CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 2013年11月 | Main | 2014年01月»
NO・3057『今年最後の重要ニュース』 [2013年12月31日(Tue)]
 今朝未明に書いた記事で、終わりにしようと思ったのだが、重要なニュースが二つ伝わってきたので、ご紹介することにした。

:エルドアン政府ギュレン・グループと交渉希望
 これまでもめ続けていたエルドアン首相側が、イスラム組織であるギュレン氏のグループと話し合いを始めたいと言い出している。これはダウトール外相が語ったものであり、エルドアン首相が直接呼びかけたわけではない。
 しかし、エルドアン政権は汚職が露見し、ほとんどの国民から支持されなくなっており、与党AKPは次の選挙では確実に、野党に成り下がるだろう。もちろん、エルドアン首相が夢見ていた、彼の大統領就任の可能性は、全く残っていない。そればかりか捜査が進めば、彼や彼の家族が投獄される可能性も、少なからずあるのだ。
 ダウトール外相はギュレン氏に、トルコに戻りエルドアン首相と話し合うよう呼びかけたが、多分ギュレン氏はこの呼びかけに応えて、帰国することはなかろう。もし、エルドアン首相が現状を打開したいのであれば、ギュレン氏が住むアメリカを訪ねるべきであろう。
 ギュレン氏にしてみれば、国の金を盗みまくったエルドアン政権と、真面目に話し合い、エルドアン内閣を窮地から救い出すための、問題の解決を図る義務は無かろうし、そのことがエルドアン首相の延命に繋がるのであれば、泥棒を支援することになり、ギュレン氏にとっては極めて、不名誉なことであろう。
 トルコのフッリエト紙は『誰が泥棒を首相の地位に就けておくことを支えるか、トルコはクリーンで正直な政治家を必要としているのだ。』と書いている。   
トルコのハルク・バンクの頭取スレイマン・アスラン氏の自宅から、警察は450万ドル入った靴箱を発見している。述べるまでも無く、この頭取はエルドアン首相に極めて近い人物だ。

:エジプト政府は大統領選挙を優先する可能性大
 エジプト政府は国会議員選挙の前に、大統領選挙を実施する意向のようだ。もし、大統領選挙が実施されれば、シーシ国防大臣が間違いなく、大統領に選出されよう。
 今のところ語られている前倒しの大統領選挙は、これまでの6,7月頃では無く、4月に早まるかもしれない。
 エジプトの国民と臨時政府は、一日も早くシーシ国防大臣に大統領に就任してもらい、国内を安定化させて欲しい、ということであろう。
 シーシ国防大臣が大統領に就任すれば、国内は安定し、湾岸諸国は       喜んで援助を送り、かつ投資してくれるだろう、という希望を国民は抱いているようだ。確かにその可能性は高いだろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:32 | この記事のURL
NO・3055『中東諸国2014年の予測』 [2013年12月31日(Tue)]
『中東諸国2014年の予測』
;エジプト
 先日、エジプトの2014年を、予想した記事を書いた。危機感が足りない、中東世界はそう簡単な状況ではない、とお叱りを受けるかもしれないが、2014年の後半には、エジプトには一定の落ち着きが、戻るのではないかと思っている。
 その最大の理由は、ムスリム同胞団の動きがこれまでとは異なり、思うようには行かなくなってきたからだ。ムスリム同胞団の幹部は皆、逮捕投獄され裁判に掛けられている。残ったムスリム同胞団のメンバーは、指導者の無いままに、自暴自棄とも言える行動に走っており、大衆の反発が強くなってきている。
加えて、ムスリム同胞団の資金は、組織も個人も凍結され、使えない状態になっている。そのことは大衆動員が、出来なくなっているということだ。そのうえリーダー不在が原因し、アズハル大学での放火事件で説明したように,ムスリム同胞団のメンバーではない者の蛮行に対して、ムスリム同胞団は自分たちの組織とは関係ない、と言えないでいる。バスに対する放火も然りであろう。
 ムスリム同胞団の内部では分裂が始まっており、強硬路線を主張する者もいれば、今の時期は穏健路線をとるべきだ、と主張する者もいる。つまり、現在のムスリム同胞団は、組織の体をなさなくなっている、ということだ。
