CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 2012年11月 | Main | 2013年01月»
NO・2419『エジプトとレバノン・ヘズブラ組織の接近』 [2012年12月31日(Mon)]

最近になって、エジプトにムスリム同胞団の政権が成立して以来、レバノンのヘズブラ組織と、エジプトのムスリム同胞団の与党自由公正党との関係が、強化されつつあるようだ。
エジプト政府とヘズブラ組織との関係は、ムバーラク政権下では劣悪であった。ムバーラク大統領は世俗派であり、イスラエルとの関係を重視していたために、ヘズブラ組織がエジプトとイスラエルとの共通の敵として、認識していたのであろう。
ムスリム同胞団がエジプトの権力を掌握したことによって、状況は完全に変わったということだ。ガザのハマース組織とヘズブラ組織との関係は、共通の敵であるイスラエルを挟んで良好であり、双方のスポンサーがイランであるということも、両組織の関係を強めているのであろう。
エジプトの与党自由公正党は、ムスリム同胞団が作った政党であり、ハマースはガザのムスリム同胞団が、別働隊として結成したものだ。つまり、ガザのハマース組織とエジプトの自由公正党は、お互いに強い関係にあるのだ。
問題はエジプトとヘズブラ組織が良好な関係になるということは、シリア対応でエジプトが湾岸諸国とは全く反対の立場を採る、可能性があるということだ。つまり、アサド大統領との関係を、重視する可能性があるということだ。
問題はそう単純ではない。シリアの反政府派の組織の中で、最も強固な団結を誇っているのは、ムスリム同胞団であろう。現段階で既に、ポスト・アサド体制をリードするのは、ムスリム同胞団であろうといわれている。
そうなれば当然の帰結として、エジプトの自由公正党はシリアのムスリム同胞団を支援しよう。それではエジプトの政権とヘズブラとの関係は、どうなるのであろうか。
湾岸諸国はエジプトの潜在的な、最大のスポンサー諸国であるが、エジプトの政権がどの方向に向かおうとしているのか不安があり、現段階では積極的な協力体制には踏み切っていない。
イランはエジプトのムスリム同胞団に対し、機会あるごとに秋波を送っている。エジプト国内ではイランと同じシーア派信徒が、活動を活発化させているし、政府はそれを許している。
エジプト、レバノンのヘズブラ組織そのいずれもいま、今後どのような立ち位置を選択するか、模索しているのではないか。その結果が出た段階では、意外な展開が出てくる可能性があろう。2013年は不確定要素が山積する中で、スタートを切りそうだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 13:23 | この記事のURL
NO・2418 『2013年の最注目国家はサウジアラビア』 [2012年12月30日(Sun)]
2013年は世界中で、とんでもないことが、起こりそうな状況が、出来上がってきている。エジプトでは既に国家公務員に対する、給与の完全未払い状態が発生している。
パレスチナ自治政府のマハムード・アッバース議長は、逃亡準備を考え始めている。シリアのアサド大統領が現在の地位から、引き摺り下ろされるのは、時間の問題であろう。
アメリカやヨーロッパの経済状態は、どんなに誤魔化しても誤魔化しきれないだろうし、世界の金満国家に参入して間もない中国も、どうやらバブルの崩壊が、劇的な状態を露呈しそうだ。
韓国も経済が張りぼてであり、模造品国家の限界が、やがて国民をどん底に落とし込みそうだ。そうしたなかで、一番世界にショックを及ぼすのが、サウジアラビアの変化であろう。
2012年を通じて何度か、サウジアラビア国内問題について触れてきたが、2013年には遂に、アブドッラー国王死去のニュースが、世界に流れよう。その結果、サウジアラビア国内ではこれまで、アブドッラー国王の人望が押さえ込んでいた、国民の不満が一気に表面化し、国内混乱が起ころう。
サウジアラビアの不安な状況については、世界中のマスコミが既に報じているし、それだけ同国の変化は世界中に、影響を与えるということであろう。
