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NO・2968『トルコがアメリカに変えて武器を中国から購入』 [2013年09月30日(Mon)]
トルコ政府がミサイルを始めとする、高度な兵器の輸入先を、アメリカから中国に変更することになった。その輸入がどの程度のものであるかは、分からないが、トルコが希望していたミサイル・システムを、アメリカ側は40億ドルと提示したのに対し、中国は30億。ドルという金額を提示したというのだ。
これでは当然のこととして、トルコは中国と契約をすることになろう。しかも、トルコのエルドアン首相が構想している、テクノ・パークを中国が設立に協力してもらい、兵器産業技術の移転を、図りたいということのようだ。
トルコのエルドアン首相は、何でも自国で生産したいと望んでおり、中国から兵器の生産技術を提供してもらい、将来的には戦闘機も自国で生産することを、夢見ているということだ。
これまで韓国もトルコの兵器産業への協力をしてきていたが、今後はもっと本格的な長距離ミサイルを含む、兵器開発を中国との協力のもとに、進めていくということであろう。
問題は、このトルコのエルドアン首相の方針に対して、アメリカが気分を害しているということだ。述べるまでもなく、トルコはNATOのメンバー国であり、ヨーロッパやアメリカ以外の兵器武器が、トルコによって使用されることは、軍事協力面で支障をきたすということになろう。
もちろん、兵器の価格は巨額であるため、トルコがアメリカに替えて、中国との取引を拡大していけば、アメリカは相当なダメージを、受けることになろう。そのことから何が起こるのかは、想像の範囲だ。
エルドアン首相はこれまで、兵器産業を始め、手広く種々の分野で活動してきたコチ・グループとの関係を、断絶することも進めるようだ。そのことは、兵器輸入にからんでいた関係者が、利権を完全に失い、その分野での主役が完全に入れ替わるというとでもある。
エルドアン首相のアグレッシブな方針は、称賛に値するものだが、同時に極めて危険なものでもあろう。エルドアン首相が構想しているように、中国との兵器産業分野での、自主開発が進んでいくのか。あるいは、外部からの圧力によって、その構想が潰されてしまうのか。トルコのエルドアン首相は大きなかけに出た、ということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:01 | この記事のURL
NO・2967『シリア内戦地域がヨルダン国境に拡大』 [2013年09月29日(Sun)]

 シリアの内戦が続いているが、今までのところいい方向に向けた、目立った進展は無い。国連でのシリア問題討議は、ロシアの優勢でアメリカの軍事攻撃の可能性を遠ざけた。もちろん、アメリカはいまだに種々の条件を付けることにより、今後にシリア攻撃の余地を残している。
 そうなると、シリア軍と反政府側の戦闘組織との間で、当分の間戦闘が続くということだ。その結果、シリアの内戦はおのずから周辺諸国に、影響を及ぼしていく危険性が、高まっていくということであろう。
 トルコではゲジ公園の再開発が発端で、警察が力で押さえ込んではいるものの、全国的な政府に対する抗議の行動が続いている。それがいつ本格的な動きになるか、予測がつかない。
 いままで選挙による投票で、絶対的自信を持っていたエルドアン首相も、実際に選挙をしてみた場合、どのような結果が出るのか分からないのではないか。エルドアン首相の強引な行政手法が、次第に国民の間で反発を広げているのだ。
 エルドアン首相がどう考えているかは別にして、トルコはいま極めて危険な方向に、向かっているのではないかと思われる。以前にも書いたように、クルド人がトルコとシリア、イラクにまたがって、居住していることに問題がある。
それらのいずれかの地域で問題が発生すれば、トルコ国内のクルド人にも影響が及んでくる、危険性があるのだ。現実に最近では、トルコ・シリア国境地帯で、クルドとアルカーイダ系のヌスラ組織とが、戦闘を展開している。それが戦場をシリアからトルコに、拡大してくる可能性は否定できまい。
同じようなことが、ヨルダンとシリアとの国境地帯でも、芽生え始めている。シリア軍の攻勢の前に、次第に後退を余儀なくされている反政府派、なかでも、アルカーイダに繋がっているヌスラ組織が、ヨルダン国境で勢力を伸ばし始めている。ヌスラ組織はこの国境地帯地域を、支配しようと考えているようだ。
以前から言われていたことだが、ヨルダンに設けられたシリア人難民キャンプでは、若い女性は臨時婚という合法的な売春の対象とされ、少年を含む若い男性たちは、戦闘員としてスカウトされているのだ。
当然の事として、シリア人難民キャンプには、これらの反政府派のスカウトの手引きをする、シリア人もヨルダン人もいるのだ。武器もまた非合法に相当量が、ヨルダン側に流れ込んでいるものと思われる。
その武器がヨルダン政府に向けられる時が来ない、という保証は何処にもないのだ。そのため、ヨルダン政府とシリアの反政府組織FSA(シリア自由軍)が、必死にその動きを、止めようとしているのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:43 | この記事のURL
NO・2966『シリア情勢の影響を受ける周辺諸国』 [2013年09月28日(Sat)]

