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NO・2334『現地で聞くモルシー大統領評は最低』 [2012年09月30日(Sun)]

日本では貧民救済などの慈善活動をしている、穏健派イスラム原理主義のムスリム同胞団、政治面では民主的なイメージで捉えられているが、現地で種々の人たちの話を聞いてみると、まるで違うようだ。
まず驚くのは、大衆が公然と大きな声で、モルシー大統領を非難しているということだ。友人たちが何人か集ると、決まってモルシー批判が飛び交うことだ。誰も遠慮をしていないことが、その場にいれば分かろう。
友人の一人が教えてくれたのは、モルシー大統領がテレビ番組に出演したところ、女性アナウンサーが『コマーシャルの時間です黙って。』とモルシー大統領の発言を、さえぎったというのだ。ムバーラク大統領だったら、そんなことを誰もしなかった。一定の礼儀を守って、対応していたと語っていた。
モルシー大統領は大統領選挙で、ほぼ半数を対抗馬のシャフィーク氏が取ったことも、脳裏に刻み込まれているのではないか。つまり、エジプト国民の半数が反モルシーだったということだ。
そればかりか、最近では大統領決選投票で、ムスリム同胞団が投票用紙を、選挙委員会の関係者から買い、600万票投票したということが語られている。そうでなければ、2600万票という投票数は、ありえなかったというのだ。
第一回の選挙で敗れた立候補者たちの支持者たちは、二回目の決選投票に行かない人が多いだろう。現実に決選投票の日、投票所はがらがらだったというのだ。
しかも、テレビでは最終日の夕方になって、まだ投票率は40パーセントにしかなっていないので、投票するようにと呼びかけていたというのだ。こうしたことを踏まえ、友人はモルシー氏の当選は、捏造されたものだと語っていた。
モルシー大統領の国連初演説も、相当酷い内容のようだった。見かねたビル・クリントン氏が助言したという話もあるし、国連に出席していたトルコの友人は『あれは大統領の演説ではない。』と極評していた。
ムスリム同胞団内部でも、痺れを切らし始めている幹部が多数いるようで、モルシー大統領批判がムスリム同胞団内部からも、漏れ始めているということだ。これに業を煮やしているのは、最初にムスリム同胞団が大統領に立候補させ、選挙管理委員会が立候補を認めなかったシャーテル氏だ。
シャーテル氏のムスリム同胞団内部の序列が、モルシー大統領よりも上であることから、彼の下で首相になることを拒否したようだが、今後は引き受けるかもしれない。それはトルコの大統領と首相との関係と同じ様に、首相が主導権を握るという、前提ではないのか。エジプトの政治は、これからが興味深い。
Posted by 佐々木 良昭 at 22:09 | この記事のURL
NO・2333『帰国してブログ相変わらず・中東は血の海』 [2012年09月30日(Sun)]

帰国すると、まずコンピューターのスイッチを入れ、届いているメールに返事を書き、次いで中東のブログを見るのが、お決まりのパターンだ。現地でもニュースは追いかけているが、見落としや聞き落としがある、可能性があるからだ。
今回もその通りの行動となったが、出張前とあまり変わり映えのしない、ニュースが並んでいた。イラクでの爆弾テロで何十人死亡。シリアの内戦が激化し死傷者多数で難民増加。
こうした日々のニュースを見ていて何時も思うのは、何故そうなっているのか、ということを書く人が世界的に、非常に少なくなっているのではないだろうかということだ。その原因には無知、出来事を深く考えない、責任逃れ、保身などいろいろあろう。
日本のジャーナリストの場合は、多分に保身と無知ではないかと思われる。特派員の任期が短く、帰国後には関係のない部署に、回される場合が多い。従って、長期にわたって一定の地域をカバーしている、専門家の要素と能力を持つ、ジャーナリストが育たないということも原因していよう。
外交官もしかりではないだろうか?専門職で入った人たちは、一定地域をカバーしているが、彼らの知識や判断はいまだに、軽んじられる傾向があるようだ。例外は今度アフガニスタンの大使になった高橋博史氏のケースであろう。
国際関係は外交上の文書の法的な正確さと、緻密さが問われるが、それはその専門の部署を設ければいいだろう。通常の外交活動は、人間性と広い知識で、相手を魅了することが、肝心ではないのか。
日本人は外交官も含め、笑顔を忘れてしまっているようだ。笑顔が相手に与えるイメージは、実に貴重なものなのだ。その笑顔を通して、相手との距離を一歩近づけ、相手の考えや感情を、理解すべきではないのか。