 他方、世俗派の臨時政府は、新体制を正式に設立する方向で、着実なステップを踏んでいる。新憲法を制定し、1月には国民投票に掛け、それが多数の支持を得て発効され、次いで国会議員選挙が実施され、その後には大統領選挙が行われる予定になっている。新大統領が選出される今年半ばには、エジプト社会はほぼ落ち着いた状態になる、と考える根拠はそこにあるのだ。
:シリア
 シリアの場合はどうであろうか。シリアもまた2014年半ばごろには、一定の落ち着きを、取り戻すのではないだろうか。アメリカのオバマ大統領が、アサド体制打倒のための、軍事行動をあきらめたときから、風向きが変わっている。
それまで反体制派を支援していた、サウジアラビアやカタールが援助を渋り始めているし、アメリカも以前ほど真面目には、支援しなくなってきている。そうした流れのなかで、計算が狂ったのがトルコであろう。トルコは気が付いたときには、他の反体制派支持国が、だいぶ後ろにいたということのようだ。
反体制派支援という名目で、サウジアラビアなどが集めた傭兵は、ジハード戦死(聖戦の戦士)などといった立派なものではなく、ほとんどがギャング集団と変わりない。敵側の人間を簡単に殺害し、内臓をかじって見せる者までいた。これでは世界の国々は援助を渋って当たり前であろう。
反体制側に送られる武器や資金は、こうしたよそ者の手に多くが渡り、シリア人で結成した、FSA(自由シリア軍)にはあまり届かなくなっているようだ。外人傭兵による残虐行為が目立つにつれて、一旦はシリア軍から離れたシリアの将兵が、ここに来てシリア軍に復帰する動きが始まっている。自国を外人傭兵から守らなければならない、と真剣に考える者が増えてきているからであろう。
そのような流れから、2014年の中頃には、シリア情勢はシリア政府側に、きわめて有利な状態に、なっているのではないか。
:イラン
イランについて予測すれば、既にヨーロッパ諸国が、ジュネーブ会議での進展を踏まえ、積極的にイラン接近を進めている。アメリカでは親イスラエルの議員たちが、イランに対する制裁強化を叫んでいるが、オバマ大統領はその時期ではない、とかろうじて新たなイラン制裁を、押さえ込んでいる。
この流れは、余程のことが無い限り、変わらないのではないか。イスラエルは今後も、イラン攻撃を口にしながら、アメリカにも働きかけるだろうが、ここまで来ては、それも無理であろう。イランの革命以来、34年にも渡るイラン制裁の結果、イランではインフラ、設備、航空機、機械等あらゆるものが、故障しあるいは老朽化している。それは、イランが巨大な市場になっている、ということだ。しかも、イランの石油埋蔵量は制裁を受けたこともあり、相当量が残っている。一説によれば、スイング・プロデゥーサー役を務めたサウジアラビアの石油埋蔵量は、2600億バレルから既に1000億バレル程度まで、減少しているとも言われている。
巨大なマーケットとしてのイラン、石油の大埋蔵国としてのイラン、膨大なガス資源の存在するイランは、いまや欧米諸国にとっては、食べ頃ということではないのか。
:トルコ
トルコはどうであろうか。トルコのエルドアン体制は、最初の10年間は飛躍的な発展を遂げることに成功した。周辺諸国との関係も大幅に改善され、まさに善隣友好外交の、見本のような国になっていた。
しかし、権力の長期化は腐敗を生み出す。トルコのエルドアン体制も例外ではなかった。イスタンブールのゲジ公園を潰して、巨大なショッピング・モールを建設する話から、エルドアン体制側の閣僚や彼らの子息たちによる、汚職が露見し始め、今ではエルドアン体制そのものの存在が、危ぶまれるところまで来ている。
多分、これからせいぜい1〜2ヶ月で、エルドアン体制は崩壊するのではないかと思われる。その後のトルコは、風通しがよくなり、一層の経済発展をしていくのではないか。この場合も2014年の半ばがその大きな節目となりそうだ。
つまり、中東諸国は2014年半ば頃から、全体的に改善の方向に向かうのではないか、というのが私の予測だ。例外は、これまでに危機的な状況に遭遇しなかった国々、ということになる。そう考えると、湾岸諸国にとっては、2014年は不安定な年、ということになるかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 01:09 | この記事のURL
NO:3054『年末にお伝えするいい話』 [2013年12月30日(Mon)]