 国連での、シリアの化学兵器をめぐる討議が、結果的にはロシアや中国が押す考えに、まとまりそうだ。つまり、アメリカが希望していたシリアに対する空爆は、国際社会が認めないという方向だ。
 それはアメリカにとってだけではなく、これまでシリアに敵対的に関与してきた、周辺諸国にとっても大きな不安を呼ぶものとなっている。サウジアラビア、カタール、トルコがその典型であろうし、イスラエルにとっても、少なからぬ影響が及ぼう。
 一説によれば、サウジアラビアはシリアの反政府派テロ集団に、武器と軍資金(軍事資金と、戦闘員への給与)を提供し、自国内で逮捕され死刑判決が出ていたサウジアラビア人を始め、イエメン人、クウエイト人、パレスチナ人、スーダン人、ヨルダン人、ソマリア人、イラク人、パキスタン人、アフガニスタン人、エジプト人などに対しては、シリアでの戦闘に参加することを条件に、釈放しているということだ。
実際にこのことについては、公文書が一般に流れ出してインター・ネットの世界に広まっており、多くの人たちが知るところとなっている。
 カタールについては、自国のアルジャズイーラ・テレビが、反アサド体制の宣伝番組を重点的に放映していたし、アラブの春が起こった国々に対しては、革命の扇動を行ってきていた。
 もちろん、カタールが反シリア戦闘組織に対して、資金を提供してきていたことは、公然の事実となっているし、世界の国々はそれを噂としてではなく、真実として受け止めている。
 トルコもまたサウジアラビアやカタールと並んで、反アサドの立場を堅持してきていた。トルコはサウジアラビアやカタールが、反政府側戦闘組織に提供する、資金と武器の経由地として、また戦闘員の通過地としての役割を、果たしてきていた。
最近になって、そのトルコではエルドアン首相の、強硬なシリア対応に対する非難が、国民の間で高まっているし、与党内部の幹部の間でも、エルドアン首相とは異なる意見を述べる者が、増加してきている。
トルコの場合、今後予想される事は、エルドアン首相が与党から追い出される可能性と、ヨーロッパ諸国がトルコ国内の混乱を機に、トルコの経済に対する攻撃を、画策してくることではないか。『エルドアン首相は何時の間にか、裸の王様になってしまった。』という意見を述べるトルコ人が増えてきている。
エルドアン首相が与党から去らないとなれば、与党の有力者たちが逆に与党から飛び出し、新党を結成することもあいうるだろう。しかし、こうした与党を始め、トルコ国内の大きな変化に、エルドアン首相は気が付いていないようだ。それは彼の周りにいる人物のほとんどが、イエス・マンだからだ。
ある国際情報に詳しい友人からつい最近『カタールは非常に危険になってきていますよ。注意してみていてください。』というアドバイスをいただいた。まさにその通りであろう。
サウジアラビアは自国だけでは何も出来ないので、アメリカに対して『どれだけでも金は出すから、アサド体制を軍事攻撃して、打倒してほしい。』と泣き付いているようだ。
 シリアのアサド体制が生き残れば、当然アサド側からの、サウジアラビアやカタールに対する破壊工作を、始める可能性が高くなろうし、両国の内部でも、これまでのシリア対応に対する、非難の声が国民の間から高まろう。
 エジプトの場合もそうだが、エジプトと並んでシリアは、サウジアラビアを始めとする湾岸諸国の人たちの、最も人気の高いリゾート地になってきていた。それが両国民にとって危険地帯になるようであれば、国民が政府に対して、非難を始めるのは当然であろう。
 イスラエルについて言えば、同国はアメリカが必ずシリアを攻撃してくれる、と考えていたものが、土壇場で全く予想していなかった、結果が出たことで驚いていよう。それは、シリアに対する攻撃が行われなくなったことが、実はアメリカの世界に対する影響力、強制力、指導力が確実に低下したことを、意味するからだ。
 イスラエルにとっては、シリアのアサド体制がイスラエル攻撃をしてくるとは考えていなかったから、シリアは安全で信頼できる敵国という位置づけだったろう。従って、最初の段階ではシリア人同士が殺しあうことを、歓迎していたろう。