中東で繰り広げられている悲惨な状況を、数字で捉えるのは間違いではないか。そこにはそこの人たちの感情、怒り、悲しみ、悲惨が存在するのだ。それを無視した報道は、実は事実を伝えていないということであろう。
世界のジャーナリストが、あまり読みたい記事を書かなくなっているのは、コンピューターの普及にも、原因があるのではないかと思われる。コンピューターにさえ向かっていれば、世界の情報が伝わってくる、と錯覚するからだ。
米軍のパイロットがイラクを空爆するとき、それはモニターを通してやるために、ゲーム・マシンの前に座っている感覚でしか、なかったのだろうと思う。しかし、彼らが空爆した地上には、何千何万人の人たちが住んでいて、彼らが空爆によって死傷していたのだから。
いま最も大事なことは、現地に足を運ぶジャーナリストを生み出す、社会的職場的雰囲気を、育てることではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 16:07 | この記事のURL
NO・2332『まんざら嘘ではなさそうなシリアに関する話』 [2012年09月30日(Sun)]

 9月23日からエジプトのカイロを訪問した。荷物を開いてシャワーを浴びていると、電話が鳴った。親しい友人がロビーで、待っているとのことだ。彼はカタールのドーハにいるはずなのに、何故いまカイロにとうれしい気持ちになった。
彼の名はザカリアで55歳、インテリだがどうも武士の商法か、金儲けには向かないらしい。それでも彼の才能が助けて、生活に困っているわけではない。結構地道な慈善活動をしている。例えばカタールに出稼ぎに行っている彼の仲間から金を集め、カイロでモスクや学校を建て、加えて生活に困っている人のための、炊き出しなどもやっている。
彼が今回語ってくれたのは、シリアの海底ガスの話だった。地中海に面しているシリアには、海底ガスが膨大な量あるというのだ。そのために、欧米がシリアの革命を、支援していると語っていた。
この話はまんざら嘘ではあるまい。以前、イスラエルが地中海に面した領海地区を、膨大なガスがあるとしてレバノンの領海まで、自国の領海を拡大して、掘削する動きに出ている。
つまり、地中海の海底ガスはレバノンからシリアにかけての方が、多く埋蔵されているということではないか。そして、トルコとキプロスの間にも、海底ガスはあると発表されている。もちろん、ガスはガザ沖の海底にも、埋蔵されているのだ。
極めて単純な判断になるが、それならば欧米がシリアの反体制派を支援し、アフガニスタンやリビアなどから義勇兵(ギャング)を送り込んでも、何の不思議も無いということになる。
ご存知の通り、ヨーロッパのジャーナリストたちや、国境なき医師団のメンバーは、シリアの内戦で負傷を負っている、反政府派の戦闘員の半数以上が、外国人だと報告している。彼らは虐殺やレイプを、シリアでやりたい放題やっている、という報告もある。
以前、私はシリア内戦が勃発したのは、中央アジアやイラン、イラクや湾岸諸国の石油ガスを、シリア経由で欧米に送るために、パイプライン・ルートを確保することが目的だと述べてきた。
いまでもその仮説は、間違っていないと思っている。そうしなければ、トルコがエネルギーの輸送の中心になり、それはヨーロッパ諸国にとって、極めて不愉快な状況になるからだ。
今回カイロで聞いてきた話は、事実ではないか。そのことは、いまだにガスや石油が、世界のイニシャチブを握る上で、決定的な要素になっていることを示している。石化エネルギー依存の時代は終わった、というのは空絵事でしかないということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:27 | この記事のURL
帰国報告 [2012年09月29日(Sat)]

予定通り9月29日に帰国しました。
後で知ったのですが一日遅れていたら大変だったようです。
エジプトは大混乱のさなか、国境すら変わろうとしていました。
あまりショックが大きくならないように分割して書いていきます。
Posted by 佐々木 良昭 at 22:25 | この記事のURL
NO・2331『預言者映画への抗議デモと賢明なイスラム学者の発言』 [2012年09月22日(Sat)]
         
  
 イスラム教の元祖預言者ムハンマドを、中傷する内容の映画が、アメリカで製作された。この映画のごく一部を見たが、決して普通の(まともな)映画とは思えない。