 以前、このブログでご紹介した私のほら話が、意外な結果を生む方向に動き出しました。それは、トルコに避難しているシリア難民に、支援を送るという話でしたが、友人の女性が彼女の友人の女性を私に紹介して、相談に乗ってやってくれという事から始まったのです。
 相談に来た女性は、アメリカのボランテア団体に所属しているらしいのですが、予算が無い、しかし、仙台には東北震災で送られた毛布や衣類が、山ほどあるのでシリア難民に届けたい、ということでした。
 仙台側からどの程度の量を譲ってもらえるのか、仙台から東京までの輸送費用は、誰が負担するのか、これに関する仕事は誰が担当するのかなどを決めて、再度相談に来るようにと指示しました。
 私になりに幾つかの組織が、東京からイスタンブールに送る費用を、負担してくれるだろうと思ったからです。そして、支援物資がイスタンブールに着きさえすれば、トルコ南東部の難民収容所まで運び、毛布や衣類をシリア難民に配布してくれる、トルコの団体を知っているからです。
 トルコ人の友人に依頼したところ、彼はトルコ航空とトルコ大使館に話しをし、30トンまで無償で運んでもらえることになりました。実はアラブ首長国連邦の大使からも、事情を説明してくれれば、無償で輸送する話を進めてあげる、ということもありました。
しかし、シリア難民がいるのはトルコであり、トルコ航空の方が直行便でもあることから、トルコ航空に依頼することにしたのです。
問題は、仙台から東京までの輸送費用です。トラックで運ぶことになるのですが、その費用を誰かが負担しなければなりません。このことについては件の女性とトルコの人たちが、当座の間負担してくれることになりました。
何とかこの寒い冬に、東北震災の折に全国から送られた支援物資の一部が、今度はトルコにいるシリア難民の命を、救うことになりそうです。
シリア難民は凍え死ぬことはないとしても、寒さと食糧不足から、病気にかかり死亡するケースは少なくないと思います。
もしこのブログをお読みの方で、仙台から東京までの支援物資輸送費にご寄付をいただければ幸いです。この呼びかけで意外な金額が集まった場合は、トルコのキムセヨクムという慈善団体に送ります。
この団体が今回シリア難民に、毛布を届けてくれるのです。彼らは災害が起こると、世界の何処でも一番先に駆けつけて、支援活動をしています。インドネシアのアチェで津波が起こったとき、最初に駆けつけたのはこの団体であり、その後、アチェに学校を寄付したのもこの団体です。そのメンバーはいまもフィリピンで支援活動をしています。

NPO日本イスラム連盟
東京三菱UFJ深川支店
0861861563
Posted by 佐々木 良昭 at 11:28 | この記事のURL
NO・3053『カイロ・アズハル大学の放火事件』 [2013年12月30日(Mon)]
 大義名分があればなんでの通る、と思うのが世の常のようだ。エジプトの首都カイロにあるアズハル大学は、世界最古のイスラム大学であり、世界中から留学生が集まるところだ。
 この大学を卒業して帰国すると、卒業生らはそれぞれの国の宗教省で、地位を得えることが出来る。いわばイスラム教徒に権威をもたらす、大学ということになる。
 世界的に有名なカルダーウイ師も、このアズハル大学の卒業生だ。ただ彼はムスリム同胞団の重鎮であることと、過激な発言が災いし、最終的にはアズハル大学から、除籍されるということになった。
 この世界的に有名な名門大学がいま、若者たちの乱暴狼藉の場になっている。アズハル大学にこもった若者たちと警官隊が衝突し、死傷者が出ているが、ついには若者たちがアズハル大学に、放火するに至った。
 この騒乱のビデオや写真が、インターネットで見られるのだが、どう見てもアズハル大学の学生とは、思えないスタイルの者たちが少なくない。そして、彼らはムスリム同胞団のメンバーにも、見えないのだ。
 もちろん騒乱を起こしている学生のなかには、アズハル大学の学生もいよう。ではアズハル大学で起こっている、騒乱の主役たちは誰なのか、という疑問が沸いてくる。
 この騒乱の結果、アズハル大学では試験が、延期されたと報じられている。何処の国の学生も試験は嫌いであり、延期になったことは大歓迎であろう。
 この騒乱の報道を見ていてふと思ったのは、日本で学生運動が激しかった1960年代の終わり頃、各大学で行われるデモやストには、他大学の学生や若い労働者も参集していた。それと同じことが、カイロのアズハル大学でも、起こっているのであろう。