しかし、戦闘が長引く中で、次第にイスラエルがアメリカを動かしている、という認識がシリアを始めアラブ諸国間で広まり、思いがけない危険と敵を、抱えるようになってしまったのだ。
イスラエルはいま、これまで完全に頼りにしてきたアメリカが、目に見えて世界への影響力を低下させてきていることに、愕然としているのではないか。加えてアメリカ国内でも『イスラエルのためにアメリカ国民が戦争をして、犠牲になることは無い。』という考えが広がり始めてもいる。
そのことはイスラエルという国家にとっても、アメリカを始めとする世界中に散らばっているユダヤ人にとっても、大きな不安になりつつあるのではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:09 | この記事のURL
NO・2965『プーチンシリアのテロリスト中央アジアへ移動と警告』 [2013年09月27日(Fri)]
ロシアのプーチン大統領は、シリア問題をめぐって、重要な発言をしている。それは、シリアの問題がやがて決着をみるときが来るだろう、という前提に立ってのものだ。
プーチン大統領はシリアで今戦闘を展開している、イスラム過激派を中心とするテロリストが、やがては中央アジアに移動し、そこで新たな戦闘を展開するという予測だ。
その候補地はタジキスタンを始めとする、アフガニスタンに、隣接する国々であり、ロシアはそれを防止するために、これらの国々に協力を余儀なくされるだろうという内容だ。
しかし、このプーチン大統領の発言を読んだ時、一番最初に頭に浮かんだのは、
中東アジア諸国ではなく、シリアの内戦に直接関与している、トルコであり湾岸諸国だった。
シリア問題は時間の問題であり、結論は 既に見えているのではないか。アサド大統領派が勝利するか、テロリスト側が勝利するかだ。もちろん、テロリスト側が勝利するとすれば、それはアメリカの後押しがあってのことであり、テロリスト各派が単独で、シリア軍に勝利できるとは考え 難い。
トルコが危険になる要素はいくつかある。すでに、トルコのギュル大統領はトルコ国内にシリアで戦闘を展開している、テロリスト集団が存在することを警告している。
トルコはシリアと900キロの国境を接しているのだから、テロリストたちが
シリア軍との戦闘で不利になれば、トルコ領内に逃げ込むのは、当たり前のことであろう。同じ懸念をダウトール外相も最近になって、口にしているのだ。
シリアで現在展開しているテロリストたちは、湾岸のサウジアラビアやカタールによって、資金と武器を提供されているといわれている。トルコはそのテロリストがシリアに侵入していく、経路となっているのだ。
当然のことながら、過去2年の戦闘の中で、これらのテロリストとトルコの軍や情報機関との間に、密約が交わされているものと思われる。そのことは、テロリストが既にトルコ国内に、拠点を構えているということでもあろう。
シリアという戦闘血を失った後、これらのテロリストがトルコ国内で戦闘を展開する、あるいはテロ活動を展開する可能性は高いだろう。現段階でもPKK(クルド労働党)のゲリラが、トルコ国内では臨戦態勢を崩していないのだ。
加えて、シリア北部のクルドやイラク北部のクルド、そしてトルコのクルドとの間の連帯が生まれつつある。シリア国内で既に始まっている、クルド人とイスラム過激派テロリストとの闘いが、今後激化して行けば、彼らの戦場はシリア北部とトルコ南東部にまたがるのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:26 | この記事のURL
NO・2964 『最強の敵は最大の友か』 [2013年09月26日(Thu)]
イスラエルの軍幹部が、最近面白い発言をしている。パレスチナのガザ地区を支配しているハマースが、イスラエルの安全上最も好都合な相手だ、と言い出しているのだ。
