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NO・2386『カタールはイスラエルから敵国とみなされた』 [2012年11月30日(Fri)]
カタールが積極的にシリアの内戦に加担してきたことは、既に公知の事実だ。武器や資金を反政府派に送っており、それがシリアの内戦をより激しいものにしている。最近では、カタールが提供したと思われる地対空ミサイルで、シリア空軍のヘリや尖頭器が、撃墜されていることが話題になり始めている。
シリアを混乱に陥れているのだから、カタールはイスラエルから感謝されてもよさそうなものだが、どうもそうではないらしい。イスラエルの外交官が『カタールは敵国だ。』と言い始めたのだ。
このイスラエル外交官の語るところによれば、カタールのシェイク・ハマド・ビン・カリーファ・アールサーニ首長がガザを訪問したことは、ガザのハマースを勇気づけるものだからだ、ということのようだ。
カタールはイスラエル側によって、攻撃を受け破壊されたガザの再建に、資金を提供することも、明らかにしているが、これではガザのハマースは、なかなかイスラエルの攻撃を受けた損失を、正しく評価できないだろう。
加えて、イスラエルにとって不愉快なカタールの行動は、イランとの関係を改善しつつある、ということであろう。イスラエルはイランが核兵器を開発していると非難し、イランを明日にでも攻撃したい気持ちになっているときに、カタールがイランに手助けすするような、行動に出ることは許せまい。
イスラエルとカタールとの関係は、1996年以来貿易関係が成立しており、これまで何度か開催された、カタールの地域会議には、イスラエルが招待されたこともあった。いわば、最もイスラエル対応で、進歩的な立場あったのが、カタールだった。
カタールはなぜいま、こうした関係諸国の首をひねらせるような行動に、出ているのであろうか。一言でいえば巨額な金を手にしたカタールの首長は、自分の力がどれほどあるのかを、試してみたいのではないか。
なかでも、アラブの盟主と言われるエジプトや、イスラムの指導国と言われる、サウジアラビアに挑戦してみたい、という気持ちが強いのかもしれない。
しかし、巨大なアメリカ軍基地があり、安全だと思っているカタールも、イスラエルを敵に回せば、極めて危険な状況に陥る可能性が、あるのではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:49 | この記事のURL
NO・2385『サウジアラビア国王の危篤は誤報だったのか』 [2012年11月29日(Thu)]
イランのプレステレビがサウジアラビア国王の危篤情報を流した。アブドッラー国王はリヤドの病院で生命維持装置によって生きているだけであり、事実上死亡しているというものだった。
しかし、11月29日になってサウジアラビア政府はアブドッラー国王が病院から出て、王子たちや宗教関係者などから、快気祝いの訪問を受けている映像を流している。
映像が昨日のものであったのか否かについては判断できないが、そこで勘ぐりを入れてみた。
サウジアラビアではアブドッラー国王の人気が高いことから、もし、アブドッラー国王が死亡することになれば、国内政治に大きな影響が及び、不安定化する懸念が生じよう。
そこで、サウジアラビア政府は古い映像を使って、アブドッラー国王の健康を、アピールしたのではないか。
他方、イランはサウジアラビアを仇敵と考えている国であり、アブドッラー国王が高齢(89歳)であり、病気がちだったこと、そして、今回入院したことを、危篤状態だと宣伝した、可能性もあろう。
ただ、アブドッラー国王が高齢であり、病気を幾つも患ってきているだけに、相当衰弱しているのではないか、と推測する方が正しいのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:35 | この記事のURL
NO・2384『ガザ戦争イスラエル・ハマース・エジプトの収支決算』 [2012年11月28日(Wed)]
『ガザ戦争イスラエル・ハマース・エジプトの収支決算』