私に言わせればその出来栄えは、4流のエロ映画のレベルでしかないのではないか、と思われるのだが、世界中のイスラム教徒にとっては、極めて不愉快なものとなったようだ。
このため、世界中のイスラム教徒によって、この映画に対する抗議デモが行われ、いまだに続いているが、考えようによっては、デモを行うことにより、この映画が預言者ムハンマドを中傷するものだ、とイスラム教徒自身が認めていることに、なるのではないのか。
この映画に対する抗議デモで、既にイスラム諸国のなかから、死者や負傷者が出ている、というニュースが伝わってきている。デモ隊に対する発砲でパキスタンでは16人が死亡したということだし、ほかの国でも死者が出ているのだ。そのニュースにほくそ笑んでいるのは、イスラムの敵側の人士たちであろう。
『イスラム教とは野蛮だ』『イスラム教徒たち同士が殺し合いをしている』といった風に、受け止めているのであろう。そのことは、イスラムを敵とみなしている人たちにとっては、彼らの側に賛同者を得ることにも繋がろう。
確かにイスラム教徒にとっては、極めて不愉快なことではあろうが、敢えてこの映画を無視する姿勢の方が、正しいのではないかと思われる。そこで問われるのは、イスラム学者や指導者たちの判断と発言だ。
これまで目に留まったのは、トルコ人のファタハッラー・ギュレン氏の発言と、サウジアラビアのムフテイであるシェイク・アブドルアジーズ・アールシェイク師の発言だ。二人は過剰なイスラム教徒の映画への反発を、自制するよう呼びかけている。
 しかし、イランやその他の国のイスラム学者たちは、大衆の怒りの炎に、油を注いでいるのではないか。結果的にイスラム教徒がイスラム教徒殺傷し、建物が破壊されることになる。それがイスラム教徒に何のプラスを、もたらすというのか。
 世界がいま混乱の度を増している中で、問われるのは賢者たちの、大衆に対する良導であろう。イスラム世界で起こった、アメリカ製の安手のエロ映画反対デモばかりではない。領土問題への抗議デモもしかりであろう。
 混乱はこれから世界中で、ますますその度合いを強めていこうが、だからこそ、冷静な判断と対応が求められるのだ。大衆の興奮を煽るような言動を、国をリードする立場の人間が行うようでは、その国は4流国ということになろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:21 | この記事のURL
NO・2330『あるシリア人女子留学生の話』 [2012年09月22日(Sat)]
いま世界中に日本のアニメフアンがいる。その人たちは幼児期から子供の頃にかけて、日本のアニメ・テレビ番組を見て育っているのだ。優しく可愛い、日本のアニメのキャラクターが、大好きなのだ。
そのため大きくなってから、アニメの勉強に日本に行きたい、と思う人は少なくない。憧れの日本に行って日本語を勉強し、次いでアニメの勉強をして帰国し、沢山のアニメ番組を自分でも作りたいと思うのだ。
数日前に新宿のボスポラス・ハサンという、トルコ・レストランに招待した人もその一人だった。日本のホスト・ファミリーと私の友人の女性カメラマンと本人、そして私を含めて5人の会食となった。
彼女はシリアの大学で、挿絵や漫画のキャラクターなどの絵を描くことを、勉強していたようだ。政治の話が優先して、あまり個人的な話しは聞かなかった。シリアがいま内戦状態になっており、ダマスカスには彼女の家族がいるのだから、今後彼女はどうするか、という問題の方が優先したのだ。
実際のところ、彼女には一日も早くシリアに帰国して、家族と共に暮らした方がいいとも思えるし、シリアは危険だから日本に残るべきだとも考えられる。そのいずれもが正解であり、同時に不正解なのだ。
彼女がもし留学を続けるとすれば、アルバイトをしなければなるまい。シリアからのお金の持ち出しには、制限があったからだ。そうかと言っても、考えられるアルバイトは、語学学校の講師か、アラビア語の翻訳の仕事であろう。
それも今ではそう高いお金は貰えないだろう。語学学校の仕事が見つかっても、何校かで掛け持ちで教えなければ、生活費は稼げないのではないか。
他方、文部省の奨学金を貰って、留学している学生の中には、アルバイトが本業になり、奨学金を貰ってはいるが、まじめに勉強していない留学生も、少なくない。博士課程でドクターを取れていないといって、奨学金を貰い続けているのだ。
ホスト・ファミリーは来年から、アフリカに技術指導に出かけることになっているため、彼女は孤独な立場におかれることになるし、支援をしてくれる人もいなくなる。