このイスラエル軍の幹部の発言によれば、ガザのハマースとは、これまで何度も戦闘を展開してきたが、そのためにハマースはイスラエル軍の実力を、良く分かっているというのだ。
結果的に、ハマースはガザ地区からの、イスラエル領内に対するロケット攻撃を、控えるようになったというのだ。つい昨年、イスラエル軍はガザ地区に対する徹底的な軍事攻撃を行い、ハマース側は相当の痛手を被っている。
最近でも、ガザ地区からのロケット攻撃が、絶えたわけではないが、それは弱小のパレスチナ組織が、単発的に行うものであり、対応できる範囲だということのようだ。
ガザ地区のハマースが、イスラエルに対する攻撃を控えているのには、それ以外にも原因がある。それはエジプトのモルシー政権(ムスリム同胞団政権)が打倒されて以後、エジプトはハマースとガザに対する、締め付けを強化している。
ガザ地区とエジプト領のシナイ半島の間に設けられていた、何百本もある密輸用の地下トンネルを、エジプト軍が次々と破壊しているのだ。このため、ガザ地区では生活必需品や、建設資材が大幅に不足するようになった。
こうなると、ハマースはイスラエルに対して、関係を改善しなければ、やっていけなくなるということだ。もし、ハマースがあくまでも強硬な対応を、イスラエルにとり続ければ、エジプトとイスラエルによって、ガザ地区の住民は兵糧攻めに遭う、ということになる。
つまり、ハマースは大分追いつめられており、イスラエルとの間に何らかの妥協をはからなければ、ガザ地区での政治的な主導権を、失うことになるのだ。ガザ地区の住民が不満を抱きながらも、ハマースの主導に従っているのは、外国からの援助獲得と、秘密トンネルを通じての生活物資の確保によるのだ。
ハマースが現在の主導的地位を失い、ガザ地区でイスラム原理主義の強硬派が、主導権を握るようなことになれば、イスラエルはガザ対応にてこずることになる。だからと言って、ファタハがガザ地区で主導権を握れるかといえば、それも現状ではあり得ないことなのだ。
支配には『生かさず殺さず』という言葉があるが、イスラエルはまさに今、ハマースに対し『生かさず殺さず』の対応を、するということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:30 | この記事のURL
NO・2963『警戒心ない日本人はいい鴨の典型例』 [2013年09月26日(Thu)]
最近イランで次のような事件が起きたらしい。外務省の海外安全情報に載っているので、調べれば分かる。どうもその情報を見ていると、日本人は外国で警戒するという気持ちを、全く持っていないように思えるのだが。
9月24日午後10時頃、テヘランのアーザーデー広場から、ホメイニ空港に向かおうとしていた日本人旅行者が、バス停留所を探していると自分の車で送ってやるという、白タクの運転手から声をかけられた。
ご本人は空港へ行くのを急いでいたのかもしれないが、その誘いを受け車に乗った。やがて運転手は彼の友人を呼び同乗させ、その男がナイフを突き付けて、日本人旅行者を脅し、現金(80万円)、スマートフォン、旅券、衣類、書籍などの入ったスーツケースを奪い、翌日朝まで連れまわされ、最後には車から引きずり降ろされ、畑の中に連れて行かれそうになり、何とか逃げたという話だ。
最近になってイラン国内では、日本人を狙った強盗事件や窃盗事件が、頻発しているということだ。
この情報を読んで感じたことは、夜中に白タクに乗るという無防備な日本人は、何を考えていたのかということと、現金を80万円も持っていたということだ。2~30万円なら分からないでもないが、現金でこれだけの金額を持っていたのは、絨毯でも買おうと思っていたからであろうかと友人と話した。
今年だったと思うが、女子大生が夜中にタクシーに乗り、事件に会い殺害されたというニュースが、報道されている。今回の被害者は男性だったのであろうか。男なら安全と考えたのであれば、あまりにもお粗末な話だ。