ガザ戦争がやっと落ち着き、停戦が成立している。この停戦が何時まで続くのか、という不安は未だにある。それは、イスラエル国民の相当数が、もっとガザを攻撃し続けるべきだった、と考えているからだ。
ガザを再度占領し、全てのパレスチナ人を追放すべきだ、という考えもイスラエルのなかにはある・彼らの理屈は、そもそもシナイ半島はモーゼのものであり、イスラエルがパレスチナにくれても、何等おかしくないという考えなのだそうだ。
確かに、それを暗示させるような動きが、無いわけではない。エジプト国内には、同国が5分割されるのではないか、という懸念がある。その一つはシナイの分離独立であり、そこには、パレスチナ人が住み着くというのだ。
こうしたことが現実になるかどうかは、まだ先のことであろう。現在の段階では、ガザ戦争を終えて何がどう変わったのか、について考えてみたい。
ガザ戦争とその停戦に関わったのは、イスラエルとガザのハマース、そして調停役を果たした、エジプトのモルシー政権だ。この戦争を経て、各関係者にとって、どんなメリットが生まれたのかについては、次のように評価出来るのではないか。
イスラエルはアイアン・ドームが、極めて有効に機能することを確認でき、万が一イラン攻撃が起こった場合の、事前の対応策を検討する材料を得た。しかも、イスラエルはハマースのファジュル5ミサイルを、ほとんど破壊することに成功した。
ハマースは今回のガザ戦争を通じて、完全にPA(パレスチナ自治政府)から切り離された政治組織として、国際的に認知された。結果的に、ヨルダン川西岸地区でも、PA(パレスチナ自治政府)よりも、ハマースに対する評価が高まり、パレスチナ人の支持も増えた。
エジプトのモルシー大統領は、アメリカのオバマ大統領と緊密に連絡を取りながら、立派に調停者としての役割を果たしえた。結果的に、エジプトのムスリム同胞団が結成した、自由公正党は国際的にも、一定の評価を得た。
確かにその通りであろう。イスラエルはこれでイランが生産した、ミサイルの一つの性能を知ることが出来たし、対ミサイル防衛の技術を、向上させることが出来るだろう。
ハマースは今回の戦争を経て、完全にパレスチナの代表組織の一つになり、逆にPA(パレスチナ自治政府)は、パレスチナを代表する唯一の組織ではなくなった、ということであろう。そして、エジプトのモルシー大統領に対する、アメリカのオバマ大統領の評価は高まった。
メデタシメデタシということのようだが、必ずしもそうではない部分もある。イスラエルはテルアビブまでミサイル攻撃を受けた。つまり、アイアン・ドームは完璧には機能しなかったということだ。従って、将来レバノンのヘズブラやイランが攻撃してきた場合、どれだけ防御できるか疑問が沸いてくるし、そのことはイスラエル国民に、大きな不安を呼び起こしていよう。
ハマースについて言えば、イスラエル国民と政府はやがて、ガザからパレスチナ人を段階的に追放しなければならない、と思わせたことだ。先に述べたように、ガザのパレスチナ人は、将来シナイ半島に追放されるかもしれないのだ。
エジプトのモルシー大統領について言えば、ガザ戦争を機会に自信を持ちすぎたのであろうか、非常大権を発することにより、足元の国内で反対運動が拡大している。
物事には何でも裏と表、功と罪があるということであろ。
Posted by 佐々木 良昭 at 23:25 | この記事のURL
NO・2383『サウジアラビア変革への二つの兆候』 [2012年11月28日(Wed)]
サウジアラビアのアブドッラー国王が、危篤状態に陥っているという情報が、イランのプレス・テレビを通じて、流れ出している。アブドッラー国王は89歳と高齢であり、これまでも何度となく入院し、手術を受けてきていた。
アブドッラー国王は高齢であることから、心臓、肝臓、肺増などを患っていたようだ。今回も健康悪化に伴い、サウジアラビアの首都リヤドの病院で、集中治療を受けていた。
現段階では死亡が確認されたわけではないが、近い将来に、サウジアラビア政府が治療をあきらめ、死亡を発表するものと思われる。いまの段階は医療機械を駆使し、何とか生命を維持している、ということのようだ。
