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外国出張してきます [2013年06月29日(Sat)]
          6月30日から7月6日まで、ウズベキスタンに出張してきます。
ある計画を進めていて、それが実現できればウズベキスタンの若者たちに、大きな希望を与えることができると思います。
問題はウズベキスタンの政府高官を、どう説得するかです。
誠意を持って語れば、相手の心を動かすことができる、と信じて頑張ってきます。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:47 | この記事のURL
NO・2877『エジプトの今後はあと数日で決まる』 [2013年06月28日(Fri)]
エジプトでは大規模デモが、6月30日に行われる予定だが、既にエジプト各地では、モルシ−大統領派のムスリム同胞団と、世俗派国民との武力衝突が起こっている。
モスリム同胞団が6月30日の世俗派のデモを前に、6月21日からデモを始めていたが、当初の予定を変更し、6月21日25日の予定だったものを、そのまま続けている。それと前夜祭ではないが、世俗派のメンバーが衝突を、始めたということだ。
多分に、6月30日には大規模な衝突となることが予想されるが、その状況次第では、軍が思い切った手を打つだろう。6月にカイロを訪問した際に、軍や警察の幹部と話す機会があったが、彼らが語っていたのは初めのうちは傍観し、事態が緊急になれば、軍が動くということだった。「
確かに、世俗派の中からはすでに、軍の台頭を期待する声が上がり始めている。そうした状況を受け、6月30日に革命当初(2011年1月25日)のような数の人たちが集まれば、軍は死傷者が出ることを懸念し、クーデターを宣言する可能性が高い。
それは多分、6月30日から様子を見、7月3=4日までには、結論を出すのではないか。
残念だがこの時期、中央アジアに出かけているので、毎日の報告ができない。しかし、流れはほぼこの方向に向かうのではないかと思われる。エジプトの国民に多くの犠牲が出ないよう、
軍の早めの決断に期待する。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:42 | この記事のURL
NO・2876『シリアからのニュースは悲惨ばかり』 [2013年06月27日(Thu)]
エジプトでは6月30日の大デモを前に、大混乱が始まっている。軍も全土に展開というニュースが流れ、モルシー大統領は何をしたらいいのか、分からなくなってきているようだ。その混乱のなかで、相当数の犠牲者が出ることが、予想される。
しかし、悲惨な状況が起こっているのは、エジプトばかりではない。内戦が2年以上も続いているシリアは、もっと悲惨な状況にある。6月の半ばにヨルダンの難民キャンプを訪れたのだが、それでも人は普通の生活を取り戻そうとしていた。
あるキャンプの中の一家族を訪問した時は、お茶こそ出てこなかったが、主婦が息子の写真を見せて『死にました。』とさみしそうに語っていた。その青年は人を殺すような表情ではないのだ、が戦闘になれば参加せざるを得なくなり、そして死んでいったのだろう。
そうした犠牲者の数が、10万人を超えたという報道があった。人権監視団による発表なのだが、どこまで正確かはまさにアッラーの神だけが知っている、ということであろう。犠牲者の実数は、それよりも少ないかもしれないし、多いかも知れないのだ。
その10万人という数のうちの、何割が戦闘に参加した人たちであり、それ以外の一般人たちなのであろうか。戦闘員と一般人との割合が半々だと仮定しても、5万人の一般人たちが犠牲になっているということになる。
当然のことながら、その危険を逃れようと多くのシリア人が、自国から逃れ周辺諸国で難民生活を送ることになった。その合計数は100万人とも、150万人ともいわれている。
しかし、逃れた先に彼等を待っているのは、少ない援助物資から来る生活苦だ。国際機関や受け入れ国の対応は、難民の急増に伴い、間に合わない状態になっているのだ。
そうなると、一家を救うために若い女性が、犠牲にならざるを得なくなる。一家を救うためには、彼女らが夜の女になるか、あるいは臨時婚の対象となるかしかないのだ。