この手の事件は、何もイランに限ったことではない。いま世界は富める者と貧しい者の、二つに分かれている。そのために犯罪は起こりやすい。しかも、映画もテレビも、犯罪物が多すぎて犯罪を犯す者が、あたかも英雄でもあるかのように、取り上げられている。
情報の世界同時発信も、犯罪を助長しているのではないか。日本でも犯罪者の手口を真似して、似通った犯行を行うという、連鎖反応が起こったことが何度かある。イランの場合はもっと単純に、連鎖が起ころう。
以前、リビアを旅行している人たちに、何故リビアかと尋ねたところ、リビア砂漠の満天の星空の下で、寝たいから来たと答えていた。彼等は犯罪には遭遇しなかったようだが、安易な気持ちで旅行していることに変わりはない。いわば彼等は、犯罪の犠牲者最有力候補ということだ。
豊かになるということは、何処まで人を無防備にするのだろうか。日本人の心が緩み過ぎているからか。『そこは日本ではない!』と大声で言ってあげたい。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:07 | この記事のURL
NO・2962『日本企業はサービス精神を忘れたのか』 [2013年09月25日(Wed)]
中東に住んでいる友人からメールが来た。その人は大分強い不満を、日本のコンピューター・メーカーに抱いているようだ。
その人いわく、日本のメーカーは使う人たちの事を無視して、いいものだから買えという感じがしてならないというのだ。いわく『韓国のコンピューター・メーカーはキー・ボードにアラビア語があるのに、日本のコンピューター・メーカーはそうはなっていない。『アラビア語のキー・ボードのプラスチックのカバーをしたらいいだろう。』という姿勢のようだ。これではどうしても日本のコンピューターよりも、韓国のコンピューターの方が売れることになりますよ。』
コンピューターのキー・ボードにアラビア文字をプリントすることは、そう難しいことではあるまい。中東のマーケットは小さくないはずだ。つまり、日本のメーカーは手抜きをしても、自社製品は売れるという、尊大な気持ちで中東市場に、対応しているのではないのかということだ。
韓国のサムスンの携帯電話が、世界市場で大きなシェアを持ったが、コンピューターも同じであろう。携帯電話の場合、技術的に韓国のサムスンの製品が、飛びぬけて優れていたわけではないが、お客のニーズを早めにつかみ、対応していったからであろう。もちろん宣伝広告の効果もあるが。
日本企業はコンピューターばかりではなく、他の製品の場合も同じような傾向が、あるのではないのか。その原因の一つは、現地に駐在する社員が、現地の市場の状況をつぶさに本社に報告し、改善を要請するという姿勢が、欠落しているからであろう。
最近の若い社員は外国、なかでも第三世界への駐在を嫌がる傾向がある、ということがよく話題になるが、この場合もその例によるのであろうか。
かつて日本製品が外国で市場を獲得していっていた時、社員は一生懸命に現地の消費者の意向を調べて、本社に報告していたと思うのだが。
本社の受け手の側にも、会社の幹部の側にも問題があろう。そんな単純なことに気がつかないで、平気でいるということは、おごり高ぶった結果というよりも、市場のニーズに関心がなくなった、工夫する気持ちがなくなった、ということの顕われではないのか。
ちなみに、この会社の最近の経営状態は赤字続きであり、決していい状態ではない。それにもかかわらず、常識で考えても出来そうな変更を、しないで放置しているということは、自社が倒産してもいいという前提なのであろうか。
こうした対応に気をもんで、一報くれた友人の気持ちが痛いほどわかる。この問題は現地を見なくても、分かることではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 18:36 | この記事のURL
ご案内: 東京財団フォーラム 「揺れるシリア・エジプトと米ロ中の思惑」 [2013年09月25日(Wed)]
東京財団フォーラム 「揺れるシリア・エジプトと米ロ中の思惑」のお知らせ