問題は、アブドッラー国王が死亡した後のことだ。以前からアブドッラー国王については、広く国民に愛されており、彼が国王の座にある限り、サウジアラビアでは政変は起きないだろう、と言われてきていた。
しかし、ほぼ近い将来の、国王の死亡が明らかになった今は、サウジアラビア国内で反王制の動きが、活発化するのではないかと思われる。後継者は述べるまでもなく、サルマン皇太子であろうが、彼に対する国民の支持が、どの程度なのか疑問がある。
アブドッラー国王の危篤情報が流れたからではあるまいが、首都リヤド市では受刑者の家族による釈放要請デモが、繰り広げられたという情報が、イランのプレス・テレビから流されている。
その情報によれば、アール・サウド刑務所に投獄されている、政治犯の家族を中心に、デモが行われたということのようだ。結果的に、デモは制止され子供6人、女性23人、男性が30人逮捕されたということだ。これらの逮捕者のほとんどは、多分受刑者の家族であろうと思われる。
このデモの前には、首都リヤド市の北部に位置する、ターイフ市でもデモが起こっている。このデモもリヤド市で起こったデモと同様に、受刑者釈放要請デモであったということだ。また、サウジアラビア各地で民主化要求デモや、女性の運転の権利を要求するデモも起こっている
これらとは趣旨は違うが、アルカテイーフ市を中心とする、サウジアラビア東部のシーア派地区では、差別撤廃要求などを中心とするデモが、何度となく繰り広げられてきている。
アブドッラー国王が死亡した場合、これらのサウジアラビア国内の不満が、一気に表面化することが、懸念されるのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:35 | この記事のURL
NO・2382『オバマ大統領はモルシー大統領を高く評価』 [2012年11月27日(Tue)]
 エジプトの各地では、モルシー大統領の発した、大統領大権とでも言うべき新法の発布に対し、独裁的だと非難する世俗派や、野党の人士が大衆を巻き込んで、大きな社会的うねりを、造りつつある。
このような混乱状況を、欧米はどう見ているのであろうか。なかでも、アメリカがどう見ているのか、ということが気になるが、それはエジプト国民も同じであろう、野党勢力はアメリカが彼らを支援するのか、モルシー政権を支援するのかで、エネルギーの量が全く変わることが、懸念されるからだ。
オバマ大統領はガザ戦争での、ハマースとイスラエルの停戦工作で、モルシー大統領が果たした役割を、高く評価しているということだ。モルシー大統領は何度かに渡って、オバマ大統領とこの問題を話し合い、結果的に、モルシー大統領は停戦実現に向けて、大きな役割を果たしている。
オバマ大統領はムバーラク大統領について、あまり高い評価をしていなかったようだ。それは、ムバーラク大統領が国民を代表していなかった、の一語に尽きよう。
しかし、モルシー大統領は選挙で過半数を獲得しており、その後の流れのなかでも、イスラムを重んじるエジプト国民の、厚い支持を受けている、と判断しているようだ。
モルシー大統領はかつて、アメリカで働いていた時期があり、そこで生まれた彼の子息は、アメリカ国籍を取得し、アメリカ国民になっていることも、オバマ大統領をしてモルシー大統領に対し、親しい感覚を持たせているのであろう。
オバマ大統領は再選されて、これから4年間、アメリカの大統領職に留まるわけだが、モルシー大統領を、中東における彼のパートナー、と決めたのかもしれない。
アラブとイスラエルとの和平問題で、モルシー大統領が有効な仲介者としての役割を、果たしてくれることを期待しているのであろう。彼の所属するムスリム同胞団は、今日に至ってなお、キャンプ・デービッド合意を遵守しているし、ガザ問題でも仲介と調停役割を、果たしてくれると期待しているようだ。
以前、オバマ大統領やヒラリー国務長官と親しい、ある外国の友人と話した時、『アメリカはムスリム同胞団に学習の時間を与えるだろう。温かく成長を見守るだろう。』と語っていた。最近のアメリカとエジプトの流れは、まさに彼が語った通りのようだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:23 | この記事のURL