夜の女になりそのことが世間に知られれば、たちまちにして家族の男たち(父親や兄弟)が彼女たちを殺すことになる。一家の名誉を守るための『名誉の殺人』と呼ばれ、殺人の罪に問われないのが普通だ。最近ヨルダンで行われた調査の結果によれば、15歳前後の若い層も、この名誉の殺人を受け入れている、ということだ。
名誉の殺人を逃れ家族を助けるために、少女たちに残っている手段は臨時婚をすることだ。湾岸の金持ちじいさんたちと、1週間程度の臨時婚契約を交わし、しかるべき金銭を受け取るのだ。イスラムでは合法なのだが、現実は13,4歳の少女が、性の玩具にされているのだ。そのことについては、誰も非難しようとしない。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:42 | この記事のURL
NO・2875『警察はムスリム同胞団事務所守らないと語る』 [2013年06月26日(Wed)]
6月30日のエジプトの大衆蜂起の時が、刻一刻と迫っているが、そうした中で危険な発言が、世俗派の人士とムスリム同胞団の、双方から飛び出してきている。
ムスリム同胞団側は6月21日から始まったデモを、6月30日まで継続するつもりのようだ。そうなれば、世俗派とムスリム同胞団側とが衝突し、死傷者が出るのは明らかであろう。
こうした事情からモルシー大統領は非常事態宣言を出したいのだが、それを躊躇している。それは非常事態宣言を出した後、状況がどうなるかということが、分からないからであろう。通常であれば、軍と警察が市内を完全に制圧し、市民が集会やデモを出来なくするのだが。
モルシー大統領はシーシ国防大臣と会談を繰り返したが、大統領の望むような返事が返ってきていないようだ。軍隊は状況の流れを高みの見物し、6月30日のデモに革命当時と似たような大衆が集まれば、クーデターを起こす算段なのではないかと思われる。
そのような流れの中で、警察の将校たちがムスリム同胞団の事務所を、6月30日には守らないと言い出した。守れば世俗派から投石を受け、それに反応すれば、警察は悪者にされるからであろう。
ムスリム同胞団側はすでに地方から、バスでカイロに集結しているが、彼等は武器も携帯しているものと思われる。地方にも動員をかけると、一見、多そうに見えるムスリム同胞団だが、実際はそれほど多くないようだ。そうなれば、世俗派の方が数で勝り、ムスリム同胞団のメンバーに、多数の死傷者が出ることになろう。
モロッコ政府には緊急の場合を考え、ムスリム同胞団が幹部の逃亡を打診したようだが、受け入れるという返事はないようだ。
エジプトの有名な詩人アスワーニ氏は『エジプト人はみんなムスリム同胞団が嫌いだ。』とテレビ番組の中で発言した。それ以外にも、革命当時のムスリム同胞団とアメリカとの関係を暴露する発言が、テレビ番組の中で語られてもいる。
6月30日はあと数日、その後のエジプトがどうなるのか、犠牲者があまり出ない段階で軍に動いてほしいものだと思うのは私一人ではあるまい。
Posted by 佐々木 良昭 at 17:39 | この記事のURL
NO・2874『エジプトでどんどん出てき始めた本音情報』 [2013年06月25日(Tue)]
昨日は現在のエジプトの権力を握っている人たちのほとんどが、アラブの春革命時に起こった刑務所襲撃事件の折に、脱獄した人たちだというニュースを、お伝えした。
モルシー大統領もカンデール首相も、カタートニー国会議長もそうだということであり、しかも、彼らだけではなく34人のムスリム同胞団の幹部は、皆刑務所から脱獄した人たちだ、という内容のニュースだった。
確か、ムスリム同胞団が大統領候補として立てた、最初の人物シャーテル氏は出獄から(脱獄ではない)6年が経過していないために、無効とされたはずだ。それでは脱獄であれば、立候補の権利があるということであろうか?選挙委員会はモルシー大統領が服役中であり、脱獄した人物だということを、知らなかったのであろうか。
これはとんでもないニュースだと思うのだが、それに類したようなとんでもない発言が、野党側の人師から出ている。例えば、ナセル党のサッバーヒ氏は、ムスリム同胞団が革命に参加したのは、大衆の力に押され警察が引っ込んだ後だったというのだ。つまり、ムスリム同胞団派大衆が成功に導いた革命を、横取りしたということだ。