シリア人の女性は来年どうするのだろうか?豊かな日本に来たというのに、援助してくれる人も見つからず、戦争状態のシリアに帰国するのだろうか。あるいは当分の間、日本でひもじい生活をしていくのだろうか。
それより先に、もし帰国を決断したとしても、彼女はいまシリアに、無事帰国できるのだろうか。そしてその後、安全に暮らしていけるのだろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 00:12 | この記事のURL
海外出張のお知らせ [2012年09月21日(Fri)]
9月22日から29日までエジプトに出張してきます。
既に何回か中東TODAY でお伝えしたように、ムスリム同胞団のモルシー政権はいろんな問題を、抱え込んだままの状態になっています。
これが今後どうなっていくのか、現地の友人たちの意見を聞いて来るつもりです。エジプトはアラブのかなめの国ですから、同国の動向は極めて重要です。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:49 | この記事のURL
NO・2329『内外共に芳しくないモルシー政権』 [2012年09月21日(Fri)]
 エジプトのムスリム同胞団員であるモルシー氏が、大統領に就任してからそろそろ100日という、蜜月が終わろうとしている。その間に彼は何を国民に、応えたのだろうか。
最近になっても、どうも芳しい情報は伝わってこない。彼が就任後最初に行った中国訪問は、どれだけの成果を挙げたのであろうか。口約束の企業進出や資金援助は、実行されなければ絵に描いた餅だ。
湾岸諸国歴訪も同じであろう。ある程度の援助は手に入れたものの、これも期待しただけの援助を、取り付けてはいない。結局のところモルシー大統領は、くたびれ儲けだったのであろうか。
IMFからの借り入れを48億ドルにする、と言い出しているが、これは1・1パーセントの利子と、数種の条件が付いていること、そして4年後には返済という、厳しい条件付きであり、エジプト国内では評判がよくない。第一、利子が付く借り入れは、イスラム法を遵守するムスリム同胞団政権の、やることではないだろう。
そうしたこともあってか、エジプト・ポンドは下落し続けている。以前は1ドルに対して5~5・5エジプト・ポンドだったものが、最近では6ポンドに達し、近い将来、7ポンドを超えるのではないかといわれている。
それは、エジプトの暗い経済見通しが、影響しているのであろう。そうなれば、外国からの借入、外国企業の投資が減少し、輸入の決済が大変なことになろう。エジプト国民はパンが手に入らないということも、まんざら嘘ではなくなろう。
こうした国内状況を反映し、最近では野党側が元気づいてきている。大統領選挙で敗北したシャフィーク氏は、亡命先から新党の結成を宣言しているし、それ以外の世俗政党のアイマン・ヌール氏なども、新党を結成する動きを活発化させている。
元国会議員のなかには、現在のモルシー大統領体制の方が、ムバーラク体制よりも傲慢だ、とも批判しているし、ムスリム同胞団内部からも、モルシー大統領は何の相談もせずに、単独であらゆることを決定している、という非難が出ている。
モルシー大統領という人物は、あまり運がよくないのかもしれない、先日起こったアメリカ大使館襲撃事件では、対応を間違えたために、オバマ大統領から厳しい批判を受けている。
その挽回を願い、モルシー大統領はオバマ大統領との会談を、希望していたようだが、現段階では『NO』という冷たい返事が、返ってきているということだ。そうなると、アメリカ・エジプトの関係改善は、当分期待できないということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:16 | この記事のURL
NO・2328『シリアは和平と逆な兵器の集結場所に変貌』 [2012年09月20日(Thu)]
 播国連事務総長はシリア問題が、軍事対立で解消することはありえないと語り、政治的な交渉でこそ解決すべきだ、という考えを披歴した。しかし、世界各国の対応は、それとは裏腹なようだ。
ロシアは西側諸国が大量の兵器を、シリアの反体制側に送りつけている、と非難しているし、西側諸国はイランがイラク経由で、大量の兵器と軍人をシリアに送り込んでいる、と非難している。
当事国であるシリア政府は、播国連事務総長の意見とは異なり、断固として外国(西側諸国)による、シリア問題への介入を、拒否する姿勢を保っている。それは、西側諸国による中東地域全体に対する、独裁的支配の一歩だ、とも語っている。