そうした世界の不安をよそに、未だにサウジアラビア王家内部では、全ての権限が彼らの手中にあるという考えが、はびこり続けている。『国家は王家の所有物であり、国民は王家の支配下にあり、国土は王家の所有物であり、政府の全ての要職は、王家の一族が占める。』と考えているのだ。
しかし、それは砂漠に浮かぶ蜃気楼のようなものであり、実体を伴っていない。少なくとも、サウジアラビアの多くのインテリたちが、今ではそう認識しているのだ。このためサウジアラビア全土で、大小の反政府の動きが、2012年は年間を通じて起こっている。
その動きが、一気に暴発の形を見せるのではないか、と思われるのが2013年だ。それはそうでなくとも、悪化の傾向をたどっている世界経済に、大津波のように押し寄せることだろう。そのサウジアラビア発の大津波の被害を受けるのは、日本も例外ではあるまい。
正月のお屠蘇気分が抜けた頃から、大津波がアラビア半島を覆っていくのではないか。そんな予測をしている中東専門家は、世界中何処にもいるのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 22:36 | この記事のURL
NO・2417『M・アッバース議長の弱音かあるいはデマ情報か』 [2012年12月29日(Sat)]
サウジアラビアがスポンサーだといわれている、ロンドン発行のアラビア語紙にアル・ハヤート紙がある。
そのアル・ハヤート紙が最近、意外なことを報じた。同紙によれば、パレスチナのマハムード・アッバース議長は、来年1月に行われる選挙の結果次第で、ヨルダン川西岸地区の統治権を、イスラエルのネタニヤフ首相に渡す、と語ったというのだ。
マハムード・アッバース議長は、イスラエルとの和平交渉がうまく進展せず、しかも選挙で敗北した場合は、パレスチナの自治権を放棄する、ということのようだ。
このマハムード・アッバース議長の発言は、イスラエルのハルテス紙とのインタビューの中で語ったというのだが、彼は『もし選挙後に和平交渉が進展しなければ、電話の受話器を取ってネタニヤフ首相に、私のイスに座ってもらいパレスチナ自治の鍵を渡すと伝える。』と語ったというのだ。
つまり、マハムード・アッバース議長はパレスチナの自治権を放棄し、ネタニヤフ首相にパレスチナに関する全権を、委譲するということだ。
こうした弱気の発言が、マハムード・アッバース議長の口を搗いて出たということは、2010年以来イスラエルとパレスチナ自治政府との和平交渉が停止されたままであり、進展が全く無いことに起因していよう。しかし、和平交渉が進展しない状態にあるにもかかわらず、他方ではイスラエルのヨルダン川西岸地区への入植が、どんどん進んでいる。それを阻止する何等の手段も、マハムード・アッバース議長には無いのだ。
そのことは、ハマースのヨルダン川西岸地区での台頭を許し、マハムード・アッバース議長に対する、風当りを強くしている。それは単なる非難では無く、将来的にはマハムード・アッバース議長の、生死に関わる問題にまで、進展しかねない状況がある、ということであろう。
マハムード・アッバース議長はイスラエルとの、和平ごっこを続けることによって、これまで権力の座を維持して来られたが、これからはどうもそうは行かないということであろう。エジプトのムバーラク大統領やリビアのカダフィ大佐が失脚したように、マハムード・アッバース議長が失脚することも、十分予想される昨今なのだ。
マハムード・アッバース議長が生命の危険から逃れようと思えば、チュニジアのベン・アリ大統領のように、早期にパレスチナの地から逃げ出すか、あるいはカダフィ大佐のように、パレスチナ人によって処刑されるかであろう。そのいずれも彼には受け入れられまい。
Posted by 佐々木 良昭 at 23:38 | この記事のURL
NO・2416『モルシー大統領反政府派3氏を取調べ』 [2012年12月29日(Sat)]

先月以来から野党の著名な3氏が、モルシー大統領政府に対し、反旗を翻している。彼らは連帯組織を立ち上げ、エジプト救済組織と命名している。そのためエジプト各地で、このエジプト救済組織とムスリム同胞団のメンバーが、衝突し死傷者が出ている状態だ。