それは事実だ。革命のほぼ成功した段階で、若者たちが設営していた壇上に、突然カルダーウイ師が登壇し、若者たちを蹴散らして演説をし、以来、ムスリム同胞団が革命の主流に、取って代わったのだ。
アングリカン・キリスト教団体は、軍が立ち上がることに期待する、と言い始めている。誰が考えてもこのままでいけば大衝突が起こり、多くの人の血が流されるということからの、必死の叫びということであろう。
元情報長官であり革命達成後、訪米時に死亡したオマル・スレイマーン情報長官事務所の責任者は『近くオマル・スレイマーン氏とムスリム同胞団の間で行われた駆け引きをばらす。』と語っている。
カイロ大学教授せエジプト自由党の党首であるハムザーウイ氏は『モルシー大統領はタクフィール(サダト大統領を暗殺した過激イスラム原理組織)のために選出された大統領であり、その政権は腐っている。』と発言している。
こうした発言や革命の裏話がどんどん出てきているということは、多数の人たちがムスリム同胞団政権の余命は、いくばくもないと踏んでいるからであうか。ムスリム同胞団政権は軍との良好な関係を宣伝しているが、軍はあくまでも、
中立な立場に立つと語ると共に、政治家たちは平和裏に問題を解決するよう1週間の猶予を与えると語っている。その後は軍が立ち上がるということだろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:27 | この記事のURL
NO・2873『エジプトで出てきたとんでもない話』 [2013年06月24日(Mon)]
エジプトからとんでもないニュースが、流れだしてきた。それによれば、ムスリム同胞団の幹部の多くが、1月25日革命(アラブの春革命)の最中に、牢破りをして、外に出てきた人たちだというのだ。
モルシー大統領にカンデール首相も、そのメンバーだというのだ。それ以外にもムスリム同胞団の大幹部である、エッサーム・エリヤン氏、スブヒー・サーレハ氏、サアード・カタートニー氏もそうだというのだ。サアード・カタートニー氏は現在国会議長職にあり、外務省が日本に招待した人物ではないのか。
革命時に刑務所がムスリム同胞団によって破壊され、中にいた34人のムスリム同胞団の幹部が、脱獄したということだが、この問題は大きな波紋を、これから呼ぶことになろう。他に刑務所から逃れたハマースのメンバーや、ヘズブラのメンバーは国際警察が、追いかけているのだ。
当然、野党の人たちはエジプトのムスリム同胞団幹部も、逮捕され事情聴取は受けるべきだ、と主張するということになろう。しかも、この刑務所襲撃事件では、13人の死者が出ており、簡単な話ではないのだ。
6月30日から野党側が、反モルシー・デモを展開することになっているが、このニュースは少なからぬ正当性を、野党側に与えることになろう。
しかし、エジプトには大統領は、検察によって査問されない、というルールがあるようで、今日明日にモルシー大統領が逮捕され,尋問されるということにはなるまい。大統領の場合には、特別なルールの下で、議会の承認を得なければならない、ということのようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 17:10 | この記事のURL
NO・2872 『気になる幾つかの情報』 [2013年06月23日(Sun)]
 解説するほどの情報が無いために。長文でご紹介することは出来ないが。見逃せない情報が幾つかあるのでご紹介しておく。
:サダム・フセイン処刑者の一人が暗殺される
 イラクでサダム・フセイン処刑に携わった、人物の一人が暗殺された。犯行を行った側は『これはサダム・フセイン大統領を支持するバアス党によって、行われた報復だ。』という声明を発表している。
 もし、この声明が事実であるならば、今後も継続して報復の暗殺が起こる、ということであろう。また、そのことはバアス党が報復行動に、乗り出したということであり、一定の力を持ち始めている、ということかもしれない。
 もちろん、単発的な示威行為だけである可能性もあろう。今後、第二段第三弾の報復テロが、起こってくるかどうかわからない。そうなれば、イラクの国内状況は、大きく変わるのではないか。