 その推測が正しいとすれば、アズハル大学で乱暴狼藉を働いている者たちの間には、共通の闘争方針などなかろうし、しかるべきリーダーもいないのではないのか。そうであるとすれば、アズハル大学で起こっている騒乱は、ムスリム同胞団の評判を下げるだけで、デモの社会的あるいは、政治的効果はないということになろう。
 結局のところ、ムスリム同胞団の名前の下に、エジプト各地で起こっている騒乱は、ムスリム同胞団に対する社会の支持を、減らしていくことになり、早晩、抵抗運動は収束していくのではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:40 | この記事のURL
NO・3052『エジプトの来年を占う』 [2013年12月28日(Sat)]

 7月3日、エジプトではムスリム同胞団の自由公正党政権が、世俗派の大規模デモに続く、軍の蜂起によって打倒された。以来、エジプトはムスリム同胞団側の抵抗と、それによるモルシー政権の復活を狙う、デモとテロが続いている。
 デモは7月から今日まで続いているし、テロも各地で起こっている。なかでも、テロは爆弾を使ったものが多く、大規模な被害を出している。その対象は公共建造物が多く、警察署などもテロの対象になっている。
 こうしてみると、エジプトは今後ますます混乱の度を強め、来年になればもっとひどい状況に、なるのではないかと考え勝ちだ。さて、実際はそうなるのだろうか。私は全く逆の予想をしている。
 ムスリム同胞団による抵抗運動は、今でも確かに続いてはいるが、臨時政府がムスリム同胞団の組織や個人の、資産を凍結しているために、大衆動員の費用が、出せなくなっている。
 このため、ムスリム同胞団によるデモの回数は減少し、しかも規模も小さくなっているようだ。そのことは、これまでのムスリム同胞団によるデモは、実はムスリム同胞団のメンバーだけではなく、小銭を欲しがるノンポリの参加が多かった、とも言えるのではないのか。
 爆弾テロやデモについて言えば、カイロ大学やアインシャムス大学、そしてアスハル大学でのものが話題になっている。このことはムスリム同胞団だけではなく、世俗派の何でも抵抗したい、反対したい若者が多いということではないだろうか。
 加えて、爆弾テロが一般の人たちを運ぶ、公共バスに対しても行われているが、これでは大衆のムスリム同胞団支持は減少し、逆にムスリム同胞団の支持を減らすことになり、軍隊がエジプト国内の治安を、取り締まってくれることを、望むようになろう。
 そうなれば、2011年の革命当初の目的とは全く異なる、軍人出身者による統治が、再度繰り返されることになるのではないか。つまり、シーシ国防大臣の大統領就任を望む人たちが、エジプト国内で増えるということだ。つまり、ムスリム同胞団が今やっていることは、全く大衆の意向を無視したものであり、計画性の無いものだ、と言えるのではないのか。
 他方、臨時政府側は着々と、国内安定化に向けた作業を進めている。新憲法草案が出来、1月14,15日には国民の賛否を問う、国民投票が行われ、その後には国会議員選挙が予定されており、次いで大統領選挙が行われる予定だ。
 こうなると、一日も早い国内安定と経済再建を願う大衆は、臨時政府を支持する者がほとんどになるのではないか。この流れを壊そうとする、ムスリム同胞団の活動は国民に嫌われ、国民大衆がムスリム同胞団を、監視するような行動を採るかもしれない。どうやらムスリム同胞団は、今回の戦いに敗れたようだ。
そうだとすれば、今後も単発的な爆弾テロは起こるものの、ムスリム同胞団の活動は大衆の支持を失って行き、エジプトは安定化に向かうのではないか。そうあって欲しい。
Posted by 佐々木 良昭 at 21:07 | この記事のURL
NO3051『エルドアン首相の子息に遂に手が回るか』 [2013年12月27日(Fri)]

トルコのマスコミは今、エルドアン首相の家族にまで、スキャンダルに関わる取り調べが広がるのか否かで、持ちきりになっている。マスコミはこれまでの検察と警察の捜査で、内閣が改造されるまで進展したことを、重く受け止めているようだ。
最近、トルコの幾つかの新聞は、エルドアンの家族や側近たちにまで、捜査の手が伸びる、と予測する記事を書いている。それはエルドアン首相の子息であるビラール氏が関係する、NGOのスキャンダルをめぐる記事だ。