モルシー大統領はその混乱を、解決したいという意図からであろうか。エジプト救済組織幹部3氏を、取調べするよう指示している。IAEAのも元事務局長であったムハンマド・エルバラダイ氏、元アラブ連盟事務総長だったアムルムーサ氏、そしてナセリストの議長ハムデーン・サッバーヒ氏がその人たちだ。
エジプトの検察は大統領の命令に従って、動き出してはいるが、多くの検事や判事が、モルシー大統領の決定に不満を抱き、辞任しているのも事実だ。
先に行われた、モルシー大統領が強行突破を図った新憲法の国民投票では、32パーセント程度の国民が投票に参加し、そのうちの62パーセント程度が、賛成票を投じている。
つまり、国民投票で新憲法に賛成票を投票したのは、有権者のうちの18パーセント程度でしかなかったということだ。
ムスリム同胞団は何故こうも強硬に、新システムを導入しようと考えているのであろうか。昨日も報告したように、エジプト財政は大赤字で、国家公務員に対し給料が、支払えない状態にさえ陥っている。
どうも現在外国に駐在しているエジプト大使たちが、ムスリム同胞団の政権に反発し、外国からの経済援助や支援、投資に反対の動きをしていることが、その一因のようだ。
このため、モルシー大統領は大幅な内閣改造を、来週にも実行するつもりのようだ。その段階では、多くのムバーラク派の大臣が外されるとともに、在外大使の多くも、入れ替えられる可能性がある、ということであろう。
ムスリム同胞団幹部の間では、外国に援助を求めることよりも、エジプト自身の力で経済苦境から、脱出しなければならないと考えているようなので、これから大鉈が振られるということであろう。
もし、このムスリム同胞団の方針が成功すれば、エジプトはバクシーシと賄賂の国から、清潔な国家に生まれ変わるかもしれない。モルシー政権と野党との闘いは、一面においてエジプト再生のための、闘いかもしれない。しかし、それは容易ではあるまい。ナイルの川底にたまったヘドロを取り去るような、大工事になることが必定だからだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:13 | この記事のURL
NO・2415『エジプトの現実と今後の不安な予測』 [2012年12月29日(Sat)]
エジプトの友人はある省の高官だが、彼の連絡によれば12月は給料が支払われなかったそうだ。
11月にエジプトを訪問した段階では、10月の給料が半分しか出なかったと言っていた。
それは軍人や警察も同じ状況のようだ。それでは一体誰が現体制を守り、大衆の暴動を抑えるのかという、単純な疑問が沸いてくる。
ムスリム同胞団はムバーラク大統領のような歯の浮くようなお世辞は、言わないというよりは言い方を知らないだろう。
加えて、金づるの湾岸諸国は、現在では明確にムスリム同胞団を、危険視している。これでは援助金を出してくれないのはもとより、金を貸してもくれないだろう。
ムスリム同胞団の与党自由公正党が、モルシー大統領の掲げた新憲法を、国民投票にかけ、強引に通過させた。しかし、それ自体はエジプトが抱える、経済問題を解決することには、全く繋がらない。
近く世俗派が新憲法制定をめぐり、大規模な反政府運動を起こすだろう。
その反政府運動には、警察や軍が加わることも考えられる。それをどう押さえ切れるのか、ムスリム同胞団はアッラーにでもすがろうというのだろうか。
エジプトの状況は悪化の一途をたどっているようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 00:22 | この記事のURL
NO・2414『ムスリム同胞団の拡大におびえるアラブ諸国』 [2012年12月26日(Wed)]
 アラブの春革命はチュニジアで始まった。結果はナハダ党というイスラム原理主義組織が、権力を掌握した。そのナハダ党はムスリム同胞団とほぼ同じ思想の組織であり、関係はすこぶる緊密だ。
リビアでも革命後に、しっかりした基盤を持っている組織は、ムスリム同胞団であり、この組織は私が留学した1790年代初期に、既にしかるべき地歩を確立していた。そのために、カダフィ大佐はムスリム同胞団狩りをしたほどだ。