:エジプト戦略備蓄の石油が枯渇へ
 エジプトの経済が悪化していることは、何度も伝えてきたが、最近になってその困窮振りが、レッド・ラインを超えてきているようだ。
 エジプト軍の石油が、枯渇しそうだというのだ。石油とはガソリンであり、デーゼル・オイルということだが、そうなれば戦闘機も戦車も、装甲車も兵員輸送車も、動かせなくなるということだ。
 つまり、この状態がもっと進めば、アラブ最強のエジプト軍は、戦争できなくなるということだ。その機を狙ってイスラエル側が、何らかの行動を起こすか否かは分からない。
 しかし、エジプト軍幹部にしてみれば、気が気ではあるまい。そのことがエジプト国内政治に、何らかの変化を起こすかもしれない。
:バルザーニ氏がイラク大統領に就任の可能性
 イラク北部のクルド地区を統治するバルザーニ議長は、クルド地区の石油利権を一手に握っている。その石油収入をイラク中央政府との間で分割しているが、必ずしも合意どおりには行われてはいない。
 そうしたなかで、イラク中央政府とクルド自治政府との間では、トラブルが続いてきていた。現在のイラク大統領はバルザーニ議長と同じ、クルド人のタラバーニ氏だが、彼は病気で大統領職を全うできなくなってきている。
 そこで出てきたのが、バルザーニ氏をイラク大統領に就任させることによる、イラク中央政府とクルド自治政府との妥協であろうか。そうなった場合、クルド自治政府とトルコとの蜜月関係に影響は出ないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:19 | この記事のURL
NO・2871『シリアの反体制派に兵器供与の意味』 [2013年06月22日(Sat)]

 アメリカが中心となって、シリアの反体制派に兵器を供与するということが、正式に決定したようだ。このことに関しては、ヨーロッパ諸国の間では意見が割れている。兵器を供与すべきだとする国と、反対する国が出ているのだ。
 兵器が供与されれば、シリアの政府と反政府双方は、平和的な話し合いによる問題の解決を図るよりも、武力によって自派を優位に立たせよう、という努力に傾注しよう。そうなれば、戦闘員の若者たちが、多数犠牲になるということだ。
 問題は平和的な解決の努力が一向に進まないなかで、戦闘面だけが突出しているという状態だ。そして、その戦闘に関わる者たちは次第に数を増し、何種類ものグループが、戦闘に参加しているということだ。
シリア政府側について戦っているグループだけでも、レバノンのヘズブラ組織、パレスチナのPFLPGC組織、そしてイラン軍やロシア軍が参加している、とも言われている。
 他方、反政府側はFSA(自由シリア軍)と呼ばれる、シリア人の結成した反政府組織に加え、最近ではヌスラと呼ばれる組織、イラク・アルカーイダと呼ばれる組織などが挙げられよう。
これに加え、イラクからもスンニー派の戦闘員が、参加しているといわれているし、アルジェリアではイスラエルのモサドが、アラブの組織を名乗り、戦闘員を集めているという情報もある。
イラクからはスンニー派だけではなく、シーア派組織が戦闘員をシリア政府支援に、送っているといわれているし、チュニジアからもジハードの名の下に、戦闘員がシリア国内に入っている。
サウジアラビアからさえシリアに戦闘員が入っており、彼らは反政府側を支援しているということだ。それは単純な論理で、アサド政権がシーア派の一派である、アラウイ派であることから、スンニー派を支援するということだ。
反シリア側についている戦闘員たちの多くが、実は出稼ぎ者であるという点を見逃すわけには行かない。全員がそうだとは言わないが、月給800ドルが支払われているという情報がある。
月給にして800ドルという金額は、アラブの貧しい国の人たちからすれば、結構な金額だ。戦闘に参加し負傷することも死亡することも無く、最終的に帰国出来れば、彼らにとってまたとない出稼ぎの機会であろう。
サウジアラビアからは反体制の危険分子が追い出され、罪一等を許されるという話もある。シリア政府側についているパレスチナ人たちは、シリアに支援を受けてきたことへの恩義と、生活の場を提供されていることによろう。ヘズブラも同様に、シリア政府には恩義がある。そうしたシリアの民主化とは全く関係ない理屈が、いまシリア国内で戦闘を起こさせているのだ。