これは建設事業にこのNGOが、関与していたということのようだ。イスタンブール市がこのNGOに、許可を出していたということであり、明らかな汚職であろう。
既にイスタンブール市長は逮捕されているが、彼はAKPの党員でもある。どういうわけか、彼は逮捕後に釈放されているが、それ以後彼に対する取り調べは、行われていないということのようだ。
つまり、もしイスタンブール市長に対する取り調べが進んだ場合、エルドアン首相の子息のことも、明るみに出てしまう可能性があり、上からの力でそれが、止められたのかもしれない。
しかし、その程度で問題が解決するとは思えない。多くの検察や警察の幹部の首が飛んでいるが、とてもスキャンダルを隠し通せる、とは思えないからだ。既にトルコのスキャンダルは欧米の知るところとなり、欧州議員会議が公正な問題の処理を、進めるべきだと言っている。
アメリカも今回のトルコのスキャンダルに絡んだ、在トルコ・アメリカ大使批判については、名前こそ出していないが、エルドアン首相に対し、厳しい意見を述べている。いわく『トルコ・アメリカ関係を壊すようなことはするな。』である。
今回のスキャンダル事件では、以前にも書いたとおり、検察と警察が本腰を入れている。したがって、今後エルドアン首相からの圧力が強まれば強まるほど、頑なになっていくのではないか。トルコ人の性格はそのようなものの気がする。
今後、捜査の手は広がり閣僚、学者、財界人、そして彼等の子息たちと広がっていこう。そうなれば早晩エルドアン首相の子息にも、手が及ぶということではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:09 | この記事のURL
NO・3050『目立ち始めてきたトルコ国内の内部対立』 [2013年12月26日(Thu)]

末期症状とはこういうことを言うのであろうか。最近になって、急激にトルコ権力内部での対立が、目立ち始めている。それは責任のなすりつけ合いであり、権限の主張でありといった具合だ。
まず、トルコの3閣僚が辞任することになった。経済大臣のザーフェル・チャーラヤン氏、そして内務大臣のムアンメル・ギュラール氏だ、次いで辞任するのが環境都市開発大臣のエルドアン・バイラクタル氏だ。
最初の二人は渋々ではあるが、何も言わずに大臣職を辞任したが、エルドアン・バイラクタル環境都市開発大臣はそうではなかった。自分が辞任することはいいが、そもそも建設計画はエルドアン首相の、管轄権限下にあったのだから、自分が辞任するならエルドアン首相も、辞任すべきだと語ったのだ。
今回の一連の汚職問題で、初めてエルドアン首相の辞任が、閣僚の口を通じて語られたのだ。そのことは汚職問題を一歩前に、進めたということであろう。
そもそもトルコ国内の不安定化は、エルドアン首相のイスタンブール市内にあるゲジ公園を潰して、巨大なショッピング・モールを建設する、という話から始まったものだ。
このショッピング・モールの建設では、エルドアン首相の妻が関与していたという、噂が流れていたし、彼の義理の息子も絡んでいたのではないか、と言われている。我々部外者には事の真相はわからないが、こうした噂が出ること自体、エルドアン首相にとっては極めて、不都合なことであったろう。
そうした噂を裏付けるような発言が、エルドアン・バイラクタル環境都市開発大臣によって、語られたということだ。同大臣は『そもそも開発関連事業は、エルドアン首相の権限下にあったのだから、今回の一連の汚職事件では、エルドアン首相にも責任がある、したがって彼は辞任すべきだ。』というものであった。
もう一つのいざこざは、検察側と警察側の対立だ。検察側はイスタンブール警察に対し、30人ほどを逮捕するよう指示したが、警察側はこれを拒否している、その理由は、多数の警察幹部が左遷あるいは首になっており、その後、警察内部が再整理されていないために、動きが取れないというものだった。
これを検察側と警察側の対立と受け止めるか、あるいは双方間の出来レースと受け止めるかは、今の段階では判断しかねる。
いずれにしろ、検察側と警察側の意見の相違が出ていることは、政府が何らかの指示を出した場合に、動きが鈍くなるということであろう。沈む船の中が混乱し、いいアイデアが出てこなくなるのは、当然ことかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:44 | この記事のURL