 エジプトは述べるまでもなく、ムスリム同胞団発祥の地であり、社会に根強く広がっている。そのムスリム同胞団を基盤とするのが、現在の政権政党自由公正党なのだ。
 シリアで内戦が続いて、既に22カ月を過ぎようとしているが、ここでも社会に根付いた組織は、ムスリム同胞団であり、革命達成後にはムスリム同胞団の政党が、権力を握るだろうと予測されている。
 シリアの隣国ヨルダンでも、王制に対する批判が次第に強まってきているが、その反体制運動の中核をなしているのは、ムスリム同胞団だ。最近デモのなかで、あからさまに王制打倒を叫ぶ者すら現れてきている。
 ガザ戦争後、テルアビブまでロケット攻撃することに成功したハマース組織は、パレスチナ全体の英雄になり、遂にマハムード・アッバース議長が苦汁を飲んで、ハマース結成25周年行事をヨルダン川西岸地区で、開催することを許可している。彼らハマースは第3次インテファーダを呼び掛け始めているのだ。
 そしてシリアの北部に位置する、トルコの公正発展党はやはりイスラム主義政党だが、こうして見てみると、北アフリカのほとんどの国々と、東地中海周辺諸国が、ムスリム同胞団あるいはその系列の組織に、牛耳られるようになってきているということだ。
 このムスリム同胞団組織の急激な台頭と拡大は、湾岸諸国ばかりではなく、ほとんどのアラブ諸国に衝撃を与えつつある。彼らがアラブ諸国のほとんどの体制を、構成するようになった時、いったい中東のアラブ諸国は、どのような状況になるのであろうか。
 シーア派のイスラム革命国家イランですら、最近ではイスラム革命に対し、懸念と不安を抱きつつあるようだ。
 欧米はムスリム同胞団組織を甘く見ていたのではないか、という疑念が浮かぶのだが、最近になって少しずつ欧米のムスリム同胞団組織に対する、締め付けが始まったような雰囲気がある。今のうちにコントロールしないと、とんでもないことになりそうだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:56 | この記事のURL
NO・2413『アハマド・ネジャド大統領側近が再投獄』 [2012年12月25日(Tue)]
 イランの国営通信(IRNA)のトップである、アリー・アクバル・ジャワンフェクル氏が退院後、再度エビン刑務所に送られたというニュースが、イランから発せられている。
 アリー・アクバル・ジャワンフェクル氏が逮捕され、9月以来今日まで投獄されていたが、心臓病が悪化し治療のために、4日間という短い期間ではあるが、一時的に出獄が認められていたものだ。
彼が投獄された理由は、イスラムに敵対的な書物を発行したことと、公共のモラル破壊につながる、行動をしたためとされている。その意味では、アハマド・ネジャド大統領の国連での演説も、このコードに触れると言われている。
 アハマド・ネジャド大統領は10月に、エビン刑務所を訪問し、アリー・アクバル・ジャワンフェクル氏に面会しようと思ったのだが、刑務所側が許可しなかったという経緯がある。しかし、今回は病院での面会が、かなったと伝えられている。
 アリー・アクバル・ジャワンフェクル氏は、アハマド・ネジャド大統領と非常に近い関係にあり、以前から強硬派のイスラム学者組織に、目を付けられ狙われていたということだ。
 このアリー・アクバル・ジャワンフェクル氏に対する締め付けは、実はアハマド・ネジャド大統領に対する、締め付けではないのか。最近になって、アハマド・ネジャド大統領に関する種々の情報が流れ、議会でも彼を査問する動きがあった。
 それが今の段階で大事に至っていないのは、ハメネイ師の差配によるもののようだが、現段階でイラン国内に大きな動きを創り出すことは、対外的に不利だという判断からであろう。
 しかし、そうした政治的判断は、やがて終りの時を迎えるのではないか。アメリカを中心とする西側諸国の、イランに対する経済金融制裁が、今後ますますイラン国内経済の状況を悪化させるであろうが、その時の人身御供として、アハマド・ネジャド大統領が使われるのかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:20 | この記事のURL