アメリカはそのシリアの反政府勢力といわれる、各グループに兵器を送り込み、シリアで戦闘状態が続くことを、願っているのであろうか。そうなれば、多くの戦闘可能な若者が、不具者になるか死亡することになり、イスラエルにとっては好都合なことであろう。
戦争を正当化させる論理は、ほとんどの場合真実ではない。そのことを頭に入れてシリアのニュースを読まないと、実に馬鹿げた判断を下してしまうということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 21:25 | この記事のURL
NO・2870『パレスチナ新首相就任から数日で辞表提出』 [2013年06月21日(Fri)]
ヨルダン川西岸地区にあるナブルス市の、アンナジャー大学の学長であるラーミー・ハムダッラー学長が、突然マハムード・アッバース議長から、首相職に就くことを命じられた。
それは6月2日のことだったが、6月20日の段階で彼はマハムード・アッバース議長に対し、辞表提出していることが明らかとなった。その理由は、マハムード・アッバース議長が首相職の権限範囲に、あまりにも割りこんでくることに、嫌気がさしたからだと説明されている。
ラーミー・ハムダッラー氏はイギリスで高等教育を受けており、権限に関する考え方が西側的であり、厳しいのかもしれない。
今回の問題であるマハムード・アッバース議長による、首相職への介入という問題は、実は裏がある話のようだ。マハムード・アッバース議長は長年腕を組み合ってきた、サラーム・ファッヤード首相を首にしたが、それはファタハとハマースとの間に横たわる、問題に起因していたようだ。
そもそも首相職はハマースのイスマイル・ハニヤ氏に正統性がある。彼イスマイル・ハニヤ氏は正当な選挙で、選出されているからだ。しかし、マハムード・アッバース議長はハマースのイスマイル・ハニヤ氏ではなく、マハムード・アッバース議長と同じファタハのサラーム・ファッヤード氏に首相職に就かせ、イスマイル・ハニヤ氏にはガザの首相(?)、という権限に制限してきていた。
今回のサラーム・ファッヤード首相が辞任した裏には、ファタハとハマースとの仲直りに、目的があったようだ。政治色のあまり強くない穏健派の、しかも、イギリスで教育を受けた学者に、首相職を任せることによって、ファタハとハマースとの問題を、解決するつもりのようだった。
しかし、それはあくまでもマハムード・アッバース議長がやることであり、ラーミー・ハムダッラー首相には何の権限も、与えられていないということであったろう。その事実に気がついたラーミー・ハムダッラー首相は、ばからしくなって役を降りたということではないか。
しかし、ラーミー・ハムダッラー氏がアンナジャー大学の学長に就任できたのは、マハムード・アッバース議長の任命によるものだっただけに、すんなりとラーミー・ハムダッラー氏の辞表が、マハムード・アッバース議長に受け入れられるか否かは不明だ。もしそれでも固辞した場合、ラーミー・ハムダッラー氏は、すべての公職を解かれてしまうかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:54 | この記事のURL
NO・2869『エジプト社会は爆発前夜』 [2013年06月20日(Thu)]
大部書くことをためらったのだが、もう書く方がいいと判断したので、最近訪問したエジプトの内情を報告する。報告することをためらった理由は、エジプトの友人たちに対する、私なりの配慮からだった。
今日のエジプシャン・デイリー・ニューズのブログ記事も書くことを促したのであろう。それによれば『アズハル大学トップがモルシー大統領のデモ阻止決定に反対』『ルクソール市長にムスリム同胞団政権が、ジハード・メンバーを指名』というのがあったからだ。
ルクソール事件とは、ジハード・メンバーが起こしたテロ事件で、日本人も多数が殺害されている。そのメンバーをルクソールの市長にしたというのだ。
それ以外にもエジプト国内で、すでにムスリム同胞団と世俗派との暴力沙汰の衝突が、起こっているという記事もあった。ファイユーム県などがそれだが、そのほかの地域でも起こっているようだ。
