビアとカタールを、失望させるものであったことは、述べるまでもない。両国はアメリカの指示に従って、アサド体制を打倒すべく、膨大な武器や資金を、反体制側に提供してきていたからだ。
アメリカのアサド体制打倒意欲が後退すると、それにならって、サウジアラビアやカタールの支援も減少したようだ。そうなると困るのは、反シリア体制側の各ジハーデスト組織ということになる。
なかでもシリア人によって結成されたFSA(シリア自由軍)は、資金難に苦しんでいるようだ。彼等はサウジアラビアやカタールからの資金援助に、100パーセント依存してきていたからだ。
他のジハーデスト組織は、アルカーイダが主な資金提供者であるようだが、彼等もサウジアラビアやカタールの資金と、武器の援助に依存してもいた。こうなると、反シリア政府側の各組織は、サウジアラビアやカタールから送られる、資金と武器の奪い合いを、始めることになる。それがいまシリア国内で起こっている、反政府各派の戦闘を生み出しているのであろう。
FSAはいま戦闘員に対して給与を支払い、食料を与えなければならないのだが、資金不足から、武器の一部を他の組織に売り始めている、という情報がある。もちろん、FSAから離脱してシリア軍に、帰順する者もいるようだ。
一説によれば、FSAは22000発の弾薬と、ライフル銃80丁を売り、2万ドルを手に入れたということだ。そこまで反政府側の実情は、苦しいのかもしれない。
先に起こったFSAの軍司令官更迭騒ぎも、こうした脈絡から出てきたものであろう。サリーム・イドリス司令官が突然更迭され、その後釜にアブドルイラーハ・バシール氏が就任した。しかし、このアブドルイラーハ・バシール新司令官は、何がどうなっているのか分からないと語っている。
FSAのなかの軍事部門である最高軍事委員会(SMC)には、これまでも十分な資金と武器が与えられていなかった、と内情に詳しい人物は語っている。資金と武器の提供者たちは、そうすることによって、各派に戦闘を競わせていたのかもしれない。
問題は、こうした実情を前に、今後どのような戦闘が展開されるかと言えば、シリア軍にとって極めて有利なものに、なるのではないかということであろう。そして、そのような状況を踏まえ、今後反シリア勢力の政治部門は、どうなっていくのかということだ。次第に影が薄くなっていくことが懸念される。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:13 | この記事のURL
NO・3109『バンダル王子のやり過ぎはサウジ政府の方針か』 [2014年02月24日(Mon)]

アラブ世界、なかでもイラクやシリアでは、タクフィールと呼ばれる猛威をふるうイスラム原理主義グループが、残虐な殺害で世界的に知られるようになっている。
このタクフィール組織傘下には、ダーイシュ(イラク・レバント・イスラム国家)組織や、ヌルサ組織が含まれている。つまり残虐な行為をしている、イスラム原理主義と言われる組織は、タクフィールにコントロールされている、ということだ。
あるいは、タクフィールとイラク・レバント・イスラム国家組織、ヌスラ組織などは同じ組織であり、単に名前が違うだけなのかもしれない。このタクフィール組織の資金や武器のスポンサ―は、サウジアラビアだと言われている
アルカーイダ組織についても、一部ではアイマン・ザワーヒリではなく、本当のリーダーはバンダル情報長官だ、と語られている。そのことの真偽のほどはわからないが、サウジアラビアがスポンサ―である、可能性は少なくなかろう。
サウジアラビアは何故このような暴力的な組織を、支援しているのであろうか。専門家は『サウジアラビアはワハビズムを、世界に知らしめたいためだ。』と説明している。
ワハビズムとはサウジアラビア建国の祖となった、イスラムの学派であり、この組織とサウド家が一体となって、サウジアラビア王国を創立したのだ。しかし、それだけでは説明不足のような気がする。
実はサウジアラビアはいま、同国のペルシャ湾岸にある、アルアルカテーフ地域の反政府運動を、恐れているということのようだ。同地域はサウジアラビアの中にあって、主に石油を産する場所なのだ。
そればかりか、教育が進んだ現段階では、多くのサウジアラビアの若者が、自国を刑務所のような国家とみなしており、機会さえあれば革命を起こしたい、と考えているようだ。
こうした事情が、サウジアラビアをして、国内が不安定な時は、外部に敵を作るという政治的定石の、蛮行に走らせているようだが、そのことは西側諸国の間で、サウジアラビアの評判を、落としているようだ。
例えばウオール・ストリート・ジャーナル紙は『バンダル情報長官が辞任したことは、アメリカとサウジアラビアとの関係改善に役立つ。』とサウジ王室顧問が語ったと伝えている。
これから先、サウジアラビアは欧米諸国との間に、良好な関係を維持していけるのだろうか、とふと疑問が沸くのだが。
Posted by 佐々木 良昭 at 17:37 | この記事のURL
NO・3108『ヨルダンに軍事訓練所設立・反シリア戦闘員訓練』 [2014年02月24日(Mon)]