NO・2412『エルドアン首相の周辺は盗聴器が一杯』 [2012年12月24日(Mon)]
トルコのエルドアン首相が、苦々しくテレビで明かした重大な情報がある。それはエルドアン首相の自宅やオフィス、それに車に盗聴器が据え付けられていたという事実だった。
エルドアン首相に対し、何者かが盗聴装置を据え付けているという情報は、10月の段階で野党CHPの副議長ギュルセル・テキン氏によって、一部に対し明かされていたが、ここに来てエルドアン首相は、身の危険を感じたのか、あるいは我慢の限界に達したのであろう。
問題は誰が据え付けたかという事だが、当然ボデーガードや車の運転手、事務所のスタッフや家事手伝い人と、極く近い人たちによる犯行であろう事が想像される。
しかし、彼らは単に誰かに命令されただけの人たちであり、実行犯ではあるが計画した立場にはないだろう。つまり、誰かが彼らに対して、盗聴装置の据え付けを命じているのだ。
考えられるのは、エルドアン政権が徹底的に潰しにかかって、ほぼ成功したエルゲネコンのメンバーということになろう。多分、今回の犯行の裏には、助言はしても、外国の機関が情報入手のために直接やったとは考えにくい。
多分に国内の権力闘争の一部であろうと思われるが、ある筋によると、今回の盗聴装置を据え付けたのは、エルゲネコンだということのようだ。これでエルゲネコンは相当量のエルドアン首相の秘密情報を入手しており、何時でもそれを公開でき、エルドアン体制打倒が、可能だといわれている。
なかでも、一番エルドアン首相にとって致命的なのは、彼と彼の家族の金銭に絡むスキャンダル情報であろう。そのことは与党AKP幹部の間では、誰もが知っていることだったが、これまで党の利益のために伏せられていた、という経緯があるようだ。
困ったことは、スキャンダルのなかには金銭問題ばかりではなく、女性に関するものもあろう。そうなるとエルドアン首相は潔く首相職を辞任するか、あくまでも強気で権力の一極集中を進めるか、いずれかではないか。
最近になって彼が首相職を辞めた後、権限のある大統領になりたいと望んでいたのは、実はこれが原因であったかもしれない。全権を掌中にすればエルドアン首相はスキャンダルから、逃れられると考えていたのであろうか。
どうやらエルドアン首相の政治家生命は、終わりの時に近づいているようだ。傷だらけスキャンダルまみれの辞任は、エルドアン首相にとって極めて不名誉なものであろう。しかしそれは身から出た錆以外の、何物でもあるまい。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:42 | この記事のURL
NO・2411『ハマース西岸からイスラエル攻撃始まろう』 [2012年12月24日(Mon)]
ガザ戦争でイスラエルのテルアビブとエルサレムの郊外まで、ロケット弾を撃ち込むことに成功した、ガザのハマースはヨルダン川西岸地区での、ハマース結成25周年記念行事を行う許可を、パレスチナ自治政府から獲得した。
これはハマースにとって今後の活動を展開していく上で、大きな成果だった。ハマース結成25周年記念行事が、ヨルダン川西岸地区で開催されたことは、明らかなハマースのファタハに対する挑戦であり、同地区居住者とハマース・メンバーを勇気付けるものとなった。
パレスチナ自治政府議長のマハムード・アッバース議長が、ファタハとパレスチナ自治政府にとって不利な、ハマースの記念行事を認めざるを得なかったのは、ハマースのガザ戦争における勝利が、ヨルダン川西岸地区でも大きな反響を、呼んでいたためであった。もし記念行事を許可しなかった場合、許可をしたよりも不利な状況が、起こったものと思われる。
ハマースが記念行事を実施した後、ヨルダン川西岸地区ではハマースのメンバーが増加したものと思われるし、彼らはヨルダン川西岸地区からのイスラエルに対する軍事攻撃を画策し始めているものと思われる。
この記念行事の後、ヨルダン川西岸地区にあるイスラエル軍の武器庫に、武器を盗むことを目的とした、パレスチナの若者たちが忍び込んでいる。加えて、軟弱なマハムード・アッバース議長の対イスラエル対応に、不満を述べる者が増加してもいる。