実は財団内部のごく一部の人たちに出した報告に、私は次のような内容のことを書いた。その一部をご紹介しよう。
『エジプトのモルシー政権は内外の敵を相手に苦しい国家を強いられている。期待していたアラブ諸国なかでも湾岸諸国からの援助はほとんど実行されていない。例外はカタールだが、そのカタールも援助には何かと制約を設けている。
サウジアラビア、クウエイト、アラブ首長国連邦などは、現在のエジプトの政権がムスリム同胞団によるとし、胞団への警戒感から援助を進める意思は、当分の間ないものと思われる。
結果的にエジプト政府は財政難が悪化の一途をたどり、元1ドルに対して5・5ポンド程度であった交換レートが、現在では1ドル=6・9906ポンドにまで下がっている。(闇ドル価格は8ポンドに近づいている)
そのためエジプト国内は輸入物価の値上がりに始まり、国内産品の値上がりも起こっている。砂糖や肉などの値上がりがひどいようだ。
国内の治安も全く改善されていない。それは警察が取り締まりを強化すれば、国民の反発を受け悪役になることを、嫌っている部分もある。デモなどでも以前に比べ、警察は取り締まりを手抜きするようになっている。
したがってエジプト国内は犯罪が増加し、外国からの観光客誘致もうまくいっていないし、企業の進出も進んでいない。結果は若者の失業率が上昇し、社会に不満が高まっている。
こうした状況を踏まえ、タマロドなるモルシー政権ボイコットの運動が始められ、16歳以上の国民対象にサインを集めることなっているが、現在集まった署名の1700万人弱という数字は、モルシー大統領が当選した時の1300万人を上回るものだ。
このタマロドの結果を受けて、6月30日には大規模デモが計画されており、 巷ではそのデモに参加するか否かが、大きな話題になっている。このことは公然と大声で語られているところをみると、政府の取り締まり能力は無くなっているということではないか。
その証拠に金曜礼拝に参加したモルシー大統領がモスクを出るとき、集まった礼拝者たちは口々にモルシー辞任を叫んでいた。それに不安を感じたモルシー大統領は、靴の片方をはかずに逃げ出したということだ。その状況は間もなくツイッターやフェイスブックで一般に流され、世人の知るところとなった。
モルシー大統領がエジプト国民を恐れている証として、警察の警護を外したことがあげられる。モルシー大統領は現在警察の警備隊を外し、大統領警護隊だけに警備させている。また、ムスリム同胞団幹部は、家族を外国に避難させ始めている、という話もあった。
6月30日の大衆デモには、警察や軍の幹部も参加するといわれているし、軍や警察はデモを阻止する動きには、出ないとも言われている。したがって、世俗派とムスリム同胞団派の衝突による、流血事態は避けられないかもしれない。
そうした事態に至り、しかもデモへの参加者が一定の数に達した場合は、軍が出動し事態を収拾させる、という考えがあるようだ。つまり大規模な大衆デモから、軍によるクーデターに移行するということだ。
世俗派が大規模デモを成功させ、軍がその後を受け止めてクーデターを起こせば、ムスリム同胞団とモルシー政権は失脚することになる。その後1〜2年軍による統治がおこなわれ、その間に憲法改正などが進められ、正式な大統領選挙を行って、民政移管がなされるという筋書きを、描いている人たちがいる。
問題はムスリム同胞団が行う、6月21日25日デモの後、世俗派が6月30日にデモを計画しているが、その前の27日ごろから始まるだろうといわれている。その規模によっては、まさにここに述べたような事態が発生する、可能性があるということであろう。もちろんその通りにはならない可能性もある。
つまり、6月21日から7月3日〜4日の間で、今後のエジプトがどうなっていくのかが、はっきりするということだ。』
* 軍や警察はムスリム同胞団本部ビルの警護を解く、と宣言しているし、大統領官邸の治安についても、責任を持たない方針のようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:24 | この記事のURL
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