NO・2381『エジプトの株価暴落という悪いニュース』 [2012年11月26日(Mon)]

      株価はその国の経済状態がいいか悪いかの、簡単な目安であろう。株価が上昇傾向にあれば、世界中の金持ちがその国の株を買い、下げがひどければ売り逃げる、というのが普通であろう。
11月25日にエジプトの株価は、金額にして46・8億ドル下げた。それは9・5パーセントに当たるということだ。
株価が暴落した理由は、モルシー大統領の大統領大権発表によるものだった。エジプト国内の投資家たちも、外国の投資家たちも、このモルシー大統領の独裁的とも呼べる、決定を嫌ったのであろう。
問題はこの株の大暴落した状態が、もし今後も続くのであれば、外国からエジプトに流入しているホット・マネーは一気に逃げ出すことになろう。そうなると、そうでなくとも少ない外貨準備が底をつき、エジプトは未曽有の経済困難に、直面することになろう。
エジプトはモルシー大統領やシャーテル氏(ムスリム同胞団の実質ナンバー・ワン)が、湾岸諸国を回り資金援助を申し込んだが、しかるべき成果を挙げていない。それは当然のことであろう、湾岸諸国はカタールを除き、エジプトのムスリム同胞団の動きを、警戒しているのだから。
チュニジアのナハダ党は、ムスリム同胞団の系列の団体であり、リビアの政治集団の中に占める、ムスリム同胞団の力は侮れない。エジプトではムバーラク体制が倒された後、権力を掌握したのはムスリム同胞団だ。
加えて、現在大混乱に陥っているシリアのなかで、最も力の強い組織は、ムスリム同胞団なのだ。また、不安定化が進んでいるヨルダンでも、反体制勢力の筆頭組織は、ムスリム同胞団なのだ。
モルシー大統領の権力掌握をめぐる決定が、エジプトの株式市場を混乱させ、株価の大暴落を生み出してしまった。結果的に株式市場に集まっていた資金は、投資家の懐に戻るか、あるいは外国に逃避することになろう。
そうなれば、体制はおのずから経済苦を主因とし、窮地に追い込まれていくことになろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:59 | この記事のURL
NO・2380『ヘズブラがミサイル1000発をテルアビブに降らせると警告』 [2012年11月26日(Mon)]
 レバノンのヘズブラの代表ナスラッラー師が、イスラエルに対して、極めて危険な警告を発した。もし、イスラエルがレバノンに攻撃を加えるようなことがあれば、1000発のミサイルをイスラエルのテルアビブ市に降らせる、と言ったのだ。
レバノンのヘズブラとイスラエルとの間では、2006年に戦争が起こり、ヘズブラとレバノンは相当の被害をこうむった。しかし、同時にイスラエル側も、アラブ・イスラエル戦争で経験をしたことのない、大被害をこうむっている。
このため、レバノン戦争後に語られたのは、精神的なイスラエル側の敗北だった。イスラエルの高官たちは軍の幹部も含め、誰もがこの戦争の結果について、責任を取ろうとしなかった。
ゲリラ戦が正規軍に勝てる、という見本のような戦争になったわけだが、今回のガザ戦争でも同じことが、言えるのではないか。ガザに対してイスラエルは徹底的な空爆作戦を行ったが、ガザ側はその被害について、歯牙にもかけていないのだ。
他方、イスラエル側は莫大な資金を投入して構築した、アイアン・ドームと呼ばれる対ミサイル防御システムが、完ぺきではなかった。イスラエルの南部だけではなく、ガザから発射されたミサイルは、テルアビブ市やエルサレム市にまで到達していたのだ。
そうした流れの中で、ヘズブラのナスラッラー師は強気の発言を行ったわけだが、その裏には2006年当時とは全く異なる、進歩したミサイルを多数入手していることもあろう。2006年の戦争当時は、イスラエルの北辺の街がミサイル攻撃の対象となった。
いまでは飛距離の長いミサイルをヘズブラは入手しており、テルアビブでももっと南のデモナの原発でも、攻撃できるようになっているのだ。しかも、そのミサイルの数は相当量、増えていると言われている。