イスラル国内では近く選挙が行われ新内閣が結成されようが、どうも現状からすると、強硬派のネタニヤフ首相が勝利しそうな気配が濃厚だし、辞任をしてなおそのポジションに留まる、最強硬派のリーベルマン外相を、ネタニヤフ首相は再度外相に起用するつもりのようだ。
そのことは、今後もイスラエルとパレスチナの和平交渉は、何の成果も生み出さない、とパレスチナ人の誰もが考えるであろう。そして、イスラエル政府は世界の反対を押し切って、ヨルダン川西岸地区と東エルサレム地区に、イスラエル国民用の住宅を、建設し続けるということであろう。
そうなれば、ハマースが唱える武力闘争のみが、パレスチナの土地の奪還を確実にするという考えが、ヨルダン川西岸地区の住民の間にも広がり、イスラエルに対する武力闘争が、ガザ地区ばかりではなく、同地区からも始められるということになろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:56 | この記事のURL
NO・2410『地に堕ちたかエルドアン首相・それは望みすぎだよ』 [2012年12月23日(Sun)]

権力を手にし、しかも大衆の支持が強くなると、ほとんどの人間が『自分は神に選ばれたのだ』と勘違いするのかもしれない。それはキリスト教やユダヤ教、イスラム教のような唯一神信仰の国では、なおさらなのかもしれない。
ダボス会議で国際的なデビューを果たし、一躍世界的に有名になったトルコのエルドアン首相は、中東地域の多くの国民と首脳たちに、支持されるようになった。続いて起こったガザ救援船マーベ・マルマラ号事件で、トルコ人の支援者がイスラエル特殊部隊によって殺害されたことから、アラブ人たちは『トルコがアラブのために血を流してくれた』とトルコとエルドアン首相を激賞した。
そのエルドアン首相の人気に陰りが見え始めたのは、今年の半ばごろからであろうか。彼は今年の第一四半期の終わりごろ大腸手術を2度受けたといわれている。その後、エルドアン首相の権力拡大が目立ち始め、与党内部でも彼に対する批判が出始めた。
次いで、エルドアン首相の任期が来年で終えることを踏まえ、エルドアン首相は大統領就任を希望し始めた。しかも、その大統領はいままでのような権限の無い、単なる象徴としてのものではなく、実権を持った大統領になることを希望し始めた。
当然のことながら、このエルドアン首相の構想には与野党から反対が出ている。権力の一極集中は独裁色を強め、民主主義を破壊することになる、しかもそのためには、憲法の一部を変えなければならない、という恐れからだ。
そして遂に、エルドアン首相の構想に対する、反論が表面化し始めた。野党CHPの党首と与党のギュル大統領が、揃ってエルドアン構想に反対する、と発言したのだ。
これまでのトルコ首相就任者の中で、最も人気の高い一人に数えられたエルドアン首相は、いま独裁者の様相を呈し始めている。エルドアン首相の政治手法に反対する多くのジャーナリストが逮捕投獄され、大学生も多数が逮捕されているのだ。
ハテップ・スクールという、イスラム学を中心にする学校の卒業生であるエルドアン首相が、こうも非難を浴びるようになったのは、彼の健康不安と、家族問題が影響している、と一部ではささやかれている。
政治家であれビジネスマンであれ、あるいは学者であれ、正常に仕事をしていくためには、自身の健康と家庭のサポートが重要だということであろうか。トルコ国民の間では支持者が多い、ヌルジュ(サイド・ヌーリシー)と呼ばれる、イスラム教神秘主義がある。
この前、そのイスラム教神秘主義の高位の学者の一人が死亡し、葬儀が執り行われたが、エルドアン首相はその学者の棺桶を担ぐ、一人に加わったと伝えられている。
イスラム教神秘主義の学者の棺桶を担いだときに、エルドアン首相は何も感じなかったのであろうか。もし何も感じなかったのであれば、彼は単なる権力亡者に、堕ちたということであろう。彼はすでに直観力を失ってしまった、ということではないのか。そうであって欲しくないものだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:53 | この記事のURL
| 次へ