ヨルダンは中東のほぼ中心部に位置する、戦略的要衝の国家だ。それだけにアメリカは同国に対し、特別の配慮を払ってきていた。しかし、現在の状況はそれを、許さなくなっているのかもしれない。
中東では各国で戦闘が繰り返されているが、最近ではレバノンが危険になってきている。それはレバノンで内戦が起こる可能性と同時に、反イスラエルのヘズブラの動きが、シリア体制に対する支援だけではなく、イスラエルにも向かう可能性が、高まってきているからだ。
残念なことに、現在のイスラエルでは、レバノのヘズブラとの戦闘を、うまくやりおおせる状況にはない、とアメリカは判断したようだ。そうなればアメリカ自身が、中東に乗り出さなくてはならなくなるということだ。
ヨルダンはその最適地ということのようだ。ヨルダンからはレバノンへの軍事侵攻も偵察も容易であり、しかもヨルダンは親米国でもある。シリアについても同様に、ヨルダンは好立地と言える。
そのシリアに対する対応のために、ヨルダンにはアメリカが設立した、戦闘員の訓練キャンプができたようだ。このことについて、ヨルダンの内務大臣マジェド氏は否定しているが、それはシリアを意識しての発言であろう。
ヨルダンにはヤジューズキャンプが首都アンマンの北にあり、ここではパレスチナ自治政府、イラク、リビア、アフガニスタンなどの戦闘員が、訓練されているという報告がある。そのほかに警察の訓練所として、アルムワッカキャンプがアンマンの東に設立されている。
最近になって、シリアとヨルダンの国境地帯での、戦闘が激しさを増してきているようだ。それはヨルダン内にある難民キャンプで、戦闘員をスカウトする反政府側と、それを阻止しようとするシリア政府側の戦いが、激しくなってきているのであろう。
シリアとヨルダンの国境地帯について、先述の内務大臣マジェド氏は『 国境を100パーセント守ることなど、どこの国にもできない。』と語っているが、そのことはこれから先、ヨルダンと同胞関係にある反シリア軍(FSA)だけではなく、外国からシリアに集まってきた、アルカーイダ系列の戦闘集団も、ヨルダンに潜入することが、容易だということではないのか。
そのことは近い将来、ヨルダン国内が危険になっていく、ということではないのか。すでにトルコ国内でも外人ジハーデストの動きが、危険視され始めているし、レバノンでもそうだ。 ヨルダンだけが例外であり得るはずがなかろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:24 | この記事のURL
NO3107『M・アッバース議長苦渋の決断なるか』 [2014年02月23日(Sun)]

 大統領期間の第2期を迎えてなお、何の成果も生み出していない、アメリカのオバマ大統領にとって、パレスチナ問題は手ごろなテーマかもしれない。もしそう彼が考えたのであれば、浅はかとしか言いようが無いかもしれない。
 アメリカのケリー国務長官は、オバマ大統領の意向を受け、足しげくイスラエルとパレスチナを訪問し、双方に対し圧力をかけている。そのなかから妥協点を見出したい、ということであろう。
 イスラエルはケリー国務長官の、威圧的な外交に不審を抱いたのか、最近になって、極めて神経質であると同時に、自国の将来に不安を抱いているようだ。国内的には経済不信が広がり、国際的にもイスラエルに対し、入植地拡大問題などをめぐって、反発が広がっている。
 他方、パレスチナ自治政府も同様に、アメリカの強圧的外交に、どう対応すべきか戸惑っているようだ。そうしたなかから、マハムード・アッバース議長がパレスチナ難民の処遇をめぐって、きわめて重要な決断をするのではないか、という憶測が流れている。
 それはパレスチナ以外に居住している、パレスチナ難民の帰還の権利を、放棄するのではないかということだ。レバノン、シリア、エジプト、ヨルダンなどに住む、何百万人というパレスチナ難民が、イスラエル(パレスチナ)に帰還することになれば、イスラエル国内居住者の多数派はパレスチナ人、ということになってしまう。
 当然これはイスラエルにとって、受け入れられるものではない。そうではあっても、パレスチナ自治政府とマハムード・アッバース議長は、パレスチナ難民の帰還の権利を、放棄できないでいたのだ。それがまさにパレスチナ解放機構(PLO)のうたい文句であり、革命闘争の根本部分をなしていたのだから。
 だが、もし今後もパレスチナ自治政府が、パレスチナ難民の帰還権を堅持すれば、パレスチナ問題は前進できないのは明白だ。そうしたことから、マハムード・アッバース議長がパレスチナ難民の帰還権を、放棄するという憶測が流れ出したのであろう。
 この問題は、イスラエルをユダヤ人の国家として、認めるか否かに直結している。これまでマハムード・アッバース議長は、イスラエルをユダヤ国家と認めない、という立場を堅持してきたが、その裏には現在のイスラエルから追放されたパレスチナ人たちが、イスラエルがユダヤ人の国家と認められたとき、帰還できなくなるからだ。
 つまり、マハムード・アッバース議長が、イスラエルをユダヤ国家として認めるか否かは、同時にパレスチナ難民の帰還権を、放棄するか否かと一体なのだ。ネタニヤフ首相はその辺をよく理解していて、パレスチナ国家を認めるか否かは、イスラエルをユダヤ国家として認めるか否かと、表裏一体だと語っている。
 マハムード・アッバース議長はアメリカの圧力の前に、パレスチナ難民の帰還権の放棄だけを、結果的にしてしまうかもしれない。同時に、イスラエルをユダヤ国家として認めてしまうかもしれない。しかし、それはパレスチナ側にとっては,何の見返りも無いかも知れない。
ガザのハマースはこのあいまいな中での、パレスチナ難民帰還について放棄するわけにはいかない、とマハムード・アッバース議長に噛み付いている。それは当然のことであろう。あるいは、アメリカ・イスラエルと対峙する、マハムード・アッバース議長の擁護のための反発なのかもしれないが。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:08 | この記事のURL
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