ガザのパレスチナ勢力のミサイルが、テルアビブ、エルサレムまで届いたのは、イランが製造したファジュル5ミサイルを、入手していたからであろう、と言われている。
このことについて、ガザのハマースは否定し、技術はイランから提供され、自分たちで製造したと言っているが、ジハード・イスラーミー組織はファジュル5ミサイルそのものを、イランから受け取っていたと語っている。
イスラエルはいま、南にはガザのハマースという敵を抱え、北にはヘズブラという敵を抱えることになった。しかも、この二つの組織は戦闘意欲満々なのだ。加えて、ヨルダン川西岸地区の穏健派パレスチナ人の間にも、イスラエルと戦いたいという欲求が、高まってきている。イスラエルの危険度は、日に日に高まっているということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:56 | この記事のURL
NO。2379『サウジアラビアの労働事情』 [2012年11月25日(Sun)]
『サウジアラビアの労働事情』
 サウジアラビアは大分前から、外国人従業員を大量に雇い入れてきていた。70年代の初期には、英語を話し仕事が出来る、インド人やパキスタン人が多く、それと並んで、アラブ人で英語が話せる者が、重用されてきていた。
以後、石油価格の値上がりから、サウジアラビアを始めとする湾岸産油諸国は、経済発展を遂げることになるが、建設部門や一般商店でも、外人従業員が必要となっていった。
結果的に、サウジアラビアでは現在、840万人の外人が仕事に従事している。彼らは長期滞在組が多く、企業のオーナーたちはほとんど、この外人スタッフに仕事を任せていて、も安心切できる状態になっているのだ。
問題はこの840万人の外人従業員の反対側には、仕事に就けないサウジアラビア国民が、いるということだ。最近になって、サウジアラビア政府によって発表されたデータによれば、448000人のサウジアラビア国民が仕事を求めているが、就職できないでいるということだ。
そうなると、サウジアラビア国内では外人従業員を解雇して、自国民に就職の機会を増やすべきだ、という意見が出てくるのだが、そう簡単にはいかない事情がある。ここで忘れてならないのは、外人従業員に出来て、サウジアラビア国民には出来ない仕事が、沢山あるからだ。
細かい貿易の書類作成や、物品の管理、機械の修理などは、サウジアラビア国民には出来ないことが多い。それと時間厳守で一定の仕事をこなすこと、も要求されよう。そうなると、その仕事に従事することが出来る、サウジアラビア国民は少ないということになる。
加えて、外国人従業員に支払う給料と比べて、サウジアラビアの従業員に対して支払う給与や、社会保障費は大幅に高いものになろう。
サウジアラビア政府はこれまで、サウジアラビアで操業する外国企業に対し、外国人の人数に対して、一定の人数のサウジアラビア国民を、従業員として受け入れるよう法律で定めてきた。しかし、そこにはいくらでも、抜け穴があるということだ。
加えて、サウジアラビア国民男子は、民間企業よりも政府の仕事に就く事を希望する。その方が休暇や給与、社会保障面で、絶対的に有利だからだ。女性については、多くの人たちが教育の仕事に就く事を、希望しているということだ。この場合もほとんどが国立の学校であり、国家公務員ということになろう。
サウジアラビア国民の間では、未だに仕事の厳しさや、まじめに取り組む必要があることを、正しく理解している人が少ない、ということではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 21:52 | この記事のURL
NO・2378『ムスリム同胞団の誤算とエジプトの今後』 [2012年11月25日(Sun)]
1月23日は金曜日だった。この夜、カイロのタハリール広場(解放広場)には、何万人(何十万人?)もの人たちが集った。彼らはムスリム同胞団出身の、モルシー大統領を批判したのだ。
金曜日はイスラム教徒が、モスクで集団礼拝する日であり、これまでも大きな集会やデモが、金曜日によく行われてきている。この日の夕方から夜にかけて、タハリール広場で行われた集会は、いわばイスラム世界の定番集会、ということであったろう。