東京財団では来る10月3日に揺れるシリア・エジプト情勢をテーマにしたシンポジウムを開催いたします。

アラブの春により誕生したモルシ政権でしたが早くも民衆の反感からデモが発生、ついには軍が介入しモルシ政権が更迭されると言う事態に陥っています。
一方、シリアでは政府と反体制派の内戦が激化し化学兵器の使用という泥沼の事態となっています。
相次いだ「アラブの春」によりその動向が注目されていた中東情勢ですが、エジプト、シリアの混迷は中東情勢の更なる不安定化を表していると言えます。

混迷の度合いを増す一方の中東情勢ですが、今後どのような展開が予想され、世界にどのような影響を及ぼすでしょうか。

本シンポジウムでは中東諸国をはじめ米国、ロシア、中国など各国の情勢分析を行っている東京財団ユーラシア情報ネットワークのメンバーが、エジプト、シリア情勢の現況を俯瞰し、今後の中東情勢と世界への影響を分析いたします。

以下にて詳細、お申し込み方法をご案内いたしますので皆様是非ご来場ください。


第65回東京財団フォーラム 「揺れるシリア・エジプトと米ロ中の思惑」

【日時】 2013年10月3日(木) 18:00〜19:30 (受付17:30〜)

【会場】 日本財団ビル2階 会議室(港区赤坂1-2-2)

【テーマ】 「揺れるシリア・エジプトと米ロ中の思惑」

【スピーカー】(予定、50音順)

 浅野貴昭 東京財団研究員(米国担当)

 畔蒜泰助 東京財団研究員(ロシア担当)

 小原凡司 東京財団研究員(中国担当)

 佐々木良昭 東京財団上席研究員(トルコ・イスラム圏担当)

 益田哲夫 東京財団研究員(東アジア担当)

【モデレーター】
 渡部恒雄 東京財団上席研究員兼政策研究ディレクター 

【参加費】 無料

【詳細、お申し込み】
以下URLから事前のお申し込みをお願いいたします。
http://www.tkfd.or.jp/event/detail.php?id=208
Posted by 佐々木 良昭 at 15:54 | この記事のURL
NO・2961『ムスリム同胞団また長い地下トンネルに入る』 [2013年09月24日(Tue)]
エジプトで1928年3月22日に誕生したムスリム同胞団は、ハサン・バンナー師によるものであった。以来今日までに、ムスリム同胞団はすでに、85年の歳月を費やしている。
このムスリム同胞団が本質的に、どのようなものであるのかについては、専門家の間でも意見が分かれている。私に言わせれば過激な原理主義の組織であり、宗教というよりは政治闘争が中心なのではないか。
その目的は述べるまでもなく、国家の全権の掌握ということになろう。国家の権力を握れば、あとはイスラム法の導入であろうが何であろうが、自由にできるという発想であろう。
その権力掌握に至る段階で、これまでムスリム同胞団は、何度となく危険な橋を渡ってきたし、その結果として、国家からは非合法な組織とされてきている。
たとえば1940年代に、ムスリム不同胞団は時の政府によって、すべての資産を没収されている。彼らの事務所も資金も、政府が差し押さえたのだ。これに対して怒った若いメンバーが、当時のマハムード・パシャ・ヌクラシュ首相を、暗殺するという挙に出た。
結果的には、ムスリム同胞団は危険な組織である、というイメージがエジプト社会に広がった。それを受けて革命後権力を掌握したナセル・グループは、ムスリム同胞団に対する大弾圧をくわえていった。
その口実は、アレキサンドリアで起こった、ナセル大統領に対する暗殺未遂事件だった。もちろんナセル時代にも、彼の後を継いだサダトの時代にも、ムバーラク時代にもムスリム同胞団は、正式に政府に認められた組織には、なりえなかった。
したがって、1月25日革命の後ムスリム同胞団が 、エジプトの全権力を掌握したのは、ムスリム同胞団が結成されて以来、85年ぶりの事であった。しかし、彼らには過去の失敗から来る、焦りがあったのかもしれない。焦りが失敗を繰り返させ、ついには権力の座から追放されることとなった
今回、エジプトの裁判所はムスリム同胞団に対して、ムスリム同胞団としても NGOとしても、認めないという判決を下した。当然のことながら、それに伴って、ムスリム同胞団の資金や建物なども、差し押さえられてしまった。
2013年9月17日、エジプト裁判所はムスリム同胞団に対し、幹部の財産をも含む凍結決定を行った。結果的にムスリム同胞団は、これから何十年かの間、地下に潜り、非合法な形でしか活動できなくなるということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:30 | この記事のURL
NO・2960『シリア難民の流入で苦しむレバノン』 [2013年09月23日(Mon)]