シリアの反体制派を支援しているカタールはと言えば、シリアのバッシャール・アサド大統領に対し、一日も早い降参を勧めている。それは、サウジアラビアも同じであろう、サウジアラビアもカタールと並んで、シリアの反体制側を、支援している国だからだ。
他方、そうした各国の意向とは全く別の動きが、シリアでは展開されている。それは義勇軍やジハーデストという名で、シリアの戦闘に参加している輩が、人質を取り、釈放の見返りとして巨額の身代金を、巻き上げることが容易であり、流行しているということだ。
シリアでは崇高な独裁者に対する戦いに加え、単に虐殺を好む異常者たちの、虐殺が自由に行える場所、あるいはレイプを、やりたい放題やれる場所、人質の身代金が取れる場所にも、変わっているのだ。
ロシアや西側諸国が非難を繰り返すように、シリアにイランや西側諸国から、大量の武器や資金が流れ込んでいるのであれば、ここ当分の間は、戦闘が激化することはあっても、沈静化することはありえまい。
やがてシリアにも秋が訪れ、そして冬が来よう。難民受け入れ諸国は難民に対する支援疲れが始まろう。そのことは難民と受け入れ国の人たちの間に、ちょっとしたトラブルから、殺し合いが起こることも十分にあり得よう。
そう考えると、一日でも早い事態の鎮静化をと望むのだが、それは希望でしかなさそうだ。時間の経過は解決への糸口を見出すのではなく、犠牲者の数を、増やしていくだけであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:52 | この記事のURL
NO・2327『不安なサウジアラビアの近未来』 [2012年09月19日(Wed)]
 サウジアラビアの20歳以下の人口は60パーセント、サウジアラビアの40%の人口は貧困層、サウジの人口の70パーセントは自宅を持てない、サウジの労働人口の90パーセントは外国人、サウジアラビアの20~24歳は40%が無職、サウジア選びあの女性は能力があっても就職できない。
これらはつい最近、アメリカのジャーナリストが羅列した、サウジアラビアの実情だ。この現状は他方でサウジアラビア王家の後継問題に、影響を与えてくるということであろう。
アブドッラー国王は1カ月ほど前に、サウジアラビアを離れたが、行き先を明かさなかった。当時国王はアラブのある国を訪問した後、アメリカに病気の治療に行ったのであろう、という噂が流れていた。
 90歳に近いアブドッラー国王は、以前から病気がちであり、何度となくアメリカで治療を受けていることから、あるいは今回の外国行きが、最後ではないかという噂も流れていた。
そうなってくると、俄然サウジアラビア内外で話題になるのが後継者問題だ。現在のサルマン皇太子も76歳と高齢であり、しかも病気がちだと言われている。そうなると、もしアブドッラー国王が死亡した場合、皇太子が国王に就任することになるが、彼の王位もどこまで持ちこたえるか、分からないということになろう。
サウジアラビアの国王にはこれまで、初代のアブドルアジーズ国王の、実子たちが就任してきたが、彼らは皆高齢であり、第二世代だけでは回しきれなくなろう。そうなると、第三世代にという話が当然出てくることになるが、これは極めて難しい選択となろう。
アブドッラー国王が設定した、王位継承の諮問会議はあるが、彼が死亡した後に、それが機能するか否かは不明だ。そうなると王位継承をめぐって、これまでくすぶっていた、サウジアラビアの国内問題が、一気に表面に吹き出してくる可能性があろう。
サウジアラビア王家は今まで、石油収入、ワハビー派、王族という三つの要素で成り立ってきたが、ワハビー派の内部に分裂が起こっているし、石油収入はピークを過ぎ、国内消費の割合が増え、近い将来輸出不可能となるだろう、と石油業界では予測されている。
残る王族内部にも問題がある。王子たちは複数の妻を娶り、子供が増えているため、王子と呼ばれる人たちの数が、7000人を超えているというのだ。そのなかには高学歴と、見識を持つ者もいようし、現在の王制に不満を抱いている者もいよう。
そこから王室内部の争いが始まり、宮廷革命も起こる可能性があろう。王位継承がこれまでどおりでは、受け入れられなくなり、第三世代へのバトンタッチとなれば、新たな対立の芽が出てくるということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:37 | この記事のURL
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