NO・3049『イランが首都移転検討』 [2013年12月25日(Wed)]

中東のニュースと言えば、最近では政変や内戦と言った、血なまぐさいものが多いが、イランから伝わってきたニュースは、何となく胸をときめかせるものがある。それは首都の移転話だからだ。
現在のテヘランが首都になったのは、ペルシャの歴史の中では比較的最近であり、それ以前には幾つかの首都が、交代でその役割を果たしていた。それがテヘランになり、その後テヘランの人口が増大し、1200万人にも及びテヘランは大混雑する街に変貌した。
加えて、最近のテヘランは、大気の汚染がひどくなっている。中国ほどではないが、やはりそれは大きな社会問題となっているようだ。また、テヘランでは地震が頻発してもいる。大型の地震が起これば、街は一瞬にして瓦礫の山と化す、危険性があるのだ。それだけ軟弱な建造物や、古い建造物がテヘランには多いということだ。
さて、このテヘランから首都を、他の地域に移転させる提案に、イランの国会議員たちは、どのような反応を示しているのだろうか。最近議会で討議された結果は、議員総数が290人のうち、214人が討議に参加し、首都の移転に賛成した議員の数は、110人だったと報告されている。
イランの東部では、大型地震が起こっていることから、多分首都が移転される場合は、中央部から西部の地域になるだろう。そのことによって、少しでも地震の被害を軽減させる、と考えるのは当然の配慮であろう。
しかし、そうは言ってみても、首都の移転には移転の費用と、新首都の整備費用がかかり、それは膨大な予算を組まなければならないだろう。テヘラン住民の間にも、空気汚染や混雑に対する不満はありながらも、首都を移転して欲しくないという感情もあろう。
結果的に、首都を移転させるか否かを決められるのは、イランの最高指導者であるハメネイ師の決断ということになろう。もし、ハメネイ師がゴーと言えば、誰が反対してもそれは実行され、その反対であれば誰が望んでも、移転話は無理ということになろう。
こうした大規模な計画の是非をめぐる話の場合、絶大な権力者が存在するということは、きわめて便利であろう。彼の一言が全てを決定出来、大衆は文句を言える筋合いには無いからだ。
あるいは、ハメネイ師がイランにもたらせる、最大の貢献は首都の移転に対する決断であり、それは首都移転計画への、ゴー・サインなのかもしれない。一部にはこの計画は実現性に乏しいという人士もいるが、ハメネイ師を持ってすればは無理ではあるまい。夢のある話ではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 17:19 | この記事のURL
NO・3048『エルドアン首相の訪日危ぶまれる』 [2013年12月23日(Mon)]
 既に何度か書いてきたが、トルコのエルドアン首相はだいぶ精神状態が、まともではなくなってきているのではないか。それは彼の閣僚が何人も、汚職で逮捕されているからだ。
加えて、彼らの子息たちも複数が、汚職で逮捕されていること、そして、これから逮捕が予定されている、トルコの高官や彼らの子息が、89人以上もいることによろう。
エルドアン首相はこの動きを、外国の陰謀やトルコ国内の反政府派の罠だ、と非難しているがそれを信じているトルコ国民は、ほとんどいなくなってしまったのではないのか。
 トルコで何が起ころうが、大きな被害を日本が受けることはなかろう。たとえ政権が交代しても、これまで両国間で交わされた合意が、破棄されることはありえないからだ。
 しかし、1月の始めに予定されている、エルドアン首相の訪日はどうなるのだろうか。多分、トルコ国内のいまの流れで行けば、ほぼ確実にキャンセルされるのではないだろうか。それは汚職で逮捕された閣僚の中に、ザフェル・チャーラヤン経済大臣が含まれているからだ。
 12月のエルドアン首相とその一行の、訪日の最大の目玉は、日本とトルコとの経済協力であり、その中の最も重要な項目は、両国の自由貿易協定であろう。そうなると、ザフェル・チャーラヤン経済大臣が抜ける代表団の訪日は、意味が無くなるということだ。
 エルドアン首相は非礼にも、天皇陛下のご健康に配慮することなく、訪日を強引に要求し、天皇陛下との会見を、申し込んでいると聞いている。