続く土曜日にも、同様の大規模集会がタハリール広場で行われ、大衆がそのままタハリール広場に留まり続けるなら、体制側にとっては極めて危険な兆候であったろう。しかし、土曜日にはそうはならなかった。
土曜日には反体制派の人たちによって、二つの集会が開かれていたためであろうか。一つはモルシー大統領によって更迭され、居残りそして最終的に更迭された、アブドルマギード・マハムード検事総長を中心とした、裁判官や検事たち司法関係者の、主催によるものであった。彼らはモルシー大統領が発した、大統領非常大権とでも言うべき、決定を非難していた。
他方、政治家たちも集会を開き、元アラブ連盟事務総長のアムルムーサ氏、IAEAのムハンマドエルバラダイ氏、サッバーヒ氏、アブルファットーフ氏など大統領選挙に名を連ねた人たちが集り、モルシー大統領との交渉拒否と、モルシー大統領に反対する国民戦線を、結成することを決定した。
さて、エジプトでは二つの反政府行動が、同日に始まったわけだが、当然のことながら、この二つの政治の流れは一体化し、反モルシー行動は高まっていくものと思われる。そうなると、実際の行動を起こす若者層が、どう動くかということが、今後の方向を決めるのではないか。
モルシー大統領支持派も、11月27日の火曜日に支持集会を開くと発表し、その前哨戦とでも言うべき集会を、日曜日にも計画しているようだ。それがどれだけの盛り上がりを示すのか、それに反政府側がどう反応するのか、予断を許さない状況だ。
何故こうエジプトの状況は、逆方向へ変化したのであろうか。それは何よりもムスリム同胞団の、経験不足によるのではないかと思われる。彼らは秘密組織として、何十年も活動してきていた。幹部は外部の人たちとの緊密な関係を、持つことがほとんど無かったのであろう。
ムスリム同胞団の幹部が訪問した経験のある外国は、せいぜいムスリム同胞団に対して、好意的な立場を採っている、アラブの王制諸国などであったろう。そうした状態に長期間に渡って生活してきた、ムスリム同胞団幹部には世俗的な常識は、無いのではないか。
権力の掌握、ガザ戦争の停戦仲介成功、オバマ大統領とモルシー大統領の直接電話会談、、、。少し自信を持ちすぎたのと、弾圧を受けた時代のトラウマが、ムスリム同胞団とモルシー大統領に、今回の誤算を生み出させたのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:40 | この記事のURL
NO・2377『モルシーの決定がエジプト第二革命に繋がる危険』 [2012年11月23日(Fri)]
ガザ戦争停戦の成功で、心が緩んだのであろうか。あるいは自信を持ち過ぎたのであろうか。エジプトではモルシー大統領の決定に、反発する大衆運動が、盛り上がり始めている。
前項でもご報告したように、世俗派の人士はモルシー大統領が、国民の大統領ではなく、ムスリム同胞団の大統領になった、現代のファラオになった、と非難している。大統領の決定を覆すことは誰にもできない、と言われれば当然のことであろう。
エジプトの反モルシー派は『革命は自由のために起こされ、多くの人が死傷している。現状ではムバーラク時代への逆行だ。』と叫び始め、ムスリム同胞団体制の打倒を、声高に叫び始めている。
キリスト教徒の多いアレキサンドリア、ポートサイド市だけではなく、ムスリム同胞団発祥の地であるイスマイリヤ市でも、ムスリム同胞団の事務所が、放火されている。
今回の反政府の動きが継続し、体制打倒を再度繰り返すのか否かについては、判断は尚早であろう。しかし、こうした大衆行動に対する対応に、ムスリム同胞団は経験が無い。しかも、警察や軍隊も給与が半分しか出ていない。
著名人が参加していることや、若者がやっと腰を挙げたことを考えると、危険な状況になるかもしれない。もう少し注意して様子を見たい。
Posted by 佐々木 良昭 at 22:22 | この記事のURL
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