 アラブはひとつ、アラブの連帯、アラブは兄弟などといった、美辞麗句が通用していたのは、70年代の初めまでであろうか。それ以後は、アラブ各国が独自の方針を抱えて、国造りを進めてきている。
 しかし、有名無実になったアラブの連帯が、昨今のアラブの動乱の中で、意図するかしないかに関係なく、姿を見せている。それは内戦から逃れる難民が、周辺のアラブの国々に入って行き、そこで一時的に定着するという形でだ。
 古くはパレスチナの難民が、レバノン、シリア、エジプト、ヨルダンなどに流入し、流入された側の国々は、それを拒否出来なかった。流入したパレスチナ人はその後、大半は難民として生活するものの、一部は巨万の富を持つようになりもした。
 今回のシリアからの難民はいまのところ、ヨルダンとレバノンが一番受入数多いようだが、それ以外にもトルコやイラク、エジプトなどにも流入している。その数があまりにも多いことから、流入された国の国境に近い町では、現地の住民よりも難民の数の方が多くなる、という珍現象も起こっている。
 それはまだ笑って済まされるのだが、通常でも仕事が少ないところに、難民が入ってくると、彼ら難民はレバノン人の半分の賃金でも、働くようになる。結果的にレバノン人と難民との間に、対立が生まれる危険性が、高まるということだ。
 レバノン政府はいま、これまでいたパレスチナ難民に加え、今回は大量のシリア難民を抱え込んでいるわけだが、この難民対策のための資金が、膨大な額に達している。福利厚生サービスなどに、レバノン政府は自国民に難民を加えると、21億ドルもの出費を余儀なくされているらしい。
 そればかりか、シリア内戦の影響と、戦闘のレバノン域内への影響、難民の流入などによる混乱で、レバノン政府は75億ドルもの経済的損失を、出したという報告もある。
 今の状態に対し、国際社会が手を差し伸べなければ、レバノン国内でレバノン人対シリア難民の戦闘が始まる危険がある。レバノンはご存知の通り、キリスト教各派、スンニー派、シーア派といった宗教各派が存在し、彼らはそれぞれにヘズブラのような、私兵を抱えているのだ。
 シリア難民とレバノン人の対立が起これば、シリア難民もシーア派とスンニー派に別れ、レバノンのそれぞれの派と、連携することになろう。そうなると、レバノン人とシリア人難民との、小競り合い程度では済まされない危険がある。
 レバノンは最初はパレスチナ難民を抱え込み、今度はシリア難民を抱え込んで、苦労を背負わせられるということか。
Posted by 佐々木 良昭 at 20:18 | この記事のURL
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