 彼は何様のつもりなのだろうか。アメリカ大使を初めとした、欧米大使の陰謀を口にし、アメリカ大使の追放も口にしている。もちろん、アメリカ側はエルドアン首相の言動に、腹を立てていることだろう。その結果は、今後アメリカがトルコに対して、協力的でない動きに出ることを、予測せざるを得まい。
 エルドアン首相は自分一人で過去10年間の、経済発展を成し遂げた、と思っていようがそうではない。経済発展が成し遂げられたのは、アメリカの協力があり、トルコ国民の努力があったからに、他ならないのだ。
 エルドアン首相は自分の家に火が付いてあわて、全てを駄目にしてしまおうとしているようだ。もちろん、彼にはその自覚は全くあるまい。あれだけトルコの地位を中東地域と世界で高めた、時代の寵児の最後は、惨めとしか言いようが無い。彼の義理の子息もやがて逮捕されるという情報がある。そうなれば彼の妻も、逮捕される危険があろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 22:33 | この記事のURL
NO・3047『ネヴァー・オン・サンデイ・バス爆破テロ』 [2013年12月23日(Mon)]

 イスラエルの最大都市テルアビブでバスの乗客を狙った爆弾テロが、12月22日の日曜日に起こった。バスの後部座席に黒い大型のバッグが放置されていたため不審に思い、乗客を誘導し下車させた後間も無く爆弾が破裂したようだ。
 幸い死傷者は出なかったことは、まさに幸運としか言いようがなかろう。爆弾はこれまでバス爆破に使われたような、大型ではなかったことから、この程度で済んだのであろうが、そうでなければ、下車した後でも、死傷者が出た可能性があろう。
 以前に起こった同種のテロでは、バス全体がバラバラになっていた。今回の爆弾テロに、どのような種類の爆発物が使われたのかについて、イスラエル警察はコメントを控えているが、手控えたテロであり、警告が主な目的だったような気もする。
 しかし、もし日本で同じテロが起こっていたら、きっと死傷者が出ていたろう。それだけイスラエル国民は、常時テロに対する対応を訓練されているということであろう。そのため乗客の行動が敏速だったということであろう。まさに戦時下にいるような毎日を、イスラエル国民は過ごしているのだ。気の毒としか言いようが無い。
 バスには12人の乗客がいたが、事件後どの組織からも、犯行声明は出ていない。今回の爆弾テロについて、パレスチナのハマースとイスラムジハード組織は、歓迎の意を表している。
 今回の犯行が起こる前には、ヨルダン川西岸地区でイスラエル入植者や警察による、パレスチナ人に対する攻撃があり、何度となく衝突を繰り返していた。最近になってそのような衝突が繰り返されるなかで、19人のパレスチナ人が死亡し、イスラエル人も4人が死亡している。
 パレスチナ人とイスラエル人の衝突が起こる原因は、第一に和平交渉が全く進んでいないし、何の成果も出していないことから来る、パレスチナ人のフラストレーションの拡大であろう。第二には、イスラエル人によるヨルダン川西岸地区への入植が、政府によって認められ保護されていることにあろう。
 加えて、ガザ地区に対する容赦の無い、イスラエル軍による攻撃であろう。最近、パレスチナ問題に対する関心は、アラブ諸国のなかでも世界全体でも、低下の傾向にある。ガザ地区がエジプトとイスラエルによって閉鎖されており、生活物資にすら困窮する状態にあるのだ。
ガザ地区のハマースやイスラムジハード組織が、爆弾テロを歓迎する声明を出した気持ちは、分からないではない。そして、パレスチナ問題を再度世界にアピールすることも、今回のバス爆破テロの目的であったのではないか。
もちろん、だからといってパレスチナ側に無差別テロをする、正当な権利があるという判断は馬鹿げていよう。国連(欧米)が勝手に決めたパレスチナの分割とイスラエルの建国、そのイスラエル国家の、ユダヤ人に対するゲットー化以来、トラブルが無辜の民を犠牲にしてきているのだ。それはイスラエル国民であり、パレスチナ人なのだ。いわばイスラエル国民もパレスチナ人も、お互いに国際政治の犠牲者なのだ。イスラエル国民とパレスチナ人双方は、自分の側の権利の主張の前に、国際政治の犠牲者同士である、という認識の上に立って、相手を思いやる気持ちを、持って欲しいものだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:29 | この記事のURL
| 次へ